夫婦の絆とは?愛と信頼を深める状況別20の方法
生まれも育ちも違う2人を結びつけるのが夫婦の絆です。ただ、この結びつきは強そうで意外ともろく、手をかけないままだと少しずつほどけていきます。愛を誓った2人でも、長く人生を共にする夫婦もいれば、数年で別々の道を選ぶ夫婦もいて、先のことは誰にもわかりません。
言い換えると、夫婦の絆は放っておいて続くものではないということです。とはいえ毎日特別なことをする必要はありません。大切なのは、いまの2人の状況に合った関わり方を選ぶこと。ここでは新婚期から子育て期、子どもの巣立ち後、同居や単身赴任、共働きまで、状況別に20の習慣を、そのまま使える声かけ例や先輩ママの体験とあわせて具体的に紹介します。気になる時期から読んで、自分の家庭に合うものを2つ3つ試すところから始めてみてください。
そもそも夫婦の絆って一体何?
絆とは人と人とを結びつける愛情や縁のことで、家族の絆、友情の絆などさまざまな形があります。なかでも特別なのが夫婦の絆です。一定の年齢になると私たちは自ら相手を探し、たった一人とこの絆を結びます。友情の絆は切ろうと思えば絶ち切れますが、夫婦の絆はそう単純にはいきません。
一組の夫婦が結んだ絆は、一緒に暮らし家族が増えることで縁を広げ、本人同士の熱が冷めても何らかの形で残るという不思議な特徴があります。切りたくても切れず、努力しないと深まらないのが夫婦の絆です。手間も労力もかかるからこそ、意識して守る価値があります。
ここで覚えておきたいのは、絆を深める関わり方は「夫婦がいまどんな時期にいるか」で変わるということです。新婚期に効く工夫と、子育て真っ最中に効く工夫、巣立ち後に効く工夫は別物です。だからこそ、この記事では時期と状況ごとに分けて紹介していきます。
新婚夫婦の絆を深める方法
夫婦の絆は、出会って恋に落ちればあっという間に結べます。新婚期はその絆を育てていく、一番楽しい時期です。ところが、この最良の時期でさえすれ違う夫婦がいます。理由はシンプルで、新婚はまだお互いを十分に知らないから。良い面だけでなく、相手の苦手な部分も少しずつ受け止めていくのがこの時期の課題です。距離感を大事にしながら、次の4つを意識してみましょう。
1尽くし過ぎず、相手を褒めましょう
新婚期は、つい相手に尽くし過ぎてしまうことがあります。気持ちはうれしいものですが、長い結婚生活では、この尽くし過ぎが「やってもらって当たり前」という空気を生み、後々の火種になることがあります。たとえば出産後は生活リズムも気持ちの余裕も大きく変わり、それまでのように相手の世話を焼けなくなります。そのギャップにお互いが戸惑い、すれ違いが続いて産後クライシスと呼ばれる状態に近づく夫婦も少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、新婚のうちから「やってもらう関係」ではなく「お互いに動いて、褒め合う関係」を作っておくことです。子育ての現場では、新婚期に褒め合う習慣がある夫婦ほど、産後や育児のしんどい時期に自然と協力し合えています。やり方は難しくありません。相手が何かしてくれたら、結果ではなく行動に目を向けて声をかけます。
| つい言いがちな一言 | 絆が深まる言い換え |
|---|---|
| これくらい普通でしょ | 気づいてやってくれて助かった |
| やり方が違う、こうして | やってくれてありがとう、次はここだけお願いできる? |
| (何も言わない) | あなたがいると安心する |
褒められた相手は「自分はこの家にとって必要な存在だ」と感じ、家庭が自分の居場所になります。お互いがそう思えたとき、絆は自然と深まっていきます。
2相手の家族に対する悪口はやめましょう
新婚期は、お互いの家族や親族との付き合いが始まったばかりの時期です。気に入らないことがあっても、相手の家族そのものを否定する言い方は避けましょう。パートナーにとって親やきょうだいは、長く一緒に生きてきた大切な家族です。その家族を批判されると、自分自身を否定されたように感じてしまいます。
とはいえ、義実家への困りごとを我慢し続けるのも違います。ポイントは「人」を責めず「困っている事実」を主語にすること。たとえば「お義母さんって本当に無神経だよね」ではなく、「急な連絡なしの訪問が続くと予定が立てづらくて困っているんだ。次からは前日に連絡をもらえるよう、あなたから伝えてもらえる?」と、行動ベースで相談します。窓口は必ずその家族の実子側が担うのが鉄則です。妻が義母に直接言うより、夫から伝えてもらうほうが角が立ちません。家族への敬意を保ったまま困りごとだけを解決できれば、夫婦の絆にひびは入りません。
3相手を心から信じましょう
新婚期はお互いの愛情が深いぶん、ちょっとした疑いや行き違いで愛情が不信に変わりやすい時期でもあります。一緒に暮らし始めると生活パターンの食い違いも出てきますが、ここで相手を疑い始めるとキリがありません。まずは相手を信じる前提に立つことが、絆を強く育てる土台になります。
信頼は「相手を信じる」だけでは片手落ちで、「自分が信じてもらえる行動をする」ことの両輪で育ちます。嘘をつかない、小さな約束ほど守る、帰りが遅くなるなら一言入れる。こうした積み重ねが信頼貯金になります。子育ての現場でよく聞くのが、「新婚のうちに連絡の習慣をつけておいたら、産後に夫が遅くなる日も不安にならなかった」という声です。疑いが生まれそうになったら問い詰める前に、「心配だったから状況を教えてほしい」と素直に伝える形にしておくと、信頼は崩れにくくなります。
4相手をコントロールすることはやめましょう
夫婦になりたての頃は愛情が強いぶん、相手を自分の一部のように感じてしまいがちです。けれどパートナーは自分とは違う、独立したひとりの人間です。行動を細かく管理したり、自分の思いどおりに動かそうとしたりするのはやめましょう。
どんなに愛している相手でも、束縛されたり理不尽な要求を突きつけられたりするのは苦痛です。意見を押しつけて従わせるより、相手の考えを引き出して尊重するほうが、結果的に相手の愛情は深まります。具体的には「こうして」と命令する代わりに、「あなたはどうしたい?」と聞く癖をつけること。休日の過ごし方やお金の使い方など、価値観が分かれやすいテーマほど、まず相手の希望を聞いてからすり合わせます。違いが見えても「そういう考え方もあるね」と一度受け止めるだけで、相手は「尊重されている」と感じ、絆はむしろ強くなります。
赤ちゃんを子育て中の夫婦の絆を深める方法
二人きりだった生活も、赤ちゃんの誕生でライフスタイルが一変します。どんなに待ち望んだ赤ちゃんでも、睡眠も自由時間も削られれば、ときに不自由さを感じるのは自然なことです。この時期は、子育ての苦労をどちらかに偏らせず、お互いに分かち合って癒し合うことが何より大切です。次の3つを意識してみましょう。
1感謝の気持ちを言葉にしましょう
子育ては夫婦の協力なしには回りません。協力し合えば自然と絆は深まりますが、その反面、自分のがんばりを気づいてもらえないと不満がたまり、関係が冷えていきます。育児で忙しい時期だからこそ、相手の協力には言葉にして感謝を伝えることが効きます。
「夫婦なんだから言わなくても伝わるはず」は、この時期ほど通用しません。睡眠不足で余裕がないと、人はお互いの貢献が見えなくなるからです。コツは、ざっくりした「ありがとう」より、何に対してかを添えること。「夜中のミルク代わってくれてありがとう、おかげで少し眠れた」と具体的に言うと、相手は「次もやろう」と思えます。寝かしつけ中で声をかけにくいときは、メモやメッセージでもかまいません。感謝が往復する関係が、いちばん壊れにくい関係です。
2育児の情報を共有しましょう
赤ちゃんのうちは母親と過ごす時間が長くなりがちで、父親は「自分だけ子育ての輪に入れていない」と疎外感を覚えることがあります。近ごろは育児に前向きなパパも増えています。子どもの成長や小さな変化は、その日のうちに夫婦で共有して一緒に楽しみましょう。「今日はじめて寝返りしたよ」と動画を送り合うだけでも、離れて過ごした時間の溝が埋まります。
共有したいのは、楽しいニュースだけではありません。育児にかかりきりになると、どうしても心の余裕がなくなり、ひとりで抱え込みがちです。そんなモヤモヤもパートナーに話すことで、気持ちがぐっと軽くなります。情報共有を仕組みにしておくと、抱え込みを防げます。たとえば共有メモアプリに「ミルクの時間」「気になったこと」を書き込み合う、寝る前の5分だけ今日の出来事を報告し合う、といった軽いルールです。楽しみも大変さも夫婦そろって受け止めることが、この時期の絆をいちばん深めてくれます。
3感情的にならないように心掛けましょう
かわいい我が子でも、お世話は想像以上に大変です。疲れがたまると夫婦の会話もそっけなくなり、ちょっとしたことで声を荒げてしまうこともあります。けれど、気分しだいで態度がコロコロ変わると、相手は「どう接していいかわからない」と身構えてしまいます。
育児期は意見の対立も起きやすく、感情的に怒鳴り合うとお互いの言葉が残って絆に深い傷が入ります。おすすめは、爆発しそうになったらいったん物理的に離れることです。別の部屋に行く、水を一杯飲む、5分散歩する。少し時間を置くだけで、言葉のトゲは驚くほど抜けます。落ち着いたら、相手を責める「あなたはいつも」ではなく、自分を主語にした「私は今いっぱいいっぱいで、少し助けてほしい」という伝え方に切り替えましょう。冷静なときに「疲れている日はこう声をかけ合おう」と二人のルールを決めておくと、いざというときに守りやすくなります。
子育てがひと段落した夫婦の絆を深める方法
「子はかすがい」と言うとおり、子どもがいる間は会話の中心が子どものことになります。だからこそ、子どもが巣立つと急に話題が減り、意識して関わらないと良い関係を保ちにくい時期がやってきます。長く父親と母親として過ごした2人を、もう一度「夫婦」として結び直す時期です。次の5つで、お互いへの愛情を温め直していきましょう。
1積極的に会話を楽しみましょう
良い夫婦関係に欠かせないのが会話ですが、一緒にいる年月が長くなるほど会話は減りがちです。子どもが巣立つと共通の話題そのものが減るので、ここからは意識して話しかける姿勢が大切になります。
夫婦の会話は、一日のうちに言葉を交わす時間に比例して温まっていくとも言われます。とはいえ、いきなり深い話をしようとすると気恥ずかしいもの。まずは「おはよう」「いってらっしゃい」「いただきます」といったあいさつを習慣に戻すところから始めましょう。そのうえで、答えが一言で終わらない問いかけを足すと会話が続きます。「今日どうだった?」より「今日いちばん面白かったことは?」のほうが、相手も話しやすくなります。テレビを消して向き合う時間を週に一度作るだけでも、会話の質は変わります。
2聞き上手になりましょう
会話は言葉のキャッチボールですが、人が満足するのは「自分の話をしっかり聞いてもらえたとき」です。自分ばかり話していると相手は疲れ、会話は長続きしません。夫婦で話すときは、相手の話を最後まで聞くことを意識しましょう。
目安は自分2、相手8の割合です。聞き上手のコツは三つ。途中でさえぎらない、否定やアドバイスから入らない、相手の言葉をひと言くり返す(「それは大変だったね」)。アドバイスがほしいのか、ただ聞いてほしいのか分からないときは、「どうしたい? それとも、まず聞くだけにする?」と先に尋ねるとすれ違いません。長年連れ添うと会話もマンネリになりがちですが、聞いてもらえた満足感があるだけで、相手はまた話したくなります。
3できるだけスキンシップを取りましょう
夫婦のスキンシップは、一緒にいる年月が長くなるほどおざなりになりがちです。けれど、言葉がなくても、ふっと手が触れるだけで安心できるのがスキンシップのよいところ。肩に触れる、手を握るといった何気ないふれあいが、お互いへの親しみや信頼感を自然と思い出させてくれます。
年を重ねると気恥ずかしさが出てくるのは自然なことです。無理にハグから始めなくてかまいません。すれ違いざまに肩を軽くたたく、ソファで距離を縮めて座る、出かける前に「いってらっしゃい」と手を添える。こうしたハードルの低いふれあいを日常に戻すだけで十分です。照れて続かないという夫婦は、「おつかれさまのハイタッチ」のように、ふれあいに口実をつけると気軽に習慣化できます。
4プレゼントを贈り合いましょう
恋人同士の頃は当たり前だったプレゼントも、夫婦歴が長くなるとおろそかになりがちです。贈り物をもらうのは誰でもうれしく、愛情を再確認する良いきっかけになります。子どもへの誕生日プレゼントは欠かさないのに、パートナーには何年も贈っていない、という家庭は少なくありません。
相手の喜ぶ顔を思い浮かべて選ぶ時間そのものに、相手への理解を深める効果があります。高価な物である必要はありません。好きな料理を食卓に並べる、帰りにケーキを買う、欲しがっていた日用品をそっと用意する。これも立派な贈り物です。何が喜ばれるか自信がないときは、普段の会話で相手が「いいな」と言ったものをメモしておくと外しません。物のやり取り自体より、「あなたのことを考えていた」という気持ちが伝わることが、絆を温めます。
5二人の記念日を大切にしましょう
結婚記念日や初めてデートした日など、夫婦にはさまざまな記念日があります。こうした日を思い出して一緒に祝うと、付き合い始めた頃の気持ちがよみがえります。二人きりで過ごしても、子どもや孫を交えてにぎやかに祝っても、どちらでもかまいません。
子どもが巣立つとクリスマスやイベントも自然消滅しがちですが、ここで夫婦水入らずの時間に切り替えると、行事が二人の絆を深める機会に変わります。当日に予定が合わなくても大丈夫。前後の週末にずらして、いつもより少し良い食事をする、結婚式の写真を一緒に見返す、といった小さなお祝いで十分です。毎年続けることで、「この日はお互いを大事にする日」という共通の習慣が育ちます。
親と同居の夫婦の絆を深める方法
自分やパートナーの親と同居していると、なかなか夫婦だけのゆっくりした時間が持てません。これが同居家庭で絆がすり減る最大の要因です。人目があって思ったことを言いにくく、関係がぎくしゃくしやすいので、意識して「夫婦だけの時間」を確保していきましょう。
1二人で外出を楽しみましょう
どんなに仲の良い家族でも、夫婦と家族は別物です。夫婦は一生を共にする相手ですから、二人の時間は意識して守る価値があります。同居の親と常に一緒に動くのではなく、定期的に夫婦だけで外出する習慣をつくりましょう。
同居のメリットは、子どもを預けやすいこと。これを生かさない手はありません。長いデートでなくても、日用品の買い物、近所の散歩、コーヒーを一杯飲みに行く程度の短い外出で十分です。子育ての現場では、「週に一度、30分だけでも二人で出かける」と決めている夫婦ほど、同居のストレスを溜め込みにくい傾向があります。家の中だと親に気を使って言えない相談事も、外なら自然と口に出せます。短時間でも夫婦だけの空間を持つことが、親密さを保つ近道です。
2夫婦で共通する趣味を持ちましょう
会話を増やし、一緒に行動する機会をつくる方法として、共通の趣味を持つのは効果的です。趣味がまったく合わない夫婦なら、いっそ二人とも未経験のことに一緒にチャレンジしてみましょう。どちらかが先生役にならず、ゼロから二人で試行錯誤するほうが、対等な関係のまま絆が深まります。
大げさな趣味でなくてかまいません。同じドラマを並んで観て感想を言い合う、近所を一緒にウォーキングする、家庭菜園を二人で世話するなど、生活に溶け込むものが続けやすいです。地域の清掃や行事に夫婦で参加するのもおすすめ。同年代との交流が生まれ、周りから「ご夫婦で」と扱われることで、改めて夫婦であるという自覚もわいてきます。
単身赴任夫婦の絆を深める方法
仕事や子どもの事情で離れて暮らす夫婦は珍しくありません。離れているとどうしても気持ちがすれ違い、絆が途切れがちになります。単身赴任の時期は、新しく絆を深めるというより、いまある絆をていねいに保つことを目標に対処していきましょう。
1家族の存在をアピールしましょう
離れて暮らすと、どうしても相手の存在が日常から薄れていきます。顔を合わせない期間が長いほど絆はほどけやすいので、離れていても家族だと感じられる工夫をしましょう。スマホの待ち受けを家族の写真にする、リビングに家族全員の写真を飾るなど、視覚に訴えるのが手軽で効果的です。
たまに帰宅した側が、家に自分の写真が飾られているのを見ると、「自分もこの家族の一員なんだ」と素直に思えるものです。できれば赴任先の部屋にも家族写真を置いてもらいましょう。寂しさを感じる瞬間に家族の顔が目に入ることで、「またがんばろう」と思える。お互いの生活空間に相手の存在を残しておくことが、離れていても絆を保つ支えになります。
2マメに連絡を取り合いましょう
定期的に帰れない場合は、電話やメッセージでこまめに連絡を取り合いましょう。理想は毎日、忙しいときでも2〜3日に1回はお互いの近況を伝え合うこと。連絡が途切れる期間が長くなるほど、心の距離も開いてしまいます。
共働きで時間が合わないなら、相手の都合に関係なく残せるメッセージが便利です。最近は家族だけが見られるブログや共有アルバムで、子どもの成長を見せ合う単身赴任家庭も増えています。長電話が難しい日は、夕食の写真を一枚送る、寝る前にスタンプ一つでも残す、で十分。大事なのは長さより頻度です。「テレビ電話は毎週日曜の夜」のように、二人だけのつながる時間を曜日で決めておくと、忙しくても途切れにくくなります。
3困りごとをお互いに相談しましょう
一緒に暮らしていれば、困りごとや仕事・育児のつらさを相手が察してフォローできます。けれど顔を合わせない単身赴任では、それが難しいのが現実です。つらいときに助けてもらえないと相手への不信感がたまり、絆がほどける引き金になります。だからこそ、自分の困りごとやトラブルは、察してもらうのを待たずに自分から相談しましょう。
遠慮して「言っても解決しないから」と抱え込むのは逆効果です。相手の仕事の様子も、できる範囲で気にかけてあげましょう。困りごとを打ち明けると自分の不安がやわらぐだけでなく、相談された側も「自分が支えにならなきゃ」と家族としての自覚を取り戻します。「解決してほしい話」なのか「ただ聞いてほしい話」なのかを最初に添えると、離れていてもすれ違わずに支え合えます。悩みは一人で抱えず、二人で解いていくものと考えましょう。
4信頼関係を大切にしましょう
単身赴任を選ぶ理由は家庭ごとにさまざまですが、離れて暮らす夫婦が最も気にするのは、お互いの心変わりです。とはいえ、二人でよく話し合って単身赴任を決めたのなら、まずは相手を信頼する気持ちを大切にしましょう。疑い始めると、確かめようのない不安で自分も相手も消耗してしまいます。
信頼を保つコツは、行動を縛るのではなく、安心できる情報を自然に共有し合うことです。今週の予定をざっくり伝え合う、帰省の日程を早めに決めておく、次に会える日をカレンダーで共有する。「次に会える日」が見えているだけで、寂しさはぐっと和らぎます。寂しさも不便さもお互いさまです。二人がしっかり思い合っていれば、絆はそう簡単には壊れません。寂しさも一緒に乗り越えるという気持ちを共有しておきましょう。
共働き夫婦の絆を深める方法
子どもを産んでも仕事を続ける女性が増え、男性側の理解も進み、共働き家庭は今後も増えていきます。共働き夫婦の最大の敵は「忙しさ」です。仕事に家事に育児にと追われると気持ちがすれ違い、疲れから感情的な衝突も起きやすくなります。だからこそ、お互いを思いやり、フォローし合う仕組みが必要です。
1家事は夫婦で分担しましょう
「家事は女性のもの」という考えはまだ根強く残りますが、夫婦は基本的に対等な関係です。共働きの忙しさの大半は家事の煩雑さから来るので、家事は二人で分担して効率よく回し、負担を減らしましょう。そして同じくらい大切なのが、分担し合ったことに「ありがとう」を言える関係です。
分担はお互いの得意を生かすのが基本ですが、ガチガチに線を引くと、かえってギスギスします。おすすめは「自分の担当」「相手の担当」に加えて「気づいた人がやる枠」をゆるく設けること。たとえば料理は妻、ゴミ出しと風呂掃除は夫、と決めつつ、手が空いたほうが食器を片づける、という形です。さらに、見えにくい家事(在庫の管理、予定の把握など)も一度書き出して可視化すると、「やっているのに気づかれない」という不満が減ります。完璧な折半より、お互いをサポートし合える余白を残すことが、絆を保つコツです。
2相手への不満を言うのはやめましょう
忙しさから、つい不満が爆発することもあります。グチ自体はストレスの良いはけ口で悪いことではありませんが、相手の人格や性格を正面から責めるのは避けましょう。疲れているところに自分を非難されると、相手への愛情がすり減ってしまいます。
とはいえ、不満をすべて飲み込めという話ではありません。ためこむと、いつか大きな爆発になります。コツは、人ではなく仕組みに矛先を向けること。「あなたは気がきかない」ではなく、「平日の夜がいつも回らないから、分担を見直さない?」と、改善の相談に変換します。そのうえで、相手の良いところを探して言葉にする習慣を持つと、家庭の空気が変わります。疲れているのはお互いさまです。不満は相談に、批判は感謝に置き換えていくと、共働きでも絆を良い状態で保てます。
状況が変わっても揺らがない「夫婦の仕組み」をつくる
ここまで状況別の工夫を紹介してきましたが、夫婦の状況は新婚から子育て、巣立ち、再び二人へと移り変わります。そのたびに関わり方を一から考え直すのは大変です。そこで最後に、どの時期にも効く「すれ違いを未然に防ぐ仕組み」を3つ紹介します。これは多くの記事が個別のテクニックで終わってしまう部分を、続く習慣に落とし込むための工夫です。
1月に一度の「夫婦会議」を習慣にする
もめてから話し合うのではなく、もめる前に定期的に話す場を持つのがポイントです。月に一度、15分でかまいません。コーヒーでも飲みながら、「最近うれしかったこと」「困っていること」「来月やりたいこと」の3つを順番に話すだけ。ルールは、相手の番は最後まで聞く、その場で結論を出そうとしない、の二つです。冷静なときに話す場があると、感情的な衝突がぐっと減ります。
2お金と予定を「見える化」して共有する
すれ違いの火種になりやすいのが、お金と予定です。家計の大きな方針(毎月いくら貯めるか、大きな買い物はいくらから相談するか)を一度決めておくと、細かい支出でもめにくくなります。予定は共有カレンダーにまとめ、お互いの仕事の繁忙期や子どもの行事を見えるようにしておくと、「聞いていない」というすれ違いが防げます。情報がそろっているという安心感が、信頼の土台になります。
3ケンカの「仲直りルール」を先に決めておく
どんな夫婦もケンカはします。大事なのは、こじらせない仕組みを冷静なときに決めておくこと。たとえば「その日のうちに一度は声をかける」「過去の話を蒸し返さない」「どんなに怒っても人格を否定する言葉は使わない」など、二人で守れるルールを3つほど決めておきます。仲直りのきっかけは、立派な謝罪でなくてかまいません。「さっきは言い過ぎた」「お茶いれたよ」のひと言で十分です。ルールがあると、感情的になっても戻る場所が見つかります。
夫婦の絆を深めるためのQ&A
ケンカしたあと、気まずくて自分から話しかけられません
完璧な謝罪をしようと思うほど、声をかけにくくなります。仲直りは言葉より「きっかけ」です。お茶を一杯出す、隣に座る、「ごはんできたよ」と用件で話しかける、といった小さな行動で十分。先に「さっきはごめん、少し言い過ぎた」とだけ伝え、内容の話し合いは落ち着いてからにすると、ぐっと切り出しやすくなります。
会話を増やしたいのに、話題がなくて続きません
無理に深い話をしようとせず、答えが一言で終わらない問いかけから始めましょう。「今日いちばん面白かったことは?」「最近気になっているものある?」のように具体的に聞くと、会話が広がります。同じドラマや動画を一緒に観て感想を言い合うのも、共通の話題を作る手軽な方法です。
「ありがとう」を言っても、相手に響いている気がしません
感謝は具体性で伝わり方が変わります。「ありがとう」だけより、「夜の寝かしつけ代わってくれてありがとう、おかげで少し休めた」と、何に対してかを添えてみてください。相手は「ちゃんと見てくれている」と感じられます。タイミングは、してくれた直後がいちばん効果的です。
スキンシップが照れくさくて、なかなかできません
いきなりハグから始める必要はありません。すれ違いざまに肩を軽くたたく、出かける前に手を添える、ソファで距離を縮めて座る、といったハードルの低いふれあいで十分です。「おつかれさまのハイタッチ」のように口実をつけると、照れずに習慣化できます。少しずつで構いません。
相手を思う心で夫婦の絆を強くしましょう
夫婦の絆をつなぐものは、結局のところ愛情です。相手を思いやる気持ち、ねぎらう気持ち、いつも笑顔でいたいと願う心を持ち続けること。愛情は一方通行では育ちません。お互いが「愛する自分」「愛される自分」でいられるよう、自分自身も少しずつ磨いていきましょう。
夫婦の絆は時とともに弱くなることがありますが、完全に消えてしまうわけではなく、関わり方を変えれば何度でも結び直せます。今日紹介した中から、自分の家庭に合うものを2つ3つ選んで、まずは一週間試してみてください。子どもや家族の支えも借りながら、お互いを思い合い、支え合っていけるといいですね。






