モラハラ妻の特徴とチェックリスト:夫が取るべき対処法と離婚を回避するためのステップ
夫婦は対等な関係であるべきですが、夫婦間の力関係は家庭によって様々です。その中で、配偶者に対する精神的な暴力や嫌がらせがエスカレートし、「モラルハラスメント(モラハラ)」となってしまうケースが増加しています。
以前はモラハラを行うのは夫の割合が多い傾向にありましたが、近年はモラハラ妻の存在も社会的に認知されつつあります。夫が妻からのモラハラに苦しむケースも少なくありません。
今回は、モラハラ妻の具体的な特徴や行動、その心理的背景、そしてモラハラに苦しむ夫が健全な関係を取り戻すために取るべき正しい対処方法や離婚を検討する際のステップについて、詳しくご紹介していきます。
モラハラ妻13の特徴チェックリスト:あなたの妻はいくつ当てはまる?
「モラハラ(モラルハラスメント)」とは、無視や暴言などの態度によって相手の尊厳を傷つけ、精神的に追い詰める行為です。最終的に相手を自分の思い通りに支配・コントロールしようとすることが目的です。現代の家族は核家族化しており、夫婦の生活に他人の目が届きにくいため、モラハラが深刻化しやすい傾向があります。
モラハラに苦しむ夫の中には、「妻が怖い」と怯えてうつ病や帰宅拒否症など、心に大きな負担を抱えるケースが増えています。夫を精神的に追い詰めてしまうモラハラ妻には、以下のような特徴が見られます。
<モラハラ妻の主な言動・行動の特徴>
1常識や正論を振りかざして攻撃する
モラハラは、常識や道徳といった大義名分を盾にした嫌がらせを指します。妻は、自分の得意とする家事や育児など、夫の知識が不足している分野に付け込み、「そんなの、常識でしょ!」「バカなの!?」といった暴言で夫を貶め、自分の意のままにコントロールしようとします。人前や子供の前でも平気で夫を侮辱する場合があります。
2失敗や悪いことは全て夫のせいにする
人間は誰でも過ちや失敗を犯すものですが、モラハラ妻は、生活上の過ちや失敗を全て夫の責任にします。夫の心に罪悪感を植え付け、それを利用して夫を自分の思い通りにコントロールしようとします。
3自分の非を絶対に認めない・謝らない
モラハラ妻の最大の特徴の一つは、絶対に謝らないという点です。何をしても「あなたが悪い!」と言い張るケースもあれば、逆に弱々しい雰囲気を装って泣き続け、話題をそらそうとするケースもあります。いずれにせよ、自分の非を認めず、自分の悪い所をうやむやにしたまま、夫の過去の過ちを武器にして攻撃してくるのです。
4文句や指示が非常に多い
モラハラ妻は、夫のやることなすこと、生活の全てに細かく指示したり、文句をぶつけたりします。夫が何もしなければ文句を言い、妻の言う通り行動してもダメ出しをするなど、全てにおいて細かく指示し、努力を認めようとしないため、夫は自信を無くし、妻の言うことを聞かざるを得ない状況に追い込まれていきます。
5都合が悪くなると無視をする
相手を非難してコントロールするのがモラハラ妻ですが、夫にやり込められそうになったり、反論ができなくなったりした場合には、会話をきっぱりと拒否(無視)します。妻に無視され続けることで夫は精神的に疲弊しますし、義両親や子供の前、外出先でも無視を貫くことで、最終的に夫が折れざるを得ない状況を作り出し、さらに妻が優位に立ってしまいます。
6夫に男性としての役割を押し付ける
現代は男女平等が求められる社会ですが、モラハラ妻は平気で「男のくせに」といった言葉を使い、夫に男性としての役割や責任を押し付けます。こうして夫を洗脳していくことで、「生活の中の全ては夫が責任を負うべきだ」という誤った義務感を夫に植え付けようとします。
7感謝の気持ちを示さない
モラハラ妻は基本的に、夫に対して感謝をしません。何かをしてもらって当然、自分にはそれだけの価値があると考えているからです。感謝の気持ちを夫に対して示さないことで、夫を「もっと喜ばせなくては」という焦燥感に駆り立てさせ、さらにコントロールを強めようとします。
<モラハラ妻の対人関係・心理的な特徴>
8外面が良い・他人に対しては常識的
モラハラ妻は夫に対しては非情な態度をとりますが、他人の目のあるところでは非常に常識的で、外面が良いのが特徴です。そのため、夫がモラハラに苦しめられていることは、周囲からはほとんどわかりません。外では愛想の良い、夫に対しても従順な妻を完璧に演じるため、夫は「自分が我慢すれば、家の中でもこの良い態度になるかもしれない」と希望を捨てきれず、言いなりになってしまうのです。
9嘘つきである
モラハラ妻にとって、一番大事なのは自分自身です。自分を守るためであれば平気で嘘をつくため、夫はその尻ぬぐいに追われて気が休まる時がありません。自分にとって都合の良い嘘や、自分をより有利にさせようとする被害妄想的な嘘など、様々な嘘をつきます。夫はそういった嘘のフォローに疲弊し、妻に対抗しようとする正常な判断能力を失ってしまいがちです。
10他人に厳しく自分に甘い
モラハラ妻は他人や夫に対しては容赦がなく厳しい反面、自分には極端に甘い傾向があります。例えば、「家計が苦しいから」と夫の小遣いを減らしたのに、「自分へのご褒美」と称して高級な化粧品を買うなど、矛盾した行動に走りやすく、夫を振り回します。
11自分の優位なポジションを絶対に譲らない
夫が妻の態度に我慢ができなくなり抵抗しようとした場合、モラハラ妻は絶対に自分の優位な立場を譲りません。夫の立場を悪くしてでも自分の優越性を守ろうとするため、子供やママ友などに夫の悪口を吹き込んだり、逆に「夫のモラハラに苦しんでいる」という嘘の相談を持ち掛けたりするなど、周囲を巻き込んだ騒ぎを起こすこともあります。
12夫に甘い面も見せて庇護欲をそそる
モラハラ妻の恐ろしい点は、相手を追い詰める高圧的な態度だけではありません。時折、夫に甘えて庇護欲をそそる可愛い女性を演出するなど、計算高さも持ち合わせています。夫は妻の良い態度と悪い態度のギャップに苦しみ、惚れた弱みからも妻に支配されてしまうのです。
13実家との依存関係が強い
妻が親離れできておらず、妻の実家も子離れが上手くできていない、つまり実家と妻が過度に依存しあっている家庭の妻には、モラハラを行う傾向が見られます。子供の頃からの過干渉などにより、妻自身の自己肯定感が低くなってしまい、感情のコントロールが難しくなり、その不満を夫にぶつけてしまうのです。
原因は何?モラハラ妻の心理的背景
夫婦生活は、お互いを支えあい、尊重し合って成り立っていくものです。しかし、なぜ妻は最愛の相手である夫にモラハラを始めてしまうのでしょうか。そこには、妻の複雑な心の闇が隠れています。
自己肯定感の低さと不安の裏返し
モラハラ妻の根底には、自己肯定感の低さがあることが多いです。「自分には価値がないのではないか」「愛されていないのではないか」という不安から、夫をコントロールすることで、自分の存在価値や優位性を確認しようとするのです。夫を貶めることで、一時的に自分の方が優れていると感じ、心の安定を図ろうとします。
「夫の考えに従うと失敗する」という完璧主義
付き合っている時や結婚当初は従順だった妻がモラハラをする場合、結婚生活での失敗経験から「夫の考えに従うと失敗する」という心理状態になっている可能性があります。これは、完璧主義で自己愛が高い人に見られる傾向です。
子供の頃から親の指示通りに過ごすことに慣れ、自分で物事を考え、行動し、失敗から学ぶ経験が少ないと、失敗は指示した者の責任とする癖が身についてしまいます。結婚後も夫の考え通りにして上手くいかないと、夫の責任にして責めてしまうのです。
夫にもっと必要とされたいという歪んだ愛情表現
自分の常識を振りかざしたいのではなく、常識を振りかざすことで夫を繋ぎ止め、夫にもっと必要とされたいという心理のモラハラ妻もいます。夫にただ愛情を示しただけでは感謝されず、逆にひどい態度をとった時に自分を気にかけてくれた、という歪んだ成功体験が記憶に残り、モラハラ行為がエスカレートしてしまうのです。
自分がモラハラだとは認識していない
モラハラ妻の心理で最も厄介なのは、自分が夫にしている非常識な態度を「悪いこと」と思っていないという心理です。自分の言動が正当なことだと思い込んでいるため、自分に対して罪悪感がなく、夫が苦しみ悩んでいても、「私のせいじゃない」という冷たい言葉を平気で口にできてしまうのです。
男女不平等への不満とフラストレーション
男女平等が叫ばれる社会ですが、結婚後の家庭、特に共働き家庭でも女性への家事や育児の負担がまだまだ大きいという現実があります。また、小さな子供を子育て中の専業主婦であっても、24時間365日休みなしで家事育児をこなしているという現状に、心理的にも肉体的にも追い詰められてイライラが募ることがあります。男女不平等への抗議のつもりでとった態度が、歯止めがきかなくなりモラハラになっていることもあるのです。
モラハラ妻を招く夫側の要因:妻からの反撃としてのモラハラ
モラハラ妻の問題は、妻側だけに原因があるとは限りません。妻のモラハラと取れる態度の裏には、過去に夫の行動が原因で妻が傷つけられ、それが反撃や復讐として現れているケースも散見されます。
相手を傷つける発言は決して許されるものではありませんが、モラハラ問題はあくまでも夫婦二人の問題です。夫も自分の態度に問題がなかったかを振り返り、逃げずに妻と冷静に話し合うことで、妻の対応が変わることもありますので、諦めずにモラハラ妻に向き合っていく姿勢が大切です。
過去のモラハラに対する復讐?
私は結婚5年目、2歳の娘のママです。実は私、結婚当初は夫から「家事が下手」「愛想笑いもできないのか」とモラハラをされていました。そんな生活が2年ほど続いていたのですが、娘を授かったところで夫の態度が軟化しました。しかし今度は、娘の扱いのことで、逆に私が夫を責めることが多くなってしまったのです。
夫が育児の楽なことばかり担当しようとしたり、育児書で勉強もせずに私にばかり質問してきたりするのが、イライラするのです。心の中には、「以前私が受けていた時のように、夫も少し私の態度で嫌な思いをすればいい」という気持ちがあるのかもしれませんが、一度夫に文句をつけ始めると、止まらなくなってしまう面があって、自分自身が不安です。
夫の過度な束縛に耐えられず
うちの夫は私より3歳年下ですが、とても嫉妬深いです。私の携帯電話を見るのはしょっちゅうですし、服装チェックも厳しいです。私はそんな夫に我慢ができずに、「非常識だわ」「妻を信用しない、ダメな夫」などとついつい口調で言ってしまうのですが、これはいわゆるモラハラでしょうか?
夫はそんな私の態度を見て、「反省した」とは言ってくれるのですが、しばらくすればまた口やかましく、私のことを束縛しようとします。周りに相談をすると、「のろけている」とからかわれるのですが、誰にも理解してもらえず困っています。
頼りない夫にイライラして…
夫と結婚したのは、私が32歳の時。お互い良い大人でしたので、出会って1年もしないうちに結婚し、子供も生まれました。夫は息子をとても可愛がって、私のことも大切にしようとしてくれるのですが、その方法が間違っているのです。
例えば、子供との約束を破って有料の乗り物に一度に何度も乗せたり、公共施設で子供と一緒に騒いだり、買い物を頼めば使わない物や超高級品を買って来たり…。お陰で子供への家庭教育が徹底できずに幼稚園でも注意されるし、子供の将来のために貯金したいのに、貯められません。
何度もお願いしたのですが話しをきちんと聞かず、行動も一向に改善しません。一人の大人として頼りに出来ない夫が子供にしか見えず、イライラしてひどく責めてしまうんです。これってモラハラでしょうか?
モラハラ妻をSTOP!夫が取るべき5つの対処法
モラハラ問題は、エスカレートすると夫婦双方の精神的な健康や、大切な子供にも大きな悪影響を与えかねない深刻な問題です。「いつか治るだろう」と放置せず、早いうちから具体的な改善策を講じることが必要です。
ここでは、夫婦関係を悪化させずに、妻のモラハラを抑え込んでいくための具体的な対処法を5つご紹介します。ご自身や奥様の性格にあった方法で、生活を改善してみてください。
1冷静に「受け流す」スキルを身につける
モラハラ妻は自分を顧みることが少ないため、真面目に意見を返すと、議論がヒートアップしエスカレートするだけで、妻を戒める効果は期待できません。モラハラ妻は夫の反応を見ながら、夫をコントロールすることを目的にしていますので、妻の言動を心から締め出して、右から左へ受け流す訓練をしましょう。
無視や暴言といった対応に効果がないとわかれば、妻の態度も徐々に変わってくるかもしれません。ただし、感情的に無視するのではなく、「はい」「そうですね」と冷静に短く返答する「あいまいな返事」を心がけましょう。
2子供が傷つくことを冷静に伝える
夫婦に子供がいるのであれば、夫婦仲が上手くいっていないことが子供にどれだけの悪影響(心理的虐待や自己肯定感の低下など)を与えるか、夫婦で冷静に話し合う機会を持つことも効果的です。もちろん、子供の前で罵り合うような行為は言語道断です。
モラハラ妻にとっても我が子は可愛い存在ですから、きちんと話し合いの場を設け、攻撃しあうのではなく、「どうすれば子供にとって良い家庭を築いていけるか」を共通の目標として話し合う方が、お互いにとって大きなメリットがあることを伝えてみましょう。
3感情的にならず「熱くならない」こと
モラハラ妻への対応で夫が感情的になってしまうことは、既に妻の思い通りにコントロールされてしまっている証拠です。モラハラ妻へは努めて冷静に、クールに対処しましょう。
「自分の妻」と考えると責任感から感情が入り込みすぎてしまうので、心の中で一歩引いて、客観的に相手の言動を観察することを意識しましょう。これにより、妻にコントロールされずに自分の意見を上手に表現できるようになるはずです。
4主導権を渡し、妻の行動を促す
モラハラ妻は、文句を言っても肝心なことは夫に任せることが多いです。自分のやることに妻が文句を言ってきて困ってしまう場合には、「じゃあ、どうすればいいのか君が決めて実行して」と妻に主導権を渡してしまいましょう。
自分が行動することを嫌がって、夫と前向きに話しをするように態度を軟化させてくれる可能性があります。この際、「結果が悪くても責めない」という姿勢を示すことが大切です。
5パニックになったら一旦「物理的に離れる」
もし妻のモラハラ発言に我慢ができなくて、必要以上にイライラしてしまったり、不安になったりした場合には、とにかく一旦その場を離れましょう。あらかじめ、いつでも言い訳に使える仕事の用事や、外出の理由を用意しておくといいですね。
男性は妻にやり込められそうになると、プライドを守るために逃げることをしない傾向がありますが、妻の言葉から自分を守り、次の話し合いの機会にチャンスをつなぐことも大事な対処法の一つです。
エスカレートする前に:証拠の記録と専門家への相談
モラハラ問題は、夫婦間だけで解決しようとすると泥沼化したり、夫の精神衛生を悪化させたりする可能性があります。エスカレートする前に、以下の準備と行動を検討しましょう。
モラハラ行為の証拠を記録する重要性
モラハラは精神的な暴力であるため、第三者に状況を理解してもらうことが難しいという特徴があります。もし、この先夫婦関係を修復できなかった場合に離婚を検討することになったとしても、モラハラを理由に進めるには証拠が必要になります。
モラハラを受けていると感じたら、以下の方法で証拠を記録することが重要です。
- モラハラ日記(詳細な記録): 妻の言動、日時、場所、言われた具体的な内容、自分の感情や体調の変化を詳細に記録しましょう。
- 録音・録画: 暴言や侮辱的な言動があった際、スマートフォンなどで密かに録音・録画することも有効な証拠になります。
- メールやLINEの保存: 妻からの攻撃的なメッセージや、モラハラを示す内容の通信記録を削除せずに保存しましょう。
- 医師の診断書: 精神的な苦痛からうつ病や不眠症などの症状が出た場合、心療内科や精神科で診断を受け、診断書を取得しましょう。
これらの証拠は、最終的に調停や裁判でモラハラを証明するために役立ちます。
モラハラ妻に関する相談は、恐れず勇気をもって!
社会的に「男らしく、強く」と要求されて育つ男性にとって、妻から追い詰められていることは屈辱的で、誰にも知られたくないと考えてしまいがちです。そのため身近な人に自分の置かれた状況を相談できず、モラハラ妻の問題は周りが手を出せず、支援を受けにくい傾向があります。
誰かに相談する勇気を持つことが、状況を打開する第一歩です。カウンセラー、夫婦問題相談センター、弁護士など、第三者の専門家に相談することで、客観的な意見や具体的な対処法を得ることができます。
モラハラ行為は間違ったやり方ではありますが、その根底には「相手を自分の思うとおりにしたい」という歪んだ愛情や依存が潜んでいることもあります。妻の言動さえ変われば円満に生活していくことができる可能性も残されていますので、無理のない範囲で、夫婦で対話を持つ機会を持ち続けていきましょう。