子供のIQテストは意味がない?IQの高い・低いは頭の良さとは無関係?
子供が小学校に上がる頃には、「うちの子って頭はいいのかな?」「勉強はできるのかな?」と気になるパパママも多いですよね。そんな時に参考になるのが、知能指数を表すIQ。最近では、子供のIQを測定できる「IQテスト」をインターネットで気軽に受けることもできるんです。
今回は、そもそもIQとはどういった値なのか?幼児IQテストの内容は?などの疑問にお答えしながら、IQと学力の関係についても解説します。わが子のIQが気になる、子供にIQテストを受けさせようと思っているパパママ必見ですよ。
そもそもIQとは?平均値はいくらなの?
Intelligence Quotientの訳であるIQは、知能指数のこと。客観的に測定した知能検査の結果を表したもので、数値が高いほど知能が高く、低いほど知能が低いといわれています。IQは、親からの遺伝による要素も大きく、また幼児期にIQが高いからといって、生涯その数値を維持するとは限りません。知能は、成長による脳の発達や生活環境によっても左右されるからです。
IQは100が平均値。分布としては、85~115の間が約68%、70~130の間に約95%の人が位置しています。ほとんどの人が70以上、130以下に収まる計算です。世界最高のIQの持ち主として、認定されているアメリカの女性作家マリリン・ボス・サバントはIQ228ですが、これはかなり特殊な例といえるでしょう。
幼児のIQテスト
最近では、小学校のお受験に採用している学校もあると噂されている幼児IQテスト。どういったもので、どこで受けることができるのでしょうか?幼児IQテストを受ける目的により大きく2つに分けられます。
まずは、発達障害の疑いがあり、しっかり検査をしたいという場合は、発達外来や小児神経科などのある公的・民間病院でIQテストを受けることになります。日本で広く用いられている幼児用ウェクスラー式知能検査(WPPSI)を採用している場合、3歳10ヶ月から7歳1ヶ月までを対象としたテストを45~90分ほどで受けられます。費用は病院により異なりますので、まずは、保健センターなどで相談してみましょう。
もっと気軽に子供のIQを調べたいということであれば、インターネットでも幼児IQテストを受けることができます。無料のサイトも多く、子供の機嫌により何度でも受けることができ、動物の絵を選んだり、同じ図形を当てたりと、ゲーム感覚で楽しめるのが特徴です。
インターネットで幼児IQテストを受ける年齢の目安は2歳から。年齢ごとにレベルが分けられています。とはいえ、2歳では字を読むこともできないため、テストを理解できるの?と思うかもしれませんが、隣でパパやママが問題を読んであげたり、子供が選んだ答えを、代わりにクリックしてあげても大丈夫です。問題の多くは、図形や絵を使ったものなので、幼児でも十分理解できます。
ただし、幼児IQテストは、子供の機嫌や受ける環境によって結果が左右されるものです。テストの結果が全てではありませんので、あくまでも目安と考えましょう。結果よりも、子供の「出来た!」を小さな自信に代え、子供の可能性を伸ばしてあげることが大切です。
非常に高いIQの場合、ギフテッドの可能性もあり
もし、何度か落ち着いた環境で測定し、非常に高いIQの数値がでた場合、その子はギフテッドの可能性があります。
ギフト(贈り物)を語源としたギフテッドは、同世代の平均よりも突出した才能が見られる人を示す言葉で、天から与えられたともいえる生まれながらの資質であり、誕生してから生涯にわたって見られるものです。ギフテッドの子供は、記憶力や芸術性、言語能力、学問などにおいて特別な才能を発揮します。
特別な才能を持っていると聞くと、うらやましく思うかもしれませんが、ギフテッドの子供はさまざまな課題を抱えており、両親、家族の特別なケアが不可欠です。ギフテッドの子供に見られる特徴をいくつかご紹介します。お子さんにこんな特徴はありませんか?
IQの高くないギフテッドもおり、必ずしも「ギフテット=IQが高い」とはいえませんが、幼児IQテストであまりにも数値が高かったり、以上のような特徴が見られる場合には、ギフテッドの可能性も視野に入れておきましょう。
幼児教育の勧誘にご注意を!
IQテストの結果がずば抜けて良かったりすると、「わが子には才能がある!あれもこれもやらせなきゃ!」と思ってしまうのが親心ですが、幼児期のIQテストは、子供の機嫌やテストを受ける環境により結果が変わるもの。1回のテストで正確に判断するのは難しいのが現実です。
幼児教室でIQテストをするケースもあり、結果が良いと「〇〇もやらせましょう!」とすすめられることも…。幼児教室に通っている子供の場合、普段から知育的な活動に慣れているため、テストで良い結果がでやすい傾向にあります。「もったいないから何かさせなきゃ!」と思う前に、冷静にその子の特性・性格を見極め、習い事などは、子供の精神的負担を考慮しながら検討しましょう。
学童期(小学生)のIQテスト
IQの値に関わらず、テストの成績が良い子・悪い子など、周囲と自分を比べるようになる学童期。インターネットで気軽にIQが測れる時代だからこそ、IQについて子供に話すべきか、どのように話すかは十分な検討が必要です。
IQ値を知ることで、周囲と比較し、自分が劣っていると感じてしまう子供もいます。逆にIQが高いことを周囲に自慢する子供もいます。IQが高いからといって優れているとは言えず、IQが高ければ素晴らしい人生を送れるというわけではありません。
人にはさまざまな才能があり、知能だけでは判断できない、その子なりの素晴らしさがあることを大人が理解することが大切です。IQの値に一喜一憂することなく、子供の発育の目安としてとらえましょう。
5歳以上になると、児童向けウェクスラー式知能検査(WISC)を受けることができます。WISCは、16歳11ヶ月までを対象としたテストで、日本でもよく使われている知能検査のひとつです。これらの検査は、子供を理解し、必要があれば支援をする方法を探るのを目的としており、発達障害の判断材料として医療機関でも用いられています。子供の発育に心配のある方は、専門機関でIQテストを受けてみることをおすすめします。
IQと学力の相関関係は不明な点も多い
では、IQが高い=テストで高成績の取れる頭のいい子なのでしょうか?東大生のIQは平均120という説もありますが、真偽は不明です。IQが高くても、学校の勉強で上手く力を発揮できない場合もあります。数学は得意だけど、国語は苦手など、人間には得意不得意があるもの。記憶力がいいからといって、テストで高成績が取れるわけではありません。
IQが平均値なら、あまり気に病む必要はありません。子供に劣等感や過度なプレッシャーを与えないように配慮することが大切です。
IQで測れないEQやグリット
IQの他に、発育の指標となるものが「EQ」や「グリット」です。いわゆる頭の良さを数値化したIQに対し、EQは「心の知能指数」、グリットは「何かを成し遂げる力」を表します。
EQは、自分の感情を認識し、コントロールする能力。人とコミュニケーションを取る上でとても大切な能力であり、近年では、企業の採用や人材育成にも役立てられています。グリットは、目標達成のために継続的に努力することができる情熱であり、物事を最後まで成し遂げる力です。グリットは、テストで良い成績を取るために努力するといった、学力向上へも働きかける力となります。
IQで見ることができる知能の高さは、生まれつきの要素が大きいですが、EQやグリットは、人との関わりや日々の生活の中で伸ばしていくことができます。子供が成長し、社会の中で生きていくうえで、とても大切な指標となるのです。
インターネットでIQテスト!無料で受けられるテストサイト
ゲーム感覚で楽しみながらIQを調べることができる、無料のIQテストをご紹介します。もちろん、障害などの心配があり、正確な値を調べたい場合は専門医に相談を。繰り返しになりますが、子供に劣等感や優越感を持たせないために、IQテストと教えない方が良い場合もあります。どのように伝えるかを、よく検討してから行いましょう。
日本の学校
2歳から12歳まで、年齢別に行えるIQ知能チェックです。パソコンの音声が問題を読み上げてくれるので、字を読むことができない子供も問題を理解することができます。問題は全部で30問。絵や図形を使った簡単な内容です。パパママが問題を読んであげたり、操作を手伝ってあげても結果に影響はありませんので、一緒にチャレンジしてみましょう。
http://school.js88.comIQはひとつの指標!数値に縛られず、子供の能力を伸ばしてあげましょう
頭は悪いより良い方がいい!IQも低いより高い方がいい!と思っている親御さんも多いと思いますが、IQが高いからといって成功するとは限りませんし、逆に生きづらさを感じている人がいるのも事実です。
あくまでIQはひとつの指標であり、それを理由に劣等感を抱かせるようなことがあっては、子供の才能を潰してしまうことになりかねません。IQが高い低いで判断せず、その子が持つ個性や能力を最大限に活かしてあげることが大切です。