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雛人形の飾り方と並べ方!男雛・女雛の位置から段飾りの順番、しまい方まで

雛人形の飾り方と並べ方!男雛・女雛の位置から段飾りの順番、しまい方まで

関東と関西で違う男雛・女雛の並び方や、官女・随身・桜と橘の左右を段ごとに整理。手入れや防虫剤の使い方、選び方、供養の方法もまとめました。

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雛人形の飾り方~お雛様の正しい並べ方を覚えましょう

女の子の成長を願うひな祭りは、お子さまの成長を実感できる春の大きな行事のひとつです。雛人形を背景に、ひな祭りのごちそうを囲んだ写真を大切にされているご家庭も多いのではないでしょうか。今度は、親となったみなさまが、ご自分のお嬢さまのためにひな祭りをお祝いしてあげる番ですね。

しかし、いざ雛人形を飾ろうとすると、「男雛は右?左?何段目だっけ?」と、人形や道具を置く位置が分からなくなることがあります。ここでは、一般的な雛人形の並べ方を、段ごとに詳しくご紹介します。

並べ方だけでなく、関東と関西の違い、飾る場所と時期、しまい方、選び方、使わなくなったときの考え方、今の目安まで順番にまとめました。お子さんに話しかけるときの声かけ例も添えていますので、準備の時間をお子さんとの会話の時間にしてみてください。

関東と関西でお顔が違う

雛人形のお顔が、関東と関西で異なる特徴を持っていることをご存知でしょうか。一般的に、関東雛(江戸木目込人形など)は、目が大きめで、口元が微かにほころんだ、ふっくらとして可愛らしい印象のお顔立ちをしています。一方、京雛(京人形など)は、切れ長の目に鼻筋が通った、いわゆる京美人を思わせる、上品で優美な雰囲気のお顔立ちが特徴です。どちらのお顔にも魅力がありますので、購入する際は、ご自分のお好みに合わせてじっくりと見比べてみてください。

お顔立ちの違いは、人形が作られてきた土地の好みや歴史を映したものです。京雛は、お公家さんの文化を思わせる切れ長のお顔が「京顔」とも呼ばれてきました。一方で、人形の作り手や店によって個性が出るため、現在は、どちらとも言い切れない中間のようなお顔も多く見られます。つまり「関東だからこのお顔」「関西だからこのお顔」と決まっているわけではなく、地域の名前は、お顔の傾向を知るためのひとつの目安と考えるとよいでしょう。雛人形は一度迎えると、毎年のように目にして長く付き合う存在です。流行や値段だけで決めず、毎年見たくなるお顔かどうかを基準にすると、後から迷いにくくなります。

人形店でいくつかのお顔を並べて見比べていると、ママは優しい目元のお顔、パパは凛とした表情のお顔、というように、好みが分かれることがあります。そんな場面でも、正解を決める必要はありません。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
お店でお顔を見比べるとき親「こっちのお顔のほうが正しいから、こっちにしよう」親「どのお顔が好き?ママはこのやさしい目が好きだな。パパはどう思う?」
お子さんがお顔の違いに気づいたとき親「どれも同じでしょ。早く決めてね」親「本当だ、お顔がちょっと違うね。目が大きいお雛様と、すっとした目のお雛様がいるんだよ」

迷いやすいのは、家族の好みが割れたまま、時間だけが過ぎてしまうことです。対処としては、気になったお顔を写真に撮り、日をあらためて見比べる方法があります。いったん離れてから見ると、自然と気持ちが決まることも多いものです。

関東と関西で男雛・女雛の位置が違う

雛人形

関東と関西では、雛人形のお顔だけでなく、男雛(お内裏様)と女雛(お雛様)の位置にも違いが見られます。

古来、日本では「左上位」の考え方が主流でした。これは、宮中では、天皇から見て左側(向かって右)を上座とする文化に基づいた考え方です。そのため、京雛(関西)の並び方は、古来の慣習に従い、向かって右に男雛、左に女雛が並びます。

一方、関東雛の並び方では、向かって左に男雛、右に女雛が並ぶのが一般的です。これは、明治以降に西洋の礼法が取り入れられ、「右上位」の考え方が広まったことが背景にあります。さらに、1928年(昭和3年)の昭和天皇の即位礼の並び方にならって、当時の東京の人形業界が男雛を向かって左に置くことを広めた、という説もあります。広まったきっかけには諸説ありますので、「こうして始まった」と言い切れるものではありません。どちらの並べ方でも間違いではありませんので、お人形の由来や、お住まいの地域、ご家庭の習わしに合わせて飾るのがよいでしょう。

背景を少し補足すると、雛人形の男雛と女雛は、平安時代の宮中の天皇と皇后の姿をもとにしています。昔の宮中では、天皇は皇后の左側、つまり向かって右に座っていました。京都を中心とした関西では、現在もこの並びを大切にしています。その後、西洋式の並びが皇室の儀式に取り入れられたことで、東京を中心に向かって左に男雛を置く並びが広がりました。ただし、二段目から下の人形は昔の並びのまま残されたため、男雛を向かって左に置く関東雛でも、随身などの左右は古来の左上位のままになっています。この違いを知っておくと、段飾りを並べるときに「どうして男雛だけ逆なのか」と迷いにくくなります。

たとえば、ご主人の実家は関西、奥さまの実家は関東、というご家庭では、おじいちゃんとおばあちゃんで「並べ方が逆」と話題になることがあります。そんなときに、声かけをどう選ぶかで、場の雰囲気が変わります。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
祖父母に並べ方を指摘されたとき親「それは間違いだよ。うちはこうなの」親「教えてくれてありがとう。うちはこの並べ方で飾っているよ。実家ではどちらの並べ方だった?」
お子さんが「どうして逆なの?」と聞いたとき親「どっちでもいいの。気にしないで」親「むかしの京都と、今の東京では、並べ方が逆なんだって。どっちの飾り方も正しいんだよ」

見落としがちなのは、「向かって右」と「お人形から見て右」を取り違えることです。説明書や写真が人形の左右で書かれていると、並べ方が逆になる場合があります。飾るときは、まず正面から見た姿を、スマホのメモなどに書いておくと迷いません。

雛人形の並べ方

毎年、雛人形を並べる際に、多くの方が戸惑うのが飾り方です。親王飾りのようなシンプルな雛人形でも、どこに何を置くか迷うことがありますし、7段飾りとなると、飾るものが多くて大変に感じるかもしれません。そんな時のために、一般的な7段飾りの並べ方を簡単にご説明します。なお、ここでの左右は、特に断りがない限り、正面から見た「向かって」の左右です。

雛段飾りは、平安時代の貴族の婚礼の様子を表したものといわれています。昔の婚礼は夜に行われたため、雛段にはぼんぼりの灯りをともす形になりました。新郎新婦にあたる内裏雛、お世話をする官女、護衛の随身、宴を盛り上げる五人囃子、そして嫁入り道具や雑用係が揃って、ひとつの物語になっています。7段飾りには、親王2体、三人官女3体、五人囃子5体、随身2体、仕丁3体の合計15体が並びます。このように、段ごとに役割が分かれていると知っておくと、「この人は何をしているの?」というお子さんの質問にも答えやすくなります。人形の並べ方は、地域や人形店、ご家庭によっても少しずつ異なりますので、手元の説明書や写真を一緒に確認しながら進めましょう。

日本人形協会の案内では、飾り付けは上の段から順に並べるのがよいとされています。万が一人形や道具を落としてしまっても、上から並べていけば、大切な雛人形や雛道具を傷つけにくいためです。

ある日、リビングで段飾りを組み立てながら、お子さんが「このおじさんはだれ?」と人形を手に取る場面を想像してみてください。人形の名前と役割を短く伝えると、飾る作業が、ひな祭りの物語を知る時間に変わります。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
お子さんが人形を手に取ったとき親「こわれるから、触っちゃだめ」親「この人は五人囃子といって、お祝いの音楽を演奏する人なんだよ。一緒に並べてみようか」
段を見ながら一緒に並べるとき親「ここじゃない。ママがやるから見てて」親「この段は、どの人形が先かな。一緒に写真を見て探してみよう」
人形の持ち物を確認するとき親「持たせ方が違うでしょ、貸して」親「お殿様は、右手に笏を持つんだって。持たせるのを手伝ってくれる?」

つまずきやすいのは、箱から出した人形がどの段のものか分からなくなることです。飾る前に、段ごとの人形を机に並べて、上の段から順に確認すると迷いません。道具の向きが分からなくなったときは、説明書や、前の年の写真を見て揃えましょう。

1段目

1段目には、主役である親王(男雛と女雛)が並びます。親王の背後には金屏風を立てます。

金屏風の左右にはそれぞれ雪洞(ぼんぼり)を置きます。中央には、神様へのお神酒などを供える台である三方(さんぼう)を置くのが一般的です。

男雛には、右手に笏(しゃく)、左腰に太刀をつけ、頭に冠(かんむり)を被せます。女雛には、檜扇(ひおうぎ)を開いた状態で両手に持たせてください。笏は、昔の貴族が儀式のときに持った細長い板で、檜扇は、檜の薄い板を重ねて作った扇です。持ち物の意味を伝えると、お子さんも興味を持って見てくれます。

2段目

2段目には、三人官女(さんにんかんじょ)が並びます。官女は宮中に仕える女性で、お酒を運ぶ役割を担っています。並び順は、向かって左から加銚子(くわえのちょうし)、三方(さんぽう)、長柄銚子(ながえのちょうし)の順です。

中央の官女だけが座っている座り官女で、三方を持っていることが多いです。向かって右側の官女が長柄銚子(柄の長いもの)、左側の官女が加銚子(提子(ひさげ)ともいい、注ぎ口のついた小さな鍋のような酒器)を持ちます。加銚子から長柄銚子へお酒を注ぎ足し、長柄銚子から盃に注ぐという流れです。雛人形によっては、真ん中の官女が三方ではなく、島台(しまだい)などを持っている場合もあります。三人官女の間には、桜餅などを乗せる高坏(たかつき)を入れます。

立っている二人の左右が分からなくなったときは、手の形が目安になります。左手の指がのびているほうを向かって左、ものをつかむように曲がっているほうを向かって右に置くと、並べ間違いを防げます。

3段目

並べている雛人形

3段目には、宮中のお祝いの際に演奏を担当する楽人である五人囃子(ごにんばやし)を並べます。並び順は、向かって左から、太鼓(たいこ)、大鼓(おおつづみ)、小鼓(こつづみ)、笛(ふえ)、謡(うたい)の道具を持った人たちです。一番右の謡は、歌い手であるため楽器ではなく扇を持っています。

左へ行くほど音の大きい楽器になる、と覚えておくと分かりやすいでしょう。「音が出る場所が口から遠い順に、左から並べる」と覚える方法もあります。五人囃子は、元服前の少年がモデルとされ、あどけない顔に作られていることが多いのも特徴です。

4段目

4段目には、親王の護衛役である随身(ずいじん)の二人を並べます。向かって右に左大臣、左に右大臣を配置します。これは、男雛から見たときの左右で呼ぶ名前だからです。一般的に、左大臣が老人、右大臣が若者とされているので、顔つきで判別できます。「左大臣」「右大臣」という呼び名は俗称で、正しくは随身と呼ばれます。

この二人はボディーガードの役割を担っているので、弓矢を持っています。それぞれ左手に弓、右手に矢を持たせます。このとき、矢の羽が下を向くように持たせてください。段の中央には、二つの菱台(ひしだい)を並べ、その左右に御膳(ごぜん)を飾ります。木目込人形などで二人の顔がほぼ同じ場合は、黒っぽい衣装のほうを向かって右に置くのが目安です。

5段目

5段目の左右には、左近の桜(さこんのさくら)、右近の橘(うこんのたちばな)が置かれます。これは、京都御所の紫宸殿に植えられている木々がモチーフになっています。向かって右に桜、左に橘を置いてください。随身の左右と同じように、男雛から見たときの左右が名前になっているため、向かって右に左近の桜がくる点を覚えておくと迷いません。

そして、段の中央には3人の仕丁(しちょう)が並びます。仕丁は宮中の雑用係で、並び順は向かって左から台笠(だいがさ)、沓台(くつだい)、立傘(たちがさ)を持っているのが一般的です。関西風では、庭掃除に使う熊手、箒、ちりとりを持たせることもあります。この仕丁たちの表情は、怒り顔、泣き顔、笑い顔と特徴的で、これは、表情豊かな子に育つようにとの願いが込められているとも言われています。

6段目

6段目からは嫁入り道具が並びます。向かって左から順に、箪笥(たんす)、挟箱(はさみばこ)、長持(ながもち)、鏡台(きょうだい)、針箱(はりばこ)、火鉢(ひばち)、茶道具が並ぶのが一般的です。挟箱は、長持の上に置く場合もあります。

これらはすべて、平安時代の貴族のお姫様が持参した豪華な花嫁道具が元になっています。6段目の道具の並べ方には、特別な決まりはないとされていますので、説明書や飾り付けの写真に合わせて、バランスよく並べれば十分です。

7段目

7段目にも、駕籠(かご)、重箱、御所車(ごしょぐるま)といった嫁入り道具が並びます。一般的には、中央に重箱を置き、向かって左に御駕籠、右に御所車を置きます。6段目の飾りよりも比較的大きな物が並ぶ形になります。

最近では、花嫁道具の風習がなくなりつつありますが、昔の人々が、いかに豪華に花嫁の門出を祝ったかが伝わってきますね。

雛人形を飾る場所

観葉植物の影

雛人形を飾る方角については、神棚と同じように南向きまたは東向きが良いという伝統的な考え方があります。しかし、絶対的な決まりがあるわけではありませんので、雛人形の大きさや、ご自宅の環境に合わせて飾るのが現実的です。ただし、直射日光やエアコンの温風が直接当たる場所に置くと、変色や変形の原因となってしまうため、このような場所は必ず避けるようにしましょう。

南向きや東向きが良いとされてきたのは、昔の日本家屋では、床の間や神棚のある、日当たりと風通しのよい部屋が、大切なものを飾る場所だったからです。ただし現代の住まいでは、南向きの窓辺は日差しが強く、人形の衣装が色あせやすい場所でもあります。雛人形は、直射日光だけでなく、エアコンやヒーターの風による乾燥にも弱く、お顔の材質によってはひびが入ったり、屏風が反ったりすることがあります。反対に、湿気がたまりやすい場所では、シミやカビの原因になります。つまり、方角よりも、日光が直接当たらず、風が当たり続けず、湿気がこもらない場所かどうかを基準にして選ぶと失敗しにくくなります。リビングの壁際や、窓から少し離れた棚の上など、家族が毎日目にする場所がおすすめです。

たとえば、リビングで朝の日差しがまぶしくてカーテンを閉めたとき、窓際の雛飾りに光が当たっていないか確認する場面があります。お子さんと一緒に、飾る場所を決める時間をつくってみましょう。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
飾る場所を決めるとき親「ここは邪魔だから、あっちにしてよ」親「お雛様が一番きれいに見える場所はどこかな。お日さまの光が直接当たらない場所を一緒に探そう」
エアコンをつけるとき親「エアコンの風がお雛様に当たるでしょ」親「お雛様のお顔が乾いてしまうから、風向きをちょっと変えてもいいかな?」

悩みやすいのは、飾りたい場所が窓に近く、日差しやエアコンの風がどうしても当たる場合です。対処としては、日中だけレースのカーテンを引く、風向きを変える、または別の部屋に飾り場所を移す、といった工夫があります。

雛人形を飾る時期・しまう時期

3月3日の桃の節句に間に合うように飾りたいと思っても、いつ頃から飾るのが良いのか迷うかもしれません。特に決まった日があるわけではありませんが、一般的には、立春(2月4日頃)を過ぎた頃の暖かい、天気のいい日を選んで飾るのが良いとされています。立春から2月中旬、遅くともひな祭りの1週間前までに飾り終えると、ゆとりを持ってお祝いできます。

また、しまう時期も気になるところで、「しまうのが遅いと婚期が遅れる」という言い伝えもあります。これは、「早く片付けられるように躾ける」という意味合いで語られてきた側面もあり、単なる迷信としてではなく、子どもの自立心を育む機会と捉えることもできます。雛人形をしまうのは、遅くとも3月中旬までにし、しまう日も湿気のない晴れた日を選ぶようにしましょう。

背景をもう少し詳しく見ておきます。立春は、節分の翌日にあたり、暦の上で春が始まる日です。節分で厄を払ってから飾る、という考え方から、立春以降に飾る家庭が多くなりました。さらに、立春から15日ほど後の雨水(2月19日頃)に飾ると良縁に恵まれる、という言い伝えもあります。飾る日の目安には、大安などの日柄を選ぶ方法もありますが、日柄よりも、お天気のよい日を選ぶほうが、人形のためには大切です。しまう時期は、二十四節気の啓蟄(3月6日頃)の頃に片付けると良いとされる一方、日本人形協会は、3月3日から4月上旬までの間の、特に天気のよい日を勧めています。ひな祭りが終わったら、慌ててしまわなければいけない、というわけではありません。ただし、ひな祭りの前日にあわてて飾る「一夜飾り」は、お祝いの準備として避けたほうがよいとされています。

雨の日が続いて、ひな祭りの翌日になっても片付けられない場面があります。そんなときは、人形が好きな子ほど「もう片付けちゃうの?」と寂しがることもあります。声かけを少し工夫するだけで、片付けが前向きな時間になります。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
飾り始める日親「やっと出す時間ができたから、手伝ってね」親「春が来たから、お雛様を出してあげようか。どこに飾るか、一緒に決めよう」
しまう時期親「早くしまわないとお嫁に行けなくなるよ」親「晴れた日に、ありがとうって言いながらお片付けしようね。また次の春も会えるように、大事にしまっておこう」

ありがちなのは、仕事や雨で、しまう日を何度も先送りにしてしまうことです。晴れの日の週末に予定を入れておくと、自然と時期が決まります。やむを得ず遅れた場合も、天気のよい乾いた日を選んで、ていねいに片付ければ大丈夫です。

雛人形の手入れ・しまい方

防虫剤のイラスト

準備するもの

  • 手袋(白手袋など)
  • 羽ばたき
  • ティッシュ&和紙
  • 雛人形専用の防虫剤

湿気があると、カビが生えてしまう可能性があるので、雛人形をしまう日は、湿度の低いカラッとした天気のいい日を選びましょう。また、皮脂がついてしまうと、シミやカビの原因になるため、人形や道具を扱う時は手袋をはめるようにしてください。

しまい方の手順は、まず、羽ばたきなどで優しく埃を払い落とします。調度品や飾りなども、柔らかい布で埃を丁寧に拭き取りましょう。しまう前に、お人形の顔部分には柔らかい白紙を被せ、汚れを防ぎます。ティッシュをゆとりを持って顔に巻き、上から和紙で覆うと良いでしょう。

防虫剤はあまり入れすぎると人形の痛みや変色の原因となるので、容量を守り、人形や飾りに直接触れないように箱に入れてください。収納場所は、湿気を避けるため、納戸や押し入れの上段にしておくのがベストです。

手入れのひとつひとつに理由があります。人形に使われている絹や木、紙、金糸などは、湿気と皮脂、そして虫に弱い素材です。手袋は、皮脂がお顔や手につくとシミになりやすいためです。羽ばたきで埃を払うのは、埃が虫やカビのもとになるからです。防虫剤は、人形専用のものを選び、衣類用のものは使わないようにします。種類の違う防虫剤を一緒に入れると、薬剤が反応して衣装や顔にシミが出ることがあるため、毎年同じ種類を使うのが目安です。入れる場所は、箱の隅や上のほうで、ティッシュなどに包み、人形や道具に触れないようにします。湿気が気になる住まいでは、乾燥剤を併用する方法もあります。しまう場所は、納戸や押し入れの上段、天袋など、湿気が少なく日の当たらない高い場所が向いています。

しまう日の様子を想像してみましょう。お子さんが「お雛様、もう箱に入っちゃうの?」と名残惜しそうに見つめる場面は、毎年のように見られます。そのひとことを逃さず、一緒に手伝ってもらえると、お人形を大切にする気持ちが育ちます。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
お顔に紙を被せるとき親「触っちゃだめ、汚れるから」親「お雛様のお顔は繊細だから、白い手袋をはめてそっとやさしく包もうね」
箱に入れるとき親「早く入れて、時間がないから」親「ちゃんと元の箱に入れてあげようね。次の春もきれいなお顔で会えるよ」

気をつけたいのは、片付けを急いで、顔に紙を巻いたまま箱の中で人形同士がぶつかることです。隙間に和紙や薄紙を適量つめて、人形が動かないようにしましょう。きつく詰めすぎると型崩れの原因になるので、軽く固定する程度にします。

吊るし雛の飾り方・しまい方

雛人形が非常に高価だった時代、一般家庭ではなかなか手に入りにくいものでした。そのため、代用品として、小さな布細工を吊るして飾る吊るし雛(つるしびな)が始まったとされています。吊るし雛には、女の子が衣食住に困らないようにという願いが込められ、人形の一つひとつにも、それぞれ意味が込められています。

この吊るし雛の飾り方は、市販の専用の飾り台に飾るか、直接天井からフックなどで吊るす形になります。直接吊るす場合は、梁(はり)や根太(ねだ)など、強度が高い部分に吊るし、吊るし雛の重さに耐えられる場所を選んでください。

吊るし雛も、雛人形と同じで、高温多湿を嫌います。しまう際は、カラッとした晴れた日を選び、埃を払ってから丁寧にしまうようにしましょう。

吊るし雛は、着物の端切れなど、残った布を大切に使って作られてきた手仕事の飾りです。ひとつひとつの小さな飾りには、願いごとが込められているとされ、ひも一本ずつに飾りがつながる形なので、家庭ごとの好みで、にぎやかに飾れるのも魅力です。ただし、布や糸でできているため、日光による色あせ、湿気によるカビ、ほこりの付着には、雛人形と同じように注意が必要です。しまうときは、ひもを束ねて絡まないようにし、薄紙などで包んで箱に入れると、次の年もすぐに飾れます。台に飾る場合も、直射日光やエアコンの風を避ける点は共通です。

天井から吊るす場面を想像してみてください。踏み台に乗って、フックを取りつけるのは、大人がする作業ですが、お子さんが下から「もうちょっと右だよ」と見守ってくれると、家族で飾り付けをした気持ちになります。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
吊るし雛を見上げるとき親「触ったら取れちゃうから、見ているだけにしてね」親「ひとつひとつ意味があるんだよ。この飾りは何を表していると思う?」
しまうとき親「ぐちゃぐちゃになるから、手を出さないで」親「ひもが絡まないように、ママと一緒にそっと束ねようか」

つまずきやすいのは、フックをつけた場所の強度が足りず、重さで傾いたりずれたりすることです。取りつける前に、梁や根太など、しっかりした部分かどうかを確かめ、不安なときは、専用の飾り台を使いましょう。

虫干しをしよう

年に1度の虫干しは、雛人形を長く美しい状態に保つための秘訣です。湿度が下がり、天気の良い10月頃に行うのがおすすめです。虫干しの際は、直射日光が当たらず、風通しのいい場所を選んで行うようにしてください。虫干しを終えて、もう一度しまう時には、埃を払うことを忘れないようにしましょう。

虫干しとは、箱から人形や道具を出して、風に当てて湿気を逃がす作業のことです。雛人形は、1年のうち10か月ほどを箱の中で過ごします。その間に、箱の中に少しずつ湿気がたまると、衣装のシミやカビ、虫食いにつながることがあります。夏の湿気が落ち着き、空気の乾いた秋の晴れた日は、風を通すのに向いた時期です。ここで、すべての人形を並べ直す必要はありません。箱を開けて、中の紙を取り替えながら、数時間ほど風を通すだけでも役立ちます。直射日光に当てると色あせの原因になるため、カーテン越しの光が入る部屋や、日陰の風通しのよい場所で、半日ほど

この記事を書いたライター
木下みずき

木下みずき

ウォーキング始めました!運動と食事で5kg減を目指すダイエッターです!