肝油ドロップって何?効能は?昔ながらの幼児の栄養補助食品
肝油ドロップとは何か?どんな効能があるのかを知っていますか?幼稚園や保育園によっては子供達に毎日与える肝油ドロップ。懐かしいと感じるママもいれば、全く知らないママもいるかもしれませんが、肝油ドロップは昔から栄養補助食品として幼児や小学生に与えられてきました。
人気の秘密は美味しさに勝るとも劣らぬその効能!肝油ドロップには、子供に多い病気を予防する効能で知られる栄養素がたっぷりと含まれているのです。
肝油ドロップの原材料は?昔は魚だったけど今は合成ビタミンが主流
子供の頃に肝油ドロップを食べていたというママでも、美味しかった記憶があるのみで原材料や成分については知らない人が多いでしょう。
肝油ドロップの原材料といえば「肝油」と呼ばれるだけあって、「何かの肝臓から抽出した油」であることが容易に想像できるでしょう。
戦前からサメやエイ、タラなどの魚の肝臓に含まれる液体や脂肪分が体に良いことは知られていたため、昔はこうした魚が肝油ドロップの原材料として使われていましたが、現在では人工的に合成されたビタミンを使って作られているものが主流です。
肝油ドロップにどのようなビタミン類が含まれるかは、同じ肝油ドロップでも商品によって異なります。また肝油ドロップは食べやすくするために、砂糖や水あめを使用して作られています。
肝油ドロップに含まれる主な栄養素は?ビタミンAとD
肝油ドロップには必ず、ビタミンAとビタミンDが含まれています。戦後の食糧難の時代は特に、ビタミンAやビタミンDを含む食材を子供に食べさせることが難しく、多くの子供達が発育不良や病気になったため、栄養補助商品として肝油ドロップが活用されていました。
今発売されている肝油ドロップには、健康と成長に必要不可欠にもかかわらず、現代の子供達の子供達に不足しがちなビタミンCやE、カルシウムを含んでいる商品もあります。商品を購入する時には、含まれる栄養素を確認しておきましょう。
肝油ドロップの5つの効能!目・骨・皮膚が丈夫になる
肝油ドロップが栄養補助食品だと分かったところで、次は肝油ドロップの優れた効能についてみていきましょう。
1夜盲症(鳥目)を予防できる
夜盲症とは、明るい所から暗い所に行くと目が見えにくくなったり、夜や暗い所で視力が落ちたりする目の病気です。夜盲症は別名として「鳥目(とりめ)」ともいわれています。「え!鳥って夜になると目が見えなくなるの?」と思ったママ、夜盲症が鳥目と言われるため誤解しているが多いのですが、多くの鳥は夜も目が見えていますよ。
夜盲症には生まれる前からの先天性と生まれた後になんらかの原因で発症する後天性があり、後天性夜盲症になる原因の一つがビタミンA不足であることがわかっています。
肝油ドロップにはビタミンAが豊富に含まれているため、夜盲症の予防や症状を緩和する効能があるのです。
2栄養不足による子供の視力低下を予防できる
肝油ドロップに含まれるビタミンAには、目の粘膜(角膜や結膜、網膜)を保護する働きや、新陳代謝を活発にして涙の量を増やす働きなどがあります。そのため、肝油ドロップを食べることでゲームやテレビ、パソコン、読書で目が疲れて視力が低下しやすい状態の幼児や小学生の目を健康に保ち、視力低下を防ぐ効果が高くなります。
3子供の歯や骨の発育不良の予防に役立つ
子供の歯や骨の発育に必要な栄養素と言えばカルシウムですね。丈夫な骨や歯を作るには、カルシウムが不可欠です。ところが、カルシウムだけでは骨や歯は強く大きくなりません。カルシウムの働きを助けるビタミンDが必要になります。
カルシウムを含む肝油ドロップを摂ることにより、カルシウムやビタミンDの欠乏による骨や歯の発育不全を防ぐことができます。
4子供に多い骨の病気「くる病」を予防できる
くる病とは、子供の骨の成長不良の病気の一つで、骨にカルシウムが十分に蓄積されないため、「骨が柔らかくなる」「曲がる」「骨折しやすくなる」という症状を発症します。
くる病の原因は、骨を形成するビタミンDやカルシウムなどの栄養不足や遺伝ですが、カルシウムが配合された肝油ドロップには、ビタミンDだけでなく骨の主成分であるリン酸カルシウムが含まれていますので、骨を丈夫にしてくる病の予防をすることができるのです。
5皮膚や粘膜が強くなるため風邪予防に役立つ
皮膚や粘膜は、私たちの体の中に外部から細菌やウィルスが侵入するのをブロックする役割を果たしています。そのため、皮膚や粘膜が傷ついてしまうと、細菌やウィルスが体の中に容易に侵入してしまい風邪をひきやすくなります。
肝油ドロップには、ビタミンAや種類によってはビタミンCが含まれているものもあるため、皮膚や粘膜の健康を維持することができ、細菌やウィルスが侵入しづらい体をつくることができます。大人の方でも、最近風邪をひきやすいという方は、ビタミンCを含む肝油ドロップを活用してみてはいかがですか?
肝油ドロップは何歳から食べられる?1歳が目安だけど医療用は例外
肝油ドロップは1歳から服用できる商品が多くなっているため、一般的には1歳を目安として肝油ドロップを食べ始める子供達が多いです。
肝油ドロップには大きく分けて医薬品に分類されるものと栄養補助食品に分類されるもの2種類があり、医薬品に関しては、商品に対象年齢と用量が明記されているので、子供に与える際は必ず確認しましょう。
対象年齢を過ぎていても、ダラダラ舐めながら遊んだりしていると、喉に詰まらせてしまう危険性がありますので、肝油ドロップは噛んで食べさせるのが基本!
子供の離乳食あまり進まず、しっかり噛んで食べられない場合は、慌てて与えないようにしましょう。噛んで食べられるか様子を見るために与える場合は、包丁で小さく切ってから与えましょう。
効能に早くから注目!幼稚園や保育園では肝油ドロップを与えている
幼稚園や保育園によっては肝油ドロップの効能にいち早く着目し、既に園児に与えていることをご存知でしたか?子供が園で食べているかどうかわからないママは、一度先生に確認しておくとよいでしょう。
園ではドラッグストアなどで購入することができない、幼稚園や保育園など教育関係者向けの商品を食べてさせることが多いです。
ビタミンC肝油ドロップ
河合製薬
ビタミンCがプラスされた教育関係者向けに販売されている肝油ドロップで、野菜や果物、魚をあまり食べていない子供におすすめ!味はオレンジ風味です。
カルシウム肝油ドロップ
河合製薬
カルシウムがプラスされた教育関係者向けに販売されている肝油ドロップで、牛乳や小魚をあまり食べていない子供におすすめ!味はメロン風味です。
夏休みなどの長期休みの前に、教育機関向け肝油ドロップ缶の通信販売申込書を、園児の家庭に配布してくれる幼稚園や保育園もあります。
教育機関向け肝油ドロップは、ドラックストアなどで販売させている商品より割安ですし、子供達が食べ慣れている味ですので購入するママも多いです。
パッケージも可愛く、子供にとっては園で食べられるご褒美のような良いイメージがあるため、長期休みには毎日喜んで食べてくれますが、どうしても余ってしまうご家庭が多いですので、子供が多いご家庭以外は一番小さい缶を購入するのがおすすめです。
肝油ドロップは食物アレルギーのある子供でも食べられる?
肝油ドロップで昔からお馴染みの河合製薬では、その食感からゼラチンを使用しているような気がしますが、動物性タンパク質は使用せず植物由来の寒天やデンプン、アラビアガムなどの天然増粘剤を使用していますので、ゼラチンの食物アレルギーがある幼児にも安心して与えられます。
また、河合製薬の肝油ドロップアレルギー食品含有状況は、表示が義務化されている小麦や卵など7品目の他に、表示が推奨されている大豆など20品目に関しても含まれていませんので、これらの食品にアレルギーがある子供も安心して食べられます。
肝油ドロップのメーカーとおすすめ商品
日本では大人用の飲む肝油玉を(株)えがおホールディングスでも販売していますが、子供用の肝油ドロップを販売しているメーカーは限られていて、大手では河合製薬とユニマットリケンのみ。
全国のドラッグストアや薬局で購入できる商品は、昔からなじみのある河合製薬のものが主流です。河合製薬の子供の顔がついたドロップ缶を覚えているママも多いのではないでしょうか?
ユニマットリケンの製品は、アマゾンや楽天などのネットや一部地域のデパートの店舗などで購入できます。
カワイ肝油ドロップS
河合製薬
ビタミンADを含むスタンダードな肝油ドロップで、ドラッグストアで購入できます。水なしでも食べられるようにドロップになっていますが、舐めて食べるとなかなか溶けず、子供が喉に詰まらせる恐れがあるため、噛んで食べられるように柔らかい食感になっています。
家庭で食べさせるときは、噛ませるようにしましょう。バナナ風味なので小さい子供にも食べやすくなっていますよ。
こども肝油ドロップグミ
ユニマットリケン
ビタミンA・Dの他にビタミンB2、B6を含んだ栄養機能食品です。子供が食べやすいようにバナナ風味のグミになっています。ちなみに、ユニマットリケンでは、サメから抽出した成分から作った「生肝油」も販売していますよ。
肝油ドロップの食べ過ぎは危険!過剰摂取による副作用に注意
肝油ドロップは、好き嫌いが多く栄養不足が心配な子供を育てているママが安心して幼児に与えられる優れた栄養補助食品ですが、食べ過ぎることで体調を崩してしまう子供もいます。
体にいいからと食べさせ過ぎず、幼児の一日の摂取量の目安や食べ過ぎによる副作用について与える前にきちんと確認しておきましょう。
幼児が一日に食べられる肝油ドロップは何粒?
子供が小さいうちは親が摂取量を管理するのはたやすいことですが、子供が成長するに従って管理が難しくなってきます。
子供にしてみれば、肝油ドロップは美味しいおやつ。効能や副作用には興味もなければ知識もないため、自ら手をのばしてバクバク食べてしまうこともあるのです。
肝油ドロップの1日の摂取量
幼児の肝油ドロップの摂取量は、1日1粒が基本です!食べさせる前に、念のため商品に記載されている摂取量を確認しましょう
肝油ドロップを食べ過ぎると、子供の体に副作用が起こりますので、親は1日の摂取量を守らせて、勝手に手を伸ばして食べないように伝えておきましょう
肝油ドロップの食べ過ぎによる副作用
肝油ドロップを食べ過ぎると、過剰に摂取したビタミンAやDを体内の脂肪に蓄積してしまいます。そのため、吐き気や嘔吐、皮膚のかゆみ、腹痛、多尿、喉の渇き、けいれん、食欲不振、体重減少などの症状が見られることがあります。
他にも、ビタミンAの過剰摂取は頭蓋内や骨格の異常、ビタミンDの過剰は腎不全など、恐ろしい副作用を引き起こすことも心配されますので、肝油ドロップを購入した場合は、子供の手の届かないところに保管しておくことが大切です。