乳幼児健診別に目的や内容を予習!その日に備えよう
赤ちゃんとの生活が始まり、乳幼児健診のことが気になっているママも多いのではないでしょうか?初めて子育てをするママにとっては、健診内容や受診のしかたなどわからないことばかり。不安に思って当然です。
そこで、育児に励むママとともに乳幼児健診の基本的な概要について予習したいと思います。基本的な…と書いたのは、健診についての告知や受診のしかたなど、細かい点は市区町村によって違いがあるからです。受診の時期が近づいてきたら、事前に通知書や広報紙、ホームページなどで必ず詳細の確認をしてくださいね。
乳幼児健診の目的は?
乳幼児健診は、正確には「乳幼児健康診査」といい、市区町村が母子健康法の規定により行うものです。赤ちゃんの発育状態や栄養状態を確認しながら、トータルで赤ちゃんの成長をサポートすることを目的としています。対象となるのは乳児から4歳未満の幼児で、受ける時期や健診の内容が定められています。
また、予防接種の内容や時期、離乳食の進め方などの確認や相談ができるなど、ママの育児をサポートする場ともなっています。定期的に健康状態をチェックすることで先天的な病気を早期に発見し治療につなげることができますから、積極的に受診することをおすすめします。
乳幼児健診には義務と任意がある
乳幼児健診は母子保健法の第12条、13条に規定されているものと、それぞれ任意で行うものがあります。母子保健法に規定される乳幼児健診は1歳半健診と3歳児健診のみですが、第13条に基づきほとんどの自治体で3~4ヶ月児健診が行われているほか、母子の経過をチェックするため出産した産院で1ヶ月健診が行われています。
健診項目も母子保健法施行規則に規定されますが、病気や異変などリスクを早期発見し対処するためのスクリーニングが乳幼児健診の重要な目的であるため、時代の流れと共に健診項目、チェック内容も変化・改定されていきます。
各種乳幼児健診の時期と内容
乳幼児健診は、生後1ヶ月から3歳までの間に7回あります。目的にそって月齢ごとの診察や検査が行われますが、そのうち5回は1歳までに集中しています。
どの月齢にも共通している内容は、体の発育状況を知るための身長・体重・胸囲・頭囲の測定と、心臓音などの内科的確認です。また、ママが疑問に思っていること、不安に感じていることの相談も受けてもらうことができます。以下、月齢ならではの内容を簡単にまとめてお伝えしましょう。
1ヶ月健診
受診については任意となっていますが、赤ちゃんが順調に育っているかの確認や、産後のママの体が回復しているかといった診察も含め、ほとんどのママが出産した病院で受診する健診です。
授乳の状況(母乳かミルクかなど)や回数、おへそのかわき具合や黄疸の状態、先天性股関節脱臼がないかどうかのチェック、原始反射といわれる反応が見られるか、心臓に雑音はないかなど、丁寧な確認が行われます。また、頭蓋内出血などを予防するため、赤ちゃんに不足しがちなビタミンKシロップも投与されます。
産後1ヶ月の間には、ママにとっても不安なことや疑問に思うことがたくさんあるのではないでしょうか。そういったことも遠慮なく質問して大丈夫ですよ。
3~4ヶ月健診
母子保健法第13条に基づき、ほとんどの市区町村が行っている乳幼児健診です。
股関節の状態や首のすわり具合はどうか、音や周りの人の働きかけに反応を示すかなど、心身の発育状況を中心に診察が行われます。同時に、先天的な病気がないかのチェックも行います。また、予防接種や離乳食についての説明やアドバイスの時間が設定される場合もあります。
6~7ヶ月健診
寝返りやお座りの状況や離乳食の進み具合など、体の発育状況を確認していきます。また、このくらいの月齢になると精神的な面での状況が把握できるようになるので、顔にハンカチを乗せられたときに払いのけるかどうか、おもちゃや人に対する関心の示し方はどうかといったことも丁寧に診ていきます。
9~10ヶ月健診
つかまり立ちやハイハイの様子、体が倒れそうになったときに手を出して体を支えようとする「パラシュート反射」が出るかどうかなどの運動機能の確認をします。また、離乳食の進み具合や食事の量はどのくらいか、歯の生え具合はどうかといった身体的な発育についても診ていきます。
視覚や聴覚など、それまではわかりにくかった先天的な病気や異常も見つけやすくなるころです。いつも一緒にいるママだからこそ気づいていることもあるかもしれません。もしも気になることがある場合は、必ず相談するようにしましょう。
12ヶ月健診
市区町村によっては「1歳健診」「お誕生日健診」などともいうようです。
ひとり立ちやあんよなど体の発育状況、言葉が出るようになってきているかどうか、おもちゃなど周りのものに対してどんな反応を示すかなどの精神的な発育状況を確認していきます。
大泉門(頭のてっぺん)が閉じてきているかどうか、歯の生え方や本数はどんな状況かといったことも診ていきます。
1歳半健診(義務)・2歳健診
ひとり歩きができるようになったか、手や指を自由に動かすことができるか、言葉を理解できるか、自らも言葉を話すかなど、運動面・精神面での発育について丁寧に確認していきます。同時に、心音や胃腸、歯の生え方や本数、皮ふなどに異常はないか、視力・聴力に問題はないかなど全身の状態も診ていきます。
3歳健診(義務)
食事や睡眠など生活全般に関する問診のほか、運動面での発達、視力や聴力、言葉や社会性など精神面での発達、歯の状態などについて丁寧に確認をしていきます。
乳幼児健診を受ける場所
受ける場所は、病院か市区町村の保健センター(あるいは保健センターが設定した会場)のどちらかになります。保健センターの場合は、同じ月齢の赤ちゃんを同じ日に集め、集団で健診を行う場合もあります。ただし、詳細は自治体によって異なりますので、必ず通知書や広報紙、ホームページなどで確認をしておきましょう。
なお病院で受ける場合、ママの経過観察の視点からも1ヶ月健診では出産した病院に出向くママがほとんどですが、一カ月健診は小児科医でも受け付けてくれます。産院によっては赤ちゃんとママの一カ月健診を分けて行い、小児科医を紹介してくれるパターンもあります。赤ちゃんのホームドクター探しもかねて小児科医に出向いてみるのも良いでしょう。トータルで健康状態を把握しておいてもらえると、いざというときに安心です。
乳幼児健診にかかる費用
費用は、無料の場合と有料の場合があります。無料の健診には、母子健康手帳と一緒もしくは後で郵送されて受け取った「乳幼児健康診査受診票」が必要ですので、忘れずに持参しましょう。
無料となる定期健診は、3ヶ月、1歳半、3歳に限られています。ただし、自治体によっては無料となる健診の回数が多かったり、3ヶ月健診を4ヶ月で行うなどの違いもありますので、赤ちゃんとママの健康のためにも、ぜひ計画的に利用しましょう。
費用がかかる場合の金額は市区町村や病院によって異なりますが、2,000円から4,000円程度を見積もっておくとよいでしょう。何か特別な検査をすることになったときには、その場で費用や支払いについて確認をすると安心ですね。
乳幼児健診の受け方や持ち物
通知された受診の案内にそって、必要なものを用意しましょう。記入するものがある場合は、可能な範囲で前日までに記入をすませておくと慌てずにすみます。そのほか、不安や疑問などがある場合は、メモ書きにして持っていくと聞き忘れもありません。
身体計測の際は服を脱いだりしますので、脱いだり着せたりがラクにできる服を着せていきましょう。1ヶ月健診でママも診察を受ける場合は、前開きの服を選ぶとスムーズです。また、持ち物は大き目のショルダーバッグなどにひとまとめにして、両手があけられるようにしておくとよいでしょう。
<受診の際の持ち物>
- 母子健康手帳、受診券、問診票など指示されたもの
- おむつ、おしり拭き、汚れたおむつ入れ
- 着替え(おしっこなどで濡れてしまったときのために)
- 母乳以外の赤ちゃんはミルク、湯冷ましなど
- お財布、ハンカチ、ティッシュなどママの持ち物
乳幼児健診は赤ちゃんとママの健康のため!
まだ小さな赤ちゃんを連れて荷物も準備して出かけていくことは、なかなか大仕事でもあります。ですが健診は、赤ちゃんの発育状況を確認できるだけでなく、ママの不安や疑問を専門家に尋ねることのできる大切な機会です。
自治体の保健センターが実施する健診の場合は、医師のほか、歯科医師、保健師、栄養士、相談員など、多岐に渡るスタッフが集まることも多いようです。医学的なことだけではなく、離乳食のことや生活習慣のことなどについても相談できますから、赤ちゃんとママの健康のために、ぜひ乳幼児健診に足を運んでくださいね。