モンテッソーリ教具を手作りしよう!1歳からのお仕事~縫いさし
モンテッソーリ教育とは藤井聡太四段やオバマ前大統領などの著名人が受けていたと話題になっている教育法。日常生活、感覚、言語、算数、文化などを多岐にわたり教具を用いて学びます。
自宅で全て行うのは困難ですが、自宅で簡単に手作りできる教具もあり、幼児の集中力や器用さのUPなどに役立ちますので、家庭での遊びの一つに取り入れてみる価値は十分にあります。
こちらではモンテッソーリ教育のお仕事体験にぴったりの教具「縫いさし」を手作りする方法を、1歳~5歳まで年齢別にグレードアップしていけるようにご紹介していきます。教具の収納方法にも秘策アリ!
そもそもモンテッソーリ教育とは?
20世紀初めのイタリアでマリア・モンテッソーリが考案した教育法です。子供は元々、自分で成長・発達する力を持っているので、それを伸ばしていけるように大人はサポートするというのが基本的な考え方です。
そのため一律に年齢に応じた教育をするのではなく、個別にそれぞれの子供の成長や興味に合わせた教具を使います。また教具を使った遊びを「お仕事」と呼ぶのもモンテソーリ教育の特徴で、その目的は自立心、自ら学ぶ姿勢、責任感や思いやりをもった人間に育てるためです。
縫いさしとは?
縫いさしとは紙に糸(毛糸)で刺繍をするお仕事です。針は毛糸用などの先がとがっていないものを使用します。まだ針は危ない場合は、年齢にこだわらず縫いさし風の紐通しから挑戦してみるとよいでしょう。
1~3歳向けの教具!縫いさし風の紐通し
針がまだ危なくて使えない(使わせたくない)1~3歳向けの、縫いさし風の紐通しです。一度作れば、紐を通した後にほどいて何回も使えます。
モンテッソーリのお仕事は基本的に何歳からと一律に決まっていませんので、針を使うモンテッソーリ教具の縫いさしにいつからステップアップするかは、子供の様子をよく観察して判断しましょう。
縫いさし風の紐通しの材料
- 紙皿
- 厚紙(無地であれば、お菓子やそうめんの箱でもできます)
- 糸(毛糸やつづり紐、靴紐など)2~3色
- ハサミ
- 穴あけパンチ(一つ穴タイプ)
紐は毛糸(並太くらい)だと難しそうなら、靴紐のように先が硬くて細い紐がおすすめです。紙皿タイプは1つ穴の穴あけパンチを使って作ります。無い場合は100均で購入もできますが、その場合は四角いタイプを作りましょう。
縫いさし風の紐通しの作り方
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紙皿を半分に折り、真ん中の部分を切り取ります -
ら穴をあけていきます。穴の数はできれば偶数にします。 -
厚紙の紐通しは紙を縦20~25cm×横6cmくらいに切り、穴あけパンチで周辺に穴を開けていきます。穴の数はできれば偶数で、穴の場所は上下同じくらいの場所になるようにしましょう。角は尖っていると危ないので丸くカットします。
使用する毛糸や靴紐は40~80cmくらいに切り、片方の端を穴から抜けないように何回か固結びして、大きい結び目を作っておきます。
縫いさし風の紐通しの使い方
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好きな色の糸を選び、開いた穴に順番に紐を通していきます。 -
四角いタイプは慣れてきたら斜めに通していき、クロスステッチのように交差させてもいいでしょう。丸いタイプは真ん中の開いた部分を利用して模様も作れます。こうした模様を作るのは意外と難しく、4歳児でも十分に遊べます。
3~5歳向けの教具:手作り縫いさし
針に糸を通したり、糸を結んだりするのは5歳児くらいにならないと難しいので、できないところは手伝います。手伝う際は、黙ってゆっくりとやり方を見せてあげるのがポイント。
またキリは使わせたくないという場合はコピー用紙のような薄手の紙を使い、発泡スチロールを下敷きにして書けなくなったボールペンで簡単に穴を開けることができます。最初はあまり時間がかからないように、大きめの間隔で線や簡単な図形から挑戦しましょう。
縫いさしの材料
- 色画用紙
- 針(毛糸用のとじ針のような先の尖っていない針)
- きり(又は千枚通し)
- 細めの毛糸(又は刺繍糸やレース糸)2~3色
- 段ボール(下敷き用)
- ペン(サインペンやボールペン)
縫いさしの作り方
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色画用紙に線を描き、穴を開ける位置に印をつけます。印は大きめの1~1.5cmの間隔に偶数になるようにつけます。 -
線が簡単過ぎる場合は、イラストやシンプルな図形を描きます。印は細かめの0.5~1.5cmの等間隔に偶数になるようにつけます。図形は丸や四角、三角、ハートなど、イラストはアンパンマンや電車、花や果物など選べるように何種類か用意します。 -
色画用紙と針、キリ、段ボール、毛糸をトレイか浅い箱に入れ、1つにまとめてセットします。
縫いさしの教具の使い方
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縫いさしセットを出して、紙を選びます。段ボールを下敷きにして印の部分にキリ(千枚通し)で穴を開けます。 -
糸を選んで必要な長さで切ります(50~80cmくらい)。針に糸を通し、糸の両端を合わせて玉結びをします。 -
紙を裏返して裏側から針を入れて縫いさしを始めます。表にひっくり返して針を引き、今度は表から針を入れて、裏から針を引きます。 -
最後の穴まできたら玉止めをするか、糸が短ければセロテープで留めて完成です。
応用編!紙で作る手作りぬいぐるみ
紙に描いたイラストの周りを縫って中に詰め物を入れたら、ふっくら縫いぐるみのようになります。家にある材料だけで手軽にできますが、作るのも出来上がったもので遊ぶのも楽しく、子供にとても喜ばれる教具です。イラストはお子様自身で描かれても良いし、親が描いて色だけ塗ってもらっても構いません。
紙で作る手作りぬいぐるみの材料
- コピー用紙
- ハサミ
- 針(毛糸用のとじ針のような先の尖っていない針)
- きり(又は千枚通し)
- 細めの毛糸(又は刺繍糸やレース糸)2~3色
- 段ボール(下敷き用)
- ペンや鉛筆、色鉛筆など絵を描く道具
紙で作る手作りぬいぐるみの作り方
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紙を2つ折りにして表側のイラストを描きます。今回は筆者が薄く書いた絵を子供がなぞりました。 -
イラストの周りから1cmくらい余裕を持たせて切り抜きます。イラストの周りにキリで穴を開けます。裏側に後ろ姿などの絵を描きます。 -
糸の端を玉結びしてイラストの周りを縫っていきます。半分まできたら中にくしゃくしゃにした紙などの詰め物を入れて、最後まで縫ったら内側で玉結びをして完成です。
モンテッソーリ教具の手作り後の収納
モンテッソーリ教育ではお仕事は自分で選んで、出して、仕事の後は元の場所に戻します。子供が自分選びやすいように、子供の手の届く高さの扉のない棚にお仕事の道具を種類ごとに並べます。
理想はよく子育て支援センターなどで見かける2段の棚ですが、狭い我が家では棚の中に箱を入れて段を増やして収納しています。それでも入りきらない教具は、大きな箱に入れておいて時々棚の教具と入れ替えています。
置き方は自由ですが、下の段は本や積み木などの重い教具、軽い教具は上の方へ入れます。余裕があれば教具を置く場所に写真を貼っておくと片づけやすいでしょう。
モンテッソーリの教具だけでなく玩具も、こうして置いておくと場所は取りますが部屋がすっきりと片付き、子供も自分で片づけやすいためおすすめの収納方法です。