昔の遊びは効果的でリーズナブルな知育!ICT教育時代だからこそ必要
親から子へ伝承される「昔の遊び」。実は効果的でリーズナブルな知育になりますが、あなたは子供と一緒に遊んでみましたか?
小学校にも情報通信技術が導入されるICT教育時代。受け身の学びが多くなるからこそ、昔の遊びは子供の使わなくなった能力を鍛えるのに役立ちます。
こちらでは、昔の遊びが子供の知育や能力UPに効果的な理由、室内でも遊べる道具を使った昔の遊び8選、手遊び歌4選、屋外でのあそびにおすすめの外遊び5選をご紹介します。
昔の遊びが知育になる理由は?子供側からの働きかけが必要だから
昔の遊びは、テレビゲームやスマホゲームのような現代の遊びとは違い、受け身の遊びではありません。
物を手に入れることが困難だった時代だからこそ、自ら考えて手作りする必要性が高かった時代の働きかけが必要な遊びですので、創造力、判断力、推理力、記憶力といった知的な能力を育てることができるだけでなく、知育に必要不可欠な非認知能力、運動神経を効果的に高めるのにも役立ちます。
非認知能力とは?
非認知能力は数値化できない能力のことを言います。具体的には思考力、コミュニケーション能力、観察力、集中力、忍耐力などです。非認知能力を幼児期から鍛えることで小学校以降の学習能力が飛躍的に伸びるだけでなく、将来幸せになる確率が上がるという研究成果も出ています。
昔の遊びで今注目されている非認知能力が鍛えられる
昔の遊びはシンプルで、「どうやったらもっと上手く遊べる?」「なぜ、できないのだろう?」という疑問や課題を、子供に遊びながら与えられるものが多いです。
脳は知的好奇心や楽しさを感じた方が効果的に知識を記憶することができますが、この疑問や好奇心によって非認知能力を伸ばすきっかけも作れます。
例えば、複数の人と一緒に行う鬼ごっこなどの昔の遊びは、非認知能力の一つであるコミュニケーション能力を効果的に鍛えるのにも役立ちます。また一人で遊ぶお手玉などの遊びでも、忍耐力や集中力などの非認知能力を鍛えることができます。
昔の遊びには運動神経の発達に役立つものが多い
適度な運動は効果的な知育に繋がる要素の一つ。安静にしているよりも10分間運動した後の方が、短期記憶する能力が高まるという実験結果もあります。
また昔の遊びをする中で、知らず知らずに次のような運動神経が鍛えられます。
- 体幹
- 平衡感覚
- 筋力
- 瞬発力
- ジャンプ力 など
昔の子供が丈夫で運動神経が良いのは、遊びの質も運動量も現在の子供とは比較にならないほど良質だったためと考えられます。
現在の子供は公園でもカードゲームや小型ゲーム機で体を動かさずに遊ぶことが多く、体力・運動能力の低下は無視できない問題だと、文部科学省も警鐘を鳴らしています。休日の親子のコミュニケーションに、ぜひ昔の遊びを取り入れてみましょう。
室内の昔の遊び!おすすめの8選~道具編~
室内での昔の遊びには狭いスペースでも効果的に脳を刺激したり、体を鍛えたりすることができる遊びが沢山あります。こちらでは幼児でも簡単に取り組める遊びをおすすめしました。
1折り紙
お受験でも、折り紙を使った問題を出す小学校があります。費用をかけず効果的に知育ができる折り紙は、親にとっても嬉しい昔の遊びです。
大人が折り紙を折ってあげると、子供は一枚の紙から作られる様々な物に興味津々で覗き込んできます。こうして幼いころから折り紙で遊ぶことで、子供は好奇心がくすぐられて楽しく創造力・思考力・推理力・空間認知能力などの伸ばすことができます。
幼児でも簡単に作れる折り方もありますので、季節の行事の際には親子で折り紙をして家を飾ってみるのもおすすめです。
我が家の旅の定番アイテム
我が家には男の子の幼児が2人いますが、我が家の旅の定番アイテムは「折り紙」です。旅館やホテルに早くついてしまった時、ご飯まで時間がある時など、待ち時間を利用して子供と一緒に遊んでいます。
集中して折ってくれますし、大人しく待つことができるので親も大助かり。我が家の場合は手裏剣や恐竜など男の子が好きな定番のものを折るのが人気です。作り終えた作品で遊ぶのも楽しいみたいです。
2お手玉
2つ以上のお手玉を繰り返し投げる動作は幼児にはやや難しいものの、中にはできる子もいるややハードルの高い昔の遊び。できそうでできないため集中力を高めるのに役立ちます。
幼児の場合、一つを真上に投げて反対の手でキャッチ。できるようになったら、今度は投げた手と同じ手でキャッチ。左右どちらも行い、まずはお手玉の感覚に慣らしてあげる所からスタート。これだけでも脳がより活性化します。
中に入っている物によって触り心地が変わるお手玉は、触っているだけでも不思議と落ち着き、お気に入りの色や柄を見るだけで楽しくなります。年長さんくらいからお裁縫に興味を持ち始めますので、親子で一緒に手作りするのもおすすめです。
3将棋
藤井聡太四段の登場により注目度が増し、知育としても有名になった将棋。集中力や思考力、忍耐力を鍛えるのに役立つ昔からある遊びです。
幼児には駒を覚えるのも難しいかもしれませんが、今は動物将棋やスタディ将棋といった幼児期から楽しめる将棋もあり、幼児でも楽しく遊んでいる子供達はいます。
初めは大人と一緒に行うことでゲームの面白さが分かってき、徐々に駒も覚えます。慣れてきたら「歩」なし将棋で対戦するのも面白いでしょう。
4おままごと
コミュニケーション能力、協調性、図形の基礎などが学べます。友達との役割を決めることから始まり、自分の思う配役になれなくても我慢し、話し合いをすることで協調性が生まれます。
また意外に見落としがちなのが図形の基礎を知れることです。ニンジンは円錐、ホールケーキは円柱というように図形に置き換えられます。勿論すべての食材が当てはまる訳ではありませんが、玩具の包丁で切れば断面図も知らず知らずに学べます。
お姉ちゃんの横で
ある日、小学校高学年のお姉ちゃんの算数ドリルを覗いていた幼稚園児の下の子が、円錐をみて「人参と一緒だね。これ切ったら丸だよ。」と言ったのには、お姉ちゃんも私も目から鱗でした。
下の娘は円錐なんて言葉は勿論知りません。まだ小さいので包丁を触らせたこともありませんし、もちろん本物の人参も切らせてあげたこともありません。ですから恐らくおままごとから知ったのだと思うのですが、その時は「遊びってすごい」と感心してしまいました。
5おはじき
子供にとって、まるで本物の宝石のようにキレイな「おはじき」。眺めているだけで心が癒されますが、遊べば集中力や思考力が養える代表的な昔の遊びの一つです。
単純な遊びですが「どのくらいの力でおはじきをはじくか?」「どのおはじきが取りやすいか?」「他のおはじきに当たらないようにはじくためには?」など、思考しながらゲームを進めることができます。
- メンバー×5個のおはじきを机の上にばらまく
- 自分の近くのおはじきを指ではじき、他のおはじきに当てる
- おはじきが周りのおはじきに触れなかったら、当てたおはじきをもらえる
- これを繰り返してテーブルのおはじきがなくなったら終了。おはじきが一番多い人が勝ち!
6紙風船
可愛い色、もろい質感の紙風船。工夫することで思考力が身に付く昔の遊びです。普通にポンポンと落ちないように打ち上げるだけでも「破れないようにするのはどうしたらいいの?」「長く続けるにはどうすればいいの?」と子供が自然に考えながら遊びます。
上手にできるようになったらもう一工夫。小さな人形などの障害物を置き、独自のコースを作ってストローで吹き紙風船を転がす遊びをするのも楽しいです。
肺活量が自然に鍛えられますし、「紙風船を転がすにはどのぐらいのスペースが必要?」「どのぐらいの力でストローを吹くと進む?」など考えますので、コースを作り替えれば無限に楽しめ思考力がどんどんUPします。
7かるた
ひらがなを覚えたての幼児から遊べます。文字の楽しさを感じられると同時に語彙力、集中力、我慢力が養われます。
もともと集中力があまりない年齢である幼児の場合、始めたばかりの頃は面白さがわからず集中できませんので、かるたの枚数を減らして遊ぶようにするとよいでしょう。
負けると悔しがりますが、これも成長の証と捉えてあげましょう。
負けず嫌いは天才になる⁉
頭が良い人やスポーツに秀でている人など、周囲から天才と呼ばれる人には負けず嫌いが多いです。小さい頃はかんしゃくを起してママも大変なのですが、次第に自分の感情と折り合いをつけられるようになりますので、今は暖かく見守ってあげましょう。
8けん玉
正月遊びで行われることも多いけん玉は、足腰の筋力や集中力を鍛えることができる昔の遊び。上達するには屈伸運動をするように膝を使わなければなりませんので、繰り返し行うことで自然に足腰の筋肉が鍛えられます。
また失敗を繰り返すことで脳が刺激され、集中力も高まりますし、失敗しても諦めない我慢強さも学べます。
けん玉は一流選手のトレーニングアイテム
けん玉の効果にはスポーツ選手も注目しており、レスリングの吉田沙保里選手、野球選手の安部友裕内野手、プロバスケット選手の米澤翼選手などの一流スポーツ選手も、けん玉をトレーニングに取り入れていたとの事例もあるほどです。
室内の昔の遊び!おすすめ4選~手遊び歌編~
道具もいらない手遊び歌は、親子で楽しめる昔の遊び。手遊び歌の歌詞から日本の歴史に触れたり、想像力や集中力などを身に着けたりすることもできます。
こんな時にも役立ちます!
公共の場で騒ぎながら行うことはマナー違反ですが、少し声を出せる場所でなら、楽しく遊びながら待たせることはできます。待ち時間にスマホやゲームを渡して静かにしてもらうのも一つの方法ですが、手遊びをしながら子供の能力アップをすれば、より有効に時間が使えます。
1ずいずい ずっころばし
「ずいずい ずっころばし ごまみそずい」と歌い始め、2人以上で手を使って遊ぶ昔ながらの手遊び歌の代表格。不思議な歌詞とリズムを子供はあっという間に覚え、夢中になって遊びます。
子供が少し大きくなったら、歌の意味を教えてあげましょう。この歌を通して、日本の歴史に触れるよいきっかけになります。
「ずいずいずっころばし」の歌詞の意味
この歌は子供を大名行列から守る歌で、江戸時代に幕府が1年分の茶を宇治から運ぶお茶壷道中がきた際、子供達が驚き慌てて家の中に逃げ帰り、扉を「ドッピンシャン」と閉めて息を潜めて大名行列が行くのを待ち、お茶壷道中が抜けてホッとしたという情景を歌ったもの。
正確な意味は分かっておらず、これは所説ある中の一つですが、昔は大名行列の前を横切るなど、子供でも無礼をすると切られてしまうため、こうした歌にして教えたと言われています。
2おちゃらか ホイ
「せっせせー の ヨイヨイヨイ」と二人で向かい合い手をつなぎ始まる手遊びです。
じゃんけん勝負の手遊び歌ではありますが、曲と共にスピードアップしていく際に一連の動作が正確にできるかも勝敗を左右します。楽しみながら集中力、リズム感が鍛えられます。
3お弁当の歌
「これっくらいの お弁当箱に おにぎり おにぎり ちょいっとつめて」で始まる手遊びです。歌詞の内容よりも手と指の動きに注目する、昔だけでなく今も幼稚園などでよく遊ばれている手遊び歌です。
- ニンジンさん
→指を2本と3本 - サクランボさん
→指を3本と3本 - シイタケさん
→指を4本と3本 - ゴボウさん
→指を5本と3本
という風に行うことで、数字をまだ知らない幼児でも漠然と5までの数字を知ることができます。もちろん知らない野菜の名前を覚えるなど語彙力もアップしますし、手を動かすことで脳の刺激も行えます。
4ひげじいさん
「とんとんとんとんひげ爺さん」で始まる手遊び歌。手で色々な物を作りながら歌います。昔の遊びとして行われていたノーマルバージョンでも楽しく遊べますが、アレンジを加えてみせると、子供の反応がとても良くなり、子供達自ら他の歌詞の動作にアレンジを加えて遊びだしたりします。
例えば、「とんとんとんとんひげ爺さん」の歌の後に、下のこぶしをビヨーンと動かし、髭を伸ばしてあげるなどです。このように遊びに幅をもたしてあげると、想像力や思考力が自発的に身についていきます。
屋外の昔の遊び!おすすめ5選
野外で昔の遊びをすることで平衡感覚、筋力、体幹を鍛えることができます。昔の遊びを上手に取り入れることは、運動神経を伸ばすだけでなく、子供の運動量を増やして体力を向上させ、丈夫な体を育むのに役立ちます。親子で楽しく遊びながら、子供の健全な成長をサポートしましょう。
1鬼ごっこ
ただ鬼が追いかけるだけの単純明快な昔の遊びです。子供たちは頭をフル回転させながら逃げなければなりません。追いかけられる側は、「いっぱい走って疲れたから鬼に見つからないように木の陰で隠れよう。」「スリルを味わいたいから鬼が近くに来るまでゆっくり走ろう。」などと考えます。
鬼も「気が付かれないように後ろから近づこう。」「疲れたふりして近くに来てもらおう。」など、様々なことを考えます。このように思考力と共に体力も身に着けることのできる遊びです。
2ケンケンパ
地面に丸を書き、一つの輪の時は片足で「ケンケン」と進み、横並びに二つの輪が並んだ場所では「パ」と両足を開いて2つの輪を踏む、至ってシンプルな昔の遊びです。
大人にとっては簡単ですが、3~4歳の幼児には片足でケンケンパをするのが難しい子もいます。そのような場合はママが手をつないで、一緒に練習してあげることで早く上達します。
最初はうまくできなくても徐々に上達するので、「できた!」と達成感が生まれます。子供の成功体験は次のやる気に繋がりますのでこの時上手に褒めて伸ばしてあげましょう。
3だるまさんが転んだ
「だるまさんがころんだ」の言葉を聞きながら、「今度は早く振り向く?遅く振り向く?」と鬼の行動を推理します。推理を間違えれば不安定な体制で一時停止しなければならず、推理力や平衡感覚が鍛えられます。
無意識のうちに体と頭を同時に鍛えられる、優れた昔の遊びです。
4ぽっくり
ぽっくりとは昔の少女用の高さのある下駄の一種。それを竹や空き缶などで作り、乗って遊ぶのが昔の遊びのぽっくりです。不安定なのでバランス感覚が鍛えられます。
昔は竹を10~20cm程度に切り、横に穴を開けてひもを通してぽっくりを作りましたが、時代と共に空き缶の横に穴を開けてぽっくりを手作りする家庭が増え、今ではプラスティック製のぽっくりが商品化されています。
パカポコ
ポーネランド
他のパカポコよりお値段が張りますが、耐荷重は約50kgまでなので丈夫です。子供は背が高くなった気がするため、楽しそうに使います。紐に結び目を作ることで簡単に調節もでき、最初は乗る次は歩く最後に走るというふうに段階に応じた遊びができるのも良いです。
紐を持って歩くため、右足右手、左足左手を同時に動さないと上手く歩けません。最初の頃は缶に乗るだけで大変ですが、慣れてくると走れるようにもなり、脚力や手足の供応力を鍛えることができます。
5竹とんぼ
両手で竹とんぼの軸を挟み、手を前後にスライドさせて竹とんぼの軸を回転させ、手を離すことで飛ばす昔の遊びです。今でも100円ショップなどで購入できますが、竹とんぼの良さは作ることにもあり、「どうすれば飛ぶようになるのか。」「はねの長さは?軸の長さは?」と考えることで、考察力が鍛えられます。
昔は竹を削って作っていましたが、幼児には牛乳パックで作る竹とんぼがおすすめ。飛んだ時、想像以上に子供に達成感を味合わせてあげることができます。