洗いたての洗濯物が臭うのはなぜ?嫌なニオイの発生原因と対策
せっかく洗ったはずなのに、洗濯物のニオイが気になることはありませんか。洗剤や柔軟剤で対策したはずなのにどうしてニオイが残ってしまうのでしょうか。洗濯物に嫌なニオイが残る原因を理解して、適切な対策を講じましょう。ここではニオイの主な発生原因を3つご紹介します。
1. 汚れの洗い残しがある場合
ニオイが気になる原因として、洗濯したつもりでも実は汚れが十分に落ちていなかったという可能性があります。一日着用して汗や皮脂をたくさん吸い取った衣類は、ただ洗っただけでは汚れが残りやすいものです。洗い残した皮脂や汗などの汚れは、雑菌(主にモラクセラ菌)の格好の栄養源となり、ニオイの原因となります。特に皮脂や汗の分泌量が多い場合は、洗い方が不十分だとニオイ残りにつながりやすいです。
汚れが残っていると、柔軟剤を使ってもニオイの解決にはなりません。ニオイと柔軟剤の香りが混じり合い、かえって不快なニオイ(香害)と感じることもあります。
2. 洗濯機からのカビ移りがある場合
洗濯機の中でカビが繁殖していると、そのカビが洗濯物に付着してニオイの原因となります。洗濯物を干した時に、黒っぽいカスのようなものが付着しているのを見たことがありますか?それは、洗濯槽の裏側についている黒カビの破片がはがれたものです。
洗濯槽の裏側は、水気(湿気)が多く、洗剤や柔軟剤の残りカス、衣類から出た皮脂汚れなどが栄養源となるため、カビが非常に繁殖しやすい場所です。洗濯槽自体がカビだらけになっていては、いくら洗濯しても衣類がきれいになるはずはありません。
3. 乾くまで時間がかかった場合(生乾き状態)
洗い終わった洗濯物が濡れた状態のまま長く続くと、ニオイが発生しやすくなります。「洗濯が終わってしばらく放置したら臭くなった」「部屋干しの洗濯物がにおう」という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。洗濯物が湿った状態が続くと、皮脂や水分を栄養源としてモラクセラ菌などの雑菌が爆発的に繁殖します。そして、この菌が皮脂などを分解する際に排出する排泄物(ニオイ成分)が、あの嫌な生乾き臭の主な原因となるため要注意です。
試してみて!洗濯物の嫌なニオイを根本から断つ7つの対策
先ほどご紹介した「汚れ残り」「洗濯槽のカビ」「生乾き状態」という3つの悪条件を取り除けば、洗い立ての洗濯物の嫌なニオイは防げます。
ニオイの元となる雑菌を除去するための洗濯方法もたくさんありますので、その中から「これは効く!」という人が多い対策を見てみましょう。
1皮脂汚れが残りやすい部分を予洗いしてから洗濯する
汚れが残りやすい場所をあらかじめ予洗いしてから洗濯機に入れると、洗濯物にニオイが残るのを防ぐのに役立ちます。
特に汚れのつきやすいエリやそで口、汗でニオイが残りやすいワキの下などは、洗濯前に石けんなどで軽くもみ洗いをしておきます。そうすれば、ニオイの原因となる皮脂汚れもすっきり落ちて、洗剤や柔軟剤の香りも生きてきます。
2酸素系漂白剤につけ置きしてから洗濯する
ニオイが気になる衣類は、酸素系漂白剤に30分ほどつけてから洗うと効果的です。漂白剤には殺菌・除菌作用があるため、繊維の奥に染みついたニオイの原因菌やニオイ汚れを落とすことができます。色落ちを防ぐために、色柄物にも安心な酸素系漂白剤を使いましょう。
3いつもの洗剤に重曹をプラスする
洗濯に重曹を使うと、消臭効果によりニオイや汚れをよく落としてくれます。重曹は、皮脂などの酸性の汚れを中和する弱アルカリ性の成分です。
使い方は簡単です。普段使っている洗剤に、大さじ1~2杯程度の重曹を混ぜて洗うだけです。重曹は水に溶けにくい性質があるため、あらかじめ少量のぬるま湯に溶かしてから投入するか、30度から40度のお湯を使うとさらに良く落とせます。
「敏感肌で強い洗剤は使いたくない」「最近の柔軟剤は香りが強めで苦手」という方には、重曹を加える洗濯法は特におすすめです。
パックス重曹F
太陽油脂
人と環境に優しい太陽油脂の、食品添加物としても使えるグレードの重曹です。一般に売られている食用重曹よりもお得な価格で購入できる場合があります。
洗濯はもちろん食器洗いや掃除、お菓子作りのベーキングパウダー代わりにオールマイティーに使える商品です。
4タオルが臭い時にはお湯が効く
洗ってもとれないタオルの頑固なニオイは、熱による殺菌が有効です。ただし、衣類の素材や色落ちに注意が必要です。必ず洗濯表示を確認してから行ってください。
お湯を使ったニオイ汚れの取り方
●ニオイ対策に効果的な60℃以上のお湯(熱湯ではない)に酸素系漂白剤を溶かし、タオルをつけ置きする。
ニオイの原因菌を死滅させるには、60℃以上の温度が効果的であると言われています。しかし、熱湯をそのままかける方法は、綿やウールなどの素材を変色させたり、縮みの原因となったりすることがあるため、衣類の状態に合わせて40度程度のお湯(酸素系漂白剤が効果的に働く温度帯)を使うなど、工夫して行ってください。
5洗濯槽のクリーニングをする
洗濯物に黒カビの破片が付着してくるなど、カビ臭さが気になる場合は、洗濯槽のクリーニングをしてみましょう。洗濯物のカビ臭さを根本的に落とすのに役立ちます。
市販の洗濯槽クリーナーを使うと、どんどん黒カビが浮き上がってきます。洗濯槽クリーナーは、粉末のつけおきタイプがおすすめです。
40度くらいのお湯を使って時間をかけてクリーニングすると、汚れや黒カビが取れやすいです。定期的に洗濯槽クリーニングを行い、カビや汚れをためないようにしましょう。
洗たく槽クリーナー
シャボン玉石けん
つけ置きタイプの洗濯槽クリーナーです。塩素系ではなく酸素系なのでツンとしたニオイもせず、安心して使うことができます。
6洗濯槽の中を乾燥させる
洗濯槽が濡れたままだとカビが発生し、洗濯物のニオイの原因となるため、使った後は乾燥させるよう心がけましょう。使い終わったらすぐに蓋を開けておく、洗濯機の機能に槽乾燥があれば定期的に使うなどの工夫で、カビの発生を抑えることができます。
7外干し・乾燥機で手早く乾かす
洗濯が終わったらすぐに洗濯物を干すことでも、雑菌の繁殖を抑えるためニオイを防ぐのに役立ちます。雑菌が繁殖しやすいのは、洗濯後5時間以内と言われています。
できれば外に干して日光で殺菌するのが効果的です。外に干せない場合は、乾燥機を使って短時間で乾かすのがおすすめです。乾燥機がなく部屋干しとなる場合は、除湿機やエアコン、サーキュレーターなどを使って湿度を下げ、できるだけ早く乾くように工夫してみましょう。
洗濯物のニオイの元となるカビや雑菌を繁殖させない環境づくりを!
いかがでしたか。洗濯物のニオイを軽減するには、カビや細菌を繁殖させない環境づくりが一番大切です。今回ご紹介した方法で、洗濯物のニオイ対策にチャレンジしてみてくださいね。



