圧力鍋炊飯で美味しいご飯を食べよう!簡単早い主婦の味方
圧力鍋の炊飯でつまずく原因は、ほとんどが水加減と加圧時間のふたつに絞られます。逆にいえば、この2点を自分の鍋に合わせて決めてしまえば、あとは毎回同じ手順を繰り返すだけです。特別な調理の腕は必要ありません。
圧力鍋でご飯を炊くと聞くと、お料理上手な方を想像しませんか。ハードルが高いと感じる方は多いのですが、コツをつかめば時間も光熱費も節約でき、炊飯器よりもモチモチとした食感に仕上がります。ここでは、圧力鍋の魅力とおいしいご飯の炊き方、そしてうまくいかなかったときの直し方までご紹介します。
炊飯器の早炊きはおいしくない?
炊飯器でご飯を炊くのは意外と時間がかかりますよね。忙しいときに助かるのが炊飯器の早炊き機能です。しかし、普通に炊くのと比べて、風味や食感が少し落ちていると感じることはありませんか。メーカーによって違いはありますが、早炊き機能は、通常炊きよりも余熱や蒸らしの時間を短縮しています。そのため、どうしても通常炊きよりも食感や風味が劣ってしまう傾向があります。
通常炊きの炊飯器は、いきなり加熱するのではなく、はじめに低い温度でお米に水を吸わせる時間をとります。この工程でお米の中心まで水が届くため、加熱したときに芯が残りません。早炊きはこの吸水の時間を削っているので、お米が水を吸いきる前に加熱が始まり、中心だけが少し硬いまま炊きあがることがあるのです。「早炊きだと固い気がする」という感覚は、気のせいではなく工程の差からきています。
そう考えると、早炊きのご飯をおいしくする方法もはっきりします。炊飯器のスイッチを押す前に、洗ったお米を水に浸けて30分ほど置いておけばよいのです。ここが理解できていると、次に紹介する圧力鍋炊飯の考え方もすっと入ってきます。短時間で炊く道具はどれも、浸水をどう確保するかが味の分かれ目になります。
圧力鍋があれば炊飯器はいらない?
炊飯器は、新生活を始める際に購入する家電リストに必ず入っています。しかし、圧力鍋があれば、炊飯器がなくても短時間でおいしいご飯が炊けてしまうのです。圧力鍋でご飯が上手に炊けるようになると、炊飯器がいらなくなるかもしれませんね。
ただし、置き換えられるかどうかは暮らし方によって変わります。判断の軸になるのは次の3つです。ひとつめは予約炊飯を使うかどうか。朝セットして夕方に炊きあがっている状態が必要な家庭では、圧力鍋だけにするのは不便です。ふたつめは保温を使うかどうか。家族の帰宅時間がばらばらで、数時間おきに温かいご飯をよそう暮らしなら炊飯器の出番があります。3つめは炊く量です。5合以上をまとめて炊く習慣があるなら、鍋の容量との相談になります。
逆に、家族分をその都度炊いて食べきる、休日の昼だけご飯を炊く、うっかり炊飯器のスイッチを押し忘れることが多い、といった暮らしなら圧力鍋は強い味方です。まずは炊飯器と併用しながら、圧力鍋で炊く日を週に1、2回つくってみるのが現実的な始め方です。
着手から食べられるまでを並べて比べる
圧力鍋炊飯の紹介では「火にかける時間は5分」という数字だけが目立ちますが、実際に食卓に出るまでには浸水と圧力が下がるまでの時間も含まれます。ここを先に知っておくと、期待とのズレがなくなります。台所に立ってから茶碗によそえるまでを、道具ごとに並べてみましょう。数字はいずれも白米2合を炊く場合の一般的な目安で、機種や火加減によって前後します。
| 道具 | 着手から食べられるまで | 火や電気を使う時間 | 目を離せるか | 向く場面 |
|---|---|---|---|---|
| 炊飯器の通常炊き | 約50分から60分 | 約50分 | 完全に離せる | 予約炊飯、保温したいとき |
| 炊飯器の早炊き | 約30分 | 約30分 | 完全に離せる | 浸水を忘れていて急ぐとき |
| 圧力鍋(浸水済み) | 約25分から30分 | 約8分から15分 | 加圧に入るまでは台所にいる | 帰宅後すぐ、光熱費を抑えたいとき |
| 圧力鍋(浸水から始める) | 約55分から70分 | 約8分から15分 | 浸水中は完全に離せる | 朝に浸水だけ済ませておく日 |
| ふつうの厚手の鍋 | 約50分から60分 | 約20分から25分 | 火加減の調整が必要 | 圧力鍋がないとき |
この表からわかるのは、圧力鍋の強みは合計時間よりも火を使う時間の短さにあるということです。そして最短で炊きあげたいなら、浸水を前倒しにしておくのが唯一の近道になります。朝食の片づけのついでにお米を洗って水に浸け、冷蔵室に入れておくだけで、夕方の所要時間は30分を切ります。
圧力鍋のいいところ
圧力鍋でご飯が炊けるとはいえ、火加減などいろいろ大変そうと思うかもしれません。実は、圧力鍋でご飯を炊くといいことがたくさんありますよ。知らないと損をする圧力鍋のメリットをご紹介します。
とにかく美味しい
圧力鍋で炊いたご飯は、モチモチとした食感でうまみが強いと感じる方が多いでしょう。これは、圧力鍋が内部を約100度以上の高温高圧状態にすることで、お米のデンプン(アミロースとアミロペクチン)が効率よく糊化(α化)し、粘り気が増すためです。これが、モチモチとした食感の正体です。
もう少しかみくだくと、こういうことです。お米の粒の中でぎゅっと固まっているデンプンは、水と熱が両方そろったときにほどけて、とろりとした状態に変わります。ふつうの鍋では水が100度で沸いてそれ以上は上がりませんが、圧力鍋の中は100度を超えた状態を保てます。温度が高いぶんデンプンのほどけ方が短時間で深く進むので、粒の外側だけでなく中心までねっとりとした質感になり、噛んだときの弾力と甘みが強く感じられるのです。
そのため圧力鍋のご飯は、粒が立ったさらりとした炊きあがりが好きな方には濃すぎると感じられることもあります。好みが分かれるところなので、モチモチが好きなら水を規定どおり、粒感が好きなら水を少し控えめにする、という調整で自分の好みに寄せていきましょう。
とにかく早い
圧力鍋でご飯を炊くと、炊飯器の早炊き機能に負けないスピードで炊きあがります。圧力鍋のメーカーにもよりますが、火にかけている時間は5分~10分程度、その後10分程蒸らして完成です。あっという間に炊きあがるので、時間がないときや炊飯器のスイッチを入れ忘れたときなどにとっても役立ちます。
助かるのは、夕方のいちばん忙しい時間帯に台所を占領されないことです。おかずを作りながら並行して進められるうえ、火を止めたあとは放っておくだけで蒸らしが進みます。炊飯器の残り時間表示を横目で見ながら待つ、あの手持ち無沙汰な時間がなくなります。
光熱費が節約できる
炊飯器の普通炊きだと50分くらい、早炊きでも30分くらい時間がかかりますよね。それに比べ圧力鍋は、火にかける時間がほんの5分~10分なので、ガス代や電気代がかなりお得になります。経済的にもうれしいですね。
差が出る理由は、加熱をやめたあとも鍋の中で調理が続くところにあります。圧力鍋はふたを閉じて圧力を保っているあいだ、鍋の中の温度がなかなか下がりません。つまり火を止めたあとの余熱が、そのまま炊飯の後半を担ってくれるのです。夏場に台所が暑くならないという副産物もあります。コンロの前に立つ時間が短いだけで、夕方の体力の消耗はずいぶん変わります。
圧力鍋は洗える
炊飯器は電化製品なので、すべて丸洗いするのは不可能ですね。その点、圧力鍋は丸洗いできるので、いつでも清潔に安心して使えるのもいいところです。
洗うときに忘れがちなのが、ふたの内側にある部品です。ご飯を炊いたあとはでんぷん質を含んだ水分が吹き上がるため、ふたのパッキンや蒸気の通り道にぬめりが残ります。ここが詰まると圧力がうまくかからず、炊きあがりが安定しません。ふたは本体と分けて、パッキンを外せる機種なら外して洗い、しっかり乾かしてから戻しましょう。ご飯を炊いた日はふただけでも分解して洗うと決めておくと、失敗が減ります。
炊飯以外にも使える
圧力鍋は、ご飯を炊くこと以外のお料理にも大活躍です。カレーや肉じゃがなどの定番料理も圧力鍋で作れば時短できる上に、野菜もお肉もトロトロでおいしく仕上がります。お料理上級者は、豚の角煮やお魚の煮つけにまで幅広く活用しています。いろんなお料理に使えるので、とっても便利ですよね。
小さな子どもがいる家庭では、根菜をやわらかく仕上げられるところが重宝します。かぼちゃや大根、にんじんが指でつぶせるくらいになるので、取り分けて刻めばそのまま子どもの食事に回せます。同じ鍋で大人の分と子どもの分をつくれるので、洗い物も増えません。ご飯用と煮物用で鍋を分けなくてよいのも、収納の少ない台所ではありがたいところです。
停電でも使える
停電してしまったとき、炊飯器はもちろん使えません。そんなときに圧力鍋があれば、短時間でご飯を炊くことができます。停電のときもあったかいご飯が食べられるのはうれしいですよね。選択肢の一つとして圧力鍋でご飯を炊けるようにしておくと、いざというときに安心です。
ふだんの暮らしのなかでも、ガスコンロの上で完結する炊飯を覚えておくと役に立つ場面はあります。炊飯器を持たずに帰省したとき、キャンプ場や貸別荘の台所、引っ越し当日で家電の設置がまだ終わっていない日など、コンロさえあればご飯が炊けます。慌てているときにいきなり挑戦するのは難しいので、平常時に一度炊いて自分の鍋の時間を把握しておくことが備えになります。
白米2合を炊く基本の手順
細かなコツの前に、全体の流れをつかんでおきましょう。ここでは家庭でいちばん多い白米2合を例に、手順と時間の目安を並べます。分量は米2合に対して水360mlから400mlが出発点です。使う鍋の説明書に炊飯の分量が書かれている場合は、そちらを優先してください。
| 工程 | やること | 時間の目安 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|
| 1 洗う | 水を替えながら3回ほど、手のひらで押すように洗う | 2分 | 力を入れすぎて粒が割れると食感が落ちる |
| 2 浸水 | 分量の水に浸けて置く | 30分から1時間 | ここを省くと中心に芯が残る |
| 3 火にかける | ふたを閉じ、中火から強めの中火で加熱 | 3分から7分 | 強火にしすぎると吹きこぼれる |
| 4 加圧 | 圧力がかかったら弱火に落とし、タイマーで計る | 3分から5分 | ここの長短が食感を左右する |
| 5 火を止めて置く | そのまま置いて圧力が下がるのを待つ | 10分から15分 | 急がずに自然に下がるまで待つ |
| 6 ほぐす | ふたを開け、しゃもじで底から返して蒸気を逃がす | 1分 | 閉じたままにすると水っぽくなる |
この6工程のうち、味を決めるのは2と4、食感の後始末を決めるのは5と6です。1回目は説明書どおりの時間でやってみて、炊きあがりをメモしておきましょう。「加圧4分、水380mlで少しやわらかめ」と書き残しておけば、2回目からは調整するだけで済みます。
時間の内訳を先に知っておく
圧力鍋炊飯を「5分でご飯が炊ける」と受け取ってしまうと、実際にやってみたときに戸惑います。時間の中身を分解しておきましょう。
| 区間 | 目安 | この時間に何が起きているか | 短縮できるか |
|---|---|---|---|
| 浸水 | 30分から60分 | お米の中心まで水が入る | 前倒しはできるが省略はできない |
| 昇圧 | 3分から7分 | 鍋の中の温度と圧力が上がる | 水の量と火力で少し変わる |
| 加圧 | 3分から5分 | デンプンがほどけて粘りが出る | 鍋の指定に従う |
| 減圧と蒸らし | 10分から15分 | 余熱で炊きあげ、粒に水分がなじむ | 待つ以外にない |
つまり、圧力鍋で炊く時間の大半は「待つ時間」です。待つ時間はほかの作業に使える時間なので、味噌汁を作る、洗濯物をたたむ、子どもの宿題を見る、といった段取りに組み込んでしまえば体感時間は一気に短くなります。逆に、コンロの前で炊きあがりを待ち続けると長く感じられます。
圧力鍋でご飯を上手に炊くコツ
圧力鍋でご飯を炊くといいことがいっぱいですが、実は、おいしいご飯を炊くにはコツが必要です。圧力鍋のメーカーやお米の種類によっても炊きあがりに差が出てくるので、圧力鍋での炊飯にチャレンジする前に、押さえておきたい大切な6つのポイントをご紹介します。
1ご飯を炊く前にしっかり浸水させる
炊飯器でご飯を炊く際にも、お米を水につけておきますよね。これは、圧力鍋でご飯を炊くときも、とっても大切なポイントになります。特に、短い時間で炊き上げる圧力鍋の場合、浸水が不十分だとお米の中央に芯が残り、おいしく炊けないことがあるのです。浸水時間を30分~1時間しっかりとる事で、芯までふっくらしたご飯に仕上がります。
浸水時間は水の温度で変わります。夏場の水道水なら30分ほどで足りますが、真冬の冷たい水では1時間近く見ておいたほうが安心です。急ぐときにぬるま湯を使う方法もありますが、味が落ちやすいので、できれば時間で解決したいところです。おすすめは朝のうちに洗って浸けておくやり方です。ボウルやポリ袋に米と分量の水を入れて冷蔵室に置いておけば、夕方には炊くだけの状態になっています。
浸水できたかどうかは見た目で判断できます。乾いたお米は半透明ですが、水を吸うと白っぽく不透明に変わります。粒全体が白くなっていれば準備完了、まだ中心が透けて見えるならもう少し待ちましょう。この見分け方を覚えておくと、時計を見なくても判断できるようになります。
2水加減は分量通り
水加減は、しっかり計りましょう。圧力鍋は、炊飯器で炊く際よりも少し水の量を少なくするとおいしく炊きあがります。一般的な目安は、白米1に対し水1~1.1の割合です。しかし、圧力鍋のメーカーやお米の種類、火加減によって水の量は調整が必要です。何度か試してみて理想的な水加減を見つけましょう。
炊飯器より水を控えるのには理由があります。圧力鍋はふたを密閉しているため、加熱中に蒸気として逃げていく水分がごくわずかしかありません。炊飯器と同じ量を入れると、逃げなかった分がそのまま残ってやわらかくなります。密閉されているぶん水を減らすと覚えておけば、はじめて使う鍋でも見当がつきます。
計るときは、目分量ではなく計量カップと計量スプーンを使うのが確実です。炊飯器の内釜の目盛りに慣れていると、鍋では目印がなく不安になりますが、米1合が180mlであることだけ押さえておけば計算できます。何度か炊いて自分の分量が決まったら、鍋の内側の水位に印がつくよう、油性ペンでメモを冷蔵庫に貼っておくと毎回悩まずに済みます。
3無洗米の水加減は少し多め
無洗米は、洗っていない通常のお米よりも乾燥している事が多いので、水加減は少し多めにする事がポイントです。また、普通のお米よりも、しっかり事前の浸水をさせた方がおいしく炊きあがります。無洗米に水を入れると白く濁ることがありますが、これは溶け出したデンプンによるもので、お米をとぐ必要はありません。汚れが浮いている場合のみかるくすすぎましょう。
無洗米は表面の粉が取り除かれているため、同じ1合をカップですくったときに粒がぎっしり入るという事情もあります。つまり実質の米の量が少し多くなるので、そのぶん水も足すという考え方です。目安としては1合につき大さじ1から2ほど増やし、炊きあがりを見て次回に調整します。
浸水の際は、水に入れてすぐかき混ぜないほうがきれいに炊けます。粉が水になじむのを待って、そのまま静かに置いておきましょう。時間は洗った米より長めの、40分から1時間を目安にしてください。
4タイマーで時間を計りましょう
圧力鍋で炊く際の最大のポイントが火にかける時間です。沸騰してから加圧までの時間は、しっかりタイマーで計りましょう。加圧の時間が長かったり短かったりすると、ご飯がベチャベチャになったり、しっかり炊けなかったりと失敗の原因になってしまいます。加圧時間を正確に計る事が、おいしいご飯への近道です。
ここでつまずく方が多いのは、タイマーをいつ押すのかがわかりにくいからです。押すタイミングは「圧力がかかったサインが出た瞬間」です。おもりが揺れて音を立てはじめたとき、あるいは表示ピンが上がりきったときが合図です。火にかけた瞬間から計ると加圧時間を長く見積もることになり、やわらかく仕上がってしまいます。
そしてサインが出たら、すぐに火を弱めます。強い火のままだと蒸気が勢いよく抜け続け、水分が足りなくなって焦げの原因になります。サインが出たらタイマーを押して火を弱める、この2つを一続きの動作として体に入れてしまうと失敗が減ります。台所を離れる予定なら、加圧に入るまではそばにいて、火を弱めてから離れるようにしましょう。
5高さが低い圧力鍋がおすすめ
炊飯目的なら高さが低い圧力鍋が使いやすいでしょう。炊きあがったご飯を混ぜやすいし、お茶碗によそいやすく便利です。逆に高さがある圧力鍋は、一度にたくさんの煮込み料理をするのに向いています。
底面が広い形は炊飯にも有利です。お米が薄く広がるため熱が均一に伝わり、上のほうだけやわらかく底だけ硬い、というムラが出にくくなります。深い鍋でご飯を炊くときは、米の層が厚くなるぶん、ほぐす作業をていねいにして上下を入れ替えてあげましょう。
これから買い足すのであれば、容量は3リットルから4リットルあたりが家庭向きです。小さすぎると吹きこぼれやすく、大きすぎると少量を炊くときに水が広がって加減が難しくなります。手持ちの鍋で炊く場合は、まずその鍋で炊ける量を確かめてから使い分けを考えれば十分です。
6取扱説明書を読む
圧力鍋は、メーカーによって加圧の時間などが異なるので、前もって取り扱い説明書を確認しておきましょう。ネットに記載されている時間はあくまで目安です。取り扱い説明書を読むのはとっても面倒ですが、これは、圧力鍋レシピを失敗しないための第一歩です。ひと手間かけて、おいしいご飯を炊きましょう。
全部を読み通す必要はありません。炊飯に関係するのは次の4か所だけです。ひとつめは入れてよい分量の上限、ふたつめは炊飯の水加減と加圧時間の例、3つめは圧力を下げる手順、4つめはふたやパッキンの洗い方です。この4か所に付箋を貼っておけば、次に迷ったときすぐ開けます。
説明書が見つからないという場合もありますよね。鍋の底や取っ手に品番が刻印されていることが多いので、その番号でメーカーのサイトを探すと同じ内容が確認できます。買ったときの箱に入れたままにせず、台所の引き出しに一緒にしまうと決めておくと探し物が減ります。
水加減は「浸水したかどうか」で決める
水加減の相談でいちばん多いのが「レシピどおりにしたのに毎回仕上がりが違う」というものです。原因は、レシピが前提としている浸水の状態と、自分の状態が違うところにあります。同じ2合でも、しっかり浸水した米はすでに水を抱えているので、鍋に足す水は少なくて足りるのです。ここを分けて考えると水加減が安定します。
| お米の状態 | 白米2合に対する水の目安 | 加圧時間の目安 | 仕上がりの傾向 |
|---|---|---|---|
| 30分から1時間浸水した | 360mlから380ml | 3分 | ふっくらもちもち、失敗が少ない |
| 10分ほどしか浸けられなかった | 400ml | 4分から5分 | やや水分が多く、粒感は弱め |
| 浸水なしで炊く | 420mlから440ml | 5分から6分 | 芯が残ることがあるので蒸らしを長めに |
覚え方はかんたんです。浸水が短いほど、水を足して加圧を延ばす。この一文だけ頭に入れておけば、時間がない日でも判断できます。加えて、新米は水を含みやすいので少し控えめに、乾燥が進んだ古米はやや多めにすると安定します。
圧力鍋のタイプ別、加圧時間の考え方
「加圧3分」と書かれた同じレシピで炊いても、鍋によって仕上がりが違います。かかる圧力の高さがタイプごとに違うためです。自分の鍋がどれに当たるかを見ておきましょう。
| タイプ | 見分け方 | 加圧時間の考え方 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| おもり式 | ふたの上に重りが乗り、加圧中に揺れて音が出る | 音が出たらタイマーを押す | 音が出続ける火加減を保つ |
| ピンやスプリング式 | 表示ピンや目印が上がって知らせる | ピンが上がりきってからタイマーを押す | 高圧と低圧を切り替えられる機種は設定を確認 |
| 電気タイプ | コンセントにつなぎ、炊飯モードなどを選ぶ | 時間の管理は本体に任せる | 浸水は自分で確保する必要がある場合がある |
圧力が高くかかるタイプほど短い時間で炊けます。手元の鍋がどれくらいで炊きあがるかを知る一番の近道は、1回目は説明書の最短時間で炊いてみることです。硬ければ次は30秒から1分延ばす、やわらかければ30秒短くする、という具合に小刻みに寄せていくと、3回目くらいで自分の家の正解が決まります。
何合まで炊けるかの目安
ご飯は加熱すると膨らみ、炊いている途中に泡も立ちます。そのため鍋の容量ぎりぎりまで入れると吹きこぼれて水分が減り、うまく炊けません。入れるのは鍋の容量の3分の1から2分の1までが炊飯の目安です。煮物と違って、ご飯は控えめに考えておくと失敗しません。
| 鍋の容量 | 炊きやすい量 | 向く家族構成 |
|---|---|---|
| 2.5リットル前後 | 1合から2合 | 大人2人、または大人2人と幼児 |
| 3リットルから4リットル | 2合から3合 | 小学生を含む4人家族 |
| 5リットル以上 | 3合から4合 | まとめ炊きして冷凍したい家庭 |
実際に使っている鍋の容量がわからないときは、ふたを外して水を計量カップで入れていけば確認できます。1度計って、鍋の裏に貼るラベルなどに書いておくとその後ずっと役に立ちます。
玄米や雑穀、おかゆの目安
圧力鍋の力がいちばんはっきり出るのは、実は白米よりも玄米や雑穀のほうです。硬い外側があるものは、ふつうの鍋ではなかなかやわらかくなりませんが、圧力鍋なら短い時間でふっくら仕上がります。目安をまとめました。加圧時間は鍋のタイプによって変わるので、説明書の数字が優先です。
| 炊くもの | 1合あたりの水 | 浸水 | 加圧時間 | 仕上がりのコツ |
|---|---|---|---|---|
| 白米 | 180mlから200ml | 30分から1時間 | 3分から5分 | ほぐして蒸気を逃がす |
| 玄米 | 270mlから300ml | 3時間から6時間 | 15分から20分 | 塩をひとつまみ加えると味が締まる |
| 白米に雑穀を混ぜる | 白米の水に雑穀と同量を足す | 1時間 | 白米と同じ | 粒の大きさがそろうと食感が良い |
| やわらかめのおかゆ | 900mlから1000ml | 30分 | 5分から8分 | 吹きこぼれやすいので量は控えめに |
| もち米を混ぜた炊き込み | 白米の水より少なめ | 1時間 | 白米と同じ | 具は米の上に平らに広げる |
玄米は浸水の長さがすべてを決めます。前の晩に洗って水に浸け、翌日の夕方に炊くくらいの余裕を持たせると、噛みごたえがありながらもぼそぼそしない炊きあがりになります。おかゆは泡が立ちやすいので、鍋の容量の3分の1までにとどめてください。
圧力鍋炊飯のQ&A
圧力鍋は、魅力がたくさんつまった調理器具ですが、実は、使いこなすまでには少しコツが必要です。圧力鍋を使ってみると「これってどうなんだろう?」と疑問に思う事が出てきます。圧力鍋ユーザーの皆様のよくある質問をご紹介します。
Q圧力鍋でご飯を炊くと絶対におこげができるのですか
A必ずおいしいおこげができるというわけではありません。しかし、炊きあがったご飯を5分~10分さらに強火で加熱すると、おいしいおこげが出来上がりますよ。おこげが大好きな方は、ぜひ試してみてくださいね。
ねらってつくるなら、ふたを開けてほぐしたあと、平らにならして火にかけるのがコツです。鍋底からパチパチという音が聞こえてきて、香ばしい匂いが立ったら火を止めます。加熱しすぎると苦い焦げになるので、音と香りが合図と覚えておきましょう。
Qご飯がべちゃべちゃします
Aご飯がべちゃべちゃした食感になるのは、水加減が多いか、炊きあがった際に蒸気を逃がしていないかが原因です。炊きあがったご飯は蒸らしてから、すぐにフタを開けて混ぜましょう。フタを閉めたままにしておくと、蒸気が鍋の中にたまりご飯がべちゃべちゃします。炊きあがった後にフタを開けていてもべちゃべちゃする場合は、水加減を少し減らしてみましょう。
直す順番を決めておくと近道です。まずはほぐし方を見直します。しゃもじを鍋の底まで差し込み、下から返すように大きく混ぜて、鍋底にたまった水分を全体に散らします。これだけでかなり変わります。それでも改善しないときに、水を1合につき10mlずつ減らしていきましょう。いちどに大きく減らすと今度は硬くなるので、少しずつ試すのがおすすめです。
Qご飯の色が白くないのですが食べられますか
A圧力鍋でご飯を炊くと、ご飯がグレーに見えることがあります。これは、短時間の高温高圧調理により、お米のデンプン構造が力により急速に変化してしまい、お米が透明になるため、その光の反射の影響でお米がグレーに見える現象です。ただ、味や品質には全く影響はありませんので安心して食べてください。
気になるときは、ほぐしてしばらく置いてみてください。粒に含まれた水分が落ち着くと、白さが戻って見えることがあります。混ぜご飯や炊き込みご飯にすると色の差はまったく気にならなくなるので、見た目を気にする家族がいる日はそちらにするのも手です。
Q圧力鍋で玄米も炊けますか
A玄米は、炊飯器で炊くよりも圧力鍋で炊いた方がおいしく炊けます。玄米は白米よりも固いため、しっかり下準備をしていないと、炊飯器では固くて食べにくい印象のご飯になってしまいます。圧力鍋で玄米を上手に炊くには、しっかりと浸水させておく事、圧力がかかったら20分程度弱火にかける事、圧力が抜けたら蓋をあけかき混ぜる事がポイントです。
玄米に慣れないご家族がいる場合は、白米に3割ほど混ぜて炊くところから始めると受け入れられやすくなります。この割合なら水は白米の分量に少し足すだけで済み、加圧時間も白米に合わせられます。いきなり玄米だけにしないことが、続けるためのいちばんのコツです。
Q圧力鍋はご飯を炊いた後に保温できますか
A圧力鍋はお鍋なので保温はできません。フタをしておけば多少熱が逃げるのを防げますので、ご飯を食べておかわり!というくらいの時間ならアツアツで食べられます。しかし、夜炊いたご飯を、朝アツアツで食べるという事は難しいでしょう。炊飯器でも、長時間保温しておくと味も食感も悪くなりますよね。保温は、せいぜい1~2時間程度にしておくのがおすすめです。残ったご飯は、冷凍して食べる際に電子レンジで温めた方がおいしく食べられます。
帰宅時間がずれる家族がいる家庭では、炊いてすぐに食べる分と保存する分に分けてしまうのがおすすめです。あとで食べる分を先に容器に移しておけば、鍋のご飯を最後まで温かい状態で回せます。
Q圧力鍋にご飯がこびりつきます
A圧力鍋にご飯がこびりつくのは、火力が強いか、火にかける時間が長いのが原因だと考えられます。少し火加減と時間を調節してみるとよいでしょう。また、こびりついたご飯は、しばらく水につけてふやかしてから軽くこすり落としましょう。それでも取れない場合は、鍋に水と重曹を少し入れて沸騰させ、冷めてからこすり落とすときれいに取れます。他に、お酢にしばらくつけておく方法もあります。重曹とお酢は、お鍋の材質によっては不向きな場合もありますので、確認してから行ってください。
こびりつきを予防するなら、炊きあがってほぐしたあと、鍋を空にしてすぐ水を張っておくことです。乾いてから洗おうとすると固くなり、力任せにこすって鍋の内側を傷めてしまいます。よそったらすぐ水を張るという手順を、食卓に運ぶ動作とセットにしてしまいましょう。
うまく炊けないときの原因逆引き
炊きあがりの状態から原因をたどれるように整理しました。次に炊くときに直す点がひとつに絞れると、上達がぐんと早くなります。
| 炊きあがりの状態 | 考えられる原因 | 次に試すこと |
|---|---|---|
| 中心に芯が残る | 浸水が足りない | 浸水を1時間にする、または水を増やして加圧を1分延ばす |
| 全体がべちゃべちゃ | 水が多い、ほぐしていない | 底から返して混ぜる、水を1合につき10ml減らす |
| 上はやわらかいが底が硬い | 米の層が厚い、火が強かった | 炊く量を減らす、加圧中は弱火を保つ |
| 底が焦げつく | 火力が強い、加圧が長い | 加圧を30秒短くし、火を一段弱める |
| 吹きこぼれた | 入れた量が多い | 鍋の容量の3分の1までに減らす |
| グレーがかって見える | 高温で急速に炊けたため | そのまま食べられる、混ぜご飯にすると気にならない |
| 毎回仕上がりが違う | 浸水時間がその日次第 | 浸水と加圧の時間をメモして固定する |
調整はいつもひとつずつにしてください。水と時間を同時に変えると、どちらが効いたのかわからなくなります。「今日は水だけ10ml減らす」と決めて炊けば、2、3回で自分の家の定番が決まります。
夕方の段取りに組み込むコツ
圧力鍋炊飯が続くかどうかは、味よりも段取りで決まります。夕方の台所で無理なく回るように、時間の使い方を組み立ててみましょう。
いちばん効くのは、浸水を前の時間帯に移すことです。朝食の片づけのときにお米を洗って分量の水に浸け、そのまま冷蔵室へ。帰宅したらコンロにのせるだけなので、迷う時間がありません。休日にまとめて2、3回分を浸水させて冷蔵しておく方も少なくありません。
もうひとつは、加圧に入ってからの10分をどう使うかを先に決めておくことです。火を弱めたあとは鍋につきっきりでいる必要がないので、味噌汁を仕上げる、副菜を切る、食卓を整える、といった作業をあてておきます。待ち時間に何をするか決めておくだけで、同じ30分がずいぶん短く感じられます。
子どもが台所に来たがる時間帯とも重なりますよね。加圧中の鍋はさわられたくないものですから、コンロは奥の口を使い、鍋の柄は壁側に向けておきましょう。あわせて、お米を洗う役、水を計る役を子どもに任せると、コンロから自然に距離を置ける段取りになります。手を出したい気持ちを、火を使わない工程に向けてあげるという考え方です。踏み台に上りたがるうちは、浸水の入れ替えなど、こぼしても困らない作業を用意しておくと台所が水浸しになりません。
炊いたご飯の保存と温め直し
圧力鍋は保温ができないぶん、保存の段取りを決めておくと使い勝手が上がります。おすすめは、炊きあがってほぐしたら食べる分をよそい、残りはすぐに一膳ずつ小分けにしてしまうことです。熱いうちに包むと水分が逃げず、温め直したときの食感が落ちません。
包み方はひと工夫できます。ご飯を平らにならして厚みをそろえると、電子レンジで温めたときに中心だけ冷たいということが起きにくくなります。粗熱が取れたら冷凍室へ入れ、食べるときは包んだまま温めて、最後に軽くほぐします。
翌日の献立に回すなら、炊きあがった時点で用途を決めておくと段取りが楽です。少しやわらかく炊けた日は雑炊やドリアに、しっかり硬めに炊けた日はチャーハンやおにぎりに。炊きあがりに合わせて次の一皿を決めると、失敗という感覚がなくなります。
圧力鍋炊飯に失敗したら・・・
圧力鍋炊飯のたくさんの魅力とおいしいご飯の炊き方を紹介しましたが、試してみたくなりましたか。メーカーの説明書どおりにご飯を炊いてみても、最初から大成功!という人は少ないかもしれません。上手に炊けなかったご飯は、リメイクして食べるのも一つの方法です。ベチャっとしたご飯やこげついたご飯は、リゾットやチャーハンにしてみてはいかがでしょうか。一度失敗したからといってあきらめず、水加減や浸水時間、加圧時間を調整して、自分好みのおいしいご飯を炊けるよう、ぜひ何度もチャレンジしてみてくださいね。
具体的な行き先も決めておくと気が楽になります。やわらかく炊けたご飯は、牛乳やスープでのばしてリゾットに、卵とだしを加えて雑炊に、片栗粉を混ぜて焼いておやきにできます。硬めに炊けたご飯は、油との相性が良いのでチャーハンやピラフに向きます。焦げの香りがついたご飯は、細かくほぐしてスープに散らすと香ばしさが生きます。
そして忘れずにメモを残しましょう。「2合、浸水40分、水380ml、加圧3分、蒸らし12分でちょうどよかった」という一行があれば、次からは考えずに炊けます。自分の家の一行レシピができた時点で、圧力鍋炊飯は難しい料理ではなくなります。
まずは白米1合から
はじめの一歩は、白米1合を説明書どおりに炊いてみることです。少ない量なら失敗しても痛くありませんし、浸水も水加減も見当がつけやすくなります。炊きあがりを見て、水と加圧時間をひとつずつ動かしていけば、3回目には家族の好みに合った炊きあがりに届きます。今日お米を洗って水に浸けておけば、明日の夕方には試せますよ。



