悪徳商法の魔の手が子供教材にまで…親心を刺激する手口と対策
日本は世界の中でも治安がいい国ですが、ニュースで取り上げられない悪徳商法や詐欺も多く、犯罪者は虎視眈々とあなたの家庭を狙っています!中でもここ数年、発生件数が伸びているのがママ達を狙った悪徳商法。お金をだまし取られてしまったり、強い口調で購買を強いられたりして、怖い思いをしている人も多いようです。
今回は、子育て中の家庭を狙う悪徳商法の手口や体験談、犯罪被害にあわないための対策について詳しくご紹介していきます。悪徳商法などの経済犯罪は不況の時代にこそ多く発生しますので、大事なお金を狙われないように十分注意しましょうね。
そもそも、悪徳商法とは?
悪徳商法とは、商品を売買する、サービスを提供するなどの一般的な商取引や経済活動を隠れ蓑に、金銭をだまし取ったり、不当な利益を上げたりする犯罪のことをさします。
もちろん、好き好んでダマされる消費者などいません。悪徳商法に関する注意喚起は警察や経済産業省などからもされていて、誰もが「私は絶対にダマされないわ!」と思っているのですが、犯罪者は巧みなセールストークで消費者をその気にさせ、大事なお金を奪っていきます。
悪徳商法の被害の大半は、判断力が低下しがちな65歳以上の高齢者なのですが、なかには子育て中のママやパパを狙った悪質商法や、中高生を狙った悪徳商法まで数多く発生しています。
被害にあった人の多くは「絶対にダマされない」と自信を持っていたのにダマされています。自分がされていることをよく理解して、どんな手口があるのか、どう防いでいけばいいのかを家族で学び、悪徳商法に対抗していきましょう。
子供やママを狙う悪徳商法の種類
- 子供の学習教材を販売する名目の悪徳商法
- 子供の無料課金ゲームの通信料の請求を語る悪徳商法
- ママのエステを名目とした悪徳商法
- サプリや健康食品を販売する名目の悪徳商法
- ママの内職や資格取得費を狙った悪徳商法
- 子供のモデルレッスン料を語る悪徳商法 など
子供向け教材の悪徳商法!被害体験談
子育て中のママが巻き込まれやすい悪徳商法は、なんといっても子供向けの学習教材を使った手口です。親になるとどうしても子供の将来を心配して、「よい教育を受けさせたい」「成績を良くしてあげたい」と勧められた学習教材に飛びついてしまいがち。
子供向け教材を使った悪徳商法には、訪問販売、通信販売、電話勧誘など、いくつかの勧誘方法がありますが、一度でもセールスマンにあってしまうと、巧みな会話に誘導されて対価に見合わない高額な商品や、劣悪な品質の教材を売りつけられてしまうのです。
なかには「ここまで話を聞いて購入しないのであれば、損害賠償を請求する」などの脅迫まがいの押し売りをする悪徳商法もありますので、実態の良く分からない販売業者とはコンタクトをとらないように心掛けましょうね。
これって悪徳商法?
3歳になる女の子のママです。私は英語が苦手で学生のときにとても苦労したので、娘には早いうちから英語の教育を受けさせたいなと考えていました。ちょうどそんな時にベビー向けの雑誌で英語教材の広告をみて、連絡を取ったところ女性のセールスマンが来てくれて商品説明を受けました。
教材は絵本やDVDが中心だったのですが、1ヶ月に2~3回業者から先生が訪問してくれて、マンツーマンで子供に英語を教えてくれるというので、英語が苦手な私でも続けられると思い、1年分50万円のセットを購入しました。
正直高いなとは思いましたが、セールスマンが「英語は3歳までに習わせないと、あなたのように一生しゃべれなくなりますよ。娘さんは後数か月で3歳だから、余裕はありません。娘さんの将来を考えたら、今日にでも契約するのが親の義務です」なんて言われ、パパに相談する間もなく、OL時代の貯金を崩して契約しました。
それから2ヵ月経ちますが、業者から先生は一度も来てくれません。でも、パパには言えないし…。何度が連絡はしましたが、最近はいつも留守電になっていて業者と連絡もつかず、高価な教材も手付かずです。これって悪徳商法なのでしょうか?それとも業者を信じて待っていればいいの?
けっこう騙されるママが多くてビックリ
私には高1の息子が、息子は中学から私立の中高一貫に通っています。本人のたっての願いで入学させましたが、いざ入学すると息子の想像以上に授業が難しく、あっという間に落ちこぼれ、高校生になり「留年」という2文字に急き立てられて、通塾を希望するようになりました。そんなある日、息子の落ちこぼれ仲間からの紹介だという塾からの電話が入り、話しを聞きに行くことになりました。
話を聞くと塾ではなく教材販売で、教師が使う市販されていない教科書ガイドのコピーの販売で、1教科3年分20万、3教科100万強、わからない問題や学校のテスト勉強に関しては、東大大学院を受験予定の北大生が常駐して教えてくれ、「過去問のコピーや成績を上げるノウハウが山ほどあるので、それで勉強させれば赤点脱出は赤子の手をひねるようなものだ」というインチキ悪徳商法でした。
「学校は東大受験する子向けの授業。普通の子はついて行けませんよ」「在校生はみんな塾に通ってますよ」「学校は面倒みてくれない」「お子さんが可哀想」などと矢継ぎ早に言われ、仕方なく話しを進めると、「学資保険を解約しるのがおすすめですよ」「2日後までに払ってくれないと割引できない」と言ってきました。
その場は色よい返事をし、後で主人が電話で断りましたが、学校に連絡すると「明らかに怪しいですけど、信じて通っているお子さんも結構いて…」とのことでした。息子も友達に確認すると、息子への勧誘を塾に頼んでないし、息子がその塾を訪ねる前から息子からの誘いだと別の子に勧誘していたそうです。名簿も漏れているんですね。
ネットで調べると、過去に同様の不実な勧誘で返金にも応じず業務停止命令を食らった経営者が、社名を変えて同じような営業している会社でした。もちろん、通っている落ちこぼれ仲間のお子さんの成績は、頑張っていたのに上がらなかったそうですよ。
悪徳商法の手口
悪徳商法は、普通の商取引と区別しにくく、刑事事件として立件しにくいうえに、時代の変化とともに新しい手口が出てくるので、警察の取り締まりが後手、後手に回ってしまうことも多く、なかなか発生件数を減らすことができない犯罪の一つに挙げられています。子育て中のママが巻き込まれやすい手口を6つご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
1融資保証金詐欺
長引く不況で家計の収入が減ったのに、子供の進学などでまとまったお金が必要になり、「低金利で融資しますよ」「少し保証金を支払ってもらえれば、特別に融資をしますよ」という金融業者の口車に乗ってしまうママが増えています。
こういった業者の多くは、違法な高金利で貸し付けを行っていたり、実際には融資をせずに保証金をだまし取ったりする悪質な悪徳商法業者なので、うまい融資話には乗らないように気を付けましょうね。
2マルチ商法
化粧品や健康サプリ、水のボトルなどの購入をした際に、「あなたもこの商品を知り合いに売って販路を広げれば、広げた分だけマージンがもらえます」と持ち掛けて、必要以上の商品を購入させる手口の悪徳商法もあります。主婦の小遣い稼ぎ感覚で参加するママもいるのですが、マルチ商法は「ネズミ講」とも呼ばれ、法律で禁止されています。
こういった販売連鎖を起こさせる商取引は、商品を抱え込んでしまったり、友人や知人との信頼関係を壊してしまったりする元ですので、安易に話しに乗らないように心掛け、小遣い稼ぎなら法律に準じたことをしましょうね。
仲の良かった友達がねずみ講に…
ある日、大学時代に仲が良かった友人から、突然電話がありました。子供が小さく、結婚後まだ地元でママ友もできていなかったので、とっても嬉しかったのですが、話しをするうちにねずみ講の勧誘であることが分かりました。
とてもいい子だったのでショックでした。一方的な口調で1時間勧誘され「ああ、友達が一人減った…」と悲しんでいます。
3内職商法
子供がいると、なかなか自宅外で働くことが難しいですよね。悪徳商法には、「内職で仕事をしませんか」とか「短時間の仕事で高収入が得られます」などと誘い、仕事のために必要だと高額なパソコンや資料、登録料などを押し売る内職商法という手口もあります。仕事を求める女性の焦りを利用した卑劣な手口ですので、気を付けましょうね。
4キャッチセールス
街中で「家庭のアンケートに協力して下さい」とか「子供の健康サプリの試供品に興味はないですか」と声をかけ、通行人を喫茶店や営業所などに連れて行き、高額な商品を無理やり購入させる悪徳商法の手口もあります。
キャッチセールスは今、大人だけでなく中高生へも魔の手を伸ばしていて、芸能事務所のスカウトのフリをして声をかけて契約書にサインさせ、高額なレッスン料を請求するケースもあります。子供にも、しっかり手口を教えておきましょうね。
5架空請求・不当請求
電話や葉書、メールなどで、「有害サイト利用の未納料金がある」とか、「流出した個人情報の削除のために削除料が必要」などと架空の料金請求をして、半ば脅迫まがいにお金を支払わせる悪徳商法もあります。
特に心配なのが、小中学生の課金ゲームやフィッシングなどのスマホによるトラブル。子供の場合は親に相談できず、一人で悩んでしまうことも多いので気を付けてあげましょうね。
悪徳商法撃退!ママが心得ておきたい5つ
物を購入したりサービスの提供を受けたりする商取引は、私達の生活で身近なものですが、そういった慣れた習慣の中に入り込んでいるのが悪徳商法です。悪徳商法には、油断禁物!自分の判断力を過信するのではなく、いつでも「騙されるかも」という警戒心をもって、賢く判断し、撃退しましょう。
1うまい話には警戒モード
「楽してお金が儲かる」「楽して成果が得られる」などのようなうまい話は、そこらに転がっているものではありません。誰だって本当にうまい話は他人に広めるわけがないんです。うまい話には必ず裏があることを忘れずに、相手の巧みな話術に乗らないように気を付けましょうね。
2怪しい?と思ったら相談
商取引や物の売買で困ったり、自分では判断が難しいと思ったりしたら、家族か警察に相談をしましょう。悪徳商法の場合は他人に相談をする時間を与えずに契約を急ぐ傾向がありますので、相手が契約を急ぐときほどまともな商取引ではないと冷静になって考えましょう。消費生活センターでも、取引全般の相談に乗ってくれますので、積極的に活用して安全な取引を心掛けて下さいね。
消費生活センターの相談窓口
- 消費者ホットライン(全国統一番号) ⇒ 局番無しの「188」
もしくは、 - 平日バックアップ相談 ⇒ 03-3446-1623
(土日祝日、年末年始を除く10時~12時、13時~16時の時間帯のみ)
3はっきり断る
悪徳商法の業者は、消費者の弱みにつけ込んでゴリ押しをしてきます。曖昧な態度ではっきり断らなかったり、愛想の良さを見せたりしてしまうと、一気に自分のペースに乗せて契約にこぎつけようとしてきますので危険です。必要のない取引を持ち掛けられたときは、景品などに迷わされず、はっきりと「いりません!」と自分の意思を伝えましょうね。
また、断るのが苦手なママは「すぐに支払ってください」「今すぐサインしてください」と言われたら、伝家の宝刀を使いましょう!そう、パパです。亭主関白な家庭のフリをして「残念ですけど、勝手にサインすると主人に怒られるので」「自分の許可なく勝手に買い物をするなと言われているので」などと繰り返しましょう。こういう時に自分の名を使って怒る夫はいませんよ。
4気軽に財産の内容を教えない
悪徳商法の業者は、常に被害者を探していて、ちょっとでもお金を持っているそぶりを見せると、しつこく契約を持ちかけてきます。自分の家の財産情報を、安易に口に出してしまうことは危険なことですので、絶対にやめましょう。
また、貯金通帳や印鑑、パスワードの保管管理も大切です。銀行などの届出印ではなくても、玄関先に印鑑を出しっぱなしにしておいたり、誕生日を通帳のパスワードにしたりするのは控えた方が安全ですよ。
5署名、押印はうかつにしない
どんな商取引にも言えることですが、何かを購入するために契約を結ぶ際には、相手の言いなりで署名をするのではなく、書面をしっかり読んで納得の上で署名捺印して契約を取り交わしましょう。
契約書面は後で問題が発生した時、クーリングオフをするのにも必要になりますので、忘れずに安心な場所に保管をしましょうね。
悪徳商法を予防して健全な取引を!
悪徳商法の怖いトコロは、誰もが「ちょっとおかしいな?」と感じていても、相手のペースに巻き込まれて契約行為から抜け出ることができないところにあります。万が一の時に被害を回避するためには、充分悪質商法の手口を知っておく必要がありますので、警察や自治外が開催している防犯講習会には積極的に参加することをオススメします。
万が一のときには、自分一人で判断するのではなく、誰かに相談することが大事です。一人が被害にあえば、相手は図に乗ってさらに被害者を求めて被害が広がりますので、自分の意思を毅然と伝えて、自分から周りの犯罪被害の拡大を防いでいきましょう。