赤ちゃんがパパを認識するのはいつ?お世話の仕方で時期は変わります
赤ちゃんがパパを認識する時期は、ママを認識する時期よりも遅い傾向があることはよく知られています。赤ちゃんは生まれた時から、身近な主養育者(主にママ)を認識しやすいようにできているからです。
しかし、パパがお子さん自身より早く「自分を認識してくれる」ことはご存じでしょうか。これは生後1歳頃まで続きます。
赤ちゃんがパパを認識する時期は、パパの育児への関わり方やお世話の仕方によって大きく異なることが、多くの研究で示されています。一度パパだと認識されても、お世話の仕方次第で認識が薄れてしまうこともありますので、諦めずにお世話を続けて愛情を示していきましょう。
赤ちゃんは主養育者を認識しやすい
赤ちゃんが誰を優先して認識するかは、お世話をする人、つまり主養育者に大きく影響されます。映像情報メディア学会誌2008年62巻12号に掲載された「乳児期における顔認知の発達と脳活動」によると、生後3~4ヶ月の赤ちゃんは、主養育者がパパの場合は男の人、ママの場合は女の人の顔を好んで見る傾向があるとされています。
生後3~4ヶ月の赤ちゃんの場合、「産んだ人」というだけでママを好んで見るのではなく、日々の生活で中心となってお世話をしてくれる人が誰なのかを認識して見ているのです。
主養育者とは、赤ちゃんの生存に必要な欲求を満たし、不快を取り除いて快適な状態にしてくれる人を指します。「一家の主だから」「父親だから」という社会的な概念は、赤ちゃんには通用しません。
赤ちゃんにとって優先して認識すべき重要な人とは、手をかけておむつを替え、入浴させ、ミルクや母乳を作って飲ませてくれ、不快を取り除いてくれる「手」と「存在」です。パパが赤ちゃんに早く認識して欲しいと願うのであれば、「この人は手をかけて自分のお世話をし、不快な状態を快適な状態にしてくれる人だ!」と思ってもらえるように、ママに負けず劣らずの精神でお世話を続けることが最も大切なのです。
赤ちゃんにパパを早く認識してもらうための具体的な方法
赤ちゃんに早くパパだと認識してもらいたいのに、なかなか認識してもらえないと感じるパパもいらっしゃるでしょう。パパの認識が遅れる主な理由は、ママに比べて物理的な接触時間が少ないことや、赤ちゃんの五感の発達を考慮した接し方ができていないことが挙げられます。
「ああ俺だ、俺のことだよ!」と思うパパさん。赤ちゃんがパパを感じられるような、認識しやすいお世話を心掛けていますか?赤ちゃんにパパを早く認識してもらうためには、積極的に関わる時間と、接し方の工夫が重要です。
赤ちゃんがパパを認識しやすくなる6つの方法
赤ちゃんにパパを早く認識してもらうためには、赤ちゃんにパパを見てパパを感じてもらう必要があります。赤ちゃんの五感の発達と認識の傾向を考慮し、次の6つの方法を育児に取り入れてみてください。
赤ちゃんにパパを認識してもらうための6つの方法
- お世話の時間を確保する:おむつ替え、入浴、寝かしつけなど、五感をフルに使うお世話を毎日継続して行うことで、匂い、声、温もりを赤ちゃんに伝えます。
- 赤ちゃんに見える距離まで近づく:赤ちゃんの視力では20~30cmの距離が最もはっきり見えます。授乳や抱っこの時は意識して顔を近づけてあげましょう。
- 赤ちゃんの顔は正面から見る:生後間もない赤ちゃんは目線を認識し、真正面から見られることで安心感を得ます。アイコンタクトを大切にしましょう。
- 豊かな表情で語りかける:赤ちゃんは動くものや表情豊かな顔に興味を示します。楽しさや嬉しさを笑顔で表現し、口を大きく動かして語りかけましょう。「パパだよ」と声をかける「語りかけ育児」も効果的です。
- 独特の匂いや音を出す:パパの匂い(体臭)や声を安心できるものとして認識させるため、抱っこや声かけを繰り返します。パパ特有の歌を歌うのも効果的です。
- 髪形を極端に変えない:生後4ヶ月頃までは、髪形が顔の識別の手がかりとなっていることがあります。急激な変化は避け、赤ちゃんがパパの顔を認識しやすい状態を保つと良いでしょう。
赤ちゃんは成人が魅力的だと感じる顔を好んで見る傾向があるという研究もありますので、日頃から清潔感を保ち、笑顔で接することは、赤ちゃんにとってもママにとっても安心材料になります。赤ちゃんに早く認識してもらうためにも、家族円満でいられる努力も大切です。
男性が自分は父親だと認識しパパとしての責任感や自覚を持てる方法
赤ちゃんが自分自身よりパパを先に認識してくれることが多いという事実がある一方で、当のパパがなかなか父親としての自覚を持てないという家庭も少なくありません。
ママは腹が立つやらショックやらかもしれませんが、日本農村医学会雑誌64巻4号「父親認識に関する文献研究」によると、そもそも父性は生まれながらにしてあるものではなく、家族間で発展する後天的なものです。
親からの愛情に満ちた生育や教育、経験によって父親になるための準備をし、やがて赤ちゃんへの愛情が増し、情緒的に父性が形成され、その結果として父親の認識と責任感がうまれます。この父性の形成は、育児への積極的な参加によって加速されます。
パパが父親だと認識し自覚を持つための5つの準備
赤ちゃんがパパを認識してくれるより先に、パパ自身が父親だという認識を持ち、父親としての自覚と責任を育んで、赤ちゃんやママがパパに向けてくれる愛情に応えてあげたいですね。
パパになるための5つの準備と実践
- お腹に手を当てて胎動を感じる(妊娠中):赤ちゃんの存在を物理的に実感し、情緒的な愛着を抱くための重要なステップです。
- 赤ちゃんの超音波映像を見たり心音を聴いたりする(妊娠中):赤ちゃんの生命の神秘に触れ、父親になる自覚を促します。
- 両親学級に参加(妊娠中):育児の知識を身につけることで、父親としての役割を具体的にイメージし、自信につなげます。
- 生まれた赤ちゃんと積極的に触れ合う(出産後):抱っこ、おむつ替え、入浴などを率先して行い、赤ちゃんとの愛着形成を図ります。
- 育児について他者と共有する(出産後):子育ての悩みや喜びをママや他のパパ・ママと共有することで、孤立を防ぎ、父親としての成長を促します。
特に出産後は、赤ちゃんとの触れ合いや育児情報の共有がすぐにできますので、まずは1週間率先して触れ合ってみましょう。赤ちゃんと離れている時間にSNSを利用して育児体験をつぶやいたり、他のパパやママのツイートを読んだり、職場の子育て経験者に子育ての悩みを相談してみたりするのもおすすめです。
赤ちゃんがパパを認識してくれた!と感じた時期の体験談
赤ちゃんがパパを認識するのが早い家庭の体験談では、パパが積極的に楽しんで赤ちゃんのお世話をしている傾向があります。
赤ちゃんがパパを認識するようになると、パパも父親としての自覚や責任感が増しますし、パパがより積極的に赤ちゃんをお世話するようになると、赤ちゃんのパパへの認識も次第に好転します。パパの関わり方が認識の時期を左右する重要な要因であることが分かります。
生後5ヶ月!追視やあやし笑いをする時期
娘が生後5ヶ月のころ
主人が帰ってくるとニコニコご機嫌になるようになったとき、赤ちゃんがパパを認識するようになったかなと感じました。お風呂も楽しそうに入っています。
ママのほうがやはり一緒にいる時間が長いので、早く認識しました。赤ちゃんがパパを認識するようになってからは自分から娘のお世話をし、お散歩に連れて行くなど積極的に育児に参加してくれるようになりました。
一緒に接する時間が多いほど早くパパを認識してくれると思うので、オムツ替えなど出来る限りお世話をしてあげると良いと思います。
男の子で生後5ヶ月
生まれた時から、パパもしっかり赤ちゃんとふれあい話しかけていました。生後5ヶ月くらいになると「パパ」と言う単語とパパの声を聞いたら、目で追いかけるようになったので、パパを認識し始めたと感じました。
ママと1日中一緒にいるので、ママを認識するのは早かったです。パパを認識し始めてから、パパの声を聞くとニコニコして嬉しそうにし、抱っこすると声をだして喜ぶようになりました。
たくさん話しかけて、たくさん抱っこして、たくさん遊んだら赤ちゃんは喜んでくれるし、ママとパパに興味をもってくれると思います。
生後6~8ヶ月!人見知りやパパ見知りが始まる時期
生後6ヶ月以降は、赤ちゃんの自我や記憶力が発達し、人見知りや特定の養育者への愛着が強まる時期です。パパ見知りが始まるのもこの頃です。パパ見知りはパパを認識しているからこそ起こる行動であり、赤ちゃんがパパを特別な存在として認識している証でもあります。
息子は6ヶ月くらいだったと思います
仕事上、帰宅時間が遅く、家に帰っても寝顔しか見られない日々が続き、たまの休みに抱っこしてもビービー泣いてしまう日々が続いていました。
勿論母親はちゃんと認識しているようで、母親が抱っこするとすぐに泣き止みました。このまま懐いてくれなかったらどうしよう、と不安を感じ始めましたが、あるとき、子供の顔を撫でようとしたら、私の指を握ってニコッと微笑んでくれました。
この瞬間に「懐いてくれたかな」と実感しました。我慢強く愛情を示せば、大して世話ができない親でも認識してくれるものだと思います。
パパの認識は生後6ヶ月でした
赤ちゃんが生後6ヶ月の時、義母が抱っこしていて息子はワンワン泣いてしまいました。その時パパが引き取ると、ピタっと泣き止みました。その後も義実家から帰るまで、何回もその現象がありました。
認識するのが早かったのはパパよりもママですが、パパも認識してもらえたことで父親としての自信がついたようです。率先して息子のお世話をしてくれることが増えました。息子もパパの顔を見ると声をあげて笑っています。
無理のない可能な範囲でなるべく赤ちゃんとパパが触れ合う機会を作ると、パパを早く認識してくれるようになるのかなと思います。
それでもなかなかパパを認識してくれなくても、いずれは認識することなので、あまり焦りすぎずリラックスして子育てするのが良いと思います。
娘は生後6ヶ月、息子は生後8ヶ月
人見知りが始まった時期に、娘も息子も明らかに他人と父親を区別するようになりました。他人には抱っこされず、ハイハイをしながら後追いをすることも多かったです。
ただ、やはり妻の方に依存することが多く、日中は一緒にいることができないので、夜の限られた時間のみ遊んだり、オムツを替えたりなど、妻がゆとりをもてるようにしていました。
最初は誰に対しても愛想を振り撒いていたのに、自分と妻だけに依存するようになって、父親としての気持ちがより強くなったような気がします。
こういったときに子どもが産まれて良かったと思いますし、育児の大変さが分かり、妻に対して優しくできるのではないかと思います。
育児は大変で予測がつかず、いつかは子どもも手を離れ、親を避けるようになると思いますが、自分を認識してくれるようになることは親の特権です。
子どもがいるということはそれだけで幸せなことですので、今だけの子どもの反応を大事にし、後悔のない楽しい時間にしてください。
息子は生後7ヶ月、娘は生後6ヶ月です
私が覗き込むのとパパが覗き込むのと顔つきの表情が変わりました。嬉しいと言うより「パパなの?」みたいな感じでした。
パパが一生懸命に「パパだよ、パパだよ」と言っていたのが印象的です。先に認識してくれたのはママですが、その後パパが離乳食を食べさせようとすると、大変ご機嫌になって笑顔が絶えなくなりました。その表情が可愛くて微笑ましかったです。
2人で子育てしていると、赤ちゃんがパパやママを認識してくれる時期が必ず来ます。早いか遅いかは個性もあるのでしょうが大丈夫です。赤ちゃんは認識してくれます。
生後8ヶ月
初めて我が子がパパを認識していると感じたのは、生後8ヶ月のことでした。仕事から帰ってくるパパを見た途端、嬉しそうに笑うことが増えました。
我が子はパパより私のことを早く認識していたので、パパとしては笑いかけてくれる我が子をみて大喜びでした。
我が子がパパを認識するようになってから、パパは抱っこひもをしてよく散歩や公園に連れていってくれるようになりました。
早くパパを認識してくれるようになって欲しい赤ちゃんのママさんは、とにかくパパさんに育児協力してもらえるように促すと良いと思います。
娘が生後8ヶ月の時
初めて娘がパパを認識していると感じたのは、生後8ヶ月ごろでした。パパは帰宅がいつも0時過ぎ、土日も寝ていることが多く、あまり娘と触れ合っていませんでした。
「子供の世話は母親の役目」という少し古い考えだったので、おむつ替えもお風呂もやってくれませんでした。そのためかママ(私)のことは早く認識してくれて、ぐずっていても抱っことするとすぐに泣き止みました。
生後6ヶ月ごろに地域のイベントで父子のベビーマッサージに参加しましたが、娘だけはパパが触るもの嫌で大泣きでした。
そんな状態がしばらく続いていましたが、生後9ヶ月過ぎに娘が歩き出したのを機に、パパの対応が変わりました。
危ないからと手をつなぐことが増え、娘もパパを認識したのか、それ以降は嫌がることが極端に少なくなりました。パパも「散歩は俺が!」と、一緒にいる時間も増えました。
パパはよく、「自分が産んだわけじゃないから実感が…」と言っていましたが、ママも初めからなんでもできるわけではありません。2人で協力しながら少しでも多くの時間を赤ちゃんと接していけたら良いと思います。
満1歳前後!歩いたり話したりできるようになる頃
娘2人ともだいたい1歳前後
初めて赤ちゃんがパパを認識していると感じたのは、だいたい1歳前後くらいだったと思います。あまりパパが呼んでも行こうとしませんでしたが、1歳前後くらいから徐々にパパが呼ぶとその方向へ向かって行こうとしていた気がします。
やはりママと過ごす時間が圧倒的に長かったので、ママを早く認識していました。ママの言葉に耳を傾けることがとても多かったです。
赤ちゃんがパパを認識するようになってから、パパも赤ちゃんと積極的に触れ合うようになりました。ママの方が赤ちゃんと過ごす時間が多いので、パパを認識するのにどうしても時間がかかりますが、毎日の声掛けはとても大切だと思います。
赤ちゃんに早くパパだと認識してもらうためには、ふれあいの時間を大切にして、日々赤ちゃんとのより良い時間を過ごしてくださいね。
娘は1歳半、息子二人は2歳ころ
初めて赤ちゃんがパパを認識していると感じたのは、ママに抱っこしてもらった状態で、「パパ」と呼んだ時です。
赤ちゃんがパパを認識するようになってからは、仕事を早く終わらせて帰りたい気持ちでしたね。やはり意思疎通が出来るようになると、こちらの気分も変わりますね。
やはりママの愛情にはかないませんが、パパはパパなりの愛情で接していけばいいのではないでしょうか。6歳7歳くらいまでは、なるべくたくさんの愛情を注いでやってください。
子育て4コマ漫画:赤ちゃんが認識していなくてもパパはパパ!
赤ちゃんがパパを認識してもしなくても、赤ちゃんの半分はパパでできています。そのため永岡さくら(SAKU)さんの子育て4コマ漫画のように、ママは「間違いなくパパの子だわ」と思うことを、パパの知らないところで結構発見しています。
頑張って育休を取得するパパが増えてきましたが、短期間で赤ちゃんにパパと認識してもらえなくても、ムダな触れ合いにはなりません。育児への参加は赤ちゃんの成長だけでなく、夫婦間の絆も強まります。
近年、鈍感力が注目されていますが、育児も時として鈍感力を働かせた方が好転することがありますので、赤ちゃんがママを先に認識しようとパパをなかなか認識しなかろうと落ち込まず、メンタルの強いパパを家族に見せてあげてください。
お世話だけでなく色々な方法での赤ちゃんとのスキンシップをパパが楽しむことは、パパの幸福度を高める効果も期待できますので、赤ちゃんの認識に関係なく今だけの貴重な時間を、自分のためにも家族のためにも存分に楽しみましょう。