離乳食で枝豆を活用しよう!与える時の注意点と段階別レシピ
離乳食のたんぱく源やビタミン・ミネラル源として便利な枝豆。旬の夏場は生鮮の枝豆、その他の時期は冷凍食品と一年中手軽に利用できる食材ですが、開始時期や与え方への注意を知らないと赤ちゃんを苦しめてしまうことがありますので、離乳食期のママはレシピと共に開始時期や調理方法、与え方について知っておきましょう。
今回は、離乳食に枝豆はいつから与えられるか、栄養価、生鮮と冷凍食品の選び方やゆで方など下ごしらえの方法、与え方への注意、離乳食段階別レシピについてご紹介します。離乳食の献立がマンネリになって困っているというママも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
枝豆にはどんな栄養があるの?
枝豆は大豆ですが分類上は野菜。完全に成長する前の大豆を収穫したものですので栄養価が大豆と異なります。枝豆には赤ちゃんの成長に重要なたんぱく質と共に野菜に豊富な栄養素も含まれていますので、バランスの良い離乳食作りに役立てましょう。
1全身の成長に!タンパク質
枝豆は一年中安定して与えることができるリーズナブルなたんぱく源。たんぱく質は赤ちゃんの筋肉や内臓、髪や爪など体を作り出す大切な栄養素のひとつですので、赤ちゃんの順調な成長のためにきちんと摂取する必要があります。
ただし、過剰に摂取すると赤ちゃんの消化器官に負担を与えてしまいますので注意しましょう。
肉や魚などの動物性たんぱく質と枝豆などの植物性たんぱく質は含まれているアミノ酸の種類が異なりますので、どちらかを与えていればよいというわけではありません。偏らずバランスよく与えるように徐々に心掛けていきましょう。
2夏バテに!ビタミンB1・B2
枝豆は夏が旬の食材。夏の暑さを乗り越えるのに必要なビタミンB1とビタミンB2が豊富に含まれています。
米や麺などの糖質をエネルギーに変換するにはビタミンB1が必要不可欠!不足すると疲れやすくて元気がなくなるだけでなくイライラしたり、食欲がなくなったり消化に障害が起きたり、ひどい場合は脚気になって命の危険さえあります。
また、ビタミンB2には脂肪などの代謝を助け肥満を防止する働きがあります。
暑い日の外出が続いたりした後など赤ちゃんがお疲れ気味だなぁと感じた時は、離乳食で枝豆を食べさせてあげましょう。
3体の発育を促す!葉酸
枝豆には体の発育を促し貧血予防にも効果がある葉酸が豊富に含まれています。葉酸はビタミンB群の中まで、不足すると赤ちゃんが貧血や口内炎になりやすくなります。離乳食だけでなく母乳のママは自分の食事でも葉酸をたっぷりとるようにしましょう。
葉酸は熱に弱く、水溶性のため水に溶けてしまい調理過程での損失量が大きいですので、離乳食は枝豆や緑黄色野菜を積極的に取り入れて葉酸を摂取するように心掛けましょう。
4夏場の脱水症予防に!カリウム
枝豆はカリウムの含有量が豊富です。カリウムには体内の塩分濃度を調節してくれる作用があるため、夏場の脱水症予防に効果的。
万が一赤ちゃんが塩分の摂り過ぎになった場合でも、カリウムには余分な塩分を体外に排出してくれる役割があるため安心ですね。
5記憶力アップ!レシチン
レシチンと言えば卵で有名ですが、枝豆にも豊富に含まれていますので離乳食でしっかりととらせてあげましょう。(注3)
生鮮の枝豆と冷凍の枝豆の選び方
赤ちゃんに美味しい枝豆の離乳食を食べてもらうためには新鮮で栄養価の高い枝豆を選んであげたいですね。旬の時期の生鮮枝豆だけでなく冷凍食品の枝豆の選び方にもコツがありますので、購入する時の目安としましょう。
生鮮の枝豆の選び方
スーパーで売られている生鮮の枝豆は枝から切り取られたものが多いのですが、枝や葉つきに枝豆が購入できる場合はそちらを選びましょう。枝や葉がついたものは鮮度が落ちにくいですよ。
新鮮で良質な離乳食向き生鮮枝豆とは?
- 茎や葉の緑色が鮮やかで変色していない
- 豆が大きく粒が揃っている
- サヤは密集して張りがあり、産毛も濃い
冷凍食品の枝豆の選び方
国民生活センターによる冷凍野菜比較テストでは冷凍枝豆のビタミンAの栄養価は生鮮よりも高く、他の栄養素に関してもメーカーによって違いがあるものの生鮮より高い、もしくは同等という結果が出た冷凍枝豆もありました(注5)。
ですから、冷凍食品の枝豆も品質の確かの物を選んで離乳食作りに取り入れていくとよいでしょう。
冷凍食品の枝豆を選ぶ際には冷凍食品協会による衛生面や栄養価などの基準をクリアした冷凍食品の認定証マークがついている冷凍食品を選ぶと安心です。認定証マークがついている冷凍枝豆は栄養価が高く美味しい旬の時期に収穫して加工や急速冷凍がされていますので、一年中栄養価が高めの美味しい枝豆を食べることができますよ。
ただし、家に持ち帰ってからすぐに冷凍しないと鮮度や栄養価が落ちてしまいますので、帰宅後すぐに冷凍庫に入れましょう。
離乳食で使う生鮮と冷凍枝豆の下ごしらえ
離乳食で使う食材は鮮度が命!生鮮の枝豆を冷蔵庫や常温で長く保存すると鮮度が落ちてしまいますので、スーパーで枝豆を購入したり家庭菜園の枝豆を収穫したりしたら、出来るだけ早く茹でましょう。一度に使い切らない場合も全て茹でてしまい、下ごしらえした状態で冷凍保存袋に入れて冷凍保存します。
また、冷凍食品の枝豆も離乳食で使用する際は加熱や下ごしらえが必要です。自然解凍の枝豆もありますが注意しましょうね。
生鮮枝豆のゆで方など下ごしらえ
- 枝つきの場合は枝豆のサヤをキッチンバサミで切り落としてから流水でよく洗う
- 鍋にたっぷりの湯を沸かしたら茹で時間5~8分ほど茹で、試しにサヤの中から枝豆を1粒取り出して親指と人差し指で潰せる程度の硬さになっていたら火を止める
- ザルに上げてうちわで冷ます
- 粗熱が取れたらサヤから取り出し、さらに薄皮を剥いて月齢にあった大きさに切る
冷凍食品の枝豆のゆで方や塩抜きなどの下ごしらえ
冷凍食品の枝豆は塩水で茹でられているものがほとんど。塩分のほとんどはさやに含まれていますが、実にも塩分が含まれています。
また、冷凍食品の枝豆は調理後に柔らかくなり過ぎないように8割程度しか加熱していないものが多いのです。いずれにせよ離乳食では大人が食べるよりも柔らかめである必要がありますので、加熱と塩抜きが必要です。
- たっぷりの湯で軟らかめ(指で潰せる程度)に茹で、加熱と同時に塩抜きをする
- 生鮮の枝豆同様に冷ましてからサヤと薄皮をとり除く
離乳食で枝豆を与える時の注意点
枝豆は生で食べることはできません。消化を阻害する成分が含まれているため、十分に加熱しないと消化不良で下痢をしてしまう恐れがありますので、離乳食で与える際はかならずしっかりと加熱してから与えるようにしましょう。
また豆類はちょうど赤ちゃんの気管をふさぐ大きさのため、枝豆をそのまま与えると気管がふさがれて肺炎を起こす恐れがあります。赤ちゃんに枝豆を与える時はそのままの形で与えずに次のことに注意しましょう。
- 離乳食の進み具合に合わせた大きさに枝豆を切って与えましょう
- 赤ちゃんが歯茎でしっかりとかみつぶせる硬さに茹でましょう
- 急がせずゆっくりと食べさせるようにしましょう
- 薄皮をむいてから与える
また、テーブルに大人用の枝豆をおきっぱなしにしないように注意し、パパやおじいちゃんおばあちゃんにも赤ちゃんにそのまま枝豆を与えるのは危険であることを伝えておきましょう。(注5)
【離乳食の枝豆】段階別おすすめレシピ6
枝豆は栄養が豊富なだけでなく離乳食の彩りを手軽によくすることができる優れもの。イベントメニューでは緑色が必要になることが多いので、緑色の食材として枝豆を利用するとかわいい離乳食が完成しますよ。
【離乳食中期】枝豆レシピ
離乳食中期で枝豆を初めて与える場合はすり潰しをひと匙あたえるところからスタートしましょう。モサモサして食べにくいためスープでのばしてペースト状にしたり、ポタージュスープにしたりするのがおすすめです。
枝豆が離乳食に甘みと彩りをプラスしてくれるので赤ちゃんの食への意欲が増しますよ。
枝豆とジャガイモのだし煮のレシピ
材料
- 枝豆10g
- ジャガイモ20g
- だし50cc
- 水溶き片栗粉 適量
- 枝豆を下ごしらえし、月齢に合う大きさに細かくみじん切りしておく
- ジャガイモを細かく刻み、柔らかくなるまで茹でる
- 鍋に和風だし、枝豆、じゃがいもを入れ、火にかけて味をなじませる
- 最後に水溶き片栗粉でとろみをつける
【離乳食後期】枝豆レシピ
離乳食後期で枝豆をスタートさせるママも多いでしょう。初めは噛みやすくなるようにペーストにして食パンにディップすると手づかみ食べもできて赤ちゃんも食べやすいですよ。
離乳食後期に枝豆を与える際は1/4程度の大きさに切ってから与えましょう。
枝豆と人参のディップのレシピ
材料
- 枝豆:15g
- 人参:15g
- 食パン:1/2枚
- 下ごしらえした枝豆をすり潰してペーストにする
- 人参を柔らかく茹でてすり潰してペーストにする
- 食パンの耳を切り落とし、食べやすい大きさに切る
- 食パンの耳を切り落とし、枝豆と人参ペーストをディップする
枝豆入り卵焼きのレシピ
材料
- 枝豆:20g
- 全卵:1/2個
- だし:小さじ1
- 枝豆を下ごしらえし、1/4程度のみじん切りしておく
- 卵をボウルに割り入れて溶き、だしと1の枝豆を加えて混ぜる
- フライパンで焼く
枝豆のおやきのレシピ
材料
- 枝豆:10g
- ジャガイモ:30g
- 片栗粉:少々
- 枝豆を下ごしらえし、1/4程度のみじん切りしておく
- ジャガイモの皮をむいて柔らかく茹で、ボウルに入れてマッシャーかフォークで潰したらジャガイモのゆで汁を少量加えて滑らかになるまで混ぜる
- 1の枝豆と2のジャガイモ、片栗粉をボウルに入れて滑らかになるまで混ぜる
- 小判型にしたらフライパンで両面をこんがりと焼く
【離乳食完了期】枝豆レシピ
離乳食完了期になるとお粥を卒業して軟飯やご飯に進みますね。おにぎりを食べることができるようになるので、外出時に持っていくことができますが、刻んだ枝豆を混ぜた枝豆おにぎりにすると彩りがよいですよ。
離乳食完了期になっても枝豆をそのまま食べさせるのは危険ですので、枝豆を食べさせる時には1/4~1/2程度の大きさに切ってから調理に使いましょう。
枝豆の3色丼のレシピ
材料
- 枝豆:20g
- 人参:20g
- 鶏ミンチ:20g
- 軟飯:90g
- 和風だし:適量
- 下ごしらえした枝豆を細かく刻む
- 人参を細かく刻んでから柔らかく茹でる
- 鶏ミンチを和風だしで煮る
- 軟飯の上に1~3を盛り付ける
枝豆の煮込みうどんのレシピ
材料
- 枝豆:20g
- 大根:20g
- うどん:80g
- だし汁:50cc
- 水溶き片栗粉:適量
- 下ごしらえした枝豆を1/2の大きさにする
- 大根を食べやすい大きさに切り、柔らかく茹でる
- うどんを2cm程度の長さに切り、たっぷりの湯で表示時間よりも長めに茹でたら水にさらして塩抜きする
- 鍋にだし汁を入れて火にかけ、1~3を入れてしばらく煮込む
- 最後に水溶き片栗粉でとろみをつける
参考文献