外気浴はいつから?外気浴の赤ちゃんへの効果と注意点
外気浴は赤ちゃんのお世話としても推奨されていることだし、赤ちゃんが生まれてしばらくたったら、赤ちゃんを外の空気に触れさせたいと思いますよね。
でも、外気浴をどのように行なったらいいのか分からない…というママが多いのではないでしょうか。そこで今回は、赤ちゃんの外気浴についての具体的な方法や注意点などをまとめました。
これから、赤ちゃんを出産する予定の妊婦さんや、そろそろ外気浴デビューを控えているというママさんは、ぜひ参考にしてください。
外気浴とは?日光浴との違いは?
外気浴とよく似た言葉に「日光浴」があります。「外気」を浴びるのと、「日光」を浴びるのって何が違うの?と疑問に感じているママは多いことから、はじめに外気浴と日光浴との違いについて解説します。
外気浴とは、赤ちゃんを外の空気に触れさせることをいい、外気に当たることは「冷たい空気に触れる」「新鮮な空気を吸う」という2つの目的があります。
それに対して、日光浴とは太陽光を浴びることをいいます。太陽光に当たることでビルビリンが分解されることから、新生児黄疸がなくなるほか、歯や骨に形成に関わるビタミンDの生成につながるメリットがあるのです。
今から20年ほど前までは、母子手帳で日光浴が推奨されていましたが、現在では、替わりに外気浴が推奨されるようになりました。
近年の研究で、紫外線が肌に与えるダメージが大きいことが分かってきたため、刺激に慣れていない新生児にうちから、わざわざ紫外線を浴びる必要はないという考え方に変わったことから、日光浴が母子手帳から削除されたのです。
外気浴にはどんな効果があるの?
外気浴には、気分転換になるだけではなく、赤ちゃんの成長にとってプラスになることがたくさんあります。具体的にはどんなメリットがあるのでしょう。
外気浴で得られる効果には、次の4つがあります。
1皮膚機能を向上する
外の空気に触れることで、赤ちゃんの皮膚機能を向上する効果が期待できるといわれています。
新生児は皮膚の機能が未熟なことから、ちょっとしたことで体温が変化したり、肌荒れが起こったりしがち。そのため、徐々に気温の変化などに対応できるようになるために、外の空気に触れる必要があるのです。
外気浴によって、向上が期待される皮膚の機能には次のようなものがあります。
体温調節機能
暑い時には熱を放出し、寒い時は熱の放出を抑えるなど、温度変化に対応するために体温の調節を行います。特に、新生児はこの機能が未熟なので、外気浴をすることでうまく体温調節できるようにトレーニングするのです。
保護機能
皮膚には肌を物理的な刺激から守り、外からの細菌などの侵入を防ぐバリア機能が働いています。薄くてデリケートな新生児の肌は、外気浴を繰り返すことで、徐々に皮膚の保護機能がアップしていきます。
排出機能
排出機能とは、皮膚の表面から汗や皮脂のほか、不要な尿酸、尿素、乳酸などを排出する機能のことです。なんと、新生児の小さな体にある汗腺の数は大人と同じ。新陳代謝を活発するためにも、外気浴が必要となります。
保湿機能
皮膚からの水分の蒸発を防ぎ、肌の水分を一定に保っているのが、皮膚の保湿機能です。新生児の角質層は大人の半分程度しかないため、保湿機能が未熟なのでカサカサしがちなので、外気浴により保湿機能が高める必要があります。
2呼吸器を鍛える
外気浴は、赤ちゃんの呼吸器を鍛える効果があると言われています。皮膚と同様に、外に出て冷たい空気を吸うことで、呼吸器が気温の変化などに対応できるようになるのです。
3生活リズムを整える
これまで、いつも寝てばかりいた赤ちゃんも、昼間の外気に当たることで、徐々に昼夜の区別が付くようになっていきます。特に、毎日同じ時間に外気浴をすると、生活のメリハリがついて、ぐっすり寝てくれるようになるでしょう。
4五感に刺激を与える
外に出ることは、赤ちゃんにとって環境の変化を体験できるいい機会になります。「外の明るさを感じる」「風にあたる」「鳥の鳴き声を聞く」など、家の中では経験できないことから刺激を受けると、好奇心のアップにつながります。
外気浴はいつから始めるのがベスト?
外気浴は、生後3週間くらいから外気に触れ始め、外出が可能になる1ヶ月健診のあたりから本格的に始めるとよいでしょう。
暖かい時期は午前10時から2時くらいまでは紫外線量が多いため、紫外線が強くなる前の9時から10時、また紫外線が弱くなる2時から3時くらいまでの時間帯がおすすめです。
生後3~4ヶ月健診の問診で、外気浴させているかどうか聞かれることがあるので、少しずつ外の世界を経験させておく必要があります。
おすすめの外気浴の方法
外気浴を始めるにあっては、急に始めるよりも、いくつかのステップを踏むことによって、徐々に外の環境に慣れさせることが大切です。どんなことから始めるのがベストなのか、段階ごとに外気浴の方法を説明していきます。
step1~窓を開けて部屋の中に外の空気を入れましょう
外気浴は、生後3週あたりから家の中で行うことから始めます。
まずは、部屋の中にいる状態で、窓を開けて赤ちゃんを外気に触れさせるのです。慣れてきたらベランダに出てみるなどして、外気に触れる時間を徐々に延ばしていきましょう。
step2~家の周囲を短時間歩いてみましょう
生後1ヶ月くらいになったら、外に出て実際に外気に触れさせます。
ママが疲れない程度の10分から15分をめどに、赤ちゃんを抱っこして家の前や周囲を歩いてみるといいでしょう。外の景色を見ながら、いろいろ話しかけると赤ちゃんとのコミュニケーションにもつながりますよ。
step3~公園などに少し足を延ばしてみましょう
生後2~3ヶ月になって外気浴に慣れてきたら、外気浴の時間を20分から30分に延ばしてみましょう。
できれば、買い物などの目的のある外出ではなく、ぶらぶら歩く散歩が望ましいですね。公園デビューに備えて、下見がてら近所の公園にお出かけしてみるのもいいですね。近所に住むママ友と知り合えるかもしれませんよ。
外気浴をする際に注意すべきこと
赤ちゃんの成長にメリットの多い外気浴ですが、やり方を間違うと赤ちゃんに悪影響を与えかねません。外気浴を行う際は、注意すべき点をしっかり確認しておきましょう。
体温調節ができる服装で出かける
外気浴の際は、寒さへの抵抗力をつけるために、薄着で行う必要があります。赤ちゃんの皮膚を外気に当てることによって、冷たい空気による刺激を受けて、赤ちゃんの皮膚が鍛えられるのです。
だからといって、肌寒い状態で長時間、薄着のままでいると、赤ちゃんは風邪をひいてしまいます。そのため、ちょっと寒いかなと思ったら、羽織るものやおくるみなどを忘れずに持って行くといいでしょう。
赤ちゃんの体調と相談して行う
外気浴は、赤ちゃんの生活のリズムを整えるためには、毎日同じ時間に行う必要がありますが、外気浴は、赤ちゃんの体調がすぐれない日は、無理に行う必要はありません。
また、ママの産後の肥立ちが悪く体がつらいと感じたら、休息を優先させた方がいいでしょう。お互いの体調を見つつ、体調のいい日に楽しく外気浴するのがいいですね。
外出の際は紫外線対策を行う
赤ちゃんを紫外線から守るために、帽子やベビーカーの日よけ、日傘、サングラスなどを活用しましょう。赤ちゃんにサングラス?!と思われるかもしれませんが、紫外線は肌だけでなく目にも大きな影響を与えるので注意しましょう。
また、「今日は曇っているから」という油断は大敵。日焼けの原因となるUVBは曇りの日には少ないのに対し、肌の奥の細胞を破壊するUVBは雲を通過することができるため、晴天の日だけでなく曇りの日も紫外線対策が必要です。
できるだけ人混みは避ける
赤ちゃんは免疫力が弱いため、感染症を予防するためにも、外気浴の際は、人混みを避けた方がいいでしょう。体内に免疫が作られていない状態で、感染症にかかると重症化する恐れがあります。
赤ちゃんは、生後2ヵ月頃からはさまざまな予防接種を受ける必要があることから、予防接種が一通り完了するまでは、できるだけ人混みは避けて行動しましょう。
赤ちゃんとの外気浴を楽しみましょう!
「魔の三週目」という言葉があるように、生後3週目あたりから、徐々に赤ちゃんのお世話に手がかかるようになるといわれています。産後の疲れも重なって、ママは体力的にも精神的にも疲労のピーク…。
そんな時期に、毎日家にこもってばかりいるせいで、育児のストレスから産後うつになるママもいます。
外気浴は赤ちゃんの健康のためだけでなく、ママの気分転換や息抜きにもなるので、赤ちゃんと一緒にちょっとしたお出かけをして、上手に気分転換をしましょう。