離乳食のホットケーキ・パンケーキ:いつから?手作り・市販ミックス粉の選び方とレシピ
家族の朝食やおやつにもぴったりのホットケーキやパンケーキは、離乳食にとり入れることで、赤ちゃんが喜んで食べてくれるだけでなく、手づかみ食べの練習にも大活躍するメニューです。
ただし、市販のホットケーキミックスや、一から手作りする場合の材料選びには注意が必要です。
こちらでは離乳食でホットケーキや市販のホットケーキミックスをいつから与えられるのか、量や冷凍保存への注意点、押さえておきたい基本の手作り方法、卵なしや小麦粉なし・牛乳なしのアレルギーに配慮したレシピやおすすめのアレンジレシピなど、赤ちゃんを子育て中のママにおすすめの離乳食ホットケーキ情報をご紹介します。
離乳食のホットケーキはいつから?市販ミックス粉の選び方
離乳食にホットケーキを与える際、卵・小麦粉・牛乳といったアレルギーを発症しやすい食材を多く使うため、心配されるママも多いのではないでしょうか。また、手軽な市販のホットケーキミックスには、添加物や糖分が気になるという声も聞かれます。まずは、離乳食でホットケーキを与える時期や市販のミックス粉の選び方について知っておきましょう。
手作りホットケーキは離乳食後期(9ヶ月頃)から
ご家庭にある小麦粉などの材料を使って一から手作りしたホットケーキは、基本的に手づかみ食べが始まる離乳食後期(生後9ヶ月~11ヶ月頃)から与えられます。後期になると、指先を使って自分で食べようとする意欲が見られるようになってきます。赤ちゃんからの「自分で食べたいサイン」を感じたら、アレンジを利かせた手作りホットケーキを作って、手づかみ食べを促すようにしましょう。
ホットケーキの主な材料と離乳食での導入時期の目安は以下の通りです。
<市販粉を使わず手作りする時の主な材料と時期>
- 小麦粉(薄力粉):離乳食中期から使用可能です。
- 卵:離乳食初期の卵黄から試しますが、全卵を使用するのは離乳食後期が目安です。
- 牛乳:離乳食後期の調理用として少量から使用可能です。
- 砂糖:離乳食完了期で1食3g程度までは許容されますが、バナナなどの食材の自然な甘みを利用すれば、加える必要はありません。
- ベーキングパウダー
牛乳、小麦粉、卵にアレルギーがあるお子さんの場合、一から手作りであれば、牛乳を豆乳や水に、小麦粉を米粉に置き換えたり、卵抜きにしたりするなど、食材を工夫すれば食べさせてあげられます。
ホットケーキをふっくら仕上げるのに必要なベーキングパウダーは、主成分が重曹などの膨張剤ですが、添加物が含まれているため、離乳食後期から少量使用するとよいでしょう。ただし、ベーキングパウダー選びには特に注意が必要ですよ。
ベーキングパウダーの「アルミフリー」に注意!
ベーキングパウダーの中には、ふくらし粉の成分として焼きミョウバン(硫酸アルミニウムカリウムなど)が原材料として使われているものがあります。アルミニウムには毒性を指摘する情報もあり、特に体が小さい乳幼児は野菜や加工食品などから許容量を上回って摂取しやすいと懸念されています。バランスのとれた食生活のためにも、離乳食に使用する際は必ず「アルミフリー」と表示されたものを選んで使いましょう。
市販のホットケーキミックス粉はいつから?
市販のホットケーキミックスやパンケーキミックスには、原材料に砂糖などの糖類や塩分、そして添加物が多く含まれているものが多いため、赤ちゃんに与える時は表示をしっかりと確認して選びたいものです。商品によっては「生後9ヶ月から」と記載されているものもありますが、一般的には1歳を過ぎてから使い始めるママが多い傾向があります。
市販品を選ぶ際の重要なチェックポイントは以下の通りです。
- アルミフリー:使用されているベーキングパウダーが「アルミフリー」であるか確認しましょう。
- 塩分・糖分の量:パッケージの栄養成分表示を確認し、塩分や糖分が控えめなものを選びましょう。
- 添加物:子供の体に負担を与える可能性のある着色料や香料、保存料などが含まれていないかを確認しましょう。
また、牛乳や卵にアレルギーがある赤ちゃんの場合、市販のホットケーキミックス粉には卵黄や脱脂粉乳を使っている商品もありますので、アレルゲン表示を必ず確認するようにしましょう。
離乳食におすすめのパンケーキミックスとホットケーキミックスの違い
最近では、甘さ控えめで薄く焼く「パンケーキ」が人気ですが、パンケーキとホットケーキの違いは何でしょうか。
もともとアメリカなどの英語圏では、小麦粉と卵、牛乳を混ぜた生地をフライパンで焼いたものを総称して「パンケーキ」と呼んでおり、「ホットケーキ」は日本で作られた和製英語です。語源には諸説ありますが、現在では、ベーキングパウダーで厚みを出して甘く仕上げたものをホットケーキ、薄く焼いて甘味が少ないものをパンケーキと分けて呼ぶことが多いです。
離乳食用の手作りホットケーキや、市販の「ベビーフード」として販売されている離乳食用のパンケーキミックスは、ベーキングパウダーや砂糖、塩が控えめであるため、大人が食べる一般的なホットケーキよりもパンケーキに近いといえます。市販品を選ぶ際は、「離乳食・幼児食向け」と表示された、専用のパンケーキミックスを選ぶのが最も安心です。
離乳食でホットケーキを与える量の目安
ホットケーキは、離乳食における穀類(炭水化物)としてカウントされます。離乳食で与える穀類の量は、主食であるお粥や軟飯の量を目安にしましょう。
離乳食で与えるホットケーキの粉類(小麦粉、米粉など)の目安量は以下の通りです。
ホットケーキの粉類(炭水化物源)の目安量
- 離乳食後期(9~11ヶ月):約20g
- 離乳食完了期(1歳~1歳半):約35g
一般的なサイズのホットケーキ1枚に使われる粉類の量はおよそ50gです。このサイズでホットケーキを作った場合、赤ちゃんに与える量は後期で2/5枚程度、完了期で3/5~4/5枚程度が適量となります。
ホットケーキに卵を入れた場合、たんぱく質も同時に摂取できますが、ビタミン類が不足しがちです。そのため、果物や野菜のペーストを添えるなど、栄養バランスを考えた献立にしましょう。
離乳食でホットケーキを冷凍する時の注意点と解凍方法
離乳食では赤ちゃんは一度にたくさんの量を食べきれないため、ホットケーキを多めに焼いて冷凍保存しておくととても便利です。忙しいときの朝食やおやつなどに、電子レンジで解凍でき手間がかからないのが魅力です。
ただし、冷凍する際は、品質と安全性を保つために以下の点に注意して保存しましょう。
- ホットケーキを焼き上げた後、十分に冷ましてから、空気が入らないように一つずつラップでしっかりと包みます。
- ラップで包んだホットケーキを冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密閉してから冷凍庫へ入れます。
- 食べる際は自然解凍せず、必ず電子レンジやトースターで加熱して中心まで火を通してから与えてください。
解凍する際は、電子レンジで少し温めてから、トースターで焼くと表面がカリッとして香ばしくなり、美味しく食べられます。また、フライパンで蓋をして蒸し焼きのように温めると、フワフワとした食感に戻りますよ。
離乳食にも使える基本の手作りホットケーキレシピ
離乳食用の基本の手作りホットケーキレシピを抑えておくことで、いろんなアレンジレシピに活用できます。このレシピは離乳食だけではなく、砂糖の量を増やせば大人も美味しく食べられるため、家族みんなでママの味を楽しめますよ。
基本のホットケーキのレシピ(離乳食後期~完了期向け)
材料:薄力粉100g、アルミフリーのベーキングパウダー小さじ1、牛乳100ml、全卵1個(後期以降)、砂糖10g(赤ちゃん用はバナナなどで代用可)
- 薄力粉とベーキングパウダーをふるっておきます。
- 別のボウルに牛乳と卵を混ぜ合わせ、砂糖(または甘味料)を入れよく溶かします。(赤ちゃん用は砂糖なし、または控えめにします。)
- 2に1を入れ、粉っぽさが少し残る程度にさっくりと混ぜ合わせます。(混ぜすぎると固くなるため注意が必要です。)
- 熱したフライパンを一度ぬれた布巾で冷ましてから、生地をスプーン1杯分ずつ(赤ちゃんが手づかみしやすいサイズ)流し入れます。
- 弱めの中火で3分弱焼き、表面にぷつぷつと穴が出てきたらひっくり返します。
- さらに2分弱焼いて、中まで火が通ったら完成です。
アレルギー対応!牛乳なし、卵なしでも美味しく作る方法
牛乳や卵を使わなくても、ホットケーキは美味しく作ることができます。アレルギーが心配な食材があっても、代替食材を使っておいしく作れますので、アレルギーのあるお子さんのママもぜひ、安心して美味しいホットケーキを食べさせてあげましょう。
- 牛乳アレルギーには、水や豆乳、ライスミルクなどで代用できます。
- 卵アレルギーには、卵を入れずにベーキングパウダーでしっかりと膨らませることで、ふっくらした食感を出すことができます。
- 小麦粉アレルギーには、米粉や大豆粉で代用できます。特に米粉はもちっとした食感で人気があります。
離乳食のホットケーキ栄養満点レシピ
ホットケーキは、不足しがちな栄養素をプラスしやすいメニューです。ここでは、野菜や果物を使った栄養満点のレシピをご紹介します。
まずは、米粉を使った豆乳のホットケーキレシピをご紹介します。小麦粉の代わりに米粉、牛乳の代わりに豆乳を使い、砂糖ではなく甘酒を使ったレシピです。
米麹甘酒を使うことで、自然な甘さがおいしいだけでなく、ビタミンB群や必須アミノ酸が含まれており、栄養補給に役立ちます。また、食物繊維やオリゴ糖も含んでいるため、赤ちゃんの腸内環境を整えることが期待できます。豆乳にもオリゴ糖やカルシウムが含まれているため、成長期のお子さんの栄養補給におすすめです。
ただし、甘酒を赤ちゃんに与えるのは生後10ヶ月以降とし、購入する時は「アルコール0%」の表示がある、赤ちゃんにも安心して与えられる米麹甘酒を選んで使用することをおすすめします。
米粉と甘酒のホットケーキのレシピ(生後10ヶ月以降)
材料:米粉80g、片栗粉20g、アルミフリーのベーキングパウダー小さじ1、豆乳100g、米麹甘酒50ml、油大さじ1、塩少々
- ボウルに米粉と片栗粉、ベーキングパウダーを混ぜ合わせ、真中をくぼませます。
- くぼませたところに、甘酒、塩、豆乳、油の順に入れて、ぐるっと混ぜ合わせます。
- ラップをして冷蔵庫で20分ほど生地を寝かせます。
- フライパンを温め、生地を流し込んで弱めの中火にかけます。
- 表面に泡が残るようになったら返して、さらに1分ほど焼きます。
次は、バナナのホットケーキのレシピをご紹介します。バナナに含まれるトリプトファンは、体内でセロトニンなどに変わり、赤ちゃんの精神を安定させる作用があります。
また、バナナはマグネシウムを含んでおり、これはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。カルシウム不足を補いたい場合は、豆乳ではなく牛乳を使って作ると、カルシウムをより効率よく摂取できますよ。
バナナのホットケーキのレシピ
材料:薄力粉100g、アルミフリーのベーキングパウダー小さじ1、バナナ50g、豆乳100ml(または牛乳)
- バナナをフォークでなめらかにつぶしておきます。
- 薄力粉とベーキングパウダーをふるっておきます。
- ボウルに2と豆乳(または牛乳)を混ぜ合わせ、1のバナナを入れてさっくりと混ぜます。
- 熱したフライパンをぬれ布巾にのせ一度冷ましてから3を流しいれます。
- 3分ほど焼いてふちがプツプツとしてきたら返し、2分弱もう片面を焼きます。
3つ目は、にんじんのホットケーキのレシピです。にんじんは緑黄色野菜の代表格で、β-カロテンが豊富に含まれており、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。また、にんじんに含まれる食物繊維のペクチンには、腸内環境を整えてくれる働きがあるため、お腹の調子を整えることに役立ちます。
にんじんのホットケーキのレシピ
材料:薄力粉200g、アルミフリーのベーキングパウダー小さじ2、にんじん50g、全卵1個(後期以降)、牛乳140ml
- にんじんは皮をむいてすりおろしておきます。
- ボウルに牛乳と卵を混ぜ合わせます。
- 薄力粉とベーキングパウダーをふるって混ぜ合わせます。
- 3に1のにんじんを入れてさっくりと混ぜます。
- 熱したフライパンに4を流しいれ3分弱焼いて返し、もう片面2分ほど焼きます。
最後は、完了期以降の幼児におすすめの全粒粉と豆腐を使ったホットケーキのレシピをご紹介します。全粒粉は、精製された薄力粉に比べて、鉄分やマグネシウム、ビタミンB群、そして食物繊維が豊富に含まれている食材です。
薄力粉と混ぜ合わせることで、幼児には食べにくい全粒粉でも食べやすくなり、豆腐を加えることでもちっとした食感を楽しめます。ただし、全粒粉は食物繊維が豊富で消化に負担がかかるため、離乳食完了期(1歳~1歳半頃)を目安に、少量から試すようにしましょう。
全粒粉と豆腐のホットケーキのレシピ(完了期以降)
材料:薄力粉70g、全粒粉30g、アルミフリーのベーキングパウダー小さじ1、米麹甘酒50g、絹ごし豆腐100g、豆乳50ml
- ボウルに全粒粉とベーキングパウダーを混ぜ合わせます。
- 別のボウルに絹ごし豆腐を入れて泡だて器などで崩し、豆乳と甘酒を加えてよく混ぜます。
- 1に2を加えてさっくりと混ぜ合わせます。
- 熱したフライパンに3を流しいれ、3分ほど焼いて返し、もう片面を2分半ほど焼きます。