赤ちゃんのティッシュ遊びに潜む危険!しつけや安全性への対策
ちょっと目を離したスキに、赤ちゃんが箱からティッシュを出して辺り一面ティッシュだらけ!というあるある。育児中のママ達からはよく聞かれます。
「赤ちゃんに出されたティッシュの使い道、どうしてる?」「ダメって言ってしつけるべき?」など、赤ちゃんが巻き起こすティッシュ問題に注目が集まりますが、実は赤ちゃんの命を脅かす危険性については気づいていないママも。
こちらでは賛否両論ある赤ちゃんのティッシュ遊びについて、脳育への効果や危険性、対処方法、代わりになるおすすめの遊びについてご紹介します。家庭内の安全性、ティッシュ遊びのメリットについてもう一度見直しましょう。
赤ちゃんの脳育にいい!ティッシュ遊び
赤ちゃんの脳を育てるには五感を鍛えることが重要だと言われています。五感とは「視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚」のこと。
五感自体は生活の中で自然に身につくと考えられますが、胎児期から幼児期の発達が目覚ましく、その中でも生後の環境が大きく関係していると考えられています。
そのため赤ちゃんの脳をより賢く育てるには、遺伝だけではなく乳幼児期の遊びが重要なカギ!
そんな五感の内、視覚と触覚を赤ちゃんの発達や興味に合わせて効果的に育てられるのが、ティッシュを引き出す遊び。指先でティッシュをつかんで引っ張り引き抜くこの一連の動作は、脳を効果的に刺激するため、頭のいい子の育て方として実はおすすめの遊びなのです。
危険!ティッシュを食べた赤ちゃんの誤飲
脳育の面ではよい赤ちゃんのティッシュ遊びですが、消費者庁のホームページによるとティッシュの誤飲は赤ちゃんの事故の上位。ティッシュ自体を食べることへの害は無いと考えられていますが、口に入れたティッシュを誤飲して窒息しかけた事故は国内でも報告されています。海外では命を失ってしまった赤ちゃんの報告も。
親が目を離したスキのティッシュ遊びではなく、親が赤ちゃんの口を拭いた際に、口元にきたティッシュを赤ちゃんが突然「パクッ」と口に入れ、取ろうとしたらちぎれてそのまま食べたという事例も起こっています。
もし赤ちゃんがティッシュを誤飲したことに気づいたら、下記のポイントをすぐに確認しましょう。
赤ちゃんのティッシュ誤飲のチェックポイント
- 意識がはっきりしているか
- 呼吸が苦しそうではないか
- 顔色は悪くないか
- 嘔吐やけいれんはないか
- どれぐらい食べたか
- 何時頃食べたか
意識や呼吸、顔色や動作などの異常が赤ちゃんに見られる場合は、他のものを誤飲した際の赤ちゃんへの対応と同様に、救急車を呼んで緊急受診しましょう。
その際このリストに沿って症状を伝えると、救急や病院でスムーズに対応できます。
生後3ヶ月からは特に注意!
消費者庁では生後3ヶ月以上から、赤ちゃんへのティッシュなど紙類の誤飲事故への注意を呼び掛けています。ティッシュを使用しないときは、赤ちゃんの手の届かない所に片付けましょう。
またティッシュや新聞紙などの紙類で遊ばせる際は、しっかりと大人がついて目を離さずに遊ばせましょう。
ティッシュ遊びはNG?赤ちゃんへのしつけ
赤ちゃんのティッシュ遊びについては、資源の無駄遣いについてしつける派としつけない派に大きく分かれます。
躾ける派の親としては資源の無駄遣いについて「もったいないからダメ!」と物を大切にする心を育てるためにしつけたくなりますが、赤ちゃんには理解できません。むしろ、より重要な危険に対してのしつけの方が重要です。
ティッシュを引き出したら怒るべき?
赤ちゃんが勝手にティッシュを引き出すことは、命に関わる惨事につながりかねない危険なことです。
けれど親が怒ってしつけることで、赤ちゃんは次回から目の前のティッシュを勝手に引き出さなくなるでしょうか?
残念ながら赤ちゃんはティッシュの危険性について理解できません。ティッシュを引き出すことの何が悪いのか、状況を判断できないのです。ティッシュ遊びによる先の見通しも立ちません。つまり躾の効果はあまり期待できないのです。
それでも親の目の届かないところで何でも口に入れ続けるようでは、歩き回るようになってから親は子供を守り切れません。
赤ちゃんがティッシュを口に入れたら
万が一、赤ちゃんがティッシュを勝手に引き出して口に入れようとしていたら、まずは親が手を使って赤ちゃんの動きを静止し、ティッシュを取り上げて下さい。
安全を確認した後、目を見て「ティッシュをお口に入れてはダメ」と短く低い声と真顔で伝えましょう。
赤ちゃんにはしつけより安全対策!
赤ちゃんの時期はしつけても理解度も習得率も低いです。しかも幼児期からの本格的なしつけに向けて、親や社会への信頼感を高めなければならい時期でもあります。
ですからできるだけ注意する必要がないように、親が危険な状況を作らない配慮をすることが重要です。赤ちゃんの目線に立ち、危険が起こる可能性を先回りして予測することで、安全な環境作りを行っていきましょう。
ティッシュは手の届かない場所へ!
赤ちゃんのいる家庭では、赤ちゃんの手の届かない場所にティッシュを片づけましょう。
赤ちゃんのティッシュ遊びに代わる遊び
箱からティッシュを引き出す・ちぎるティッシュ遊びに代わる、育脳になる遊びは他にもあります。ただし、どの遊びも目を離せば危険性ゼロとは言い難いため、大人がしっかり注意して見守り、安全に遊ばせてあげましょう。
手作りティッシュおもちゃ
ボックスティッシュの空き箱などを使って、赤ちゃんのティッシュ遊びと同様に箱から引き出す動作ができるおもちゃを、ママが手作りしてあげましょう。
ティッシュの代わりに何枚かのガーゼを使うことで、窒息の危険性がグッと下がります。
ガーゼの端と端を縫い付けてティッシュケースに入れると、次から次に出てくるので、1枚ずつ引き出すのとは違った手の触覚を感じることもできます。
布の切れ端やガーゼがおすすめ
「空になったティッシュケースに小さなハンカチを入れておくと、赤ちゃんが引きだして遊ぶよ」とママ友に聞いて実践してみました。ところが残念ながらうちの子は遊びませんでした。
どうやらハンカチでは少し重かったようです。ハンカチをガーゼに変えたら、引き出して遊ぶようになりました。
小さな綱引き!引っ張りっこ遊び
ハンカチなどの端を赤ちゃんに握ってもらい、反対の端を大人が持ちます。大人が軽く引っ張ってあげると赤ちゃんも引っ張り返し、小さな綱引きができます。
ただしこの遊びの注意点は大人が引っ張りすぎないこと!
また赤ちゃんがお座り又は立った状態で引っ張ると、赤ちゃんが手を離して後ろにひっくり返る恐れがあるため、転倒防止に片手はハンカチ、片手は赤ちゃんを支えるように行うとよいでしょう。
その他にも、布絵本や手遊びも赤ちゃんの五感を育むのに役に立ちます。
ティッシュ代わり!幼児には新聞ビリビリ
赤ちゃんがティッシュや紙類への危険性が低い1歳になっても、ティッシュを出す・ちぎるといった遊びをしたがることは決して珍しいことではありません。そのため幼児の親が気になるのは、やはりティッシュ遊びによる資源の無駄遣い、しつけでしょう。
ただしティッシュなどの紙類をちぎる遊びは、乳幼児の発育に大切な遊び。そのため「脳科学のおばあちゃん」として知られる久保田カヨさんも、幼児への新聞紙やチラシを使ったビリビリ遊びを推奨しています。ティッシュ代わりに古新聞やチラシを使って、資源を無駄にさせずに遊ばせてあげましょう。
兄弟がいる場合は、ビリビリにした物を最後に一か所にまとめ、事前に用意した宝物などをビリビリにした山の中に隠して、宝探しをすると盛り上がります。
またビリビリして遊んだ後の新聞やチラシは、スーパーの袋や百円ショップでも売られている水切りネットに入れてテープでとめるだけでボールになるため、同じ新聞紙で何度も違う遊びができます。
お片付けも楽しい!幼児が大好きなボールを作ろう。
入園前の下の子も幼稚園児のお兄ちゃんも一緒に遊べるので、新聞紙やチラシをビリビリに破って遊ぶのが我が家の子供たちは大好きです。ただ、遊んだ後の片づけはいつも私の仕事でイライラしていました。
そこでスーパーの袋にビリビリ遊びが終わった新聞紙やチラシを詰め、袋の端っこをぎゅっと結んでボールを作ることにしました。するとお兄ちゃんも、ボール遊びしたさに一緒に片付けるようになりました。作ったボールは軽いので、まだ小さな下の子も喜んで振り回しています。子供も楽しめ私も簡単に片付けができ、一石二鳥です。
子供が箱から出したティッシュの片付け方
子供が出したティッシュを簡単、ストレスフリーで片づける先輩ママの体験談をご紹介します。
資源の無駄遣いにもならず、畳む手間も不要ですので、子供のティッシュ遊びを寛容に見守ってあげ易くなる方法です。
怒らない、見た目は悪くてもそれも愛嬌
ママ友の家に遊びに行った時のことです。子供が机を汚したので「ティッシュ貰ってもいい?」と言ったところ、出てきたのはスーパーの袋に無造作に詰められたティッシュでした。
ママ友曰く、「ティッシュを引き出すのがブームで、楽しそうだからさせてあげているの。出したのをいちいち畳んで箱に戻していた時期もあったのだけど、面倒で辞めちゃった。ビニールに入れてビニールの中の物から使っているよ。『綺麗にしなきゃ!』って思うとイライラするし、少し触ったぐらいのティッシュなら綺麗だから普通に使いまわしちゃうよ。資源の無駄にもならないしね。」と言ったのです。
それ以来、私も箱から引き出して遊んだ後のティッシュをビニール袋に入れ使っています。