パタニティブルーの症状は?に関する記事

パタニティブルーの症状と対策!陥りやすい男性の特徴は?

パタニティブルーの症状と対策!陥りやすい男性の特徴は?

パタニティブルーとはいったい何?男性の産後うつの原因と症状や、夫婦でサポートし合う改善対策について解説します。

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パタニティブルーとは?症状/陥りやすい男性のタイプ/対処法

育児の悩みというと、マタニティブルーという言葉に象徴されるように「女性特有の症状」というイメージがありますが、パパとなる男性も産後に気分が沈んでしまうケースは少なくありません。
男性の育児参加が推奨される現在ですが、父親になることへの責任感や不安にさいなまれるパパが増えているのです。

今回は、家庭や夫婦関係を最悪の状態に陥れかねない危険なパタニティブルーの症状や原因対策方法についてご紹介します。

パタニティブルーってどんな状態?

頭を抱える男性

パタニティブルーとは、英語で父性を表す「Paternity」と、気分が沈んだ様子を意味する「Blues」という言葉を組み合わせた造語で、男性の産前・産後うつの状態のことを意味します。

女性のような身体への負担は無いものの、パートナーとの関係の変化、責任感・金銭面での負担、赤ちゃんを産み育てる精神的な負担により引き起こされます。
男性の場合は「男なのに?」という周りの目を気にして症状に目を背けてしまったり、適切な対策をとらなかったりすることで、パタニティブルーの症状を悪化させてしまうリスクが高いのです。

パタニティブルーの症状

パタニティブルーはパートナーであるママの出産という環境の変化に起因する、感情が不安定になる症状を言います。マタニティブルーよりも発症率は少ないものの、近年のイクメンブームにより近年増加傾向にあると言われています。

パタニティブルーの症状は?

・寝つきが悪い、眠れないなどの睡眠障害がある
・原因がはっきりしない頭痛を訴える
・ひどい肩こり症状がある
・口が渇く
・感情の起伏が激しくなる など

智子
29歳

Aパパが心配です…

2ヵ月前に初めての出産をしました。主人とはちょっと年が離れていて、いま38歳なのですがとても子供好きで、生まれる前から何かと私や赤ちゃんのために動いてくれていつも感謝しています。
生まれてからも、毎日赤ちゃんの顔を見るために定時で仕事をあがり、沐浴を担当してお世話をしてくれていたのですが、最近ニコニコと赤ちゃんのお世話をしていたかと思うと、一人で夜中に外出して帰ってこないときもあって、夜眠れていないようで不安です。
もちろん、私の前ではいつも元気な顔をしてはくれるのですが、会社など外の様子が私にはわからないので、不安が募ってしまいます。

パタニティブルーが与える家庭への影響は?

赤ちゃんを抱っこする父親

男性特有の産後症状である「パタニティブルー」という言葉を聞き慣れない方も多いのですが、パタニティブルーは1987年にプルーエットという研究者により「赤ん坊が生まれて約3ヵ月間にその赤ん坊に対して父親に起こる心身の症状」として定義されています。

このことからも、パタニティブルーは昔からよくある、パパであれば誰でも経験する可能性がある心身の悩みであることがわかります。

パタニティブルーの影響からパパが育児参加放棄したり、家庭生活から逃避したりするケースも多く報告されており、こういった状況が長引けば、必然的に夫婦や家庭生活の危機を招きかねません
産後はママにとっても不安定な時期ではありますが、パパの様子もしっかりチェックしておくことが大切ですね。

パタニティブルーになりやすい男性の特徴

パタニティブルーは男性なら誰にでも起こる可能性はありますが、症状が長引く人や悪化しやすい人には一定の傾向があると言われています。

・責任感が強く真面目な男性
・頑張り過ぎ、無理をし過ぎてしまう男性
・完璧主義の男性

性格だけではなく、直近に仕事を変えたり、昇任したりといった環境の変化がある男性や、金銭関係や友人関係などでもトラブルを抱えている男性も、パタニティブルーに陥りやすい傾向にあるようです。

多くの男性が、子供が生まれてからは一家の大黒柱である自覚を持ち、「仕事も育児も頑張ろう!」という気力をたぎらせますが、こういった日本的な考え方もパタニティブルーになりやすい一因と言えるでしょう。

パタニティブルーの原因は?

パタニティブルーの原因は、育児参加に積極的な真面目な男性が多く悩みを抱えていることから、子どもが生まれた後の生活の変化に気持ちがついていけないという、環境的な原因が考えられます。

育児と仕事の両立が難しいため

赤ちゃんを抱きかかえる父親

ママのサポートで家事や育児の時間が増えると、男性が仕事に割く時間も減り、赤ちゃんの夜泣きで十分な睡眠を取ることが困難で、仕事での集中力も落ちてしまいがちです。

また、多くの職場ではまだまだ男性がオープンに育児参加することや、育児休暇の取得に理解がある社会的基盤が整っておらず、多くの男性は「育児よりも仕事が優先」というプレッシャーの板挟みになっています。
生活の糧を得るために男性は女性よりも就業意識が高いので、育児と仕事を両立できないというジレンマから、心のバランスを崩してしまうのです。

二人の時間が減るため

産後の女性にとって、一番に優先されるのは赤ちゃんのお世話ですが、一方で減っていくのが夫婦二人きりの時間です。
赤ちゃんが生まれる前は夫婦二人で楽しかった生活が一変して、夫婦間のコミュニケーションが乏しくなる環境の変化を負担に感じる男性は少なくありません。

男性は社会的に自立していると思われがちですが、職場や外の世界では様々な責任とプレッシャーにさいなまれていて、そのストレスを発散できるのが家庭です。
産後、妻に甘えられないイライラの原因を理解できず、ストレスをため込んでパタニティブルーを引き起こしてしまうことも多いのです。

子供中心の生活に変化するため

産後、子供が生まれると何もかもが赤ちゃん中心に進み、家庭の生活は激変します。
これまで普通に許容されていた生活習慣がガラリと変わってしまうことや、不慣れな家事をしなくてはいけない状況など、自分の思い通りにいかないことが多すぎてパニックになってしまう男性は多いようです。

仕事や育児などでストレスを抱え込むことは多くても、趣味に打ち込んだり自分自身の時間をとったりすることで上手に発散されていれば問題はありませんが、産後はなかなか時間を取ってストレス発散することが難しいのが現状です。

子供が生まれて生活設計がある程度わかると、家庭内での自由になるお金にも制限がかかってきます。
自分の好きなことや趣味が続けられなくなることで、さらにストレスを抱え込み、パタニティブルーを引き起こすキッカケを作ってしまうことも少なくありません。

育児に対する不安のため

育児に対する不安がマタニティブルーを引き起こすことはよく知られていますが、生まれた赤ちゃんを愛しく思うとともに無事に成長をしているか、身体に問題はないのかと心配する気持ちはパパもママも同じです。
育児に不慣れな新米パパは、赤ちゃんの扱い方や身体の症状に対する恐怖心が強く、赤ちゃんが側にいると気になって落ち着けないなんてことも珍しくありません。

また、一家の生計を支える父親は、家計の収入や生活設計でもプレッシャーを受け続けています。
人一人が成長して学校に通い成人するまでは多くのお金が必要ですので、そういった先行きの不安にさいなまれてパタニティブルーを陥ってしまうことも多いのです。

ママができるパタニティブルーの予防/対処法

パタニティブルーは個人差が大きく、環境的な要因が大きく影響して引き起こされているのであれば、それを予防し解決してあげられるのは、パパにとって最も身近な存在のママだけです。
ママも出産を終えたばかりで大変な時期ではありますが、パパをパタニティブルーで辛い思いをさせないよう、しっかりと環境を整えていきましょう。

ありのままの相手を受け入れましょう

赤ちゃんを挟んで立つ夫婦

自分が悩み、苦しんでいる時に一番辛いのは、自分を否定されることです。できるだけパパの考え方や行動に理解をして、自分が譲れるようなちょっとしたことは譲って認めてあげましょう。
ママに受け入れられることで、パパの気持ちにも余裕が生まれてきますから、一人でストレスを抱え込むリスクが減ります。

これまで全く違う環境で育ってきた男女が夫婦になれば、育児や生活に対する考え方で意見が対立することがあるのは当然ですが、二人の関係がうまくいっていれば、お互いを尊重して考え方を改めることもできます。
相手に不満があっても少しは我慢をして、お互いをサポートすること、良い夫婦の関係を維持することを重視していきましょう。

産前から産後の生活について心構えをさせる

ママは赤ちゃんをお腹に宿し、10ヵ月間かけてママの自覚を養っていきますが、パパにはそういった機会をチャンスがありません。
妊娠中は、早いうちからパパに育児に対するレクチャーを始め、産後の生活のイメージを植え付けていきましょう。

病院や自治体でやっている母親学級や両親学級、マタニティスクールに夫婦で参加するのもおすすめですが、男性が心構えを持つためには本人の気持ちが大事です。
パパの気持ちを考えながら、嫌がっている場合には無理をせず穏やかに促していきましょう。

夫婦二人の時間を持ちましょう

男性にとって、子供が生まれることは嬉しくても、急に妻が母親という存在になってしまうことはとても寂しいことです。
産後はママも赤ちゃんのお世話で時間が取りにくいですが、夫婦で過ごす時間を持つ努力をしましょう。

パパが仕事から帰ってゆっくりできる時間を狙い、赤ちゃんのオッパイやお風呂の時間を調整すると、上手に時間のやりくりができます。
赤ちゃんを巻き込んでパパの好きな場所やリラックスできる場所にお出かけして、赤ちゃんが寝静まったら夫婦でゆっくりと時間を過ごすのもおすすめです。

サポートしてほしいことは言葉にして伝えましょう

男性はもともと家事や育児に慣れておらず、はっきり言われないとわからないことは多いもの。特に産後はパパ自身の気持ちにも余裕がないので、期待を押しつけられることと上手にこなせないことでパニックに陥ってしまいがちです。
そのため、パパに「言わなくてもわかるはず」と、育児や家事のアクションを期待することはやめましょう

また、産後の生活で分担やルールを決めることは大事ですが、やりすぎは要注意です。
「これはパパがやる」と厳しく役割分担を決めてしまうとストレスになってしまいがちなので、家事も育児も「できる人ができることをやる」など柔軟な考えた方を心がけましょう。

パタニティブルーを理解して夫婦元気に育児生活を!

妊婦さんや産後ママがなりやすいマタニティブルーと比べると、まだまだパタニティブルーの社会での認知度は低く、理解されない点も多いもの。
まずは夫婦ともに「妊娠や出産を機にふさぎ込みやすくなるのは、男性も女性も同じであるということ」を理解し、お互いを支え合う意識を持つことが大切です。

また、パパがパタニティブルーになってしまったとき、最も支えてあげられるのは他でもないママですが、改善されない場合には夫婦だけで抱え込まず、専門家によるカウンセリングを受けることも視野に入れてみてくださいね。

この記事を書いたライター
羽根田るみこ

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!