見捨てられ不安の対処法とはに関する記事

見捨てられ不安の子どもの症状と対処法:母親ができる愛着の育み方

見捨てられ不安の子どもの症状と対処法:母親ができる愛着の育み方

「ママから離れない」「試し行動がひどい」と感じたら。見捨てられ不安の背景にある愛着形成のしくみと、いい子症候群やNG対応との違いを踏まえた家庭でできる対処法をまとめました。

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見捨てられ不安を持つ子供への接し方~愛着を育み不安を取り除くための具体的な対処法

お子様に十分に愛情を注いでいるつもりなのに、子どもの不安感が強く、「すぐ愚図る」「ママから離れない」などの行動が目立ち、何となく育てにくいと感じることはありませんか?

そのような特徴が見られる場合、お子様は特定の対象に対して過度な不安を抱く「見捨てられ不安」に陥っているかもしれません。しがみつきや後追い、試し行動といった形で表れることが多く、対応に悩む母親は少なくありません。

見捨てられ不安が強い子供は、上手に対処しないと不安がより強くなり、周りとの人間関係がうまくいかなくなってしまう恐れがあります。

今回は、見捨てられ不安の基礎知識として、行動の特徴や対処法、愛着形成の重要性などをご紹介します。「子供の情緒不安定なのでは…」とお悩みのママやパパは、ぜひ子育ての参考にしてください。

見捨てられ不安とは?愛着と分離不安の視点から理解する

「見捨てられ不安」とは、特定の相手、特に主要な養育者(ママやパパなど)に対して抱く「自分は見捨てられるのではないか」「嫌われるのではないか」という強い不安のことを指します。

子供の場合、周囲の大人にお世話をしてもらわないと生きていけないという依存状態にあることから、養育者に対して見捨てられ不安を抱きやすくなるのです。この不安の背景には、「愛着(アタッチメント)」という心の絆の形成過程が深く関わっています。愛着とは、特定の人との間に築かれる「この人といると安心できる」という心理的な結びつきのことで、生後まもない時期から母親や父親との日々のやり取りを通じて少しずつ育まれていきます。

乳幼児期にみられる見捨てられ不安は、親との関わりの中で安心感が満たされることで、一般的に子供の心の成長とともに解消されていく性質を持っています。ポイントは、不安そのものをなくそうとするのではなく、「不安になっても、必ず戻ってきてもらえる」という経験を繰り返し積ませてあげることです。

見捨てられ不安はいつからいつまで?発達段階との関連性

可愛い一歳児

生後6ヶ月から1歳前後の時期は、自分のお世話をしてくれるママやパパと離れることに不安を感じる「母子分離不安」が特に強くなる時期のため、見捨てられ不安も激しくなる傾向があります。生後10ヶ月から1歳半頃にピークを迎え、2歳から3歳にかけて少しずつ落ち着いていくのが一般的な経過です。

母子分離不安は、子供がママとの間に「愛着」という心の絆をしっかり形成し、ママがたとえ見えなくても戻ってきてくれるという信頼が育まれることで軽減されていきます。子供が2歳くらいになり、愛着が安定して形成されると、それまで親への依存心が強かったのが、自分で考えて行動しようとする「自律性」が身に付くようになるのです。

通常、見捨てられ不安は、3歳~4歳の幼児期後半までの子供が一度は体験する自然な心の状態です。ただし、きょうだいの誕生や引っ越し、保育園の入園など環境の変化が重なると、一度落ち着いていた不安が再び強くなることもあります。年齢だけで判断せず、今のお子さんの生活環境も合わせて振り返ってみましょう。

見捨てられ不安の子どもにみられるサイン:行動の特徴5つ

子供の見捨てられ不安が強い場合、親はどのように気づくことができるのでしょうか?親は次のような行動から子供が発するサインを感じ取り、不安感を取り除くよう適切に対処することが大事です。気になる症状(サイン)が複数当てはまる場合は、下記を参考にしながら関わり方を見直してみてください。

1過度な「しがみつき」とスキンシップへの要求

しがみつきは、子供がママやパパから離れることに不安を感じてとる行動の一つです。「泣きながらしがみつく」「しがみついて離れない」などの行動は、ママに見捨てられまいとしてママの気持ちを自分に向けようとしている気持ちの表れです。

子供は、ママにそっけなくされたと感じると、特にしがみつきが強くなる傾向があります。例えば、下の子のお世話に追われて上の子への声かけが減った瞬間に「だっこ!」「あっちいかないで!」としがみついてくるのは典型的な場面です。急にしがみつきがひどくなったと感じたら、「今は手が離せないけど、あとで絶対に一緒に遊ぼうね」と見通しを言葉で伝えたうえで、スキンシップの時間を意識的に増やしてみましょう。

1歳前後はスキンシップそのものを求める傾向が強く、3歳前後になると「ママ、こっち見て」と言葉で存在を確認しようとする子も増えてきます。年齢によって不安の表し方が変わることを知っておくと、慌てずに対応しやすくなります。

2激しい「後追い」と分離への拒否

大泣きする幼児

赤ちゃんが、ハイハイができるようになり、人見知りが始まる時期になると後追いをするようになります。ママの姿が見えなくなると、「ママがいなくなってしまう」と強い不安を感じて、この世の終わりのように激しく泣くこともあります。

ママから片時も離れたがらないため、ママはトイレに入るだけでも一苦労ですよね。「今からトイレに行くね、すぐ戻るよ」と扉越しに声をかけ続けるだけでも、子どもは音や声で母親の存在を感じ取り、少し安心できることがあります。毎日の後追いでイライラが募ることもあるかもしれませんが、発達の過程の一環であり、長い期間続くわけではないのでご安心ください。後追いの時期は、子供の認知能力が発達している証拠でもあります。

つまずきやすいのは、「後追いがつらいから」と姿を隠して離れてしまうことです。突然いなくなる経験を繰り返すと、かえって不安が強まりやすくなります。離れるときは短くてもひと言伝え、戻ってきたら「ただいま、待っててくれてありがとう」と声をかける、というワンセットの習慣にすると、子どもの中に「離れても戻ってくる」という見通しが育ちやすくなります。

3親の愛情を試す「試し行動」

試し行動とは、親の愛情を確かめるために、わざといけないことや親が困るような行動をすることをいいます。2歳前後のイヤイヤ期に入る頃になるとよく見られるようになります。

親としては、子供の困った行動に「どうしてそんなことを…」と思ってしまいがちですが、子供は「自分が何をしても許してもらえる」ことで、親から無条件に愛されているということを実感したいという心の表れなのです。試し行動をすることで、親の反応を見極め、安全で安心できる場所であるかを確認しています。

例えば、わざとおもちゃを投げてこちらの様子をうかがう、「ママなんて嫌い」とわざと言ってみる、といった場面が典型例です。ここで感情的に「もう知らない!」と突き放してしまうと、子どもは「本当に見捨てられるかもしれない」と不安を強めてしまいます。反対に、「投げると危ないから、今度はやさしく置こうね」と行動だけを冷静に制限しつつ、「あなたのことは大好きだよ」と存在への愛情は切り離して伝えることが、試し行動への対処の基本になります。

試し行動が続く時期は、親も根気が必要になる大変な時期です。うまくいかない日があっても、「今日はできなかったから失敗」と捉えず、「明日また同じように伝えよう」と長い目で繰り返すことがポイントです。

4怒りの感情をぶつける「ママ嫌い」と暴言

怒っている男の子

見捨てられ不安が強ければ強いほど、それに比例して子供の怒りの感情が強くなります。しがみついても後追いをしても、何をやっても「ダメ」と感じると、不安や恐怖をうまく処理できなくなってしまうのです。

「ママ嫌い!」「あっちに行って!」と怒りの感情をぶつけるのは、「ママに好かれたい」「そばにいてほしい」という気持ちの裏返しです。本当にママが嫌いで言っているわけではありませんので、感情的にならないよう冷静に対処することが大切です。「嫌いって言うほど、本当は寂しかったんだね」と気持ちを言葉にして返してあげると、子ども自身も自分の気持ちに気づきやすくなります。

つまずきやすいのは、暴言に対してこちらも感情的な言葉で返してしまうことです。「そんなこと言う子は嫌い」といった言葉は、見捨てられ不安をさらに刺激してしまいます。行動は制限しつつ、存在は否定しない、という区別を意識しましょう。

5過剰な適応としての「いい子を演じる」傾向

子供の「親に嫌われたくない」という気持ちが強すぎると、子供が常に親の顔色をうかがい、過剰に親に適応しようとする「いい子症候群」になる恐れがあります。見捨てられ不安から親が困る行動を取る子がいる一方、親の前でいい子になろうとする子もいるのです。

常に親の顔色をうかがうことで、自己主張や自立心の芽生えが妨げられることもあります。また、親から見ると聞き分けがよく扱いやすい「いい子」なので、親が問題に気づきにくい傾向にあります。「いい子症候群」は一見、育てやすいように見えますが、子供の心に大きな負担をかけている可能性を示唆しています。

いい子症候群とは?

親に好かれるために「いい子」を演じることで、抑圧された感情が様々な形で表れる状態を指します。「親のいいなりになる」「親離れできない」「反抗期がない」など、親への依存が高いのが特徴です。家庭では手のかからない子でも、外では友達に強く言えない、自分の気持ちを飲み込みやすいといった様子が見られることもあります。

いい子を演じる傾向が見られたら、「良い子でいなくても大丈夫」というメッセージを日常の中で繰り返し伝えることが大切です。「今日は片付けをしなかったね、でも大好きだよ」というように、望ましくない行動があった日にこそ、存在そのものへの愛情を言葉にする機会を作ってみましょう。

見捨てられ不安の子どもへの具体的な対処法:安心感を与える接し方

子供の見捨てられ不安は、親が子供の気持ちを理解し、しっかりと対応をすれば、決して問題のある行動には発展しません。子供の不安な気持ちを受け止め、適切に対処しましょう。

子供に接する際は、次のようなことに気をつけてみてください。

無条件の愛情を言葉で明確に示す

楽しく話している親子

子供は、親からの「無条件の愛情」を感じることで、心の底から安心感が得られます。子供に対する愛情は、分かりやすい言葉ではっきりと伝えて、子供の根底にある不安を取り除きましょう。

ただし、例えば、「いい子は好き」という言い方には要注意です。「いい子にしなければ好きにならない」という「条件付きの愛情」と受け取られてしまうため、子供の不安が煽られることに繋がります。子供の行動に関係なく、ありのままの存在を好きだという愛情を示すことが大切です。

具体的な声かけとしては、「〇〇がいい子だから好きなんじゃなくて、〇〇だから好きなんだよ」「怒られる日があっても、大好きな気持ちは変わらないよ」の2パターンを覚えておくと、とっさの場面でも使いやすくなります。寝る前の数分だけでも「今日も大好きだったよ」と伝える習慣にすると、日中に厳しく叱った日でも安心感を補うことができます。

目線を合わせる「アイコンタクト」で信頼を深める

アイコンタクトとは、目と目で見つめ合うコミュニケーションの一つで、アイコンタクトによって言葉では伝わらない愛情や安心感を伝えることができます。子供とコミュニケーションを取るとき、意識的にアイコンタクトを取るように心がけてみるとよいでしょう。

「黙って見つめる」「優しく語りかけながら見つめる」「スキンシップをとりながら見つめる」などのバリエーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。意識的にアイコンタクトをとるうちに、子供と気持ちが通じやすくなりますよ。アイコンタクトは子供の存在を認めているというメッセージになります。

家事の途中で声だけかけてしまいがちな場面でも、いったん手を止めて子どもの目線までしゃがみ、数秒見つめてから話し始めるだけで、子どもの受け取り方が大きく変わることがあります。忙しい毎日の中では「1日1回、しゃがんで目を見て話す」など、続けやすいルールに落とし込むのがコツです。

親が連携し安心できる環境を作る:ママとパパの信頼関係

笑顔の家族

見捨てられ不安の子供に対して、親がおどおどしたりはっきりした態度をとらなかったりすると、子供の不安がますます強くなることもあります。子供の試し行動や怒りの感情がエスカレートした場合は、毅然とした態度で接することが大事です。感情に流されず、冷静に対応しましょう。

子供に見捨てられ不安がみられる場合は、夫婦で一貫性のある態度で接することが非常に重要です。特に、子供への対処のしかたを夫婦できちんと話し合って決めておくことで、親が冷静に接することができるだけでなく、子供に安心できる「土台」を提供できますよ。パパが単身赴任中や仕事で帰りが遅い家庭でも、電話やビデオ通話で「今日も見てるよ」という存在を感じさせるだけで、母親一人にかかる負担を分散させることができます。

「自分から離れる」子どもへの関わり方

見捨てられ不安というと「しがみつく」姿がイメージされやすいですが、反対に、甘えたい気持ちがあるのに自分からママの膝を降りてしまう、抱っこを求めておきながら急に自分から離れていく、というタイプの子どももいます。

これは、「甘えて拒否されるくらいなら、自分から離れておいたほうが傷つかない」という子どもなりの防衛的な行動であることが多く、決して母親を嫌っているわけではありません。むしろ甘えたい気持ちが人一倍強いからこその行動だと捉え、子どもが自分から離れていったときほど、少し時間をおいてから「さっきは一緒にいてくれてうれしかったよ」と声をかけ、関わりを絶やさないようにすることが効果的です。

NG対応と望ましい対応の対比

とっさの場面でどちらの対応を選ぶかによって、子どもの受け取り方は大きく変わります。日々の関わりの中で振り返る目安として活用してください。

場面NG対応望ましい対応
試し行動でわざと物を投げる「もう知らない」と突き放す行動だけを止め「大好きだよ」と存在は肯定する
後追いで家事が進まない気配を消してこっそり離れる「すぐ戻るよ」と声をかけてから離れる
「ママ嫌い」と言われる「そんな子は嫌い」と言い返す「寂しかったんだね」と気持ちを代弁する
いい子にふるまっている手がかからないので放っておく良い行動がない日にも愛情を言葉にする

長期的な影響:見捨てられ不安と大人になってからの対人関係・恋愛の傾向

子供の頃に親との関わりの中で十分な愛着形成ができず、見捨てられ不安が解消されないままで大人になると、対人関係や恋愛に影響が出ることがあります。

周囲の親しい人や恋人などに、子ども時代と似た「しがみつき」「後追い」「試し行動」のような行動パターンが表れることがあります。例えば、連絡の返信が少し遅いだけで頭が真っ白になるようなパニックに近い感覚に襲われたり、逆に傷つくのを避けるために自分から距離を置いて離れることを繰り返してしまったりするケースです。これは親密な人間関係を不安定にしてしまい、結果的に望んでいない「見捨てられる」結果を引き寄せてしまう悪循環につながることもあります。

こうした傾向に気づいたときは、自分を責める必要はありません。まずは「不安になったときの自分の行動パターン」を知ることが第一歩です。連絡が来ないと不安になったら、すぐに問い詰める前に「少し時間を置いてから話す」と決めておく、パートナーに「不安になりやすい性格だから、時々確認したくなる」と正直に伝えておく、といった工夫だけでも関係の安定につながります。

子供に愛情を伝えているつもりでも、うまく伝わっていないと感じる場合は、子供への愛情表現について改めて見直してみてはいかがでしょうか。日々の中で「戻ってくる」「離れても大丈夫」という経験を積み重ねてあげることが、将来の対人関係の土台を作る一番の近道です。親の安定した関わりこそが、子どもの不安を和らげる最大の支えとなります。

よくある質問

Q1.見捨てられ不安はいつ頃から始まり、いつまで続きますか?

多くの場合、生後6ヶ月頃から始まり、1歳前後で強くなったあと、2歳から3歳にかけて徐々に落ち着いていきます。3歳から4歳の幼児期後半までに一度は経験する自然な心の動きなので、時期だけを見て過度に心配しすぎる必要はありません。

Q2.試し行動がひどいとき、叱ってもいいですか?

行動そのものを止めることは必要です。「投げると危ないからやめようね」のように行動を制限しつつ、「あなたのことは大好きだよ」と存在への愛情は切り離して伝えるのがポイントです。人格を否定するような言葉は避けましょう。

Q3.母親だけが対応しても大丈夫ですか?父親や周囲の関わりは?

母親一人で抱え込む必要はありません。夫婦で対応のしかたを揃えておくことで、子どもは「誰と接しても同じように安心できる」という土台を持てるようになります。祖父母など周囲の大人にも、家庭の対応方針を共有しておくと安心です。

Q4.大人になっても見捨てられ不安のような感覚が続くことはありますか?

恋愛や友人関係の中で、連絡が少し遅いだけで不安になったり、自分から距離を置いてしまったりする形で残ることがあります。子ども時代に「離れても戻ってくる」という経験を積み重ねられると、こうした傾向は和らぎやすくなります。

Q5.きょうだいがいる場合、対応は変わりますか?

下の子が生まれたタイミングで上の子の見捨てられ不安が強まることはよくあります。上の子だけと過ごす時間を短くてもいいので意識的に作り、「あなただけを見る時間」を確保してあげると、不安が和らぎやすくなります。

この記事を書いたライター
小森ひなた

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪

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