EQが子供の未来を左右する!SQやHQとの違いは?9つの高める方法
EQは子供の幸せを考えると、IQ(知能指数)よりも重要と言われています。
親世代では「IQの高さ=将来安泰」と考えられてきましたが、今は高学歴ではないのに起業して成功する人がいますし、東大卒でも就職できない人がいるのが当たり前の社会。
そこで今注目されているのが、従来の「IQ」に代わって親が高めてあげたい「EQ」「SQ」「HQ」といった指数です。就職の採用試験でEQテストが行われることもありますので、ぜひ今の社会が必要としているEQを子供に身に着けてあげましょう。
そもそもEQって何?IQやSQ/HQと何が違うの?
親世代でも小学校入学前後に初めてIQテストを受けたという人は多く、IQについては広く知られていますが、EQやSQ、HQについては言葉そのものや違いを理解していない人も多いでしょう。子供にとって重要な力ですので、一度きちんと確認しておきましょう。
IQとは、知能指数
Intelligence Quotientの略で、同年齢の集団の中での知能の発達レベルを数値化したものです。
知識・算数・類似・単語・理解などの言語性、符号・絵画完成・積み木模様・組み合わせ・記号探しなどの動作性のテストを行います。
IQ100が中央値、70未満が知的障害、120以上が東大レベル、130以上が極めて優秀と言われています。
EQとは、心の知能指数
Emotional Intelligence Quotientの略で、心の知能指数を数値化したものです。
IQが頭の良さを示すのに対し、EQは物事に取り組む姿勢や他者への興味などの感情のコントロール能力、問題解決能力、適応力など多面的に知能を評価したものです。
SQとは、社会的指数
Social Intelligence Quotientの略で、社会的な知性を数値化したものです。「生き方の知能指数」と言われることもあります。
EQ理論の提唱者ダニエル・コールドマン氏が、2007年に発表した新理論がSQ。本当の頭の良さとは何か、脳科学と心理学を取り入れ、EQの概念をさらに広げた社会生活で重要な知性の概念です。
共感力・思いやり・チームワーク・啓発・人材育成・組織理解・影響力といった力を測定した値です。
HQとは、人間性知性
Humanity Quotientの略で、人間の様々な知性を統括する知性のことです。パソコンで例えると、様々なアプリを動かすために必要なOSにあたります。
HQ理論の提唱者は、あの「ホンマでっか!?TV」でお馴染みの脳科学者の澤口俊之氏。理性や未来志向といった人格、意欲や意志の強さを含み、人間らしく生きるための中心となるのがHQなのです。
著書の中で澤口氏は、HQは「言語的知性」「論理数学的知性」「絵画的知性」「音楽的知性」「身体運動的知性」「空間知性」の6つの知性をコントロールする、「ハイパー知性」だと解説しています。
EQやSQ/HQが高い子供ってどんな特徴があるの?
EQやSQ、HQが高い子供は、社会生活を送るうえで人生を豊かに過ごすために、必要な次のような能力を持っていると考えられています。
- 優れたリーダーシップを発揮できる
- 目的や目標を立てられる
- 高い思考力を持てる
- 情緒が安定し感受性豊かになれる
- 努力できる
- 我慢ができる
- 思いやりの心を持てる
つまり「EQ/SQ/HQの高さ=前向きな思考かつ徳の高い心を持っている」と言い変えることができるのです。
EQやSQ/HQが高い子供は仕事も家庭もメリットだらけ
EQやSQ、HQの高い子供は、コミュニケーション能力が高いです。そのため、自分の意見をはっきりと言うことができ、自分の気持ちが他人に正しく伝えられます。また他者の意見も聞けるため、スムーズにディスカッションを行えます。
そして自分より弱い存在(小さい子供や高齢者、動植物など)に優しく接することや、仲間を大切にすることができるため、周りから愛されて自然に人の輪が広がります。
またEQなどの高さは幼少期に大きなメリットがあるだけでなく、大人になり社会に出てからも仕事の強い武器になったり、円満な家庭を築いたりするのに大きな強みになります。
EQやSQ/HQが低い子供はデメリットが多い
EQやSQ、HQの低い子供には、次のような特徴があります。
- コミュニケーション能力が低くなる
- 自分勝手になる
- 相手に共感できない
- 切れやすい
後ろ向きの思考や制御できない怒りなどから、人との間に摩擦を生みやすいというデメリットがあります。
その結果、周りとの関係を上手く築くことができず、社会から孤立する可能性も出てきてしまうのです。
EQやSQ、HQは鍛えることも可能ですので、ぜひ子供と一緒に親子で向上に努めましょう。
子供のEQやSQ/HQを高めよう!9つの方法
当たり前のことばかりですが、その当たり前こそがEQやSQ、HQの高い子に育てるポイントです。
分かっているつもりでも忘れたり、うっかり見落としたりすることがあるため、しっかり子供とのかかわり方を再認識して子供のEQやSQ、HQを高めてあげましょう。
1会話の時は子供の目を見て話そう
「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるように、目を見るだけで分かる感情があります。
親子の関係は子供が最初に築く人間関係ですので、日頃から子供の目を見て話すことで、目から相手の気持ちを読み取ることを教えてあげましょう。
2スキンシップを惜しみなくしよう
スキンシップには不安や恐怖を和らげる効果があり、心の安定にも役立つ幸せホルモンオキシトシンの分泌を促す働きがあります。
思春期までは親から子供に積極的にスキンシップができる期間。短い期間ですので家で子供を抱きしめる、散歩の際は手をつなぐなど、積極的にスキンシップを行いましょう。
心が安定していると脳の働きが良くなりますし、脳の成長にもプラスになります。
ただし、幼児でも外でのスキンシップを恥ずかしがる子はいますし、気分によってスキンシップを嫌がることもあります。親が子供の気持ちを一方的に無視することは、子供のEQを下げる悪いお手本となりますので、子供の反応や場所への配慮は忘れずに行いましょう。
3表情豊かに子供に接することが大切
豊かな表情、温かい触れ合いは子供を心身共に成長させます。パパやママが表情豊かに子供に感情を伝えることは、EQやHQを高めるのにとても大切なのです。
心理カウンセラー野坂礼子さん著『絶対、子供の運がよくなる!「笑顔」と「ありがとう」の子育て』の中で、1歳10ヶ月の女の子の話がありました。
その女の子は両親から無表情で話しかけら、ハグもキスもされずに世話をされていたため、心も体も成長不良になり、無表情かつハイハイも歩くこともできずに成長してしまったのです。
4絶対的な安心感を与えてあげて
子供に安心感をあたえることは、心の安定に繋がります。EQやSQ、HQを伸ばすには自己肯定感を高めることが大切。
日頃から「あなたの味方だから」「大丈夫」「あなたは大切な存在」などと伝え、子供の情緒をサポートしてあげましょう。そうすることで子供が自分に自信を持ち、自分を大切にできる自己肯定感を身につけることができます。
5子供が苦手なことは一緒に乗り切ろう
子供はピアノの練習、苦手な勉強など興味がない事への努力をすぐに嫌がります。けれど嫌な経験を乗り越えた時こそ子供の心が成長し、自制心を鍛えられます。
とは言え、子供一人で乗り切ることは難しいです。ですからパパやママが一緒に取り組むことで、ハードルを低くして乗り切れるようにしてあげましょう。
例えば、算数の計算が苦手な子なら一日3問からと取り組む量を減らしたり、数のイメージが湧くようにコインを使って一緒に解いたりなど、大人が工夫してあげることが大切です。
6日頃から外遊びを思いっきりさせよう
外遊びをすることでEQやSQ、HQを高めるのに重要な創意工夫、協調性や忍耐力、感情コントロールまで学べます。
何もない公園の場合、草花を使い工夫し遊ぶことで創意工夫が身に付きます。友達や兄弟と遊べば、「ごめんね」「ありがとう」と言ったコミュニケーションや感情のコントロールを学べます。
7子供の共感力を育てるしつけや言葉がけを意識しよう
相手の気持ちになって考えることができる共感力は、コミュニケーション能力の中でも重要な能力の一つ。EQやSQを高めるためには共感力を高めることが必要不可欠です。
子供に「どう思う?」「どうしたい?」と意見を聞く共有型しつけや、親のポジティブな言葉かけも、共感力を高めるのに役立ちます。
8絵本の読み聞かせはEQアップにも効果的!
絵本の読み聞かせもEQやSQ、HQを育てるのに有効な方法です。本の中で疑似体験をすることで、子供は多くの感情を学ぶことができます。
子供が小さいうちは膝の上にのせて本を読むことで、スキンシップも同時にできるため一石二鳥の方法です。
9子供のグリット(やり抜く力)を育てよう
グリットとは物事をやり抜く力のことです。海外で注目されていてTEDでも取り上げられ、国内ではNHKのスーパープレゼンテーションでも放送されました。
EQやSQ、HQの高い人はグリットも高いです。まずは子供のグリットをチェックし、目的を達成できる子供に育ててあげましょう。
習い事でも高くなる!子供のEQやHQがアップする3選
子供のEQやSQ、HQが伸びるといわれる習い事は「ピアノ」です。
ピアノは両手を左右バラバラに使うだけでなく、楽譜を先読みしながら演奏したり、記憶したりと言う高度なことを一度に行うなど複雑な脳の働きが必要となるため脳が活性化しますが、感情のコントロールを司る前頭葉の働きにも良い影響をもたらすと考えられています。
また脳科学者澤口氏もHQを鍛えられる習い事として「ピアノ」を強く推奨し、次の3つはHQを高めるのに役立つ習い事だという研究結果が出ていると言っています。
- ピアノ
- そろばん
- サッカー
EQやSQ、HQは非認知能力とも呼ばれ、特に幼児期に高めてあげることが注目され、幼稚園や保育園でも非認知能力を高めるための取り組みを行っています。
ぜひ親の接し方や遊び、習い事などを利用して、ご家庭でもEQを高めて子供の幸せ度をアップしてあげましょう。