子供の習い事「競技かるた」:ルールと始め方、家庭でできる練習方法
人気コミックや映画化で一気に注目を集めるようになった競技かるたは、今、親御さんたちから関心が高い習い事の一つです。小倉百人一首が書かれた歌がるたを使い、一瞬の判断力や記憶力、俊敏性が求められる競技のため、「子どもの能力が伸びそう」「集中力がつきそう」といった期待が寄せられています。
しかし、「百人一首は難しそう」「いつから習わせるのが良いの?」「小さいうちから楽しめる?」といった不安をお持ちのパパやママも多いのではないでしょうか。この記事では、競技かるたがどのような習い事なのか、そのメリットや始めるための具体的な方法についてご紹介します。
競技かるたとは?競技人口は?
競技かるたとは、小倉百人一首の「歌がるた」を用いて、詠まれた歌に対応する「取り札」を素早く取る競技です。全日本かるた協会により公式なルールが定められており、明治時代にその原型が確立されました。
競技は「畳の上の格闘技」とも呼ばれ、単なる暗記力だけでなく、瞬発力、集中力、そして札の配置を覚える記憶力など、多様な能力が試されます。学校や地域の大会も含めて百人一首に親しむ人は幅広く、漫画や映像作品の影響で競技として取り組む子どもも増えてきました。
「競技」と名前がつくと構えてしまいますが、使う道具は市販の小倉百人一首とほぼ同じで、家の畳の上でも同じ形で遊べます。まずは競技の中身を、子どもに伝わる言葉で押さえておきましょう。
かるたのルールを子どもに簡単に伝える3ステップ
かるたのルールを子どもに説明しようとすると、つい「上の句が詠まれて、下の句の札を取って、敵陣を取ったら送り札で……」と一気に話してしまいがちです。ところが子どもは、最初の一文で興味を失ってしまうことがあります。ルールは、遊びながら3回に分けて伝えると驚くほどすんなり入ります。
1つ目は「早く取ったほうが勝ち」だけを伝える段階です。札を10枚ほど並べて、詠まれた言葉と同じ札を探して取る。それだけで十分成立します。
2つ目は「自分の前の札と、相手の前の札がある」ことを伝える段階です。ここで初めて「陣地」という考え方が登場します。
3つ目が「相手の札を取ったら、自分の札を1枚あげる」という送り札です。ここまで来ると、もう競技かるたの骨格を理解したことになります。
子どもへの説明の言い換え例
- 「陣地」→「じぶんの前にならんでる、じぶんチームのおふだ」
- 「送り札」→「あいてのおふだをとれたら、じぶんのを1まいプレゼントする」
- 「空札」→「今ならんでない、おやすみ中のおふだ」
- 「お手つき」→「ちがうところをさわっちゃったときのおまけルール」
実際の会話にすると、こんな具合です。
ママ「これから読むね。同じ言葉の札を、パチンって取ってみて」
子ども「どれ? いっぱいあってわかんない」
ママ「じゃあ5枚だけにしよう。5枚なら見つかりそう?」
子ども「これならできる!」
枚数を減らすのは、手加減ではなく立派な練習方法です。逆に、うまくいかない典型が次のパターンです。
パパ「100枚全部並べたぞ。よし、始めるか」
子ども「……えっと、どこ見ればいいの」
パパ「ちゃんと探して!」
子ども「もうやめる」
札の海に放り出されると、子どもは「探す」という作業だけで疲れてしまいます。最初は5枚、慣れたら10枚、20枚と増やしていくほうが、結果的に上達は早くなります。
競技かるたを習い事にするメリット
競技かるたを習うことで、子どもたちは楽しみながら様々な能力を伸ばすことができます。主なメリットは以下の通りです。
- 集中力・持続力の向上:試合中の高い緊張感の中で集中し続ける力が養われます。
- 記憶力の強化:百人一首の歌を覚えるだけでなく、札の配置を記憶する能力が鍛えられます。
- 俊敏な判断力と瞬発力:詠まれた歌を聞き分け、素早く札の位置を特定し、取るという一連の動作を繰り返します。
- 礼儀作法が身につく:競技かるたは「礼に始まり礼に終わる」日本の伝統文化の一つであり、自然に正しい挨拶や礼儀作法を学ぶことができます。
- 古典や日本文化への興味:小倉百人一首を通じて、日本の古典文学や歴史、文化に触れるきっかけになります。
- 社会性の発達:カルタ会には年齢や学校の異なる人々が集まるため、縦の人間関係に慣れ、社会性を豊かに育むことができます。
頭を使うだけでなく、札を取る際の機敏さや、長時間正座する体力も必要とされるため、文武両道の側面を持つ習い事と言えるでしょう。
習い事としての費用や親の関わりは?
競技かるたのメリットを知り、入会を検討する際に気になる具体的な情報を解説します。
どうやって始めるの?練習場所は?
一般的には、最寄りの「カルタ会」に入会して練習を始めます。カルタ会の練習場所は、公民館や地域センターなどが多く見られます。中学生や高校生になると、部活動として競技かるたに取り組める学校もあります。
カルタ会に入会すると、全日本かるた協会の会員として公式大会に出場することが可能になります。まずは、全日本かるた協会のウェブサイトなどで最寄りのカルタ会を検索し、メールや電話で連絡を取って、お子様と一緒に見学に行ってみるのがスムーズな始め方です。
費用はどれくらいかかるの?
カルタ会によって異なりますが、月々の会費の相場は数百円から千数百円程度と、比較的安価な場合が多いです。これは主に練習場所の使用料や運営費に充てられます。幼児や小学生は、中高生や大人よりも会費が安く設定されているカルタ会や、年会費としてまとめて徴収される場合もあります。
会費以外にかかる主な経費は以下の通りです。
- 競技かるた用かるた(一式数千円程度)
- カルタ会のTシャツやユニフォーム(2,000円前後)
- 膝サポーター(長時間の正座を楽に過ごすため、2,000円前後)
- 大会参加費(1回数百円~千数百円)
- 大会への交通費・宿泊費(遠征する場合は実費)
全体的に見ると、他の習い事と比較して初期費用・月々の費用ともに安価に抑えられる傾向があります。
親の負担(手間)はどの程度?
通常の練習については、カルタ会が自宅から近い場所にある場合は、大会以外での親の送迎負担は少ないことが多いです。ただし、練習場所が遠方である場合は、送迎が必要となります。
また、未就学児や小学校低学年のうちは、トイレ介助などのため親御さんが付き添いで見学するご家庭も見られます。
大会に出場する場合も、子どもの年齢によっては保護者の付き添いが必要となることがあります。
地域によって違う?北海道の「下の句かるた」とは
北海道の一部地域では、「板かるた」や「下の句かるた」と呼ばれる、取り札が木でできたかるたが独自の文化として根付いています。この「下の句かるた」は、百人一首の歌の「下の句」のみを詠むなど、「上の句かるた」(競技かるたで用いられる一般的な百人一首かるた)とはルールや形式が異なります。
しかし、旭川、札幌、函館などの主要都市には、全日本かるた協会に加盟する「上の句かるた」(競技かるた)のカルタ会も存在しますので、競技かるたを習いたい場合は、お住まいの地域でどちらの形式が主流か、また「上の句かるた」のカルタ会があるかを確認してみましょう。
競技用かるたが売ってる場所と選び方
見学に行くと「まずは家で並べてみてください」と言われることがあり、そこで初めて「競技用かるたって、どこで売ってるの?」という疑問にぶつかります。探す場所は、大きく4つです。
| 入手先 | 特徴 |
|---|---|
| カルタ会・大会の会場 | 競技で実際に使われている札を確認でき、会の方に相談しながら選べます。大会会場に販売スペースが出ることもあります |
| 和文具や書道用品を扱う専門店 | 百人一首の取り扱いがある店舗なら、競技用の札を注文できる場合があります |
| 書店・玩具売り場 | 家庭用の百人一首は見つかりますが、競技用の札は置いていないことが多く、取り寄せになる場合があります |
| インターネット通販 | 「競技用」「標準」といった表記で探せます。読み上げ音源つきの商品もあります |
選ぶときのポイントは、競技用として作られた札かどうかです。家庭用の百人一首は、絵柄が華やかだったり、取り札に上の句が小さく印刷されていたりします。楽しむぶんには問題ありませんが、カルタ会の練習で使う札とは字の大きさや配置が違うため、いざ会に行ったときに札の見え方が変わって戸惑うことがあります。
ただし、いきなり競技用をそろえる必要はありません。「続くかどうかわからない」という段階なら、家にある百人一首や、図書館・児童館の貸し出しで十分です。子どもが「もっとやりたい」と言い出してから買っても、まったく遅くありません。
ママ「かるた、買っちゃおうか?」
子ども「うん、ほしい!」
ママ「じゃあ、まず今ある百人一首で20枚並べて、10回やってみてからね」
このひと呼吸を置くと、押し入れで眠る道具が一つ減ります。
競技かるたの基本的なルール
競技かるたの基本的なルールはシンプルです。詠まれた歌に対応する下の句の札を、自分の陣地にある25枚の中から、できるだけ早く取ることで、先に自分の持ち札をなくした方が勝利となります。
競技として成立するためには、百人一首の歌と下の句の対応を全て暗記していることが前提となりますが、子どもの記憶力は驚くほど優れており、熱中すれば自然と覚えてしまうケースが多いようです。お子様が「やりたい!」という意欲を持てば、親御さんが難しさを心配する必要はほとんどありません。
試合の主な流れは以下の通りです。
- 競技者2名が向かい合って正座します。
- お互いに礼を交わします。
-
百人一首100枚の「取り札」を裏にしてよく混ぜます。
-
互いに25枚ずつ札を取り、残りの50枚は「空札」(場に出ない札)として箱に戻します。
-
自分の陣地に、取った25枚の札を3段にして好きなように並べます。残りの25枚は相手の陣地(敵陣)に同様に並べます。
- 「暗記時間」として、札の場所を覚えます(通常15分)。
- 読み手が席についたら試合開始です。詠まれた札が場にない「空札」だった場合、誤って手を出すと「お手つき」となりペナルティを受けます。
- 自陣の札を取ったら挙手で読み手に知らせ、敵陣の札を取った場合は、自陣の札を1枚相手に送ります。
- どちらかの陣地の札がすべてなくなったら試合終了です。
- お互いに礼を交わします。
競技かるたのルール細則で押さえておきたいポイント
大会に出るようになると、細かい取り決め、いわゆる細則の部分が気になってきます。すべてを親が覚える必要はありませんが、子どもの試合を見守るうえで知っておくと安心な点を整理しました。細かい規定は所属する会や大会の要項で必ず確認しましょう。
| 場面 | 押さえておきたい考え方 |
|---|---|
| 札の並べ方 | 自陣に3段。どこにどの札を置くかは自由で、この配置づくりが戦術の要になります |
| 暗記時間 | 試合開始前に、配置を覚えるための時間が設けられます。終盤には素振りをして体を慣らします |
| お手つき | 詠まれた札のない陣に触れると相手から札を1枚送られます。触れた場所によって扱いが変わるため、判断に迷ったら審判や会の方に確認します |
| 送り札 | 敵陣の札を取ったら、自陣から1枚を相手に送ります。どの札を送るかにも作戦があります |
| 勝敗 | 自陣の札が先になくなったほうが勝ちです。同時に取ったように見えるときは、話し合いや審判の判断で決めます |
初心者の親子がいちばん驚くのは、お手つきの重さです。1枚取られるのではなく、相手から1枚送られてくるため、自陣の札が増えてしまいます。焦って手が出るほど、勝ちが遠のく仕組みになっているわけです。
子ども「お手つきしちゃった……」
ママ「気づいて自分で言えたのがえらいよ。次は、聞こえるまで待ってみようか」
試合後にルールの間違いを責めても、次に生きることはあまりありません。「自分で申告できたか」を先にほめておくと、子どもは正直に振る舞えるようになります。
競技かるたは上の句でとる:決まり字のしくみ
競技かるたを見て、多くの人が驚くのが「まだ最初の一言しか詠まれていないのに、もう札が飛んでいる」という光景です。これが上の句でとるということで、鍵になるのが「決まり字」という考え方になります。
百人一首の100首は、上の句を最初から読んでいくと、どこかの時点で「この歌しかない」と確定します。その確定するまでの文字が決まり字です。
たとえば「む」で始まる歌は1首しかありません。同じように「す」「め」「ふ」「さ」「ほ」「せ」も1首だけです。この7枚は一字決まりと呼ばれ、頭文字を並べて「むすめふさほせ」と覚えるのが定番になっています。読み手が「む」と発した瞬間に、その札に手が伸びる。これが上の句でとるという感覚です。
残りの歌は、二字目、三字目と聞いて初めて確定します。「あ」で始まる歌は複数あるため、二字目まで聞かないと区別できません。つまり、上達するほど「最後まで聞く」のではなく「確定した瞬間に動く」競技になっていきます。
子どもにとってこの感覚はゲームそのもので、「むすめふさほせ」の7枚だけを並べて取り合うだけでも、驚くほど盛り上がります。
パパ「今から7枚だけ並べるよ。頭の一文字で全部わかるやつ」
子ども「7枚だけ? かんたんそう」
パパ「じゃあ、いくよ。む……」
子ども「あー! 取られた! もう一回!」
競技かるたの覚え方:子どもが無理なく百人一首を覚える順番
「100首も覚えられるの?」という不安が、いちばんの入り口の壁になります。ただ、順番を工夫すると負担はかなり軽くなります。丸暗記から始めないことがコツです。
1:意味も歌も気にせず、札の形で覚える
最初は歌の意味も作者も置いておき、「この字が見えたら、この札」という結びつきだけを作ります。子どもは文字を絵のように覚えるのが得意なので、大人より早く進むことが珍しくありません。
2:一字決まりの7枚から入る
前述の「むすめふさほせ」の7枚です。ここが取れるようになると、試合形式でも1枚は取れるようになり、「自分にもできる」という手応えが生まれます。
3:似ている札をペアで覚える
同じ音で始まる札を並べて、「この2枚は、二文字目で分かれる」という覚え方に切り替えます。バラバラに覚えるより、迷いやすい札をセットで扱うほうが効率的です。
4:意味や背景に触れてみる
ある程度覚えてから歌の意味に触れると、「そういう気持ちの歌だったんだ」と印象が深まり、記憶が定着しやすくなります。順番が逆だと、意味の解説でつまずいて嫌になってしまうことがあります。
ここで大切なのが、なぜ子どもは札を取れないのかという背景です。取れない理由は「覚えていないから」だけではありません。読み上げの声を聞き取ってから、その音に対応する札を思い出し、札のある方向を判断し、腕を動かす。この一連の処理が、慣れないうちは一つひとつ順番に行われるため、どうしても時間がかかります。ところが練習を重ねると、「音を聞く」と「手が動く」が近づいていき、考えるより先に体が反応するようになります。つまり、取れない時期は覚えていないのではなく、覚えたことと体の動きがまだつながっていない段階なのです。この時期に「集中してないでしょう」と言われると、子どもは自分の努力を否定されたように感じてしまいます。「今は、頭と手をつなぐ練習中」と伝えてあげたいところです。
競技かるた初心者の練習方法:家でできる4つ
カルタ会の練習は週に1回ということも多く、その間に家で何をするかで伸び方が変わります。畳一畳ぶんのスペースがあればできる練習を紹介します。
素振りをする
札を置かずに、腕を振る動きだけを繰り返します。地味ですが、体の使い方が安定し、狙った場所に手を出せるようになります。テレビを見ながらでもできるので、続けやすい練習です。
枚数を減らして本番形式でやる
いきなり25枚ずつでなく、10枚ずつなど少ない枚数で並べ、暗記時間を短く取ってから始めます。並べる、覚える、取る、送るという流れを一通り体験できるため、ルールの定着にもつながります。
読み上げ音源を活用する
読み手がいなくても、読み上げの音源やアプリがあれば一人で練習できます。「詠まれた瞬間に反応する」練習は、相手がいなくても十分に積めます。
並べ方を毎回変えてみる
同じ配置ばかりだと、札の位置を体で覚えてしまい、本番で対応できません。ときどき配置を変えて、覚え直す練習を挟みます。
つまずきやすい場面と対処
- 正座がつらくて集中が切れる → 家では正座にこだわらず、練習の後半だけ正座にする
- 取れずに悔しくて泣く → その日は勝敗をつけず、取れた枚数だけを数えて終える
- 覚えるのが面倒になる → 覚える枚数を10枚区切りにして、区切りごとに休憩を入れる
お子様に競技かるたを習わせた!保護者の体験談
実際に競技かるたを習い事に選んだ保護者の方の体験談をご紹介します。費用対効果や子どもの成長について、具体的な声が聞かれました。
親の負担はあれど、集中力が伸びて受験にも役立ちました
上の子が小学5年生の時に東京都のカルタ会に所属していました。本人が百人一首の暗記が好きで、7割ほど覚えていたことがきっかけで、「競技カルタなら生かせるかも」と思い始めました。
小学生は少なめでしたが、低学年では難しい語句もあるため、始めるならやはり5~6年生からが適していると感じました。最初はルールを理解するのに数ヶ月かかりましたが、カルタ会に入ってからはさらに暗記力と集中力がアップし、その後の受験勉強にも良い影響があり、本当に良かったと思っています。
費用は、会費が年間で約8千円、大会は都度1~2千円程度でした。会費が比較的安いカルタ会だったので、親が大会への送迎を手伝うなど負担もありましたが、他の習い事と比べてお得に始められたので頑張れました。百人一首やカルタが好きな子には、自信を持っておすすめできる習い事です。
集中力や瞬発力など多くのメリットがあります
小学校高学年の子どもが、数年前から練習に参加しています。毎週1回、市内の公民館で練習があり、今でも練習の日を楽しみにしています。
地元のカルタ大会で勝ち進んだことがきっかけで始めましたが、百人一首に慣れる必要はあったものの、本人は全く苦にしていませんでした。
習い始めた当初はその緊張感に圧倒されましたが、集中力や瞬発力はもちろん、体力や記憶力など、とにかく多様な能力が必要な大変な競技です。練習を重ねるごとに成長が見られ、特に集中力については、普段の生活の中でも驚くほど変化がありました。
総合的に見て非常におすすめできる習い事ですが、もうすぐ中学に上がるため、優先順位が下がってしまうかもしれないという悩みは出てきています。しかし、かるたは年齢を問わずまた始められる良さがあるので、将来また再開してくれたらと願っています。
費用も安く、頭を使うのが好きになる良い競技です
息子は北海道の「下の句かるた会」に所属しており、習い始めてからルールを全て覚えるのに1週間ほどかかりましたが、本人はとても楽しそうでした。
かるたは早すぎても難しいので、5、6歳頃が適していると思います。学習能力を高めるには非常に有効なため、かるたが理解できる年齢であれば、早い時期から始めるのが良いかもしれません。
一番のメリットは、夢中になって頭を使うことで、考えること自体が好きになってくれたことです。デメリットは今のところ特に感じていませんが、強いて言えば夢中になりすぎて、他のことで喧嘩してしまうこともある程度です。
費用は会費が月500円程度と安く、大会や遠征費も近場であれば2000円以内で済みました。費用以外の負担も、教室までの送り迎えくらいでした。
このように、費用があまりかからず、子どもが熱中して学力向上にも繋がる競技かるたは、非常におすすめです。始め方で悩む場合は、インターネットでカルタ会を検索し、一度見学を申し込めば、あとは会の方と相談しながらスムーズに進められますよ。
子どもの頃に習っていた!元競技かるた経験者の体験談
次に、子どもの頃に競技かるたを習い、現在は成人した方の体験談を見てみましょう。
きちんとした指導者から学べば、得られるものが大きい
私は小学中学年の頃、約2年間競技かるたをしていました。大人になってからも、有段者で指導をしている先生の練習風景を見学させてもらったり、練習に参加させてもらったりした経験があります。
私自身は競技というよりも「カルタ取り」レベルでしたが、きちんとした指導を受けている子どもたちは、覚え方のコツから教わるため、ある程度の上の句が詠まれればすぐに下の句が出てくるなど、上達が目覚ましいと感じました。
札の配置の技術だけでなく、指導の中では礼儀作法も重んじられており、靴や荷物をきちんと揃え、挨拶のできる子ばかりで、接していて気持ちのいい子たちでした。集中力や記憶力、札を取る瞬発力も非常に優れており、目を見張るものがありました。
競技かるたに興味があるなら、教養を深める意味でも始めてみるのは良いでしょう。ただし、質の高い指導を継続して受けた方が、子どもが得られるものは格段に大きくなります。そのうち、お子様が自然と競技に夢中になっているはずです。
競技かるたの思い出と低学年での経験
今は競技かるたをしていませんが、小学校低学年の短い間、新潟県かるた協会に所属していました。学校で毎月百人一首を音読し、最終的に覚える活動をしていたことが、競技かるたを始めるきっかけです。
私はみるみる百人一首の世界に夢中になり、かるたをする前に全ての札を暗記するほどでした。その様子を見た当時の担任の先生に勧められて、協会に入会しました。
競技かるたは、最低限札を覚える必要があるので、暗記の早い幼い方が習得しやすいかもしれません。費用もそれほどかからず、親の負担も少ないのがメリットです。集中力と記憶力の向上も期待できます。競技かるたを始めたいのであれば、早い内からやらせるのが良いと思います。
年齢別:かるたの遊び方と家庭での関わり方
体験談を読むと「5、6歳から」という声も「5~6年生から」という声もあり、迷ってしまうかもしれません。実際には、年齢によって楽しめる遊び方が違うだけと考えると気が楽です。
3~5歳:文字を読まずに遊ぶ
ひらがながまだ読めない時期は、絵柄だけで遊べる坊主めくりが向いています。札をめくって一喜一憂するだけで、百人一首の札が身近な存在になります。読み札の絵を見ながら「この人、どんな顔してる?」と話すのも立派な入り口です。
6~8歳:少ない枚数で取り合う
ひらがなが読めるようになったら、10枚程度を畳や床に散らして取り合う遊び方から始めます。陣地は作らず、真ん中に置いて早い者勝ちにすると単純明快で盛り上がります。
9~11歳:陣地と送り札を入れる
ルールの理解が進む時期です。自陣と敵陣に分け、送り札まで入れると、一気に競技かるたらしくなります。ここでカルタ会の見学に行くと、練習の意味が分かった状態で見られます。
12歳以降:部活動という選択肢も
中学・高校では部活動として取り組める学校もあります。一度離れても再開しやすいのが、かるたという競技の良いところです。
家族で楽しめるかるたの遊び方バリエーション
競技かるた一直線でなくても、百人一首の札はいろいろな遊び方ができます。雨の日や年末年始に、家族の定番にしてみてはいかがでしょうか。
| 遊び方 | 内容と向いている年齢 |
|---|---|
| 坊主めくり | 読み札を裏返して積み、めくった絵柄で札が増減します。文字が読めなくても遊べます |
| 散らし取り | 取り札を全員の真ん中に散らして早い者勝ちで取ります。人数が多いほど盛り上がります |
| 源平合戦 | 2チームに分かれて陣地を作ります。競技かるたの入り口として分かりやすい形です |
| 枚数限定の一騎打ち | 一字決まりの7枚など、決めた札だけで対戦します。短時間で何度も勝負できます |
年末、こたつの上に札を並べて、祖父母も交ざって坊主めくりに歓声が上がる。そんな時間の記憶が、後から「かるたをやってみたい」という気持ちにつながっていくこともあります。
やってしまいがちな声かけと、望ましい言い換え
親の一言は、子どもの「続けたい気持ち」に思いのほか影響します。よくある声かけを、言い換えの形で整理しました。
| やってしまいがちな声かけ | 望ましい言い換え |
|---|---|
| 「なんで取れないの」 | 「今の、どこまで聞こえてた?」 |
| 「もっと集中して」 | 「あと5枚だけやって、休憩にしよう」 |
| 「100首、早く覚えなさい」 | 「今日は、この10枚だけ覚えよう」 |
| 「〇〇ちゃんはもう強いのに」 | 「先週より、手が早くなったね」 |
| 「せっかく始めたんだから」 | 「今日はどうだった? 楽しかったところある?」 |
競技かるたについてよくある質問
見学や入会を考えるときに、多くの保護者が気にする点をまとめました。
Q1:百人一首を覚えていなくても入会できますか
多くのカルタ会では、覚えていない状態からの参加を受け入れています。覚え方から教わるほうが、自己流で覚えるより結果的に早いこともあります。まずは見学時に「まったく覚えていないのですが」と正直に伝えてみましょう。
Q2:かるたのルールは何歳くらいから理解できますか
体験談では5、6歳という声も、小学校高学年という声もあります。ひらがなが読めるかどうかが一つの目安になりますが、坊主めくりや散らし取りなら、文字が読めなくても一緒に楽しめます。
Q3:正座がつらくないか心配です
膝サポーターを使っている人は多く、家での練習では正座にこだわらない方法もあります。カルタ会によって進め方が違うため、見学のときに様子を見せてもらうと安心です。
Q4:家に読み手がいなくても練習できますか
読み上げの音源やアプリを使えば、一人でも練習できます。慣れてきたら、家族が読み札をランダムに読むだけでも十分な練習になります。
Q5:途中でやめたくなったらどうすればよいですか
かるたは年齢を問わず再開できる競技です。受験や部活で一度離れる人も珍しくありません。「やめる」ではなく「しばらくお休み」と考えておくと、親も子も気持ちが楽になります。
習い始める前に小倉百人一首を家族で楽しもう
多くのメリットが期待できる競技かるたですが、お子様が楽しさを理解していなければ、習い事を続けていくのは難しいかもしれません。
必要な道具は小倉百人一首の歌かるただけです。もしお子様がまだひらがなを読めない場合は、絵柄だけで遊べる「坊主めくり」などから始めて、百人一首に親しませてあげましょう。ひらがなが読めるようになったら、家族でルールを覚えて競技かるたの楽しさを体験するところから始めるのがおすすめです。パパやママも一緒に習い、家族共通の趣味にするのも素晴らしいでしょう。
今夜、5枚だけ床に並べてみる。それが、いちばん確実な第一歩になります。


