かけっこで子供が速く走る方法!一番を目指す練習のコツ
春や秋になると学校の運動会がありますね。中でも花形競技であるかけっこや運動会のリレーで一番になりたいと思っているお子さんも多いのではないでしょうか。そんなお子さんの目標を一緒に達成してあげたいけど、私は運動神経悪いから…と諦めてはいけません。
ポイントに気を付けて練習することで、速く走れるようになります。そして、速く走れるようになると、他の運動もできるようになったり、自信が持てたりといいことがいっぱいあります。ここでは、速く走れるようになるための練習方法やコツ、ポイントをご紹介します。お子さんが「かけっこで一番になりたい!」と思っていたら、ぜひ一緒に練習してあげましょう。
かけっこで速く走るために大事なこと
かけっこで速く走れるようになるには、筋肉や体力づくりも大事ですが、何よりも子どものやる気が重要です。一緒に練習しているときに「なんでできないの!」と叱ったり、「速くなりたいならもっと練習しないと」と強要していては子どものやる気を損なわせてしまう可能性があります。かけっこで速く走るために大事なことを3つご紹介します。
やる気を出させる
やはり、まずは子どものやる気を出させることです。速く走れないと運動に対して苦手意識を持っていると、走りたくないと思っている場合があります。そこで、走ることや運動の楽しみを親が教えることで、苦手意識がなくなり自信が持てるようになっていきます。
そして、「運動会で一番になる」「運動会で全力を出し切る」「50m○○秒で走れるようになる」など、子どもに合った目標を設定します。目標を共有し一緒に練習することで、子どもにやる気を出させることができますよ。ネガティブな言葉やけなすようなことは言わないようにしましょうね。
練習を繰り返す
練習方法やコツはこのあとご紹介しますが、その練習を繰り返すことが大切です。子どもは、集中力が持続する時間が短いので、1日に何時間も練習するのは難しいですし続きません。1日5~15分を毎日やるなど、子どもの集中力や体力がもつ時間内で練習し、毎日コツコツ続けるようにしましょう。
努力をすると結果につながることや、継続することが力になることなど、速く走れるようになること以外にも得られるものがたくさんあります。
ほめて自信をつけてあげる
「この前より速くなったね」「もうこんなに走れるようになったの?すごいね~」などと褒めてあげることで、子どもは自信がつきます。
それでもやる気が出なかったり落ち込んだりするようだったら、「今日はここまでやってみよう」「スタートでびゅんと走ったほうがみんなより一歩リードできるよね」など、お子さんの性格やレベルに合わせた練習をすることで、走ることへの抵抗がなくなります。
かけっこで速く走るコツ
かけっこが速くない子は、運動神経が悪かったり足が遅いのではなく、速く走れる方法を知らないだけです。小さいうちからその方法を身につけることで、かけっこで速く走れるようになります。
スタート前はリラックス
スタートラインに立つと緊張しますが、緊張しすぎると体がかたまってしまい、練習の成果を十分に発揮することができません。スタート前のポイントはできるだけリラックスすること。深呼吸をして肩の力を抜きましょう。走る前にストレッチをするなどして、「今から走るぞ」と体や筋肉に伝達することで、パフォーマンスが上がります。
合図とともにスタートする
かけっこが速くない子どもの中には、スタートラインよりも2、3歩後ろに立っているという子もいます。スタートダッシュでレースが決まることもあるので、スタートラインギリギリに立って合図とともにスタートすることが大切です。スタートのときは地面を蹴る力が重要なので、利き足を後ろにして重心を前にかまえましょう。後ろ足に重心があるとスタートが遅れてしまいます。前に出す足は軽く曲げて、足の裏全体で体重をかけましょう。
走っている時の姿勢
背筋を伸ばして前をしっかり見、前傾姿勢になることが基本です。頭を紐でつられているような感覚で背筋をピーンと伸ばしましょう。最近は猫背の子どもが多いようですが、猫背では速く走れません。
目線はまっすぐ
うつむいて足元ばかり見たり観客のほうをちらちら見たりせず、視線はまっすぐ正面を向いて走ります。最後はゴールを見据えて走り抜けるようにしましょう。
腕は大きく振る
腕の振りは、走る速さとものすごく関係があります。腕を大きく振ることで、足に力を伝えてスピードが増します。そのポイントをご紹介します。
- 肘から下だけを動かすのではなく、肩の筋肉を意識して腕全体を振る
- 腕の力を抜いて肘を直角に保ったまま前後に動かす
- 前に振るときは親指があごの高さにくるぐらいまで振る
- 後ろに振るときは肘を持ち上げるように振る
- 後ろよりも前に振るときに力を入れる
- 小さく振るのではなく腰のあたりまで大きく腕を振る
- 脇をしめてまっすぐに振る
かけっこが得意じゃない子どもは、手を左右に振っていたり、手を振っていなかったりします。走りながら腕を振る練習が難しいようであれば、立ち止まった状態で腕だけをきれいに振る練習をするのもよいでしょう。
ももを高く上げる
速く走るためには、ももを高く上げて足を前へしっかり踏み出すことが重要です。膝から下を前に踏みだし、後ろの足はお尻につくようにしましょう。もも上げをしたり、ももを高く上げながら歩くといった練習をすることで筋肉がつき、高く上げられるようになります。
足の回転を速くする
走る速さは、足の回転と歩幅によってほとんど決まります。右足が地面についたらすぐ左足を地面に、といったように足を速く回転させることが重要です。特に、スタートしてからすぐの前半は、小股で走り足の回転を速くするようにしましょう。
足を大きく開いて走る
足の回転ともう一つ重要なのが歩幅です。歩幅を大きくして地面を強く蹴ることで一歩が大きくなり、もちろんそれだけ前に進みます。
地面を強くける
地面を強く蹴ることで前に進みやすくなり、一歩が大きくなります。足の裏を全部地面につけてべたべたと走るのではなく、足の親指の付け根の部分(母指球)でしっかり地面を蹴ることで軽やかに走ることができます。
このとき注意しておかなければならないのが、つま先だけで走ると転びやすくなりケガをする可能性が高くなるということです。つま先ではなく、足の親指の付け根までしっかり地面につけましょう。
ゴールまで走りぬく
ゴールに近づくと、もう少しだと力が抜けてスピードが落ちてしまう場合があります。脳が「走るのはここまで」だと無意識に指令を送っているため、最後まで走っているつもりでもスピードに乗りきれません。
ゴールの5~6m先を意識して、最後まで力を抜かずに走りましょう。ゴールラインには足ではなく胸が入った時点でゴールとなるので、足を踏み出したからといって気を抜かないことも大事です。
ゴール前で諦めたり力を抜いたりしない体力や気力が必要ですが、ゴールの先で手を振って待っているママ・パパの力が一番大きいものです。しっかり声援を送ることで、お子さんが実力以上の力を発揮してくれるかもしれませんよ。
かけっこで足が速くなるトレーニング
かけっこにおいて重要なことやコツをご紹介してきましたが、実際どのようなトレーニングをするとよいのでしょうか。子どもが運動を嫌いにならない程度に楽しみながら親子でトレーニングしてみましょう。
外で遊ぶ機会を増やす
鬼ごっこやサッカーなど、外で一緒に遊ぶ機会を増やすことで足の筋肉が強くなります。鬼ごっこでは、親が逃げて子どもが鬼になります。たまに捕まって子どもにやる気を出させながら、速く走るために必要な動作をしているかを確認して、遊びながらトレーニングするという方法です。サッカーも同様で、楽しみながら自然に身につくことが目的です。このように外で遊ぶといったことの積み重ねによって、運動能力が養われていきます。
なわとび
なわとびを跳ぶときに、速く走るためのコツを取り入れることでトレーニングになります。背筋を伸ばして姿勢をまっすぐにし、正面を向いて脇をしめます。かかとを上げて足の親指の付け根の部分で地面を押すように跳ぶことで、速く走れるコツを実践していることになります。なわとびの練習にもなり一石二鳥ですね。
スキップも効果的
スキップは、走る動作と似ているので、トップアスリートも練習に取り入れたりしています。脚と腕の動きを交互にタイミングよく動かすトレーニングになります。スキップをする際に、腕を大きく振る、ももを高く上げる、背筋を伸ばすといったことを意識するとより効果的です。
運動会の曲をBGMにして盛り上げる
かけっこの練習を頑張っていても、同じことの繰り返しで、時には飽きてしまうことがあるかもしれません。そんな時は、運動会のBGMを聞きながら練習をしてはいかがでしょうか。ただし、外で練習するときに曲を流すとご近所迷惑なるので、家の中でかけるようにしましょうね。
ギャロップの道化師
リレーでよく使われる定番の曲ですね。ギャロップとは馬術の専門用語で「全速力」という意味で、まさに走るときのBGMにぴったりの曲です。
トランペット吹きの休日
アメリカの作曲家ルロイ・アンダーソンによって作られた曲で、スター・ウォーズやインディ・ジョーンズの曲を手掛けたジョン・ウィリアムズもルロイをアメリカ軽音楽の巨匠と仰ぐほどの名作曲家です。速いテンポで曲が進むので、かけっこにはピッタリです。
天国と地獄
ドイツの作曲家オッフェンバックによって作られたオペラの曲で、これもかけっこの定番曲です。運動会といえばこの曲を思い出す人も多いのではないでしょうか。この曲を聴くと、なぜか後ろから押されるような気持ちになるので、走りにも勢いがつきそうです。
クシコスポスト
ドイツの作曲家ネッケによって作られた曲です。クシコスとは「チコーシュ」馬車を意味するので、クシコスポストは「郵便馬車」という意味になります。郵便馬車は、街の中や山などを駆け続けるイメージがあることから、かけっこやリレーでよく使われていますね。この曲を聴くと、きっと最後まで走りぬきたい気持ちになれるでしょう。
『ウィリアムテル序曲』スイス軍の行進
イタリアの作曲家ロッシーニによって作られたオペラ曲。イタリアのオペラ作曲家の中でも最も人気のある作曲でした。運動会で一度は耳にする曲です。躍動感があふれる曲調なので、どんどん前に進みたくなりますよね。
運動神経は遺伝しない
運動神経とは、もともと体や内臓の筋肉の動きを、脳が指令するために信号を伝える神経の総称のことです。運動神経は、バランス感覚や反応の俊敏さなど運動を補佐するものであり、この運動神経は遺伝しません。
骨格や筋力、視力などの運動するための力は運動能力といい、これは遺伝します。背が高い親をもつ子どもも背が高くなるのは、この運動能力が遺伝しているということになります。
運動神経は、ゴールデンエイジといわれる神経系が発達する時期にどれだけ運動するかによって、発達が大きく左右されます。ゴールデンエイジとは、5歳から14歳くらいまでの間のことをいいます。運動神経がいいと転びにくかったりケガをしにくいともいわれています。
親は応援してあげましょう
練習しても速く走れるようにならなかったり、練習を嫌がるようでも叱ってはいけません。子どもが自主的に練習をしたくなるような声かけをしたり、応援をしてあげることが大切です。親の応援が子どもの一番の力になります。