おせち料理の意味と由来に関する記事

おせち料理の種類と由来:子供に伝えたい縁起物のいわれと食べ方のコツ

おせち料理の種類と由来:子供に伝えたい縁起物のいわれと食べ方のコツ

黒豆、数の子、伊達巻、栗きんとんなど、おせち料理に込められた願いを一品ずつ紹介します。子供が食べやすい料理、手作りと購入の分け方、親子で手伝えるアイデアまでまとめました。

マーミーTOP  >  子育て  >  おせち料理の種類と由来:子供に伝えたい縁起物のいわれと食べ方のコツ

おせち料理の種類と由来~子供に伝えていきたい縁起物

お正月に家族でいただくおせち料理。かつては、母から娘や嫁に各家庭の味が引き継がれていましたが、現在ではデパートやインターネットなどで豪華なおせち料理を購入できるようになり、手作りされないご家庭も増えていますね。

忙しくて手作りされないお母さんも、おせち料理の由来や各料理に込められたいわれについては、ぜひお子さんに説明してあげたいものです。今回は、おせち料理の意味や種類、いわれなどを、お子さんにもわかりやすく解説していきます。お子さんに人気のおせち料理も紹介していますので、お子さんが好きそうなものだけ手作りしてあげるのも喜ばれるかもしれません。

各料理には、重箱のどの段に詰めるかという決まりや、関東と関西での違いもあります。どの料理が何を願っているのか、子供にどう話すと伝わりやすいのかまで、家庭ですぐ使える声かけ例とあわせて順番に見ていきましょう。

おせち料理の意味

おせち料理を食べる家族のイラスト

おせち料理は、元々は、季節の区切りである「節日(せちにち)」に食べる料理、「御節供(おせちく)」に由来しています。節日の中でも特に重要なのが元旦です。

奈良時代から平安時代にかけては、宮廷の行事で出されるものでしたが、次第に庶民にも伝わり、江戸時代には、新年のお祝いと豊作の願いを込めて、今私たちが食べているようなおせち料理の形になりました。

おせち料理は、年神様(としがみさま)を迎え、お供えするために、大晦日までに用意されます。そして、元旦の朝に、年神様からのお下がりとして家族でいただくという風習があります。年神様は、新しい年の幸福や恵みをもたらす神様とされています。

節日は、中国から伝わった暦の行事がもとになっています。1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日の五つの節供のうち、新年を迎える正月がもっとも大切にされ、いつしか「おせち」といえば正月のごちそうを指すようになりました。農林水産省の食育の資料でも、おせち料理は節日に作られる料理で、そのうち最も重要な正月の料理を指すようになったと紹介されています。2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録された際にも、年中行事と食の結びつきが和食の特色のひとつとされました。おせち料理は、その代表的な存在です。

子供には、「お正月は神様をお迎えする日で、おせちは神様と一緒に食べるごちそうなんだよ」と話すと、いつもの食事との違いが伝わります。大晦日の夜、台所で家族がお重を並べるのを見ながら、「明日の朝は神様と一緒に食べるんだよ」と話しかけると、子供は朝を楽しみにしてくれます。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
おせちの前で子供が「これ、なんで食べるの?」と聞いたとき親「お正月だからよ。決まっているの」親「神様をお迎えするお祝いのごちそうなんだよ。一つずつ、お願いごとが入っているんだって」
元旦の朝、食卓に並べるとき親「おせちは食べにくいから、ちょっとだけ食べてね」親「神様が来てくれたお祝いだよ。どれから食べてみる? 好きなものを教えて」

つまずきやすいのは、「神様」「由来」と難しい言葉で話し始めて、子供が聞き流してしまうことです。最初は「お願いごとが入っているごちそう」の一言だけにして、料理を食べながら一品ずつ短く説明するほうが、子供の記憶に残ります。

おせち料理はいつ食べる?

おせち料理を作る親子のイラスト

昔の人たちは、おせち料理を元旦から3日までの三が日に食べていました。これには、お正月期間は火の神様を怒らせないよう、台所で料理をすることを控えるという風習と、お正月くらいは女性が日々の食事の支度から解放されるようにという配慮が込められています。そのため、おせち料理には、日持ちがするように味付けの濃い料理が多くなっています。

農林水産省の食育の資料でも、年神様を迎えるときは煮炊きなどを慎むとともに、料理を作る人が骨休めできるように、冷めてもおいしくいただける工夫がされていると紹介されています。砂糖や塩、お酢を多く使うのは、日持ちするように仕上げるための昔の人の知恵でもあります。

ただ、現代のお子さんは、三が日もおせち料理を食べ続けるのは飽きてしまうかもしれません。元旦だけいただくように、食べきりサイズのおせち料理を購入したり、1日分だけ作ったりするご家庭も増えています。

たとえば、元旦の朝はお重を囲み、2日目はおせちの残りに焼いたお餅を添え、3日目は好きなものを少しずつ盛り合わせて子供の「お楽しみプレート」にするなど、食べ方を変える工夫があります。毎日同じ並びでは飽きても、盛り付けや組み合わせが変わるだけで、子供は「今日は何かな」と楽しみにしてくれます。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
2日目に「またおせち?」と子供が言ったとき親「せっかく用意したんだから、全部食べなさい」親「今日は好きなものだけ選んでお皿に盛ろう。お餅も焼くよ。どれとどれを組み合わせる?」
おせちが昔、日持ちする味つけだった理由を伝えたいとき親「味が濃いから、のこさず食べてね」親「昔はお正月に台所を休むために、冷めてもおいしいように作ったんだって。ママもお休みしたいな」

ありがちなのは、三が日で食べきろうとして、量が余ってしまうことです。家族の人数に合わせて、元旦に食べる分を決めて詰めると、最後まで楽しく食べきれます。

子どもが好きなおせち料理は?

おせち料理は、お子さんが普段食べているハンバーグ・コロッケ・から揚げなどと味付けや食感が異なるため、お箸が進まないお子さんも少なくありません。ですが、お祝いの料理ですから、お母さんとしては、少しでも食べてほしいですよね。伊達巻・栗きんとん・黒豆などは、甘めの味付けで比較的お子さんにも食べやすくなっています。また、エビの料理も人気があります。

子供は、はっきりした甘みや、ふわっとした食感の料理を「わかりやすい味」と感じやすい傾向があります。逆に、酸味のあるなますや、苦みのあるごぼうは、子供にとって「初めての味」になりやすく、最初のひと口で「いや」と言うのは自然な反応です。そこで、まず甘い料理でおせちの食卓に慣れてもらい、次に少しだけ別の味に挑戦する、という順番が取り入れやすい方法です。

お子さんに人気の料理食べやすい理由おすすめの出し方
伊達巻ふわっとした卵の食感と、やさしい甘み食べやすい厚さに切って、くるっと巻いた断面を見せる
栗きんとんなめらかで甘く、ほくほくしている小さな器に少量を盛り、栗を1個のせる
黒豆つやつやして見た目が楽しく、甘い小皿に3粒ほどのせて、数えながら食べる
えびの料理ぷりっとした食感で、見た目が華やか塩焼きのほか、フライにして食べやすくする
場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
最初に手が伸びない子供に親「好き嫌いしないで食べなさい」親「甘いのからいこうか。伊達巻、栗きんとん、黒豆。どれが一番おいしい? ランキングつけてみて」
なますを前に顔をしかめたとき親「残さず食べなさい」親「ちょっと酸っぱいね。紅白できれいだから、一本だけ食べてみようか。ダメならママがもらうよ」

迷いやすいのは、子供の好きなものだけ多く作って、お祝いの彩りが偏ることです。好きな料理は多めに、挑戦してほしい料理は一口ぶんだけ盛ると、食卓の見た目も整い、子供のハードルも下がります。

無理せずにおせち料理を楽しみましょう

おせち料理を食べる女の子

せっかく頑張っておせち料理を作ったのに、お子さんがあまり食べてくれなかったら、お正月早々がっかりしてしまいますよね。最近は、バラエティー豊かなおせち料理がデパート・スーパー・ネットショップなどで販売されています。年末は食材の値段も高くなるため、手作りするのも意外と費用がかかることがあります。無理して全て手作りせずに、美味しいおせち料理を購入して楽しむのも良い方法です。

お子さんと一緒に食べるものですから、おせち料理を購入する際は、お子さんの好きな味つけや、食べきれる量、家族の人数に合うサイズかどうかを見て選びたいですね。生協の宅配でもおせち料理を取り扱っているところもあります。

最近は、おせち料理を全て手作りするご家庭は少なくなっています。数品だけ家で作って、残りは市販のおせち料理を楽しむご家庭が多いので、「手作りしなきゃ」とあまり頑張りすぎないでくださいね。

手作りと購入をうまく組み合わせるなら、「手間がかかる料理は購入、子供が参加できる料理は手作り」と分けるのがコツです。黒豆や数の子、昆布巻きのように、前日から仕込む必要がある料理は購入し、伊達巻を切る、かまぼこを並べる、栗きんとんに栗をのせるなど、子供が手伝える部分を家で担当すると、作る時間も思い出になります。

料理おすすめの用意の仕方理由
黒豆・数の子・昆布巻き購入前日からの仕込みが必要で、手間がかかる
かまぼこ・伊達巻購入して家で切る切って並べる作業を子供と一緒にできる
栗きんとん市販品をアレンジ栗をのせるなど、仕上げを子供に任せられる
えび家で調理好みの味つけや、食べやすい形にできる
場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
全部手作りしようとして、疲れてしまったとき親「前は全部作れたのに、今回はもう無理」親「今回は黒豆と数の子は買って、伊達巻とえびは一緒に作ろう。盛りつけ係をお願いしていい?」
購入したおせちを子供に見せるとき親「買ったものだから、文句を言わないで食べてね」親「お店の人が作ってくれたおせちだよ。ママは盛りつけ担当。何が入っているか、一緒に数えてみよう」

よくあるのは、お正月直前に慌てて買い足して、好みや量が合わなくなることです。人数と、子供が食べる品目を先に書き出しておくと、買い物がスムーズです。

おせち料理が重箱に詰められる理由と詰め方のコツ

おせち料理が重箱に詰められるようになったのは、明治時代以降といわれています。重箱に詰めるのは、「めでたさを重ねる」「福を重ねる」という意味があるためです。四段重を正式とする考え方が一般的で(五段重とする説もあります)、四段目は「四」が「死」を連想させることから「与の重(よのじゅう)」と呼ばれます。ただ、現在は家族の人数に合わせて、三段重や二段重にするご家庭が多くなっています。

詰め方にも決まりごとがあります。ひとつの段に詰める品数は、割り切れない奇数が縁起がよいとされ、縦横を均等に仕切って9品を詰める「市松」という詰め方もあります。また、お重を開けたときに隙間がなく、彩りよく見えるように詰めると、お祝いの雰囲気が高まります。

段詰める料理(三段重の目安)子供に伝えるひとこと
一の重祝い肴、口取り「最初に開けるお重だよ。お祝いの主役が入っているよ」
二の重焼き物、酢の物「海の幸のごちそうだよ。えびや鯛が入っているよ」
三の重煮物(煮しめ)「畑の野菜がみんな入っているよ。家族みんなが仲良く、という願いだよ」

お正月の朝、お重を一段ずつ開けていく時間は、子供にとってわくわくする瞬間です。蓋を開けるたびに、「次は何が出てくるかな」と声をかけると、その場の雰囲気が高まります。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
お重を開けるのを楽しみにしている子供に親「触らないで。全部終わってからね」親「一の重はあなたが開けてみて。ゆっくり開けたら、中に何が入っているか教えてね」
詰め方を一緒に考えるとき親「ママがやるから、あっちで待っていて」親「この一段は9個入るんだって。色がきれいになるように、どの料理をどこに置くか、一緒に決めよう」

つまずきやすいのは、重箱が大きすぎて料理が足りず、すかすかになることです。重箱のサイズは家族の人数に合わせ、足りない部分は彩りの良いかまぼこや、季節の野菜で埋めると、きれいに仕上がります。

おせち料理の種類といわれ

20~30種類あると言われるおせち料理。その一つ一つに、きちんと意味が込められています。また、おせち料理は、「幸せを重ねる」という意味を込めて、お重に詰められますが、それぞれのお重にどの料理を詰めるかという役割も決まっています。

ここでは、代表的なおせち料理とその意味についてご紹介します。お正月は、お子さんとおせち料理の意味についてお話をしながら、にぎやかに食卓を囲んでください。

おせち料理の意味は、大きく分けて、子孫繁栄、豊作、長寿、出世、お金、魔除けなどの願いに分けられます。語呂合わせや形の連想から生まれたものが多いので、子供には「何に似ているかな?」「何と同じ音かな?」とクイズ形式で出してみると、楽しく覚えてもらえます。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
おせちの料理名を子供に説明するとき親「これは黒豆、これは数の子。覚えてね」親「これ、何に似ていると思う? 当たったら、そのお願いごとをママが教えるよ」
子供が料理の意味を忘れてしまったとき親「この前教えたでしょ。もう忘れたの?」親「もう一回クイズにしよう。ヒントは名前の音だよ」

一の重

一の重には、祝い肴(いわいざかな)と口取り(くちとり)を詰めます。祝い肴は「三つ肴」とも呼ばれ、関東では黒豆、数の子、田作りを指し、これがないと正月の祝いが始まらないとされる重要なものです。関西では田作りの代わりにたたきごぼうを加え、黒豆、数の子、たたきごぼうを三つ肴とします。代表的な祝い肴と口取りは、以下の通りです。かまぼこは、お子さんにも人気があります。市販のおせち料理に入っているものだけでは足りなくなることもありますので、別に購入しておいても良いでしょう。紅白のかまぼこは、切り方を工夫するだけで、とっても豪華なお重になります。

紅白のかまぼこ
おせち料理の紅白のかまぼこ

紅は魔除け、白は清浄という意味があります。かまぼこの半円の形は日の出に似ているため、初日の出に例えられ縁起が良いとされています。また、かまぼこが板に乗せられていることから、「檜舞台にあがる」という例えに通じ、勝負運がつくとも言われています。

子供には、「ほら、お日さまが出てくるところみたいだね」と話しながら、半円の形を見せてあげましょう。切り方を少し変えて、飾り切りで「結び」や「松」の形にすると、子供は目を輝かせます。

伊達巻

伊達巻は、昔の手紙や書物に使われていた巻物の形に似ているため、勉学ができるようにとの願いが込められています。まさに、お子さんに食べてほしい料理ですね。また、反物(たんもの)の形にも似ているため、一生衣類に困らずに生活できるようにとの願いも込められています。「伊達」には華やかさや派手さという意味があり、長崎から江戸に伝わったカステラかまぼこが、おしゃれな人たちの着物に似ていたことから名前がついたという説もあります。市販の伊達巻は甘すぎることもあります。甘さを自分好みに調整したいようでしたら、手作りしてあげるのも良いでしょう。

受験や習いごとを頑張っている子供には、「勉強が上手になりますように、っていう願いが入っているんだよ」と一言そえて、断面のくるくるを見せてあげましょう。

栗きんとん
栗きんとん

栗きんとんは、その「金色」から連想されるように、金運の上昇を願う料理です。家族がお金に困ることのないように、家族揃って栗きんとんをいただきましょう。栗きんとんは、甘くてお子さんに人気のあるおせち料理の一つです。さつまいもや栗のしっとりとなめらかな口当たりが魅力で、スプーンですくって器にこんもりと盛ると、つやのある見た目になります。

「きんとん」は漢字で「金団」と書き、金色のお団子という意味です。子供には、「金色のお団子に見えるね」と見た目で語りかけると、願いごとがイメージしやすくなります。

昆布巻き

昆布は、「喜ぶ(よろこぶ)」という意味に通じることから、古くから縁起の良い食材としてお祝いごとに使われてきました。おせち料理でも、喜びごとが多い1年になりますようにとの意味が込められています。また、「こぶ」の音から子宝に恵まれ子孫が繁栄しますようにという意味も込められています。昆布だけを巻いたものと、中に鮭などの魚を巻いているものがあります。

子供には、「よろこぶ、と音が似ているよ。みんなが喜ぶ一年になりますように」と、語呂合わせを話してあげましょう。

黒豆
黒豆

豆は、節分にも使われるように邪気を払うと言われています。また、「まめに働く」という語呂合わせから、黒く日焼けするほど勤勉に働けるようにとの願いが込められています。黒豆を自分で煮ようと思うと、前の晩から水につける必要があり、時間と手間がかかりますね。また、せっかく作ってもシワが出来て残念な思いをすることも多いです。市販の黒豆は、シワひとつなく色ツヤも良く仕上がっていますので、市販品を利用するのも良いでしょう。

自分で作る場合は、煮えたあとにそのまま煮汁に浸して一晩冷ますと、味がしみ込み、しわが出にくくなります。煮ている間は、常に煮汁が豆にかぶっているよう、お湯を足しながらコトコト煮るのがコツです。子供には、「ふっくらするまで見守ってね」と、鍋のふたを一緒に見てもらうのも楽しい経験です。

数の子
数の子

数の子は、ニシンの卵です。小さい卵が沢山詰まっている数の子は、子孫繁栄の象徴とされ、子宝を願っておせち料理に取り入れられています。「ニシン」は「二親(にしん)」に通じ、二人の親から多くの子が生まれるという語呂合わせも添えられています。数の子は、塩抜きをする必要がありますし、塩の抜き加減も難しいものです。塩抜き済みのものを使用したり、市販のものを購入したりするのも良いでしょう。

自分で塩抜きする場合は、水1リットルに塩小さじ1ほどの薄い塩水を作り、塩漬けの数の子を3~4時間ほどつけます。これを1~2回、塩水を取り替えながら半日から1日ほど繰り返し、ほんのりと塩気が残る程度で止めるのがおいしく仕上げるコツです。抜きすぎると、えぐみや苦みが出ることがあります。薄皮は、塩水の中で指の腹でやさしくこするように取ります。子供には、「ぷちぷちの音を聞いてみて」と食感を一緒に楽しみましょう。

田作り

田作りとは、片口イワシの小魚を乾燥したものを砂糖や水飴などで炊いたものです。江戸時代に片口イワシを田畑に肥料としてまいたところ豊作になったことから、豊作を祝う料理として親しまれてきました。田作りは、「ごまめ」とも呼ばれており、「五万米」という当て字がつけられています。カリッと香ばしい歯ごたえと、甘辛い味つけが特徴で、お酒のおつまみにもなる一品です。

子供には、「ごまめは、田んぼがいっぱい実りますようにっていう魚なんだよ」と、田んぼの風景と一緒に話すと、イメージが広がります。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
かまぼこの飾り切りを子供に見せるとき親「これは難しいから、見ているだけにして」親「半円の形が、日の出に見えるね。ママが切るから、お皿に並べるのをお願いできる?」
黒豆に手が伸びない子供に親「まめに働くっていう意味だから、食べなさい」親「黒豆は『まめに働く』のダジャレなんだって。3粒だけ食べて、まめに働くポーズをしてみて」
数の子の食感に驚いた子供に親「ぷちぷちしていておいしいでしょ。全部食べてね」親「ぷちぷち、ぷちぷち。いくつ卵が入っているか、数えてみようか」

気をつけたいのは、祝い肴の意味が三つとも似て聞こえ、混ざってしまうことです。「黒豆はまめに、数の子は子宝、田作りは田んぼ」と一つずつ短い言葉で整理して伝えると、子供の記憶に残りやすくなります。

二の重

二の重には、焼き物と酢の物を詰めます(地域やご家庭によっては、一の重に入れられる口取りの一部を二の重に詰めることもあります)。焼き物に使われる魚は、それぞれの地方や家庭により特色があります。ブリ・鯛・エビが多いですが、中にはウナギを使う場合もあります。もちろん、1種類と決められているわけではありませんので、2~3種類入れても大丈夫です。

えび
えび

エビは、火を通すとお年寄りのように背中が丸まることから、「背中が曲がるまで、元気で過ごせますように」との長寿の願いが込められています。また、脱皮をくり返して大きくなることから、出世の願いも込められています。おせち料理では、塩焼きや甘辛く煮ることが多いですが、ご自宅で作るなら、お子さんが食べやすいようにエビフライなどにするのも良いでしょう。お正月くらいは豪華な大きいエビをいただきたいですね。

「えびさんは、長生きの願いと、大きくなる願いの二つがあるんだよ」と話すと、子供は自分の成長に重ねて、目を輝かせます。

紅白なます

人参と大根で作られる紅白なます。形が水引に似ていることから、平安や平和を願う意味が込められています。紅白の色がお祝いを表します。小さいお子さんには、酸っぱいので少し食べにくいかもしれません。ご自宅で作る時には、お子さんが食べずに余ってしまう可能性がありますので、作る量に気をつけてください。

酸っぱさを和らげたいときは、砂糖を少し多めにしたり、柚子の香りをそえたりするなど、味の調整ができます。「紅白のお祝いのひもみたいだね」と見た目の話から入ると、酸っぱさへの抵抗感が薄れます。

鯛の姿焼き

鯛の姿焼きがあると、おせち料理が一気に豪華になりますね。「めでたい」という語呂合わせから、鯛は古くから祝い行事の定番食材として使用されてきました。また、恵比寿様が手に持っている魚としても知られており、縁起が良いとされています。お重に入りきらない大きさの鯛の場合には、大皿に盛ってお重の横に並べましょう。

子供には、「めでたい、の『たい』だよ」と語呂合わせを教えると、すぐに覚えてくれます。

ブリの照り焼き
ブリの照り焼き

ブリは、ツバス(またはワラサ)→ハマチ→メジロ→ブリと成長するにつれて名前が変わっていくことから、出世魚として知られています。そのため、立身出世を願う縁起物としておせち料理に使用されます。九州地方では、ブリを一匹購入して、照り焼きにしたりお雑煮に入れたりするご家庭もあるようで、お歳暮にブリが一匹贈られることもあります。

甘辛い照り焼きは、子供にも食べやすい味つけです。「名前が変わりながら大きくなる魚なんだよ。あなたも一年ごとに大きくなっているね」と話すと、成長の節目を実感できます。

蛤

蛤は、左右の貝がピッタリと合うのは、その対の貝だけであることから、夫婦円満の象徴とされています。おせち料理やお雛様などのお祝い行事に使われてきました。現在では、煮蛤にしておせち料理に入れられることが多いです。

子供には、「ぴったり合うのは、この貝同士だけなんだよ」と実際に貝殻を見せてあげると、不思議そうに見入ります。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
紅白なますの酸っぱさに子供が驚いたとき親「酸っぱくないよ。いいから食べて」親「ちょっと酸っぱいね。お祝いのひもに見えるよ。一本だけチャレンジしてみる?」
鯛やブリの意味を話したいとき親「縁起物だから、ありがたく食べなさい」親「鯛は『めでたい』、ブリは名前が変わる出世魚だよ。あなたはどっちが好き?」

迷いやすいのは、焼き魚の骨や身のほぐし方を子供が嫌がることです。身をほぐしてお皿に取り分けておくと、食べるまでのハードルが下がり、願いごとの話に集中できます。

三の重

三の重には、煮物(煮しめ)を入れます。おせち料理の煮物に使われる野菜は、日持ちがする根菜が中心となっています。普段から食卓に登場している野菜ばかりですが、その野菜の持つ意味を知ると、お子さんもおせち料理を楽しく食べることができそうですね。ご家庭により筑前煮にして一緒に煮たり、それぞれの野菜を別々に調理したりと、特色があります。

たたきごぼう

地面の下深くまで根をはっているごぼうを家庭に例えて、家がしっかりして家庭円満になりますようにとの願いが込められています。また、ごぼうは、細いですがとても丈夫なので、細く長くつつましく生きることができますようにとの意味合いもあります。たたきごぼうは、ごぼうを叩くことで味を浸みやすくしています。叩いて身を開くことから、「開運」の縁起をかつぐ意味もあります。関西では、祝い肴の三つ肴のひとつとして一の重に詰められます。酢が入っているので、苦手なお子さんもいるでしょう。お子さんにおせち料理でごぼうを食べさせてあげたい場合には、きんぴらごぼうにすると良いでしょう。

里芋

里芋は、親芋に子芋ができ、子芋から孫芋、そして孫芋からひ孫芋とできる、とても珍しい野菜です。次々に次の世代ができることから、里芋は子孫繁栄の縁起物とされてきました。里芋のねっとりとした食感は、子供によって好みが分かれます。最初は一口大に切って、小さな一切れだけ試してみるのがおすすめです。

れんこん
おせち料理のレンコン

れんこんは、穴がたくさん開いていることから、将来の見通しが良くなりますようにという意味を込めておせち料理に使われています。お煮しめにして三の重に入れられることもありますが、酢ばす(酢れんこん)にして、二の重に入れられることもあります。

子供には、れんこんの穴をのぞかせて、「穴から向こう側が見えるかな。未来がよく見えますように、っていう願いだよ」と話してみましょう。

筑前煮(お煮しめ)

筑前煮は、元々は九州地方の郷土料理で、おせち料理のお煮しめとして作られることが多い料理です。筑前煮には、ごぼう・里芋・れんこんなどの縁起の良い野菜のほかに、干しシイタケ・こんにゃく・人参・鶏肉などを一緒に煮ます。色々な食材を一緒に調理することから、家族が仲良く結ばれますようにとの意味が込められています。

子供には、「いろいろな食材が一つの鍋に入っているのは、家族が仲良く一緒、という意味だよ」と、鍋の中身を一緒に見ながら話すと、納得してくれます。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
里芋や煮物を前に子供が箸を止めたとき親「煮物は大人の食べ物だから、無理しなくていいよ」親「ごぼう、れんこん、里芋、全部に願いが入っているよ。れんこんの穴をのぞいてみようか」
筑前煮の具を探して楽しむとき親「好きなものだけ選んで、残りは置いておいてね」親「にんじんは何色? 穴があいているのはどれ? 探しながら食べてみよう」

ありがちなのは、煮物の色合いが地味に見えて、子供が興味を示さないことです。彩りのよい人参や、飾り切りの花形にんじんを加えると、見た目から食べる意欲が高まります。

与の重と、お重に詰めない料理

四段重の四段目は、「四」が「死」を連想させることから「与の重」と呼ばれ、なますなどの酢の物や、煮しめを詰めます。三段重の場合は、与の重に詰める料理を二の重や三の重にまとめるのが一般的です。

お重に入らない大きな料理は、別の皿に盛りつけます。たとえば、鯛の姿焼きや、お雑煮などです。お雑煮は、関東では角餅にすまし仕立て、関西では丸餅に白味噌仕立てが一般的で、関西で丸餅を使うのは鏡餅の形をかたどっているためといわれています。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
お雑煮の餅の形を子供と比べるとき親「うちは角餅だから、これでいいの」親「関東は四角いお餅、関西は丸いお餅なんだって。どっちが好きか、おじいちゃんの家で聞いてみようか」
お重に入らない料理を並べるとき親「ここに置いておくから、勝手に持っていかないでね」親「鯛はお皿に盛って、お重の隣に置こう。真ん中に置く場所を選んでくれる?」

迷いやすいのは、お重とお雑煮の組み合わせです。おせちが甘めの味つけなので、お雑煮はあっさりとしたすまし仕立てにすると、口の中が整います。

おせち作りを親子で楽しむお手伝いアイデア

おせち料理は、一品ずつが手間のかかる料理ですが、子供ができる作業を決めておくと、準備そのものが家族の行事になります。大晦日の台所は、いつもより忙しい時間ですが、子供の手が加わることで、「自分も作った」という気持ちが生まれ、普段は食べない料理にも手が伸びやすくなります。

たとえば、黒豆の鍋を見守る係、数の子の薄皮をむく係、かまぼこを並べる係、栗きんとんに栗をのせる係など、短時間でできる作業を子供の年齢に合わせて割り振ります。幼いお子さんには、洗う、並べる、のせるなど、火や刃物を使わない作業を任せると、一緒に作る時間を楽しめます。

お手伝いポイント子供の達成感
黒豆の様子を見るふたを開けて、豆が煮汁に浸かっているか確認する「ふっくらしてきた」と変化を見つける
数の子の薄皮をむく塩水の中で、指の腹でやさしくこするするっとむけた感触を楽しめる
かまぼこ・伊達巻を並べるお重の中の色のバランスを子供に決めさせる自分で決めた配置が完成する
栗きんとんに栗をのせる上に1個ずつ、栗をのせる見栄えが整い、お祝い気分が高まる
場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
数の子の薄皮むきに挑戦するとき親「破れるから、さわらないで」親「そっと、指の腹でやさしくね。つるんとむけたら、ママにも見せて」
お重の盛りつけを任せるとき親「バランスが悪くなるから、ママがやるね」親「赤と白を交互に並べると、お祝いっぽくなるよ。どこに置きたいか決めて」

失敗しやすいのは、子供に任せた結果、仕上がりが整わず、親が手直ししてしまうことです。完成度よりも「自分で作った」という経験を優先して、少しくらい形が崩れていても「上手にできたね」と受け止めましょう。

おせち料理は祝箸で食べよう

おせち料理を食べるお箸にも気をつかいましょう。おせち料理を食べる時には、家族それぞれの名前を書いた箸袋に入れた「祝箸」を使ってください。祝箸は、両端が細くなっていて、一方は自分が食べて、反対側は年神様が食べるためとされています。神様と人が同じ料理をいただくことから、「神人共食(しんじんきょうしょく)」と呼ばれます。このため、箸を逆さにして使うのは避けましょう。祝箸の中央がふっくらした形は、米俵や「はらみ箸」の別名を連想させることから、子孫繁栄や豊作を願う意味合いもあります。

祝箸は、折れにくく丈夫な柳の木で作られることが多く、「柳箸」とも呼ばれます。長さは「末広がり」の八寸(約24cm)が基本です。元旦に使った祝箸は洗って、松の内のあいだ繰り返し使うのが一般的とされています。祝箸の名前の書かれた箸袋は、子供にとっても、お正月の特別感を味わえるアイテムです。

お正月の朝、子供が自分の名前の書かれた箸袋を見つけると、「僕のお箸だ!」と目を輝かせます。名前を書く作業を、子供にお願いするのもおすすめです。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
祝箸の両端が細い理由を話すとき親「両方使えるお箸だから、どっちでもいいよ」親「こっちはあなた、反対側は神様が使うんだって。神様と一緒にごはんを食べるんだね」
箸袋に名前を書いてもらうとき親「ぐちゃぐちゃに書かないでね」親「家族みんなの分を、あなたが書いてくれる? 一番上手に書けた人が、最初に使ってね」

気をつけたいのは、箸の両端を使い分ける意味を知らないまま、箸を逆さに使ってしまうことです。食べる側を決めて、使っていない側を神様用と覚えておくと、迷わず使えます。

最新情報:おせちの選び方と予約の傾向

おせち料理の由来やいわれは変わりませんが、選び方や準備の流れには近年変化が出ています。

以前は、おせち料理は年末が近づいてから手配するものでした。現在は、百貨店やスーパー、通販などで、夏の終わりから秋にかけて予約の受付が始まり、前倒しになる傾向が見られます。また、少人数向けのミニサイズや、一段重・二段重、和洋折衷の料理を取り入れたおせちも増えています。子供も食べやすいメニューを盛り込んだ和洋折衷のおせちも、各社から登場しています。物価の影響もあり、上質さにこだわる人と、価格のバランスを重視する人とに分かれる傾向も指摘されています。これらは各社の発表内容にもとづく傾向で、販売の状況は毎年変わります。

2027年のお正月は、元日が金曜日で、三が日が金曜日から日曜日にあたります。年末は、官公庁が12月29日から1月3日までお休みのため、12月28日(月曜日)を仕事納めとする会社が多く、最長で6連休となる人も見込まれます。帰省や集まりで人数が増える年は、おせちの量や段数を、事前に家族で相談しておくと慌てずにすみます。

項目現行の傾向対象いつから
予約の開始時期夏の終わりから秋に始まり、前倒しの傾向店頭、通販近年
おせちのサイズミニサイズ、一段重、二段重など少人数向けが増加少人数の家庭近年
料理の中身和洋折衷、子供向けメニューの充実子供のいる家庭近年
年末年始の日並び元日が金曜日。12月28日(月曜日)仕事納めが多く、最大6連休家族の帰省や集まり2027年のお正月

家庭での対応としては、「人数」「食べる日数」「子供が食べる料理」の三点を先に決めてから、購入か手作りかを選ぶ方法が役立ちます。早めの予約が増える傾向だからこそ、家族の予定が決まらない場合は、受け取り日の変更や、数量の調整ができる注文方法を選ぶと、後から困りにくくなります。

場面避けたい声かけ伝わりやすい声かけ
家族でおせちの準備を相談するとき親「おせちの種類は、ママが勝手に決めておくね」親「お正月は何人でいただくかな。みんなが好きなおせちを、先に聞いておきたいな」
おせちのサイズを決めるとき親「大きいほうがお得だから、一番大きいのにしよう」親「みんなで食べきれる量がいいよね。お重は何段がいいか、一緒に選ぼうか」

見落としがちなのは、早く予約したあとで人数が変わり、量や段数を調整できないケースです。注文前に、受け取り日と数量の変更条件を確認しておきましょう。

おせち料理のよくある質問

質問答え
おせち料理は三が日すべて食べないといけませんか?決まりはありません。昔は、お正月に台所の火を使うのを控えるために三が日をかけて食べましたが、現在は元旦だけ食べきるご家庭も増えています。子供が飽きないように、2日目以降は好きな料理だけを盛り合わせたり、お餅や雑煮と組み合わせたりして、無理なく楽しみましょう。
すべて手作りしないと、縁起が悪いですか?縁起の良し悪しは、手作りか購入かでは変わりません。大切なのは、各料理に込められた願いを家族で共有することです。手間のかかる黒豆や数の子は購入し、伊達巻を切る、かまぼこを並べるなど、子供と一緒にできる作業だけ家で担当するご家庭も多くあります。
重箱がない場合は、どうすればいいですか?お重がなくても、大皿や取り皿に盛りつけて楽しめます。「福を重ねる」という気持ちを取り入れたいなら、お皿を重ねたり、段になった入れ物を使ったりするのもひとつの方法です。祝い箸と、一品ずつの意味を話すことで、おせちらしい雰囲気は十分に楽しめます。
子供が全く食べてくれないときは、どうしたらいいですか?甘めの伊達巻や栗きんとん、黒豆、えびなど、子供が食べやすい料理から始めましょう。残りのお重は大人が楽しみ、子供にはお気に入りの料理だけを盛り合わせた「お子さま用おせちプレート」を用意するのもおすすめです。無理に食べさせず、料理の意味を話すだけでも、おせちの思い出になります。

どの疑問も、おせち料理は「こうでなければいけない」という決まりごとよりも、家族がお正月を楽しむ気持ちが大切です。形式にとらわれすぎず、ご家庭に合った形で、願いを込めた料理をいただきましょう。

おせち料理を子供と味わうひとこと

おせち料理は、一年の初めに、家族で願いごとを分け合う料理です。かまぼこは初日の出、伊達巻は学問、栗きんとんは金運、黒豆は勤勉、数の子は子宝、田作りは豊作、えびは長寿と出世、鯛はめでたい、れんこんは見通しのよい未来、というように、ひとつひとつの料理が、家族への願いにつながっています。

お正月の朝、家族でお重を囲んで、名前入りの祝箸を手にしたら、まずは子供に「どれが一番食べたい?」と聞いてあげてください。そして、その料理の意味を、短く、楽しく話してあげましょう。それが、子供にとって、日本のお正月の思い出として長く残ります。

この記事を書いたライター
小森ひなた

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪

おすすめの記事