国内外の鬼ごっこ13種類!幼児~大人まで楽しめるおすすめ外遊び
昔の子ども達とは違い、外遊びをする機会がめっきり減った現代の子ども達に、ぜひおすすめしたいのが昔ながらの「鬼ごっこ」。
子供達の体力低下が嘆かれる一方で、最近は大学生の間で鬼ごっこが密かなブーム。世界チャンピオンを決める大人だけの鬼ごっこ選手権もあるほどですので、リアルな楽しさを体験すれば、子供のゲーム機離れにも役立ちます。
こちらでは幼児や小学生におすすめの鬼ごっこ7種類とその遊び方と共に、海外のユニークな鬼ごっこの6種類、鬼ごっこの魅力について詳しく解説していきます。たまにはパパもママも昔を思い出して、子供と一緒に鬼ごっこを楽しんでみましょう。
日本国内の鬼ごっこ~7種類の遊び方
「鬼は追いかけ、周りは逃げる」という基本ルールはありますが、鬼ごっこにはさまざまな種類があります。
同じ遊び方をする鬼ごっこでも、地方によって微妙なルール差があるのも面白いところ。子どものころにどんな鬼ごっこで遊んだかは、大人になって故郷を離れたときに、他県出身の人と話すときの良いネタにもなります。
1高鬼(たかおに)
鬼は地面より高いところに登ることができず、高い場所に逃げ込めば鬼には捕まらないというルールの鬼ごっこ。鬼は他の子が高いところに逃げ込む前に、敏捷性を発揮して捕まえる必要があります。
鬼以外の子どもは同じ場所に10秒以上いられないので、次の逃げ場や逃げるタイミングを考える必要があります。
- 鬼を決める
- 鬼が「10」数える間に、鬼以外の子は高い所へ上がる
- 鬼は鬼以外の子に近づいて「10」数える
- その間、鬼以外の子は別の場所に逃げる
- 鬼は「10」数えたら、逃げる子をタッチ
- タッチされた子が、次の鬼になる
2色鬼(いろおに)
小さな幼児が色を覚えるきっかけ作りにも使える色鬼。鬼は一つの色を決め、その色に手を触れているときは鬼には捕まらないというルールの鬼ごっこ。
鬼以外の子は色を探しながら逃げますが、色を見つけることができなければ鬼にタッチされて交代し、また別の色を指定して鬼ごっこを繰り返します。
- 鬼を決める
- 鬼が色を決めて言った後、「10」数える間に、鬼以外の子は色を探しながら逃げる
- 色を見つけて触れば、鬼にタッチされない
- 色を見つけられずタッチされた子が、次の鬼になる
- 全員色を見つけて触ったら、鬼は次の色を言う
- 鬼以外の子は、鬼に指定された色を逃げながら探して触りに行く
3氷鬼(こおりおに)
人数が多ければ多いほど面白いのが、氷鬼。鬼が「氷!」と叫びながらタッチをすると、身体がフリーズして動くことができないというルールの鬼ごっこ。鬼が次々とタッチしていって全員を凍らせることができれば、ゲームは終了。
ただし鬼に捕まって凍っても、まだタッチされていない子にタッチしてもらえれば、また動けるようになるというルールなので、子供同士の協調性が養われます。逃げられる範囲をあらかじめ決めておくのがおすすめです。
- 鬼を決める
- 鬼以外の子は逃げる
- 鬼にタッチされたら、氷になって動けなくなる
- 仲間がタッチしてくれたら、氷が溶けて動けるようになる
4けいどろ(どろけい)
警察チームが泥棒チームを追いかけ、捕まえた子を牢屋に連れていき、全員が捕まったら終了というルールの鬼ごっこ。
ただし、まだ捕まっていない泥棒チームの子が牢屋に捕まった子にタッチすれば、全員逃げられますので、警察チームはただ捕まえるだけでなく、牢屋を守るというディフェンス力も必要です。身体能力だけでなく、作戦力や指揮力が試される遊びです。
- 牢屋の場所を決める
- 警察チームと泥棒チームに分かれる
- 警察チームは牢屋を守る看守を決めておく
- 警察が「10」数え、その間に泥棒チームは逃げたり隠れたりする
- 警察チームは「10」数えたら、泥棒をタッチして牢屋に連れて行く
- 泥棒が全員掴まる前に、掴まっていない泥棒が仲間をタッチすれば、泥棒は逃げられる
5手つなぎ鬼
鬼にタッチされた子はそのまま鬼になり、手を繋いで他の子を追いかけて捕まえていくというルールの鬼ごっこ。制限時間を決めておくか、全員がつかまれば終了。
手を繋いでいる子の動きにあわせないとうまくタッチができませんから、協調性が養われますし、鬼が連なって相手を囲い込むなど、周りと協力することの大切さも学ぶことができる外遊びです。予め逃げる範囲を決めておくのがおすすめです。
- 鬼を決める
- 鬼は「10」数えてから、鬼以外の子を追いかける
- 鬼に捕まったら鬼と手を繋いて鬼になり、他の子を追いかける
- 鬼が4人になったら、2人ずつに分かれてもOK
- 次回は初めに鬼に捕まった子が鬼になる
6ケンケン鬼
鬼になった子も逃げる子も普通に走るのではなく、片足だけを使ってケンケンと跳ねて移動するというルールの鬼ごっこ。まさに全身を使った遊びなので、筋力やバランス力、そして体力も遊びを通して楽しく身に着けることができます。
いくつかの休憩ポイントを作っておいて、そこにいるときだけは休んでも良いのですが、鬼が10数えたら出なければならないため、作戦力も養えます。
- 地面に休憩場所となる円をいくつか描く
- 鬼を決める
- 鬼も鬼以外も円の外は全てケンケンで移動
- 鬼が「10」数えたら、鬼以外の子は一度円から出る
- 円の外で鬼にタッチされたら、鬼を交代する
7アテヤー
鬼が壁に当てたゴムボールが転がっている間だけ逃げられ、鬼が投げるゴムボールに当たらないようにするというルールの、ちょっと変わった沖縄県の子ども達の鬼ごっこ。壁とゴムボールがあればできる外遊びです。
鬼の投げるゴムボールに当たってしまうと次の鬼になりますが、鬼以外の子が鬼の投げるボールを避けてしまえば、延々鬼を続けなくてはいけません。上半身の筋力やバランス力、俊敏性を鍛える効果が期待できます。
- 鬼を決める
- 鬼は鬼以外の子より後ろに立つ
- 鬼以外の子の代表者が壁にボールを投げる
- 鬼がボールを拾うまで、逃げる
- 鬼がボールを拾ったら、鬼以外は止まる
- 鬼はボールをもったまま10歩移動し、一番近くの子にボールを投げる
- 当たったら鬼を交代
- 当たらなかったら、仕切り直し
世界の鬼ごっこ~6種類の海外らしい遊び
「鬼ごっこ」は日本だけの遊びだと思われがちですが、インドや中国、イタリアなど世界中の子ども達が昔から楽しんで遊んでいます。
世界の面白い鬼ごっこや遊び方をご紹介しますので、日本のメジャーな鬼ごっこに飽きた子供に教えてあげたり、休日に家族で遊んでみたりしてもよいでしょう。遊びを通して世界の遊びを知ることも、子どもにとっては良い学習となります。
1カバディ(インド)
インドの国技、カバディ。攻撃チームと守備チームに分かれて得点を競い合うという鬼ごっこ。ドッチボールコート程度の広さがあれば道具がなくてもできるため、体育館などの屋内でも行え、子供から大人まで協調性を養いながら楽しく遊べます。
正式な競技は各チーム7人で行い細かいルールがありますが、こちらでは幼児や小学生が外遊びとして楽しむためのルールをご紹介します。各チーム5人位からでも大丈夫です。子どもが遊ぶ場合は攻守を3~5回程度繰り返し、点数で勝敗を決めるとよいでしょう。
- どちらのチームが先に攻撃するかを決める
- 攻撃チームになった方は、チーム内のレイダー(攻撃手)を1人決める
- 守備チームになった方は、全員アンティ(防御手)になる
- 攻撃チームはレイダーを守備チームに送り込む
- レイダーは「カバディ、カバディ…」と息継ぎせずに言い続け、アンティにタッチして素早く自分のコートに戻る
- レイダーがコート内に戻れれば攻撃チームに1点。タッチされたアンティはコート外に出る
- アンティがレイダーを捕まえてコートに戻れなくする、レイダーが息継ぎする、「カバディ」と言い続けられなくなる場合、守備チームに1点
- 攻撃チームと守備チームを交代
2しっぽ食い蛇(中国)
全員で手を繋ぎ、自分たちが1匹の蛇になったつもりで、ヘビの頭の人がヘビの尻尾の人を追いかけるという中国の鬼ごっこ。協調しながら動いていくので、人数が多いほど楽しめます。
- 5人以上で手をつなぎ、一本の蛇を作る
- 列の先頭の人が蛇の頭、最後尾の人はヘビの尻尾となり、頭が尻尾を追いかける
- 頭としっぽ以外の人は、しっぽが頭に捕まらないように動き回る
- 頭の人にタッチされたら、しっぽの人はゲームから抜け、最後のしっぽがタッチされたら終了
- 途中で手を離してしまった場合は、手を離してしまった二人と、その後ろのしっぽの人たちが全員ゲームから抜けなくてはいけません
3キツネよ出てこい(スイス)
ヨーロッパにあるスイスの外遊びで、鬼をキツネに見立てて遊ぶ、かくれんぼと融合したような鬼ごっこ。
ハンカチを投げることで上半身を、ケンケンして移動することで下半身の筋力を強化することができます。
- ハンカチ1枚を用意し、投げやすいように結び目を作っておく
- 一人のキツネ=鬼を決める
- キツネは隠れる
- 他の子はキツネを探し、見つけたら全員を呼び集めて「キツネよ、出てこい!」と叫ぶ
- それを合図にキツネが片足ケンケンで飛び出し、逃げる子どもにハンカチを投げつける
- ハンカチが当たればキツネ役は交代
- 当たらなければ、キツネが再び隠れてゲームをやり直し
4ホウバ バンデイラ(ブラジル)
ポルトガルの言葉で「ホウバ=取る」と「バンデイラ=旗」を合わせた、旗取り合戦の要素を含んだ鬼ごっこ。
ドッチボールのコートや旗を使って、大人数で楽しく遊べる外遊びですので小学校のレクなどにもおすすめです。
- 2つにチーム分けする
- コートのエンドラインにチームの旗を立てる
- 開始の合図で相手コートに入り込み、相手の旗を奪って自分のコートに持ち帰る
- 自分のコート内に相手チームの子が入ってきたら捕まえる
- 捕まった子は固まり、味方チームの子がタッチすればまた動けるようになる
- 相手チームの旗を自分の陣地に早く持って帰れた方が勝ち
5卵を守るカラス(タイ)
タイには鬼が「ティー!」と息が続く限り叫び続ける、インドのカバディに似た鬼ごっこがあり、こちらの鬼ごっこも人気です。
卵は一つだけではなく、人数にあわせて複数個用意しておくと、より盛り上がります。
- 地面に直径1~3メートルほどの円を描き、中心に複数の卵(ボールなど)を置く
- カラス役=鬼を一人決める
- 円の中にはカラスだけが入れ、カラスはボールを守る
- 他の子はカラスにタッチされないように卵を取る
- カラスにタッチされたら、カラス役と交代
- 卵が全てとられたら鬼の負け、卵を守って全員をタッチできれば鬼の勝ち
6キャッチアンドキス(オーストラリア)
最後にご紹介するのは、感情表現がストレートな欧米オーストラリアならでは。子供のうちから異性への接し方やアプローチの方法を教える、実はとっても教育的な鬼ごっこです。
子どもの様子を撮った動画などでも紹介されることが多いので、ご存知の人も多いと思いますが、日本では子供達同士ではちょっと遊ばせにくい!やってみたい場合は、子供が嫌がらない小さいうちに、家族で楽しむ程度にするとよいでしょう。
- 男女でチームを分ける
- 男の子チームが女の子を追いかけ、頬にチュッとキスをする
- 全ての女の子がキスされたら、今度は女子が男の子を追いかけて頬にキスをする
- ただし無理やりキスすることはできません!
世界中で遊ばれる鬼ごっこの魅力
「鬼ごっこ」はジャンケンなどで鬼を決めて逃げ回り、捕まったら鬼を交代して、また逃げ回るというシンプルな遊びです。
テレビでも特定のキャラクターから何時間か逃げ回り、捕まらなければ賞金がもらえるという人気番組がありますが、こういったものの原点となっているのも鬼ごっこ。鬼ごっこは大人も子供の楽しく参加でき、見ているだけでもドキドキ・ハラハラを味わえる、貴重な遊びだといえます。
「子どもの遊び」と捉えていると見逃がしてしまいがちですが、鬼ごっこ遊びには次のような子供に嬉しい魅力がたくさんあります。
- 屋外でも屋内でもできる
- 大きなスペースを必要としない
- 高価な道具を必要としない
- ルールが簡単で、小さな子供でも遊べる
- 2人から遊べて、人数の制限がない
- 逃げ方や作戦を考える力を養うことができる
- 鬼から協力して逃げることで、協調性を養うことができる
- 勝ち負けがないので、ケンカになりにくい
鬼ごっこで子供の体力や運動神経をアップ
鬼ごっこはシンプルながらも楽しく遊ぶ中で、ルールを守ることの大切さや協調性を学び、持久力や瞬発力、判断力なども養うことができる、奥の深い遊びです。そのため実際にサッカーやドッチボールなどの集団競技、空手などの武道では、ウォーミングアップに鬼ごっこを取り入れている所もあるほどです。
スポーツや子どもが体を使って競う遊びは、単純に体力のある子が一番強いと思われがちですが、実はそうではありません。体力や筋力だけでなく、周りの状況をいち早く察知する動体視力や判断力、危険を回避する敏捷性、勝つための作戦力がないと、良い結果はでないのです。鬼ごっこはこういった大切なものを学ぶためにも、もってこいの昔の遊びだといえます。
鬼ごっこをPTAや育成会の事業にも活用しましょう
鬼ごっこは基本ルールにちょっとしたアレンジを加えることで、体力差や年齢差があっても、同一レベルで楽しく遊ぶことができます。それこそ、車椅子を使うお年寄りと小さな子供が一緒に遊べることができるので、地域のイベントや学校行事のちょっとした隙間ゲームにもおすすめです。
どうやったら不利な人がでないようにできるのかなど、相手のことを思いやってアレンジルールを考えさせるのも、子どもにとって良い教育になります。
母を尊敬
私は共働き家庭に育ったので、あまり母に遊んでもらったという思い出がありません。
ですが、小学校5年生と時に母と一緒に参加した育成会の花火大会で、用意した花火の数が少なくて時間が余って役員さん達が困っているとき、母が音頭をとって子供たちに「影踏み鬼」を教えてくれました。
本来は太陽の光でできる影を踏んで遊ぶのですが、公園の照明でバッチリ影ができて、周りが薄暗くて動きが見えにくいので余計盛り上がって、とても楽しかったのを覚えています。
それは友達も同じで、その後しばらく何人かの友達が「〇〇さんのお母さんと遊びたい」とうらやましがられ、「やっぱりお仕事している人は、機転が利いてスゴイ」と他の子のママから褒められたリと、誇らしかったのを覚えています。私もそんな母親になりたいな。