砂遊びデビューはいつから?適切な時期と安全な始め方、幼児の成長を促すメリット
お子様の公園デビューを済ませたら、次に気になるのが砂遊びデビューではないでしょうか。私たちも子供の頃に夢中になった砂遊びは、子供が喜ぶだけでなく、その成長に多くのメリットをもたらしてくれます。
しかし、「砂場の衛生面が心配」「いつから始めるのが安全なの?」といった疑問を持つママやパパも多いことでしょう。今回は、砂遊びデビューの適切な時期、砂遊びの嬉しい発達効果、安心して遊ぶための安全対策、そしておすすめの服装や道具をご紹介していきます。
砂遊びデビューの適切な時期と衛生・安全対策
砂遊びデビューの目安は「1歳半以降」がおすすめ
砂遊びデビューする時期には個人差がありますが、早い赤ちゃんでは生後9ヶ月頃から興味を示し始めます。しかし、砂遊びを始める最も推奨される時期の目安は、お子様が1歳半前後、遅くとも2歳までの間です。目安として、赤ちゃんがお座りや一人歩きに慣れ、次の二つの行動が習得されつつある頃に始めると比較的安心です。
- なんでも口に入れる「口探索行動」が落ち着いてくること
- 大人の指示や声かけをある程度理解できること
特に生後7ヶ月頃のなんでも口に入れてしまう時期に砂遊びデビューをさせてしまうと、砂を食べてしまう恐れがあるため、あまりおすすめできません。砂を口にしないことが、安全に砂遊びを楽しむための大切な条件となります。
砂場の衛生面と感染症リスクへの対策
公園の砂場には、残念ながら猫などの動物のフンや、それに由来する雑菌や寄生虫(回虫、トキソプラズマなど)が紛れているリスクがあります。そのため、砂遊びをする際は以下の点に十分注意して、感染症対策を行いましょう。
- 使用前に砂場の状態を確認する: 明らかに汚れていたり、動物のフンが見られる場合は遊ぶのを避けましょう。
- 砂を口に入れないように注意する: 繰り返しになりますが、砂を口に入れないよう、目を離さず見守ることが大切です。
- 遊んだ後は手洗いを徹底する: 帰宅後は、石鹸を使って、手のひらだけでなく指の間や爪の先まで丁寧に洗いましょう。爪を短く切っておくと、砂が残りづらく衛生的です。
- 砂遊び専用の道具を用意する: 公園の備品ではなく、ご自宅の砂遊び道具を使うことで衛生的に遊ばせることができます。
早い時期に砂遊びデビューをさせなかった先輩ママたちの多くは、一人歩きできない赤ちゃんを抱っこしながら、爪までしっかり洗うのが大変だったという経験を語っています。このことからも、ある程度お子様が自立してから始める方が、親子の負担も少ないといえます。
幼児に嬉しい砂遊びの発達効果8つ
砂遊びには、幼児の心や身体の成長、認知発達に嬉しいメリットが沢山あります。「服が汚れるから不衛生」と敬遠していたママも、砂遊びの多様な効果を知れば、子供に砂遊びをさせたくなるかもしれません。砂遊びの幼児への効果を8つご紹介します。
1五感への刺激と情緒の安定
砂に手を触れてサラサラと落とす感覚、水を加えて固まる感触、濡れた土の匂いなど、砂遊びは五感(触覚、視覚、嗅覚など)に強い刺激を与えます。この感覚的な刺激は、幼児の脳の発達を促します。
また、砂の感触を楽しむことは、子供の情緒を安定させる効果があると考えられています。情緒が安定している子供は、幼稚園や保育園に通い始めた時に新しい環境にスムーズに馴染みやすく、周りの子供とのトラブルも少なくなる傾向があります。
2全身運動能力と体幹が鍛えられる
砂の上は固いアスファルトと違って足元が不安定で歩きづらい環境です。砂の上では、足で砂をしっかりと踏みしめたり、バランスを取りながら歩いたり、しゃがんだりするため、体幹や足腰の筋肉が自然と鍛えられます。自然に地面をしっかりと踏みしめて歩くことができるようになるため、安定した歩行の発達に繋がります。
砂遊びデビューをするよちよち歩きの頃は危なっかしくて心配になりますが、砂場の中なら転んでも柔らかいため痛くありません。ただし、お子様の足のサイズにあったファーストシューズを選んで履かせて遊ばせてあげてくださいね。
3手先の器用さ(微細運動)が発達する
砂を手でつかんだり、指先でつまんだり、スコップを使ったり、お団子を作ったりと、砂遊びの中で幼児は色々な手や指先の動きをします。これらの活動は、微細運動(指先を細かく使う能力)の発達を促し、手先の器用さを養うことができます。
初めはうまくスコップを使えなかったり、バケツの中にきちんと砂を入れることができなかったりしますが、自分でやろうと試行錯誤する過程が重要です。手を出さずに、お子様の姿を温かく見守ってあげましょうね。
4創造性・想像力が育まれる
砂という一つの素材でも、子供は泥団子や山、トンネル、お城など色々なものを作り、様々な遊び方をします。単純な素材だからこそ、子供の想像力次第で無限の遊び方ができる砂遊びは、幼児の創造性を育むのにピッタリの遊びなのです。
砂遊びではお絵かきでは身に付かない立体の感覚や、重さ・固さといった物理的な感覚を育てることもできます。砂遊びにルールはありませんので、お子様の好きなものを自由に作らせてあげましょう。
5社会性や協調性が身に付く
お砂場は公園に一つしかないことが多く、他のお友達と同じ空間を共有しながら遊ぶことになります。そのため、道具の貸し借り、順番待ち、協力して大きな作品を作るといった経験を通じて、社会性や協調性を身に付けることができます。
初めはお友達に道具を貸せなかったり、お友達の道具を勝手に取ってしまったりすることもあるかもしれません。そんな時は叱ったりせず、「使いたい気持ちと、貸してほしい気持ち」を言葉にしてあげながら、我慢強く教えてあげてくださいね。この経験が、幼稚園での集団生活をスムーズにする土台となります。
6集中力が高まる
一生懸命に砂を掘ってお山を作ったり、水と砂の配合を考えて泥団子をきれいに丸めようと頑張ったりしている子供の姿をよく見かけますね。お山作りや泥団子作りなど一つの目的に向かって繰り返し同じ作業を行うような遊びは、子供の集中力を高めることができます。集中力が高い子供は、小学校に入ってからの学習面でも有利になると言われています。
子供が夢中になって砂遊びをしている時は、できるだけ邪魔をせずに子供が納得できるまで遊ばせてあげることが大切です。
7忍耐力と問題解決能力が身に付く
砂遊びをしていると、頑張って作っているお山が途中で崩れてしまったり、泥団子がうまく作れなかったりという失敗が起こります。また、他のお友達に意図せず壊されてしまうこともありますね。そのため、何度も失敗を繰り返しながら目的を達成しようとする過程で、子供に忍耐力や、「どうすれば崩れないか」を考える問題解決能力が身につきます。
忍耐力はスポーツから身につけるものという印象がありますが、身近な砂遊びを通して自然と身につくなんて嬉しい効果ですね。中には失敗に癇癪を起してしまう子もいると思いますが、怒らずに子供の気持ちに寄り添ってあげましょう。
8多様な微生物との接触による免疫システムの発達
公園の砂場は、お家の中のように徹底的に消毒されたきれいな環境ではありません。近年、過度な除菌や清潔志向が、子供の免疫システムの発達に影響を与えるという「衛生仮説」が注目されています。これは、乳幼児期に多様な微生物と接触する機会が少ないと、免疫系がアレルギーや自己免疫疾患の方向へ傾きやすくなるという考え方です。
砂遊びは、土の中にいる多様な微生物と触れ合う貴重な機会であり、子供の免疫システムが様々な刺激に反応し、バランスよく発達する手助けになると期待されています。砂遊びを不潔な遊びと極端に恐れる必要はありません。遊んだ後の手洗いを徹底し、清潔と触れ合いのバランスを取ることが大切です。
室内や庭でもできる!おすすめ砂遊びおもちゃや知育アプリ
砂場のある手ごろな公園が近くになかったり、気候により外遊びができずに子供がストレスを溜めてしまったりする場合は、室内用の砂遊びおもちゃを活用してみるのもおすすめです。最近は、砂遊び感覚を体験できる幼児向け知育アプリも登場しています。
おすすめ砂遊びおもちゃ
砂遊びは公園に行かなければできないという遊びではありません。ご自宅にいても次のような砂遊びおもちゃを購入することで、幼児にタップリと砂遊びを楽しませてあげることができます。
キネティック サンド ボックスセット ブルー
ラングス
ケネティックサンドは、スウェーデンで誕生した室内砂遊び用の砂です。水を使わないのに色々な形を作れるため、散らかりにくく、室内での遊びに最適です。学校や医療現場、セラピーなどでも使われています。梅雨や悪天候で外遊びできないお子様におすすめの室内砂遊びアイテムです。
おすすめ砂遊びアプリ
砂が落ちる様子を見ると大人でも癒されますが、子供にとっては砂が落ちる様子は想像力をかきたてる知育にも繋がります。ある程度大きくなったら、時間を決めて砂遊びアプリで遊ばせてあげるのもおすすめです。
砂遊び – 知育アプリで遊ぼう 子ども・幼児向け android
砂遊びまでアプリになっているとは驚きですね。画面の中で砂を自由に動かしたり消したりして遊ぶことができます。失敗してもリセットすると何度もやり直せるので、実際の砂遊びのように子供ができなくて泣くことがないかもしれません。デジタルで砂の物理的な動きを体験できる知育アプリとして活用できます。
季節別の砂遊びにおすすめの服装と注意点
砂遊びをする時のおすすめの服装と気をつける点を、季節別にまとめました。砂遊びをすると洋服や靴が汚れるのは避けられません。お下がりや安いものを購入して、砂遊び専用着にしているママも多いですよ。
夏に砂遊びをする時には、午後の日差しが強い時間帯は避けて遊んでくださいね。熱中症予防のためにも、こまめな水分補給を十分に行い、遊び時間が長くならないように気をつけましょう。
春秋の砂遊びにおすすめの服装
春秋にお砂遊びをする時には、砂場用スモックがおすすめです。砂場用スモックを着せると洋服の汚れを気にせずに遊ばせてあげられますよ。砂場用スモックは、季節や年齢によって袖あり、袖なし、上のみなど色々なタイプがあります。よく砂遊びをされる場合は、購入を検討されてみてはいかがですか?
春秋の砂遊びの服装を選ぶポイント
- 汚れても良い洋服を選ぶ(薄い色は砂汚れが取れにくいので避けた方が良い)
- 靴は汚れても洗いやすく乾きやすいものにする(マジックテープ式で砂が入りにくいものが便利です)
- 気温差を調節できるように羽織るものやベストを準備する
- 紫外線対策のためにつばのある帽子をかぶせる
- 砂が中に入り込まないよう、裾や袖口が絞れるものを選ぶと帰宅後の処理が楽です。
夏の砂遊びにおすすめの服装
夏の暑い時期の砂遊びは、全身タイプの砂場用スモックを暑くて着ることができないので、服装に迷います。夏の砂遊びの服装選びのポイントを挙げてみました。砂遊びは下を向いていることが多いので、意外と首の後ろが焼けます。後ろまでツバのある帽子があればベストですね。
- スモックを着る際は袖なしや薄手の素材が便利
- 汚れてもよいTシャツとズボンを履かせる(速乾性のある素材がおすすめです)
- 夕方は蚊などの虫が多いので、薄手の長袖・長ズボンでもよい
- つばのある帽子をかぶせる(首の後ろまで覆えるタイプが理想)
- サンダルは砂が入って嫌がる子が多いので、スニーカーまたは、砂が暑くなければ裸足
夏は日陰の砂場で外遊び♪
近所の公園は砂場の上に屋根があり日陰になるので、夏でもよく砂遊びに行っていました。ただ、日陰と言っても暑いので砂場用スモックは着せられません。うちの子供たちは、Tシャツ・短パン・ハットというスタイルでした。足に砂がつくと嫌がるので足元は靴下を履かせてスニーカーでした。
意外と探せば屋根付きの砂場があります。保育園や幼稚園でも砂場に屋根がついているところが多いので、園庭開放などに行ってみると日陰の砂場で楽に遊ぶことができますよ♪
我が家は、午前中の涼しい時間帯に砂場に行き、帰ったらシャワーを浴びてお昼ご飯を食べさせてお昼寝させるというパターンが多かったです。
砂遊びで子供に大人気!おすすめ型抜きや道具3選
お気に入りのおもちゃがあれば砂遊びがもっと楽しくなりますね。お砂場では同じような道具をもってきているお友達がいることもあるので、トラブル回避のためお砂場道具にはすべて名前を書いておきましょう。おすすめの砂遊びおもちゃ3選ご紹介します。
サンドミル トラック付き
ボーネルンド
上から落ちてくる砂や水で水車が回る仕組みになっている砂遊び用おもちゃです。砂を乗せるトラックや砂を入れるためのスコップもついているので、これだけで色々な遊びを楽しむことができます。
砂の動きを視覚で捉えることができ、水の流れや重力といった科学的な要素にも触れられます。お砂場だけでなくお風呂やプールでも遊ぶことができますよ♪
ボーネルンド サンドミル トラック付き
アンパンマン カラフルおでかけ砂場セット
ピノキオ
子供に大人気のアンパンマンのキャラクターで遊べるお砂場セットです。バケツ・スコップ・フォーク・型抜き・ジョウロがセットになったお砂遊びフルセットです。セットの収納袋は、そこがメッシュになっているので砂を落として帰れるのもうれしいですね。アンパンマンなら男女問わず人気なので、性別の違う兄弟でも一緒に使うことができます。人気のキャラクターの道具は、子供の遊びへの意欲を高めます。
ピノキオ アンパンマン カラフルおでかけ砂場セット
SANDIG 砂遊びの型、お城
IKEA
他では見かけないお城の形をした砂遊び型です。お城の型を使って子供がどのようなものを作ってくれるのか、ワクワクしますよ。IKEAには、他にも砂遊び用のおもちゃが揃っていますが、他のメーカーでは見られないユニークなものばかりなので子供の想像力を膨らませてくれるでしょう。テーマ性のある型は、ごっこ遊びにも発展しやすいのが特徴です。
IKEA SANDIG
砂遊び手作りおもちゃの作り方(廃材の活用)
砂遊びおもちゃは、家庭にある廃材を利用して簡単に作ることができます。お子様にリユースする大切さを学んでもらう良いきっかけにもなりますので、ぜひお子さんと一緒に廃材を利用したお砂遊びおもちゃ作りにチャレンジしてみてくださいね。
手作りスコップの材料
- 500mlのペットボトル(胴体が丸く丈夫なものがおすすめです)
- ビニールテープ(色付きのものだとアレンジも楽しめます)
- ハサミ(カッターを使う場合は大人が行いましょう)
作り方
- ペットボトルの真ん中より少し下あたりを、切り口が斜めになるようにカットします。(この斜めの部分がスコップのすくう部分になります)
- 切り口にビニールテープを何重にもしっかりと貼ります(手を切らないようにするための重要な工程です)
- ※マジックで可愛く絵を描いたり、模様のビニールテープでアレンジしてもオリジナル感が出て良いでしょう。
こんな廃材を砂遊びの道具にしても幼児は喜びます
ペットボトル以外にも、プリンカップやヨーグルトの空き容器(型抜きとして)、牛乳パック(ジョウロや型として)、軽量スプーン(砂を測る遊びに)、壊れたミニカーやスーパーボールなども、お砂遊びに使うことができます。プリンカップはそのまま利用できますし、牛乳パックはジョウロやスコップに変身させることもできますね。
廃材を利用した砂遊びおもちゃだと、汚れたり壊れたりしたら処分してまた新しいものを作ればいいので、子供に思いっきり遊ばせることができますよ。お金をかけずに遊びの幅を広げられるのも大きなメリットです。




