離乳食にささみはいつから?生後7~8ヶ月の中期から始められる
ささみは生後7~8ヶ月ごろの離乳食中期(モグモグ期)から与えられる、最初の肉類です。野菜に比べて噛みにくく存在感のある食材なので、はじめは飲み込みやすいようにとろみをつけて調理してあげましょう。
肉類は中心部までしっかり火を通さないと体調を崩す原因になりますが、加熱し過ぎると硬くなり赤ちゃんにとって食べづらくなります。
ここでは、ささみを離乳食として柔らかく安全に調理できる加熱温度や加熱時間、下ごしらえのコツをレシピや体験談とあわせて紹介しますので参考にしてください。
ささみが離乳食の肉デビューに向いている理由!赤ちゃんに優しい食材
ささみとは、鶏の胸の中央にある「竜骨」と呼ばれる部分についた肉のことです。形が笹の葉に似ていることから「ささみ」と呼ばれるようになりました。
胸肉は鶏特有の臭みが少なく脂肪分も控えめで食べやすい部位ですが、ささみは胸肉のさらに内側にあり鶏肉の中で最も脂肪分が少なく、味もあっさり!
加熱し過ぎに注意して調理すれば、柔らかくしっとりと仕上がるため、肉類の中でも赤ちゃんの体に負担が少なく特に食べやすい部分です。
見出し | 説明 |
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ささみの名称由来 | 鶏肉の胸の「竜骨」と呼ばれる部分にある肉で、形が笹の葉に似ているため「ささみ」と呼ばれる |
胸肉との違い | 胸肉は鶏独特の臭いがあり脂肪分少なめだが、ささみは胸の内側で鶏肉全体で最も脂肪分が少なく味も淡泊 |
調理と赤ちゃんへの負担 | 加熱し過ぎに気をつければ柔らかくしっとりし、赤ちゃんの体への負担が少なく食べやすい部分 |
離乳食で1回に食べられるささみの目安量は多くても10~20g
離乳食1回分のたんぱく質を肉だけで補う場合の目安量は以下の通りです。他の食材を組み合わせないときは、1回につきささみを10~20g与えられます。
離乳食の時期ごとの1回あたりの肉の目安量
- 中期 10~15g
- 後期 15g
- 完了期 15~20g
ただし、他の肉やたんぱく質食品と組み合わせる場合は、ささみの量を減らして全体のたんぱく質量を調整しましょう。
例えば、ささみと豚肉を組み合わせるなら、ささみ10g・豚肉5gといった形で分けて使います。
ささみと豆腐や卵、魚などを一緒に使う場合も、分量を減らして取り入れるようにしましょう。
離乳食段階 | 1回の肉の量の目安 |
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中期 | 10~15g |
後期 | 15g |
完了期 | 15~20g |
離乳食のささみの茹で方と目安時間!余熱で8~10分が基本
離乳食用のささみは、硬くならないように火を止めて余熱で加熱するのがコツです。鍋でお湯を沸かしてささみを入れ、再び沸騰したら火を止めてフタをし、蒸らしましょう。
茹で時間は大きさによって変わりますが、小さめ・細めのささみなら余熱で約8分、太めのささみなら10分放置が目安です。
加熱できているかどうかは、鍋から取り出して冷ました後に一番厚い部分を切り、色を確認して判断します。
中心が白くなればOK!薄いピンクは再加熱が必要
切った際に中心まで白くなっていれば問題ありませんが、薄いピンク色が残っている場合は再度加熱しましょう。「柔らかそうだから」と薄ピンクのままや湯引き程度のささみを赤ちゃんに与えないよう注意してください。
項目 | 内容 |
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茹で方 | 鍋でお湯を沸かしささみを入れ、再沸騰後に火を止めてフタをして余熱で蒸らす |
茹で時間の目安 | 小さめのささみは余熱で約8分、太めのささみは約10分放置 |
加熱確認方法 | 冷ましてから一番厚い部分を切り、中心が白くなっているか確認 |
注意点 | 中心が薄ピンクなら再加熱が必要。湯引きや半生のささみは与えない |
離乳食のささみの下ごしらえ!筋とりはほぐすときに行うと簡単
ささみには白い筋や薄皮がついていますが、離乳食では茹でたあとにほぐして混ぜることが多いため、生のうちに筋を取る必要はありません。茹でたささみをほぐす際に一緒に筋を取り除くと手間が省けます。
ひき肉にしたい場合は、凍らせたささみをすりおろすと手軽に離乳食用のひき肉が作れます。
生のささみを数本まとめてフードプロセッサーなどで調理する際は、次の方法で筋を取りましょう。
- 薄皮がついている場合は、手で引っ張って取り除く
- ささみの筋の端をフォークの歯に挟み、筋を引っ張る
- 取りにくい場合は、肉と筋の間に包丁で切れ目を入れ、包丁で筋を押さえながら少しずつ引っ張ると取りやすい
離乳食のささみは電子レンジでも加熱できる!砂糖水をかけて90秒加熱
ささみなどの肉をふんわり柔らかく仕上げるには、少量の砂糖水をかけてからラップをしてレンジで加熱すると効果的です。水だけで加熱するよりも柔らかく仕上がります。
ただし離乳食では砂糖はごく少量しか使えないため、大さじ1の水に砂糖ひとつまみを溶かした砂糖水を振りかけましょう。
- 耐熱皿に冷蔵庫から出した生のささみを2本並べる
- フォークで表面に穴をあけ、端を中心に折り込んで太さを均一にする
- 上から砂糖水(大さじ1の水に砂糖ひとつまみを溶かしたもの)をかける
- ラップを軽くかけ、常温で5分ほど置く
- 電子レンジで1分30秒加熱する
- 表面が白くなりピンク色が残っていなければ、そのままラップをかけたまま粗熱をとる
- まだピンク色が残っている場合は、10秒ずつ追加で加熱し中心まで火を通してから粗熱をとる
- 粗熱がとれたら、手でほぐしながら筋を取り除く
離乳食のささみは2種類の方法で冷凍すると便利!
離乳食用のささみはそのまま冷凍する方法と、食べやすく裂いて冷凍する方法の2通りを覚えておくと使いやすいです。
もちろん調理後に小分け冷凍しても構いませんが、忙しいときはこの2つの方法で手早く保存すると便利です。
1初めてのささみにおすすめ!そのまま冷凍する方法と解凍の仕方
ささみ1本はおよそ50gですが、離乳食1回に使うのは10~20g程度です。特に中期は量が少ないため、1本ずつ冷凍しておき、凍ったままおろし金ですりおろして調理に使うと便利です。
この方法ならささみを細かくすり潰せるため、初めてのささみデビューには刻んだひき肉よりもなめらかな離乳食に仕上がります。
- ささみを1本ずつラップで包む
- 冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ入れる
- 使うときは凍ったままおろし金ですりおろし、鍋で加熱して解凍する
2ささみを裂いて冷凍する方法と解凍の仕方
加熱したささみを食べやすく裂いて冷凍しておくと、再加熱するだけですぐに食べさせられるので便利です。
茹でたささみを冷凍・再解凍しても柔らかさを保つポイントは、茹で汁をかけてからラップで包んで冷凍することです。
- ささみを茹でて筋を取り、離乳食の段階に合わせて細かく裂く
- 1回分ずつ小分けにして製氷皿やラップに入れ、茹で汁を小さじ1杯かけて包む
- 冷凍保存袋に入れて冷凍庫へ
- 食べるときは電子レンジで20~30秒加熱する
離乳食のささみなど肉類の調理を安全に行うポイント
ささみをはじめとする肉類を調理する際は、手や調理器具などを介して生肉の菌が加熱後の離乳食につかないよう注意することが大切です。
買ってきた生肉はすぐに冷蔵庫に入れ、調理中は肉そのものやトレーについた生の肉汁にも気をつけましょう。
- スーパーで購入した肉類は1つずつビニール袋に入れてから買い物袋へ
- 肉汁が漏れると他の食材に付着するため、袋に入れたまま冷蔵保存する
- 生肉に触れた手はその都度しっかり洗う
- 肉や魚用のまな板を野菜用と分けて使用する
- 使用後のまな板や調理器具は洗った後に熱湯をかけて消毒する
離乳食中期のささみレシピと調理のポイント
離乳食中期は、これまでなめらかなペーストを食べていた赤ちゃんが、少しずつ舌触りを感じる食材に挑戦する時期です。いきなり全てを粒感のある形にすると食べにくいため、食材の大きさは段階的に大きくしていくことがポイントです。
ささみは野菜よりも固く異物感を覚えやすい食材なので、片栗粉でとろみをつけると飲み込みやすくなります。ここでは人参・じゃがいも・玉ねぎで作った野菜スープを活用した「季節野菜とささみのトロトロ煮」を紹介します。
季節野菜とささみのトロトロ煮のレシピ
材料:野菜スープ(大さじ2)、ささみ(10g)、片栗粉(小さじ1弱)
- 野菜(人参1本、じゃがいも2個、玉ねぎ1個)をみじん切りにし、水を加えて約20分煮て野菜スープを作る
- ささみは下処理して細かく刻み、スープ大さじ2で煮る
- 大きめの肉片があればスプーンの背で潰す
- 片栗粉でとろみをつけたら完成
※余った野菜スープは冷ましてから製氷皿などに入れ、冷凍保存しておくと便利です。
離乳食後期のささみレシピや調理のポイント
離乳食後期になると手づかみ食べが始まり、後半にはハンバーグなどを食べられる赤ちゃんも増えてきます。ささみでハンバーグを作っても、固さが気になって食べないこともあります。
ささみは脂肪分が少ないため固くなりやすく、食べにくさを感じる赤ちゃんもいます。苦手そうなときは、野菜と一緒に煮込んであんかけにし、お粥にかけると食べやすくなります。
小松菜とささみのあんかけご飯のレシピ
材料:5倍粥90g、小松菜15g、ささみ15g、出汁10g、片栗粉3g
- 小松菜を柔らかく茹で、葉をみじん切りにする
- ささみは下処理してみじん切りにし、出汁で茹でる
- ②に①を加え、水溶き片栗粉でとろみをつける
- 5倍粥にかけて完成
離乳食完了期のささみレシピや調理のポイント
完了期になると、手づかみ食べを楽しむ赤ちゃんが多くなります。ただし、ぶつ切りのささみは噛みにくく、飲み込みにくいため、ミンチにしてつなぎを加えると食べやすくなります。
ここでは、里芋とささみのひき肉を使った柔らかいコロコロボールをご紹介します。
里芋とささみのコロコロボールのレシピ
材料:里芋20g、ささみ15g
- 里芋は皮をむき、柔らかくなるまで出汁で煮てからペースト状に潰す(ラップに包むと手で潰しやすい)
- ささみは下処理をしてみじん切りにし、茹でる
- ①と②を混ぜ合わせ、ラップで直径1.5cmほどのボール状に丸める
ささみの離乳食を赤ちゃんが食べない!先輩ママの好き嫌い克服体験談
健康によいささみですが、赤ちゃんが嫌がりやすい食材でもあります。ここでは中期~完了期にかけての工夫や、先輩ママの体験談をご紹介します。
離乳食中期のささみ嫌いには、なめらかな舌触りに工夫
初めての動物性たんぱく質は、舌触りが気になる赤ちゃんも多いです。細かく刻む・とろみをつける・好きな食材と混ぜるなど工夫してみましょう。食感を学ぶ大切な時期なので、その時にあまり食べなくても、1週間後には同じメニューを喜んで食べることもあります。食べムラは成長の一部なので、気を落とさず色々な食材を試してあげてください。
舌触りが苦手の原因?
初めてささみを食べさせたとき、一度手が止まり考えている様子でした。その後は進みが悪く、とろみをつけても食べてくれず困っていました。どうやらお肉の舌触りが苦手だったようです。そこで、大好きなミルク粥に混ぜたところ、驚くほどパクパク食べてくれて、好きな食材と合わせれば食べやすくなることに気づきました。
離乳食後期のささみ嫌いには硬さや味付けで対応
後期になると、バナナ程度の硬さであれば歯茎でつぶせるようになります。中期では嫌がっていた食感も、受け入れやすくなることがあります。赤ちゃんの口の動きをよく観察し、硬さや大きさを調整してあげましょう。また、調味料を少量使って味に変化をつけると、飽きずに食べてくれることがあります。
だしから味噌へ!味の変化で食べてくれた
今までは野菜スープや昆布だしだけで離乳食を作っていましたが、母から「少しの味噌を使ってみて」と教えてもらいました。本当に少しの味噌で旨みがぐっと増し、それまで食べなかった魚やお肉を少しずつ食べてくれるようになったんです。調味料の工夫でこんなに変わるとは驚きました。これからも上手に活用していきたいです。
離乳食完了期のささみ嫌いには手づかみ食べや食感の変化で対応
完了期になると、自分で食べたい気持ちが強くなり、ママに食べさせてもらうのを嫌がる赤ちゃんもいます。この時期は歯でかじりとり、自分に合った一口の量を学ぶ大切な時期。手づかみしやすい形や大きさに工夫したり、おやきなどで食感の変化を楽しめるようにするとよいでしょう。
おやき風で豪快にぱくり!
これまでは野菜やお肉にとろみをつけていましたが、スプーンや手で食べると食後のテーブルが大変なことに…。だんだん飽きてきたのか、遊び食べも増えて困っていました。そんな時、ささみとじゃがいもでおやき風の一品を作ってみたところ、風味もよかったのか手づかみで豪快にぱくり!あっという間に完食でした。食感を変えるだけでこんなに違うのかとびっくりしました。