赤ちゃんの声がかれるのはなぜ?知っておくべき声枯れの対処法
喉に違和感があったり喉が痛かったりしても、赤ちゃんは言葉では伝えられないし、見た目にも分かりません。なので、赤ちゃんの声がかれていていつもと違っていると心配になってしまいますよね。それに、その声のかれが病気なのかどうか判断することも難しいです。
ここでは、赤ちゃんの声がかれる原因や声がかれたときの対処法、病院を受診するときの目安、注意したい病気についてなど、赤ちゃんの声がかれることについて、詳しくみていきましょう。
普段、赤ちゃんの声を一番聞いているママだからこそ気づくこともあるので、声の枯れについて正しい知識を持っておくと安心ですね。
赤ちゃんの声がかれる仕組み
声のかれやかすれなど、普段の声と違うようになる状態のことを、正式な医学用語で、嗄声(させい)と言うのですが、それには喉にある声帯という器官が関わっています。
声帯は、Vの字で2つの帯状になっており、空気を吸う時に開き、声を出す時に閉じます。閉じた声帯の隙間を、吐き出された空気が通り抜ける際に振動することで声を出すことができるようになっています。
しかし、声帯に何らかの異常が起こることで、うまく震えなかったり、しっかり閉じなかったりして、通常のように発声できずに、声のかすれが起こるのです。
赤ちゃんの声がかれる2つの原因
声がかれるのは、声帯に何らかの異常が起こっているからですが、赤ちゃんの声がかれるのはなぜなのでしょうか。風邪をひきやすく、よく泣く赤ちゃんだからこそ、声がかれやすいことがあるのですが、その点について詳しく解説していきましょう。
風邪による喉の炎症
赤ちゃんは風邪をひきやすいですが、風邪をひくと喉の咽頭という部分の粘膜に、細菌やウイルスが付着して炎症を起こしてしまい、声帯がうまく振動しなくなり、声がかれる原因になります。
一時的なものですが、赤ちゃんの場合は、咽頭が炎症を起こしていても、構わず泣いたり大声を出したりと喉を酷使するため、炎症がなかなか治らないことがあります。
泣きすぎて声帯が腫れている
泣きすぎたり大声を出したりなど無理な発声を続けると、声帯に負担がかかった状態になります。そのため、声帯が腫れてしまい、うまく閉じなくて声がかれることがあるのです。
あまり泣かせ過ぎずに喉を安静にすることで、すぐに元の声に戻ることもありますが、喉への負担が大きいと、声帯にこぶのようなものができて、声のかれが長引きます。
赤ちゃんの声の枯れの対処法
赤ちゃんの声の枯れに気づいたら、症状を悪化させないためにも、喉の声帯に負担をかけないようにしたり、病院を受診したりする必要があります。そこで、赤ちゃんの声が枯れた時の正しい対処法についてみていきましょう。
病院を受診する
声の枯れの他に、発熱・鼻水などの風邪の症状が見られる場合は、早期に症状を改善するためや、他の症状の悪化を防ぐためにも、医療機関を受診した方が安心ですね。
風邪の症状自体は改善しても、声のかれはしばらく続くこともあるのですが、自然に治るので心配いりません。
できるだけ泣かせないようにする
泣きすぎによる声のかすれは、声帯に負担がかかっているので、第一に声帯を安静に保つことが大切なのです。しかし、泣くのが仕事である赤ちゃんを、泣かせないのは至難の業。泣かせないようにと気を遣い過ぎると、ママもストレスがたまってしまいますよね
泣かせてはダメと言っても、声帯に負担がかかるくらいの大泣きを防げばいいので、大泣きになる前のぐずぐず泣いている段階であやすようにしましょう。
大人がまったくしゃべらないようにするということができないように、赤ちゃんも、まったく泣かないようにすることは不可能なので、激しく泣くのを防ぐくらいの気持ちでいましょうね。
部屋の湿度を適度に保つ
乾燥した空気は喉に良くないため、室内の湿度を適度に保つようにしましょう。特に寒い時期は空気が乾燥しやすく、暖房などを使用することで湿度が低くなっています。
加湿器を使用したり、濡れたバスタオルを室内に干したりするなどして、湿度を40%~60%くらいに保ち、空気の乾燥を防ぎましょう。
水分を補給する
水分をこまめに摂ることで、喉がカラカラになって乾燥するのを防ぎましょう。母乳以外のものを飲まない赤ちゃんもいますので、普段から哺乳瓶やストローマグなどで、白湯やイオン飲料を飲む習慣をつけておくと楽ですよ。母乳しか飲めなければ、母乳で水分補給しても大丈夫です。
鼻水を吸引する
鼻が詰まっていると、口呼吸になってしまうため、喉によくない鼻水が流れて喉にからんでしまい、喉の炎症を招きます。こまめに鼻水を吸引してあげるように気をつけましょう。
また、風邪や鼻炎など、鼻水の原因になっていることを改善してあげるように、医療機関を受診することもおすすめします。
病院を受診する3つの目安
声枯れの症状が、喉の病気が原因である場合は稀ですので、大抵は自然に治るものなのですが、病院を受診した方が良いケースもあります。でも、「声がかれているくらいで病院に行ってもいいの?」と迷ってしまいますよね。そこで、病院を受診する目安についてみていきましょう。
1熱が38度以上ある
声枯れの症状にプラスして、新生児の熱が38度を超える発熱症状が見られる場合は、喉がウイルスや細菌に感染している可能性が高く、症状を悪化させないためにも、病院を受診した方が良いでしょう。
発熱を伴う病気は、長引くと大人でもつらいので、抗生物質などの薬を服用して、早めに症状を和らげた方が、ママにも赤ちゃんにも負担がかかりません。
2鼻づまりがひどく呼吸が苦しそう
赤ちゃんは、自分で洟をかむことができないし、鼻の構造上、風邪などで鼻水が出ていると、鼻づまりしやすくなってしまいます。
鼻がつまっていると呼吸が苦しく、口呼吸になってしまうので、口の中が乾燥してしまい、喉にも悪影響を及ぼしてしまいます。さらに、鼻水が鼻の中にたまるということは、病原菌がたまりやすい状態であるのです。
この状態になると、副鼻腔炎などを引き起こしたり、鼻水が喉の方に下りて、喉の炎症や咳症状を引き起こしたりすることにもなるのです。
そうなると、ますます喉に悪影響を及ぼすので、風邪などが原因で鼻がつまるのであれば、病院を受診し、薬を服用するなどして、赤ちゃんの鼻づまりが悪化しないようにしましょう。
3声のかすれが改善しない
声帯を酷使し過ぎたことが原因であったり、風邪が原因であったりする場合の声のかすれ症状は、自然に回復していくものです。
しかし、一向に声のかすれが改善しないときには、何か別の病気の可能性も考えられますので、一度医療機関を受診すると安心ですね。
声のかすれは何科を受診すればいいの?
声のかすれ症状が出たら、何科を受診すべきか迷うところですが、赤ちゃんはウイルスや細菌に感染しやすく、声のかすれは喉の炎症が原因であることが多いため、まずはかかりつけの小児科を受診するようにしましょう。
そこで、ウイルスや細菌に感染しているかどうかの判断をしてもらうと良いです。
しかし、ウイルスや細菌に感染しておらず、発熱や鼻づまりなど風邪の症状が見られない場合や、明らかに泣きすぎが原因で声がかすれている場合は、喉に何かしらの原因があるということなので、喉の専門である耳鼻咽喉科を紹介してもらうと安心ですよ。
赤ちゃんの小児声帯結節に要注意!
「大声を出す」「長時間声を出し続ける」などの声帯の使いすぎによって、声帯がこすれ合う回数が増えて、声帯に小さなこぶのようなものができることを、小児声帯結節(しょうにせいたいけっせつ)と言います。声帯結節は良性のポリープで、基本的には喉を安静にすることで自然治癒します。
しかし、赤ちゃんはよく泣くので、喉を安静にすることも難しく、炎症を抑える薬を服用したり、薬を霧状に喉に噴射するネブライザー治療をおこなったりすることがあります。
一般的に、治療には数ヶ月から一年かかり、改善がみられない場合は、外科手術でポリープを切除することもあります。
赤ちゃんのハスキーボイスは治らないの?
赤ちゃんのハスキーボイス、「このまま治らなければどうしよう」と心配になることもあるでしょうが、病気でなければ基本的には自然治癒するので大丈夫。心配し過ぎて、ママのストレスにならないようにしましょうね。そのハスキーボイス、このときにしか聞けないものだと思って録音しておくのもアリかも!?
赤ちゃんは大人と違って、飴を舐めさせたりマスクを着用させたりなど、喉を保護する対処はできないし、赤ちゃんに泣くのを止めるように言うわけにもいかず、多少症状が長引くことがあります。声帯に負担をかける赤ちゃんのギャン泣きは、なるべくさせないように気をつけるようにしましょう。