離乳食を作らない離乳法に関する記事

ベビーレッドウィーニングとは 離乳食を作らない進め方と栄養・窒息の注意点

ベビーレッドウィーニングとは 離乳食を作らない進め方と栄養・窒息の注意点

赤ちゃんが自分の手で食べるBLWとは?始める時期や与える食事、栄養不足・窒息・アレルギーの注意点を、公的資料の考え方に沿って整理しました。

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離乳食を作らないイギリス流育児 ベビー・レッド・ウィーニングとは

「手間をかけて離乳食を作っても、赤ちゃんがなかなか食べてくれない」。そんなストレスを抱えたときに知っておきたいのが、イギリス発祥で欧米に広がっている、赤ちゃんが自分の手で食べる離乳法「ベビー・レッド・ウィーニング(BLW)」です。

この記事では、BLWの考え方とやり方に加えて、日本で取り入れるときにいちばん気をつけたい栄養・窒息・アレルギーのポイントを、厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」や消費者庁・消防庁の注意喚起と照らし合わせて整理しました。「家族に心配されない?」「栄養は足りるの?」「のどに詰まらせない?」という不安にもお答えします。

イギリス流の離乳は離乳食を作らない!?ベビー・レッド・ウィーニングとは

ブロッコリーを口にいれる赤ちゃん

ベビー・レッド・ウィーニングは、英語の「baby-led(赤ちゃんが主導する)」と「weaning(イギリスでは“離乳食を始めること”を指します)」を組み合わせた言葉です。日本語の「離乳=母乳やミルクをやめること」とはニュアンスが異なり、母乳・ミルクをやめる意味ではありません。親がスプーンで食べさせるのではなく、赤ちゃん自身が食べ物をつかみ、口へ運び、かじって飲み込む練習を重ねていく進め方です。

赤ちゃんは、首がすわり、おすわりをして、やがて歩いたり話したりと、自分の力で少しずつできることを増やしていきます。食事も同じように、好奇心を持って食べ物に触れ、口に入れる経験を繰り返すなかで、食べること自体の楽しさを学んでいく——これがBLWの基本的な考え方です。

ベビー・レッド・ウィーニング最大の特徴

「教える」のではなく「自ら学ぶ」という考え方が土台です。食材を細かくすりつぶしたり、おかゆを作ったりせず、野菜やお肉などを赤ちゃんがつかみやすい形にして目の前に置きます。最初は舐めるだけ、握るだけでもOK。食べ物に自分から向き合う時間を大切にします。

比べるポイント日本の一般的な離乳食ベビー・レッド・ウィーニング
開始の目安生後5〜6か月ごろおすわりが安定する生後6か月ごろ
食べ物の形すりつぶし〜きざみ手でつかめるスティック状など
食べさせ方大人がスプーンで与える赤ちゃんが自分で口へ運ぶ
栄養の考え方段階ごとに献立を組み立てる1歳ごろまでは母乳・ミルクが中心
おもな注意点食材や固さの段階管理窒息・栄養不足・アレルギー

離乳食を作らなくても栄養は足りる?ベビー・レッド・ウィーニングはミルクが栄養源

BLWは「食べる練習」と位置づけられ、1歳ごろまでの栄養の中心は母乳やミルクと考えられています。始めのうちは食べる量よりも「自分で食べる経験」を大切にする期間ととらえられているのです。

日本の離乳食のように成長段階ごとの献立を細かく組み立てる負担は軽くなりますが、栄養そのものを気にしなくてよいわけではありません。厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」でも、離乳が進む生後9か月ごろからは母乳・ミルクだけでは鉄が不足しやすく、赤身の肉や魚、青菜などで鉄を補うことがすすめられています。母乳育児が中心の場合はとくに、鉄欠乏性貧血やビタミンD不足に気をつけたい時期です。カルシウムやビタミン、DHA・EPAなどもバランスよく摂れるとよいでしょう。

イギリスは母乳育児を長く続ける割合が日本より低いともいわれ、粉ミルクの利用状況が異なります。栄養面をそのまま日本に当てはめて考えるのは難しいので、あくまで「進め方の一つ」として参考にしましょう。

離乳食を作らないベビー・レッド・ウィーニングのメリット

家族と一緒に食事をしている赤ちゃん

離乳食を作らずに済むのは大変魅力的ですが、栄養面の違いもあるため、日本で安易にそのまま導入するのは慎重に考えたいところです。とはいえ、離乳食を食べてくれない赤ちゃんの場合、進め方を工夫してみたくなりますよね。BLWには、次のようなメリットがあるとされています。

ベビー・レッド・ウィーニングのメリット

  • 成長の自然な流れのなかで、赤ちゃん自身が食べ方を覚える
  • すりつぶしなどの調理の手間が減り、時間や気持ちに余裕ができる
  • 栄養バランスを細かく計算するプレッシャーが減る
  • 無理に食べさせるストレスから解放される
  • 食材の色・におい・食感を五感で楽しみながら覚える
  • 赤ちゃん主体で食事に取り組める
  • 早くから家族一緒に食事を楽しめる
  • ママ・パパも自分の食事をゆっくりとれる

調理の手間が省け、手軽な食材から始められます。食事に慣れてくると大人の食事から取り分けられるので、離乳食にまつわる負担が軽くなります。

初期・中期の離乳食は、赤ちゃんだけが別の時間に食べる家庭も少なくありません。BLWでは赤ちゃんが親と同じ食卓を囲み、家族で一緒に食事をします。みんなで食べる楽しさを実感できるうえ、赤ちゃんが自分で食べるので、ママ・パパも自分の食事を味わえます。

赤ちゃんを一人の人として尊重するイギリスの子育て観

人参を丸かじりする赤ちゃん

BLWがイギリスで広まった背景には、乳幼児であっても「一人の人格を持つ個人として尊重する」という子育て観があります。早い時期から本物に触れさせて五感を刺激し、実体験を重ねることで成長を促すという考え方です。

例えば、イギリスでよく取り入れられている「トレジャーバスケット(宝物の詰まったカゴ)」という遊びがあります。金属のスプーンやボール、空き瓶などの“本物”をカゴに入れ、触れた感触や音、動きを赤ちゃん自身が確かめる知育遊びです。大人は見守り、寄り添い、声をかけて信頼関係を築きます。赤ちゃん主体で進めるBLWと通じるものがありますね。

ベビー・レッド・ウィーニングのやり方

日本では生後5か月ごろから抱っこして離乳食を始める家庭もありますが、BLWは赤ちゃんが自分でおすわりでき、消化の力もついてから始めるため、生後6か月を過ぎてからスタートします。次のようなサインが目安です。

  • 支えなしでおすわりが安定している
  • 食べ物に興味を示し、手を伸ばす
  • つかんだものを自分で口へ運べる

家族と一緒に食事をすることが大切なので、食物アレルギーに備えて、平日の朝ごはんから始めると安心です。まずは下ゆでして細めのスティック状に切った野菜を赤ちゃんの前に置きましょう。つかんだり舐めたりし始めたら、それがスタートの合図です。

おすわりが早い赤ちゃんでも、生後6か月未満で始めるのはNG。やわらかく下ごしらえしてから与え、のどに詰まらせないよう、食事中は赤ちゃんから目を離さないようにします。

テーブルや床が汚れてもいいように、新聞紙やレジャーシートを敷くと片付けが楽になります。BLWは赤ちゃん主導のため、どうしても本人もまわりも汚れがち。作る手間は減りますが、片付けの面では少し大変です。

離乳食は作らないけどベビー・レッド・ウィーニング用の食事は必要

離乳食を作らないと聞くと、家族から「うちの嫁は離乳食を作らない」と誤解されたり、周囲に心配をかけたりしそうです。確かに、ママが食べているラーメンを取り分けたり、キムチや漬物など塩分や刺激の強いものを与えたりすれば、だれでも心配するでしょう。

離乳食を作らない意味を誤解しないで!

ベビー・レッド・ウィーニングは、大人と同じものを何でも食べさせる離乳法ではありません。

味が濃いラーメン

大人の食事を欲しがるからと、アレルギーの出やすい食べ物や味の濃い食べ物、のどに詰まりやすい食べ物を与えるのは危険です。イギリスでBLWを実践しているママ・パパも、安全に配慮した食事を用意しています。

「離乳食を作らない」とは、あくまで「おかゆやすりつぶしなど、赤ちゃんしか食べない専用食を作らない」という意味。手間は少なくても、BLW用に安全な食事は用意します。

離乳食を作らないならどんな食事を与えるの?

おかゆや専用の離乳食を作らないなら、どんな食事を用意するのでしょう。BLW用の食事を段階別に見ていきましょう。

生後6ヶ月頃のスタート期は加熱した手づかみ野菜から

やわらかく蒸したサツマイモ

アレルギーが出にくい野菜を、やわらかく茹でたり蒸したりして与えます。日本で離乳食初期に与えられる野菜のうち、加熱しても手づかみしやすいものがおすすめです。

例えば…

  • にんじん
  • かぼちゃ
  • 大根
  • サツマイモ
  • じゃがいも
  • ブロッコリー
  • アスパラガス
  • バナナ

固さは歯茎で押しつぶせる程度、日本の離乳食中期くらいが目安です。親指と人差し指で簡単につぶれるくらいにします。

生野菜は与えません。この点は日本と同じで、赤ちゃんは菌への抵抗力が弱いため、加熱してから与えると安心です。慣れてきてきゅうりなどをスティック状にする場合も、さっと湯通ししてから与えましょう。

食事に慣れてきたらおにぎりや加熱した肉を増やす

うどん

慣れてきたら肉などの食材も増やします。大人と同じ食材に徐々に近づけていきますが、味付けはしません。

例えば…

  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • うどん
  • パスタ
  • 十円玉大の白おにぎり
  • 蒸した鶏ササミ

魚の骨、えび・かになどの7大アレルゲンには注意。与える食材は日本の離乳食の基準に合わせると安全です。ナッツ類やはちみつ(1歳未満はNG)など、日本で避けるべきとされる食品も与えません。ミニトマトやうずらの卵など丸いものは、必ずカットしてから与えましょう。

1歳前後は家族の食事を味付け前に取り分ける

ハンバーグ

家族の食事を、味付けする前に赤ちゃん用として取り出して与えましょう。ソースをかける前のハンバーグなどがおすすめです。取り分けができるようになると調理の手間がぐんと減り、家族一緒に食べる喜びも味わえます。

赤ちゃんに与える前に気をつけたい食材と切り方

手づかみ食べでいちばん怖いのが窒息です。消費者庁も、丸くてつるっとした食品やかたい食品は事故につながりやすいと注意を呼びかけています。次のように工夫しましょう。

食材与え方の工夫
ぶどう・ミニトマト4分の1以下に小さく切る(丸のままは避ける)
ナッツ・かたい豆5歳ごろまで丸ごとは与えない
生のにんじんなどかたい野菜やわらかく加熱してから
もち・白玉・こんにゃくゼリー乳幼児には与えない
かたまりの肉・大きな食片一口で入りきらない大きさに調整

ベビー・レッド・ウィーニングは窒息・誤嚥への備えを忘れずに

BLWでは、赤ちゃんがよく「オエッ」とえずきます。異物を押し出す反射(催吐反射)が起こる位置が大人より前方にあるため、えずくこと自体は基本的に心配いりません。ただし、食べ物が奥まで入って気道をふさぐと、えずくこともできず窒息する危険があります。

そのため、BLWは誤嚥・窒息時の応急手当を知ってから始めることが大切です。食事中だけでなく、赤ちゃんは興味のあるものを口に入れることがあります。万が一に備えて、次の流れを確認しておきましょう(東京消防庁などが案内している方法です)。

  • のどに詰まらせたら、背中を強く叩く「背部叩打法」と「胸部突き上げ法」を交互に行う
  • 反応がなくなったら、ただちに119番通報し、心肺蘇生を始める
  • 口の中の異物は、見えていて取り出せるものだけを除去する(見えないものを無理に探らない)

BLWは「見守る」のが基本ですが、いざという時に備え、赤ちゃんが食事をしている間は決して目を離さないようにしましょう。

ベビー・レッド・ウィーニングのよくある質問

いつから始められますか?

おすわりが安定し、食べ物に興味を示し、手を口へ運べるようになる生後6か月ごろが目安です。おすわりが早い赤ちゃんでも、生後6か月未満で始めるのは避けましょう。

栄養は本当に足りますか?

1歳ごろまでは母乳・ミルクが栄養の中心ですが、生後9か月ごろからは鉄が不足しやすくなります。赤身の肉・魚や青菜などで鉄を補い、心配なときは乳幼児健診で相談すると安心です。

普通の離乳食と組み合わせてもいいですか?

問題ありません。すりつぶした離乳食と手づかみメニューを併用しても構いません。「全部を手づかみに」と気負わず、赤ちゃんとママ・パパに合うバランスで取り入れましょう。

のどに詰まらせないか心配です

ぶどうやミニトマトは小さく切り、ナッツ・生の野菜・もちなどは避けます。食事中は必ずそばで見守り、万が一に備えて応急手当を確認しておきましょう。

離乳食を食べない子のママは気持ちを楽に!

こうして見ると、BLWは作る手間はかからないぶん、見守りには神経を使います。それでも、離乳食を食べてくれない赤ちゃんに無理に食べさせたり、悩みながら作り続けたりするより、少し肩の力を抜いて「赤ちゃんに任せてみる」考え方を取り入れてみるのも一つの手です。

「ベトベトの離乳食は食べないのに、中期になった途端に食べ始めた」「手づかみを自由にさせたら食事への興味が増した」という赤ちゃんも多いもの。離乳食が進まないことがママの大きな負担になってしまうこともあります。

離乳食作りがつらいと感じているなら、世界にはさまざまな進め方があることを知って、少し気持ちを楽にしてください。安全のポイントさえ押さえれば、ママも赤ちゃんも笑顔で楽しめる食事の時間になりますよ。

まとめ

ベビー・レッド・ウィーニングは、赤ちゃんが自分のペースで「食べる力」と「食べる楽しさ」を育てる離乳法です。日本で取り入れるときは、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 始めるのはおすわりが安定する生後6か月ごろから
  • 1歳ごろまでは母乳・ミルクが栄養の中心。後期は鉄不足に注意
  • 丸いもの・かたいもの・もちは避け、窒息対策と見守りを徹底
  • はちみつ(1歳未満)や濃い味つけ、7大アレルゲンは日本の離乳食の基準に合わせる
  • 普通の離乳食と併用してOK。無理なく続けられる形で
この記事を書いたライター
小森ひなた

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪

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