離乳食後期(生後9〜11か月)の食事は何グラム?量の目安まとめ
離乳食後期になると食事からとる栄養が増え、「量が足りているかな」と心配になりますね。この記事では、厚生労働省の指標をもとに、離乳食後期の1回の食事量や栄養素別の目安量、おやつ・水分・フォローアップミルクの目安をまとめました。
大前提として、この時期の赤ちゃんはムラ食いも多く、毎日ぴったり目安量を満たせないのが普通です。神経質になりすぎず、「1週間くらいの単位で見て、だいたい食べられていればOK」とおおらかに考えましょう。ママ・パパが焦ると、赤ちゃんの食欲や好き嫌いに影響することもあります。食べる量には個人差がありますので、赤ちゃんのペースに合わせて進めてくださいね。
離乳食後期は「歯ぐきでつぶせる固さ(バナナくらい)」が目安で、1日3回食に進む時期です。離乳食からとるエネルギー・栄養は1日に必要な量の6〜7割程度が目安とされ、残りは母乳や育児用ミルクで補います。以下の目安量は「1日に必要な量」であり、離乳食だけですべてを満たす必要はありません。
離乳食後期の1回の食事量【早見表】
| 区分 | 1回の目安量 |
|---|---|
| 主食(炭水化物) | 全がゆ90g、または軟飯80g |
| 主菜(タンパク質) | 魚・肉15g/豆腐45g/卵1/2個/乳製品80g のいずれか1品 |
| 副菜(野菜・果物) | 合わせて30〜40g |
まずはこの3グループをそろえるイメージで献立を組むと、栄養バランスが取りやすくなります。以下で栄養素ごとの目安を詳しく見ていきましょう。
離乳食後期に必要なタンパク質の量
厚生労働省の指標では、離乳食後期(生後9〜11か月)のタンパク質の1日の目安量は25gです。これは食材に含まれる純粋なたんぱく質の量を指します。食材によって水分やたんぱく質の含有量が異なるので、食材ごとの目安量で覚えておくと便利です。
食材別目安量(1回の食事)
- 肉・魚 15g
- 豆腐 45g
- 卵 1/2個
- 乳製品 80g
※肉・魚・豆腐・卵・乳製品は、どれか1種類を選んで与えましょう。
作るたびにキッチンスケールで計量すると時間がかかります。食材ごとに大さじ1杯が何グラムかを一度計っておくと、その後は計量の手間が省けて調理時間を短縮できます。
後期に入ると、食べられるタンパク質源は量も種類も増えます。同じ肉や魚でも種類によってたんぱく質量は倍以上違うことも。いろいろな食材に挑戦すると、たんぱく質をバランスよくとりやすくなりますよ。
離乳食後期に必要なビタミンの量
ビタミンにはさまざまな種類があります。ここでは生後9〜11か月の赤ちゃんに必要なビタミンの種類別の1日の目安量・上限量と、1回の離乳食で野菜や果物を与える量を紹介します。栄養素によっては過剰摂取に注意すべきものがあるため、多く含む食品を与えるときは頻度や量に気をつけましょう。
| 種類 | 1日の摂取目安量 | 上限量 |
|---|---|---|
| ビタミンA | 400µgRAE | 600µgRAE |
| ビタミンB1 | 0.2mg | |
| ビタミンB2 | 0.4mg | |
| ビタミンB6 | 0.3mg | |
| ビタミンB12 | 0.5µg | |
| ビタミンC | 40mg | |
| ビタミンD | 5µg | 25µg |
| ビタミンE | 4mg | |
| ビタミンK | 7µg | |
| ナイアシン | 3mgNE | |
| 葉酸 | 60µg |
種類は多いですが、これらは1日を通して母乳・ミルクも含めて摂れれば十分で、離乳食だけで完璧に満たす必要はありません。いろいろな食材を組み合わせることが自然な近道です。とはいえ「どのくらいの野菜や果物を与えればいいの?」と迷いますよね。1回の目安量は次のとおりです。
野菜・果物の目安量(1回の食事)
野菜・果物を合わせて1回30〜40g
同じ野菜や果物でも、旬のものは栄養価が高く、価格も手ごろです。冷凍野菜や冷凍果物は旬に収穫して冷凍したものが多く、保存がきいて便利なうえ栄養価も期待できます。旬の食材と冷凍食品を上手に使い分けましょう。
離乳食後期に必要なミネラルの量
ミネラルとは、酸素・炭素・窒素・水素という主要な4元素以外の栄養素の総称です。骨や歯をつくるカルシウムやリン、体内の水分バランスにかかわるカリウムなどが代表的です。
ミネラルは不足しても摂りすぎても体の調子に影響するため、目安量を意識しながらバランスよく取り入れたい栄養素です。ここでは厚生労働省の指標をもとに、離乳食後期(生後9〜11か月)に必要なミネラルの目安量を紹介します。ナトリウムはカッコ内に1日の食塩相当量も示しました。塩分は肉や野菜にももともと含まれるため、味付けが濃いとすぐに摂りすぎてしまいます。赤ちゃんには大人よりかなり薄味を心がけましょう。
| 種類 | 1日の摂取目安量 | 上限量 |
|---|---|---|
| ナトリウム | 600mg(1.5g) | |
| カリウム | 700mg | |
| カルシウム | 250mg | |
| マグネシウム | 60mg | |
| リン | 260mg | |
| 鉄 | 男5mg/女4.5mg | |
| 亜鉛 | 3mg | |
| ヨウ素 | 130µg | 250µg |
後期のミネラルで最も注目したいのが鉄です。鉄は離乳食後期に不足しやすい栄養素で、赤身の肉・魚やレバーなどで意識して取り入れましょう。ビタミンCと一緒にとると吸収率が高まります。不足が続くと、後期に多い鉄欠乏性貧血につながることがあります。
ミネラルやビタミンは種類が多く、一つひとつの目安量を計算しながら作るのは大変です。偏りをなくし、いろいろな食材をバランスよく組み合わせることを心がければ自然と摂りやすくなります。鉄が心配なときは、フォローアップミルクを補助的に活用するのも一つの方法です。
離乳食後期に必要な炭水化物(糖質)の量
後期になるとお粥を食べる量がぐんと増え、進みが早い赤ちゃんは軟飯を食べ始める頃でもあります。注意したいのは、炭水化物の目安量は含まれる水分量で変わるという点です。
水分が多いお粥など
水分の多いお粥などを与える場合、1食あたりの目安量は90gです。3食すべてお粥だと飽きてしまうこともあるので、ほかの炭水化物も取り入れて献立を考えましょう。水分が多くて食べさせやすいのは、パン粥や柔らかく煮込んだうどんなどです。
水分が少ない軟飯など
軟飯はお粥より水分が少ないため、1食80gを目安にします。毎食きっちり同じ量は大変なので、1食でだいたい80g程度食べられていれば十分です。麺類も人気で、ホワイトソースで柔らかく煮込んだスパゲッティやマカロニは食べさせやすいので、献立に取り入れてみましょう。
米以外の炭水化物
後期になると、米以外にもさまざまな主食を食べられるようになります。米以外の食材の目安量は次のとおりです。
<米以外の食材の目安量>
- 食パン・・・8枚切り2/3枚
- そうめん・うどん・・・乾麺2/5束
- スパゲッティ・マカロニ・・・20本
- サツマイモ・・・50g
- ジャガイモ・・・小1個弱
離乳食後期のおやつはどうする?
後期は基本的に3回の食事で1日に必要な栄養をとるのが理想で、おやつ(補食)は必須ではありません。おやつが本格的に役立つのは、活動量が増えて食事だけでは足りなくなる完了期(1歳〜1歳半ごろ)からです。
後期に少し与える場合でも量は控えめにし、1回20kcal程度(バナナ1/5本、赤ちゃん用ビスケット1〜2枚まで)を目安にしましょう。おやつでお腹がいっぱいになって食事が進まなくならないよう気をつけます。
離乳食後期に必要な水分の量
後期になると、母乳やミルク以外にお茶や水などでとる水分も増えてきます。赤ちゃんの体は大人よりも水分の割合が高いといわれ、こまめな水分補給が大切です。ここでは目安量と、水分不足・過剰の影響を確認しておきましょう。
離乳食後期の水分摂取量
1日の水分摂取量の目安は、体重1kgあたり約100mlです。次の式でおおよその量を計算できます。
1日に必要な水分量(ml)=お子さんの体重(kg)×100
ただし、これには母乳やミルクからとる水分も含まれます。お茶や水で飲む量は離乳の進み具合によって変わり、汗を多くかいたときはその分足してあげます。
母乳育児だと飲んだ量がわかりにくく不安になりますが、気温や汗のかき具合など赤ちゃんの様子を見て調節すればOK。外出後や入浴後、暑い日など、大人がのどの渇きを感じるタイミングで赤ちゃんにも水分をあげるとよいでしょう。
水分不足・過剰に気をつけて
赤ちゃんは腎臓の機能が未発達で、尿を濃縮する力が未熟です。そのため一度に大量の水分を飲ませると、血液中の塩分濃度が薄まる「水中毒」を起こすことがあります。ミネラルバランスが崩れて体調不良につながることもあるので、一度にたくさん飲ませず、20〜30ml程度をこまめに与えましょう。
1日の目安より明らかに多く飲んでいると感じるときは、欲しがるのを無理に我慢させるのではなく、1回に与える量を減らして調節します。
反対に、おしっこの量や回数が急に減った、唇が乾いているといった場合は水分不足のサインかもしれません。放っておくと脱水につながることもあるため、特に暑い季節は注意し、外出時は赤ちゃん用の水筒に白湯や水を入れてこまめに補給してあげてください。
離乳食後期に必要なフォローアップミルクの量
後期になるとフォローアップミルクを使う家庭も増えます。フォローアップミルクは、3回食に進んだ赤ちゃんが離乳食だけでは栄養を十分に補えないときに使うもので、牛乳より鉄が多く含まれているため、後期に不足しやすい鉄の対策として役立ちます。使えるのは生後9か月頃からが目安です。
飲ませるときの量の目安
フォローアップミルクは、あくまで離乳食で不足しがちな栄養を補うためのもの。「離乳食はあまり食べないけれど、フォローアップミルクをたくさん飲んでいるから大丈夫」というものではありません。鉄などは補えても、すべての栄養素の必要量を満たせるわけではないからです。
頼りすぎると、この時期に育てたい「噛む力」が伸びにくくなり、離乳食をさらに食べなくなってミルク依存が進む悪循環にもなりかねません。飲ませすぎには注意しましょう。
目安としては、食事の後やお風呂上がりなどに1日3〜4回、1回150ml程度までにしておくと摂りすぎの心配は少なくなります。
離乳食の進み方やフォローアップミルクの与え方に不安があるときは、かかりつけの小児科や乳幼児健診で相談してみましょう。保健センターなどの育児相談を活用するのもおすすめです。
赤ちゃんによっては飲ませる必要なし
フォローアップミルクは、すべての赤ちゃんに必要なものではありません。完全母乳の赤ちゃんは嫌がる傾向もありますが、3回の離乳食をしっかり食べていて食べムラも少ない赤ちゃんなら、無理に飲ませる必要はありません。
噛む力は離乳が完了する1歳半ごろまでによく育つといわれます。離乳食を食べないときは好きなものに混ぜるなどの工夫をし、フォローアップミルクに頼りすぎず、できるだけ自分で噛む機会を増やしてあげましょう。
離乳食後期の量に関するよくある質問
目安量どおりに食べてくれません。大丈夫?
食べる量には大きな個人差があり、毎日ぴったり満たせなくても心配いりません。1週間くらいの単位で見て、だいたい食べられていればOK。離乳食からとる栄養は1日に必要な量の6〜7割程度が目安で、残りは母乳・育児用ミルクで補われます。体重が増えていれば大きな問題はないことが多いですが、気になるときは健診で相談しましょう。
鉄が足りているか心配です
後期は鉄が不足しやすい時期です。赤身の肉・魚、レバー、青菜などを意識して取り入れ、ビタミンCの多い野菜・果物と組み合わせると吸収が高まります。それでも不安なときはフォローアップミルクを補助的に使う方法もあります。
味付けはどのくらいまでOK?
赤ちゃんの内臓に負担をかけないよう、大人よりかなり薄味が基本です。だしや素材の風味を生かし、調味料はごく少量に。塩分は肉や野菜にももともと含まれるため、濃い味付けは避けましょう。
おやつは必ずあげたほうがいい?
後期は3回の食事が基本で、おやつは必須ではありません。おやつ(補食)が役立つのは、食事だけでは足りなくなる完了期(1歳〜1歳半ごろ)からです。与える場合も1回20kcal程度の少量にとどめましょう。
まとめ
離乳食後期(生後9〜11か月)の量は、次のポイントを押さえておけば安心です。
- 1回の目安は、主食(全がゆ90g/軟飯80g)+タンパク質源1品(肉魚15g・豆腐45g・卵1/2個・乳製品80gのいずれか)+野菜果物30〜40g
- 表の目安量は「1日に必要な量」。離乳食だけで満たす必要はなく、母乳・ミルクと合わせて考える
- 後期は鉄が不足しやすい。赤身肉・魚やレバーを意識し、ビタミンCと一緒に
- 味付けは大人よりかなり薄味に。水分は20〜30mlをこまめに
- おやつは必須ではなく、フォローアップミルクは必要な子だけ補助的に
- 毎日きっちりより、1週間単位でおおらかに。心配なときは健診で相談を



