エコー写真の見方~超音波検査から分かること
妊娠すると、妊婦健診の際、病院からエコー写真をもらうことってありますよね?かわいい赤ちゃんの姿が写ったエコー写真を見ると、お腹に赤ちゃんがいるという実感がわいてくるものです。
そのエコー写真をよーく見てみると、赤ちゃんの画像だけではなく、横の方にいろいろな数値が書かれていませんか?それって何を示しているのか、よく分からないママも多いのではないでしょうか。
実は、エコー写真には、赤ちゃんの状態を表すさまざまな情報が詰まっているんです。お腹の赤ちゃんの成長を知るためにも、知っておくべき知識といえることから、今回は、超音波検査を行う目的やエコー写真について徹底解説。
特に、最近妊娠が発覚した新米妊婦さんは、これから紹介するエコー写真に記載されている情報の意味や写真の保存方法などについて、ぜひ参考にしてください。
そもそも超音波検査の目的は?
一般的に超音波検査は、妊娠初期から23週までに2回、妊娠中期の24週から35週までと、妊娠後期の36週以降にそれぞれ1回ずつ行われます。超音波をあてて子宮の中を検査して、主に次のようなことを調べます。
妊娠を確定する
「妊娠したかも?」という兆候があった場合、産婦人科では、尿検査のほかに超音波検査が行われます。そして、妊娠初期の6~8週頃に、超音波検査によって胎のうと心拍が確認された場合、妊娠したと診断されるのです。
その際、超音波検査では、「胎嚢(たいのう)」という赤ちゃんが入っている袋が見えるか?さらに、赤ちゃんになる前の姿の「胎芽(たいが)」があるかどうかを確認します。
胎児の状態を知る
超音波検査で、胎児の大きさを計測して、順調に成長しているかどうかを判断します。また、胎児の心拍数からは赤ちゃんの状態や臍帯・胎盤の異常などを知ることができ、モニタリングすることで総合的に胎児が良好な状態(well-being)かどうかの確認も行われます。
さらに詳しく、赤ちゃんの脳・心臓・内臓の状態や、羊水の量に異常がないかが分かることもあります。
出産方法を決める目安にする
超音波検査で、赤ちゃんの様子を調べることで、自然分娩が可能かどうかを判断します。例えば、赤ちゃんが逆子だと分かった場合は、自然分娩できるのか?または、帝王切開が望ましいか?ということを検討する材料にします。
また、低置胎盤などのような胎盤の位置に問題が起きていないか、へその緒が赤ちゃんに絡まっていないか、などの確認を行います。そのほかには、胎児のサイズを測定して、その結果から分娩予定日を確定することも可能です。
エコー写真から赤ちゃんの性別が分かることも
エコー写真から赤ちゃんの性別が分かることも
エコー画像で、胎児の2本の足の間にピーナッツのようなものが見えたら男の子、コーヒー豆のようなものが見えたら女の子だと判断されます。ただし、角度によってはっきりと確認できない場合があるため、女の子だと思っていたら男の子だったということもあるようです。
超音波検査の方法
超音波検査では、妊娠週数や調べたい内容に応じて2つの方法が行われています。それぞれの方法について、どのように検査するのかを見ていきましょう。
経膣エコー
胎児が小さい妊娠初期から妊娠12週くらいまでは、プローブと呼ばれる棒のような機器を、膣に挿入して検査する経腟エコーが行われます。その際は、胎嚢が子宮内にあるかどうか、胎児の心拍数なども確認されます。
経腹エコー
経腟エコーではプローブの周囲しか確認できないことから、妊娠中期になって赤ちゃんがある程度大きくなってきたら、広い範囲を検査するために、お腹に塗ったジェルの上にプローブをあてて検査するこ経腹エコーに切り替えます。
知っておきたいエコー写真の略語
産院でもらうエコー写真の画像を見ていて、いろいろと書いてある数字の意味が気になりませんか?それぞれの意味が分かると、お腹の赤ちゃんのことをもっと知ることができますよ。
ここからは、エコー写真に書かれている略語の意味についてご説明します。
胎児の大きさ
赤ちゃんの大きさは、超音波検査によって測定した胎児の各部位の長さによって示されます。各部の記号や意味は次のとおりです。
- GS(Gestational Sac):胎嚢の大きさ
- CRL(Crown Rump Length):頭からお尻までの長さ
- BPD(Bi-Parietal Diameter):頭の横幅
- HL(Humerus Length):二の腕の長さ
- FL(Femur Length):大腿骨の長さ
- APTD(Anterior-Posterior Trunk Diameter):お腹の前後の長さ
- TTD(Transverse Trunk Diameter):お腹の横幅
- AC(Abdominal Circumference):お腹周りの長さ
- SL(Spine Length):脊椎の長さ
妊娠検査では、計測した胎嚢の大きさ(GS)と心臓がピコピコと動いている心拍によって、妊娠しているかどうかが確定されます。
また、太ももの長さ(FL)は、胎児の骨の発育を知るための目安となる重要な数値なので、覚えておきましょう。
その他の情報
超音波写真には、赤ちゃんの計測した数値のほかに、基礎的な情報や測定値から求められた数値も記載されています。主な情報については、次のとおりです。
- DEL(Delivery):出産予定日
- EDD(Expected Date of Delivery):分娩予定日
- AGE:妊娠週数
- AFI(Amniotic Fluid Index):羊水の量
- FTA(Fetal Trunk cross section Area):お腹周りを輪切りにした部分の面積
- EFW(Estimated Fetal Weight):胎児の推定体重
一般的に知られている出産予定日(DEL)に対して、分娩予定日(EDD)は測定値から推定される予定日です。また、妊娠週数(AGE)は、W(week)とD(day)によって表され、例えば、12週と1日の場合は「12w1d」と表記されます。
妊婦さんが気になる数値の一つともいえる胎児の成長の具合は、胎児の推定体重(EFW)で分かります。EFWは、BPD、FL、APTD、TTDによって算定されます。
そのほか、羊水量(AFI)によって、羊水過多か羊水過少の状態なのかどうかということが分かります。
エコー写真でアルバムを作ろう
せっかくなので、もらったエコー写真でアルバムを作ってみませんか?妊娠中のよい思い出となるほか、生まれてきた子供が成長したら、お腹の中にいた時の様子を見せることもできますよ。
ここでは、エコー写真アルバムを作ることができるおすすめの商品やサービスをご紹介します。
ファミリア エコー写真アルバム
ファミリア
1,200円 + 税
NHKの朝ドラ「べっぴんさん」のモデルにもなったファミリアの、かわいらしいエコー写真アルバムです。
エコー写真や生まれた赤ちゃんの写真を保存できるページと、ママの気持ちを書き込む欄があるので、出産の記録として残しておくことができます。
ジェラートピケ コウノトリエコー写真アルバム
ジェラートピケ
2,400円 + 税
コウノトリのプリント柄がかわいい写真アルバムです。リングタイプのファイルになっていて、好みの台紙を使ってアレンジすることができます。
カメラのキタムラ おなかのフォトブック
カメラのキタムラ
3,000円 + 税
エコー写真を高品質のフォトブックに仕上げてくれるサービスです。
エコー写真から命名書、出産届まで、いろいろと入れておくことができるので思い出の一冊が作れます。
たまひよ 超音波写真&マタニティアルバム
ベネッセ
1,990円 + 税
超音波写真とコメント用紙を入れることができるポケット付きのアルバムです。付属の月齢インデックスやデコシールで、分かりやすくまとめることができます。
エコー写真アルバム「10ツキ10カものがたり」
アルバムえほん
800円 + 税
お腹の赤ちゃんがママにおはなしするストーリーとともに、エコー写真を保存できるようになっています。母子手帳と一緒に持ち歩けるサイズなので、もらった写真をすぐに収納できて便利です。
エコー写真を保存する際の注意点
エコー写真は、一般的に「感光紙」と呼ばれる紙に印刷されるため、光を浴びることで時間とともに変色してしまいます。大切な思い出として残したいという場合は、次のような方法で保存するといいでしょう。
- エコー写真のコピーをとる
- スキャナーで取り込んでデータ化する
- デジタルカメラでエコー写真を撮影する