お手伝いの習慣が身につく育て方で喜んで働ける子供に育てよう
お手伝いを習慣化させるには、日ごろから慣らして自分が家族の役に立っていると実感させることが重要。
ところが実際は教えたりミスをフォローしたりするのが面倒で、「ママがやるからもういいよ」となってしまいがちです。
そこで今回は、子供にお手伝いをさせるメリット、ママやパパが気を付けたい注意点、子供のお手伝いを習慣化させるための工夫などを紹介します。
子供にはお手伝いをさせるべき?4つのメリット
子供にお手伝いをさせると、大人にとっては却って手間や負担が増えることもあります。しかし、それでも子供にお手伝いをさせるメリットはたくさんあるのです。
1責任感や自己肯定感が育つ
行動面だけでなく、子どもの心を育てるという点においてもお手伝いをさせることは大きなメリットになります。
どんな些細なお手伝いでも、ママパパから「お願いね」と任されることで、子供は「自分は家族から頼られている」「必要とされている」と感じ、期待に応えたいという責任感が芽生えます。
また、お手伝いを達成して「ありがとう」と家族から感謝される経験を積むことで、自分は大切にされていると自信を持ち、自己肯定感を高めることにつながるのです。
2自立につながる
経験していなければ、大きくなっても洗濯物の畳み方が分からない、脱いだ靴下もそのまま、白米の洗い方も知らない…ということになりかねません。
自分一人で生きていく力の基礎を幼児の頃から身に付けるのに、お手伝いは最適の方法です。
お手伝いをする中で、自然と身の回りのことが自分でできるようになると自立につながります。お手伝いは、自然と家事の流れを覚え、自分で自分のことができるようになるチャンスなのです。
3親子間のコミュニケーションにつながる
お手伝いは、パパやママと子供の間にコミュニケーションがなければできないことです。
お手伝いをさせるために大人は余分に時間をかけ、手間がかかるかもしれませんが、その分子供と向き合う時間は増えます。
「子供にテレビを見せている間に、大人だけでさっさとやった方が家事は捗る」というのが親の本音ではありますが、お手伝いによって子供と関わる時間を増やしていると考えて、お手伝いを身に付けさせましょう。
4考える力や行動力が身につく
普段からやっていないことを急にやってと言われても、大人でも戸惑ってしまうものではないでしょうか。普段からお手伝いをしている子は、状況に応じてどうしたらいいかを判断する力が身につき、とっさに行動に移すことができるようになります。
例えば、普段からぞうきんを使うお手伝いをしている子は、学校で給食をこぼした子がいたら、自然にぞうきんを持ってきて床を拭くことができますよね。
このように「こういう場合はどうしたらいいか」と自分で考え、行動する力を身に付けるには、普段からお手伝いをして経験をしていることが重要なポイントとなります。
子供にはお手伝いをさせる3つのデメリット
子供にお手伝いをさせるデメリットは、小さい頃も大きくなってからもあります。あるテレビ番組で子供を3人東大理Ⅲに合格させた佐藤ママと教育評論家の尾木ママがお手伝いについて意見が対立していましたが、子育てへの考え方によってはお手伝いにこんなデメリットがあると感じる人もいるんです。
1勉強時間がなくなる
佐藤ママのように東大理Ⅲに子供を入れようと思えば、お手伝いさせる時間すらもったいなくなるでしょう。
塾の宿題が大量にあるので、既に学習を終えている学校の宿題すらする暇がなく、親が手伝ったりするのですから、お手伝いをさせることは勉強へのデメリットとなってしまいます。
家事労働をできるようになる必要がないと考えているのではなく、東大に入れるほど学習能力が高くなっていれば、お手伝いなんて自立の段階で少し教えるだけであっという間にできるようになるという考え方なのです。
2自分でやるより親の負担が増える
小さな子供がお手伝いを自らしたくなるのは、ママやパパの真似を下がる1歳以降。当然やらせてもまともに働けません。
イヤイヤ期と重なってしまうと、雑巾の絞り方ひとつ教わるのも嫌がり、びちょびょちのまま拭くことも。
お手伝いをさせるにはスムーズにこなせるようにママやパパの準備やフォローが必要になり、忙しい育児中だからこそ逆に手間の面でデメリットになってしまいがちです。
3怒ると逆にお手伝い嫌いな子に育つ
自主的なお手伝いと言っても、幼児期はママやパパを助けるという意識や家族の一員として責任を担う意識が薄く、途中で飽きて遊んでしまうことも。真面目にやる子でも低年齢のため大人のようにはできません。
「仕事は責任をもってきちんとやりなさい」なんてママやパパが怒ったり、感謝を伝えず「養ってもらっているんだから当たり前だ!」と上から目線で働かせたりすると、親の態度からお手伝い嫌いになることがあります。
子供の年齢に合うおすすめのお手伝い
お手伝いは年齢に合ったことをさせるようにし、できるようになったら少しずつレベルアップした内容を与えましょう。
年齢別にオススメのお手伝いを例に挙げていきますので、お子さんの年齢に合ったお手伝いを選んでトライしてみましょう。最初は完璧にこなすことが目的ではなく、遊び間隔で大人と一緒にお手伝いを始めてみてくださいね。
3歳くらいまでの子向けのお手伝い
・洗濯物の取り込み(ピンチから外してカゴに移すなど)
・下の子用のおむつやおしりふきを持ってきてもらう
・お箸を並べる
・ゴミ捨て(ゴミを渡してゴミ箱に入れてもらう)
園児向けのお手伝い
・サラダの水を切って盛り付ける
・簡単な調理(泡立て器を使って混ぜる作業、クッキーの型抜きなど)
・タオルや靴下、子供の衣類など簡単なものを畳む
・机の上を布巾で拭く
小学生以上の子向けのお手伝い
・皿洗い
・洗濯を干す、取り込む、畳む(全てではなくどれか一つでもOK!)
・ゴミ出し
・お風呂掃除
・お花の水やり
・郵便受けから手紙や新聞を持ってくる
・料理(火や包丁を使う場合は保護者の監視のもと)
・お米をとぐ
お手伝い嫌いにさせないで!パパやママが注意したい4つのこと
子供にお手伝いを無理やりさせても、パパやママの接し方で働く喜びを感じられなくなり、最終的にお手伝い嫌いにさせてしまっては元も子もありません。
子供がお手伝いと気持ちよく向き合うために、パパやママは子供にお手伝いさせる上でのポイントを意識し、子供の気持ちを汲み取るようにしましょう。
1お手伝いに時間が掛かってもグッと我慢する
お子さんが小さいうちやまだ慣れないうちは、お手伝いするにも時間がかかるものですよね。大人がやってしまった方がよっぽど早く進むのですが、ここはグッと我慢です。
時間がかかっても、自分ひとりでお手伝いが最後までできたという達成感がお子さんを成長させます。
「早くして」と急かしたり、「ママがやるからもういいわ」とお手伝いを途中で取り上げたりしてしまうと、お子さんが成長する芽をつんでしまい、次のステップへとつながらなくなってしまいます。
お手伝いを習慣化するキッカケは、パパやママが子どもを信じて気長に見守ることだと心得ましょう。
2失敗しても強く叱らない
お手伝いをしてもらった結果、うまくいかないことももちろんありますよね。しかし、そんな時、強く叱ってしまうと、子供がお手伝いにネガティブなイメージを抱いてしまいかねません。
「失敗しても当たり前」「失敗も練習のうち」と、お手伝いに完璧を求めずにいた方がよいでしょう。
失敗も片付けややり直しの練習になると考えると、失敗も前向きに捉えられるようになります。子供がお手伝いに失敗してしまった場合は叱るのではなく、その都度、正しいやり方を教えて一緒に取り組むようにしましょう。
また、割れてしまうものを持たせるようなお手伝いは、お子さんが成長するまで避けた方が無難です。
3むやみやたらと褒めるよりも感謝の言葉を伝える
家事は本来、見返りを求めて行うものではなく、生活していく上で家族が分担して行うものです。
子供がお手伝いをしてくれたら、つい「えらい!」と褒めたくなりますが、褒めてばかりいると子どもは褒められるためだけにお手伝いをするようになります。
褒められることが当たり前になってしまうと、お手伝いをお願いする度に「褒められないならお手伝いしない」「ご褒美がなきゃお手伝いしない」と、そっぽを向かれる可能性があります。
お手伝いが終わったあとは、むやみに褒めるよりも「一緒にやってくれたから早く終わって、一緒に遊べるね」「お掃除したらお部屋がきれいになって気持ちがいいね」など、さりげない感謝の言葉をかけるようにしてみましょう。
お子さんも「お手伝いしてあげている」という気持ちから、家族の一員としてお手伝いしているという意識を持てるようになります。
お手伝いという目的が同じでも、声掛けによっては積極性や責任感を持たせることにつながります。パパやママの喜ぶ顔が見たいという気持ちから、子供のお手伝いの意欲もアップするはずですよ。
4お仕置きや罰として手伝わせない
子供はお手伝いを強制されると、お手伝いにネガティブなイメージを持つようになり、自らお手伝いすることを嫌がるようになりかねません。
お手伝いの原則は、楽しく行うことです。「約束を破ったから部屋の片付け」「門限に遅れたからお風呂掃除」など、お仕置きや罰の一環としてお手伝いさせるのは避けましょう。
こんな方法でお手伝いを身に付けさせました!先輩ママの工夫
先輩ママが実践した、子供のお手伝いを習慣化する方法をご紹介します。
ピタゴラスイッチのお手伝いロボといったテレビ番組を真似る方法やお駄賃制など、やり方はそのご家庭によってそれぞれですが、共通しているのは子供のお手伝いは楽しくさせること。参考にして取り入れてみてはいかがでしょうか。
A競い合ってゲーム感覚で楽しくお片づけ♪
5歳と3歳の息子たちの母親です。
母大好きな男の子たちなので、意外と「母さん大変だから手伝ってー」と言うだけで心配して手伝ってくれます。
今時、男の子でも家事をできる子じゃないとダメだと思い、色々経験させています。
我が家のお手伝いをさせる効果的な方法は、部屋のお片づけの時や洗濯物を取り込む時に「誰が一番早くできるかな?」「一番多く集められるのは誰かな?!」とか競い合うようにすること。ゲーム感覚で楽しくできますし、最後はみんなでハイタッチをして締めくくります。笑
Aお手伝いロボ作戦が有効!
うちのお手伝い作戦は、Eテレのピタゴラスイッチでやっている「お手伝いロボ」に扮する方法です。
ティッシュの箱に画用紙、折り紙、モールで可愛く飾りつけをして、専用のリモコンを作るところから始めました。
うちのリモコンは、ひらがな部分にクリアファイルを切り抜いて貼り付けて、入れ替えられるように改造しているので、日によってひらがなを入れ替えながらやっています。
「レタスをちぎる」「机をふく」「靴をならべる」「タオルを畳む」とか大活躍してくれますよー!
娘が3歳の時に自分もやりたいと言い出したので始めたのですが、4歳となった今も続けています。特に夕方の忙しい時間は大助かりです。
Aご褒美シールでねぎらい
うちの娘は歩き始めたくらいからゴミ捨てをさせたりしていました。
とにかく私がやることに興味があるようで、2歳前から掃除機を持たせたり、ぞうきんがけをお願いしたり、包丁や火や洗剤を使うこと以外の家事はどんどんやらせてきました。
いつもお手伝いしてくれるので、月に1~2回ありがとうの感謝のつもりで時々ご褒美にシールを買ってあげています。
最近はシールがなくても、私が家事をやっていると自然に隣に来て手伝ってくれるのですが、ありがとうって伝えることが大切なのかなと思います。
A子ども用キッチンツールを揃えてお料理のお手伝いスタート
ウチはあまりお手伝いを意識して育ててきませんでしたが、最近Eテレの「クックルン」の影響かお料理をしたがるようになったので、5歳の誕生日をきっかけに娘専用のキッチンツールを揃えました。
エプロン、三角巾、包丁、ピーラー、まな板、フライパンを買いました。自分専用のものが嬉しかったようで、毎日お料理を手伝ってくれるようになりましたよ。
自分だけのお手伝いグッズを用意してあげると、やっぱりモチベーションがあがるんですね。特に、うちの子はお気に入りのキティちゃんのエプロンに喜んでいました。
火を使った料理は危なっかしいのでまだ目が離せませんが、今では野菜をむいたり切ったりは簡単にできるようになりました。
Aうちはお手伝いをお小遣い制にしました。
うちの息子も、2~3歳のころはよくお手伝いしてくれました。
几帳面な性格なので、靴を並べたり、おはしを並べたり、洗濯をまっすぐ畳んだりすることが好きでしたね~。
でもそんな息子も8歳になって、最近、反抗期なのか頼んでもなかなかお手伝いしてくれなくなりました。
そこで一度、旦那が一回100円で洗車を頼んだらきれいに洗車してくれて、お互いの利害が一致(笑)そこからお小遣いを目当てにお手伝いをするようになりました。
毎回100円はつらいので、お手伝い一つ10円くらいにしたかったのですが、なかなか10円じゃ動いてくれず、5~6個お手伝いしてくれたら100円、お金じゃなくてアイス1本という日もありました。
最初のうちはお駄賃を目当てにお手伝いをしていた息子ですが、自分から「手伝うことない?」と聞いてきたり、「今日はまけといてやる」とお小遣いがなくても手伝ってくれる日も増え、きっかけはお小遣いでしたが、うちの子のやり方としては正解でした。
A2歳の頃から役割を与えていました。
うちは共働きで、家事も夫婦で完全分担制にしていました。
家事は家族で分担するものだという意識を持ってもらうため、上の子も2歳の時から役割を与えていました。
具体的には夕食前の机拭きと、おもちゃの片付けは彼女の仕事でした。
保育園でいつもお片づけの前に音楽を流していると聞いて、夕食作りが仕上げに入った時点でトトロの曲をかけ、その曲が聞こえたらおもちゃを片付けて机を拭く、という流れを作りました。
今、上の子は4歳になり、下の子が1歳です。下の子が2歳になったら上の子の仕事を任せて、上の子には別の役割を与えようかと思っています。
Aお手伝いエプロンを作った
現在5歳の娘が、3歳の頃からチビママとして私の補佐をお願いしています。
娘はおままごとでもおもちゃよりも本物好きで、100均で本当のキッチン用品を集めてセットを作ったくらいでした。元々、家事に対する興味がすごくある子だったと思います。
私は家事をする時いつもエプロンをつけるのですが、それに憧れているようだったので娘用のエプロンを作ったら益々やる気になったみたいです。
今では簡単な料理(野菜の皮むき、盛り付け、混ぜるなど)や掃除(モップかけ、掃き掃除、拭き掃除、トイレ掃除)もお手の物です。
私がエプロンをつけると娘も自分のものを持ち出してきて隣で一緒に家事をしてくれます。
小さいうちは失敗することも多いですが、色々考える前から、お手伝いをする習慣をつけてしまった方が後々すごく助かりますよ。