子供は愛情不足だとサインを発するから神経質になり過ぎなくて大丈夫
親から子供への愛情が不足した時、ほどんどの場合は子供側から何らかの愛情不足サインを発します。パパやママがたっぷりと愛情を注いでいるつもりでも、子供に上手く伝えられない、あるいは子供と価値観が違うため一方通行になっていれば子供は愛情不足となります。
子供は乳幼児期に母親や父親など自分の世話をして愛情を注いでくれる大人への愛着を形成しますが、その愛着がしっかりと形成されると自立への大きな足掛かりとなり、外の世界とかかわる気持ちが生まれますので、愛情不足サインを出し続けても無視されるような状況では、子供の性格や大人になってからの生活に悪影響を及ぼすことも。
ただし子供の気になる様子が愛情不足サインかその他の理由かは、しっかりと子供の様子を見て判断することが大切ですので、心配し過ぎず周囲の状況なども見て冷静に判断しましょう。
子供が発する8つの愛情不足サイン!様子をよく観察してみて
子供の愛情不足のサインは、怒られた後、かんしゃくの後、暇な時、ママが電話中や立ち話中などによく見られるため、イヤイヤ期の子供を持つママのほとんどが思い当たるでしょう。
ただし、ここでご紹介する子供の愛情不足サインが見られた時に、「◯◯したかったんだよね」といった共感の言葉がけや、「待ってくれてありがとう」といった感謝を伝える声がけなど、子供の気持ちに寄り添うプラスワンの対応をすることで、子供に親の愛情が伝わりやすくなります。
もし子供に愛情不足サインが見られたら、親からの愛情を注入するチャンスと捉えて接し、よりより親子関係づくりに役立てましょう。
1指しゃぶりや爪噛みなど!暇な時や寂しい時に何かを口に入れる癖
子供の場合は新生児や赤ちゃんに見られる指しゃぶりと理由が異なり、強い不安やストレスを感じている時、あるいは暇な時や寂しい時などに手を口の方へ持って行きやすくなります。
子供の爪噛みや指しゃぶりは不安やストレスの表れであり、それを解消してくれる愛情が子供に伝わる対応が不足していると考えられます。
ただし不安やストレスの感じやすさも耐性も子供の個性によって異なり、強く感じやすい子とおっとりした子がいます。
親は子供に指しゃぶりや爪噛みが見られても育て方のせいだと自分を責めず、その子の個性としてありのままを受け入れ、その子に伝わりやすく愛情を伝えてあげることが重要です。
2家族や友達の物を隠す
おしゃべりが周囲の子に比べて上手な子供でも、愛情不足の時に感じるやるせない寂しく哀しい気持ちを言葉で表現することは難しいこと。
そのためダメなことだとわかってはいながら人の物を隠すという行動で、「こっちを見てほしい」という気持ちを表現しようとする子もいます。パパやママに構ってほしい、自分を見て欲しいという愛情不足の裏返しとも言えるサインです。
3何でも自分でしようとする
一概には言えませんが、自分のことは自分でという意識が強くびっくりするくらいしっかりしている子は、甘えるのがあまりうまくない傾向があります。
子供は甘えることで親の愛情を確認しようとしますが、善し悪しはさておき自分にできることでも「ママ、やって」というのもそのひとつ。
親が子供の求めを拒否し、笑顔やスキンシップでの接触が乏しく、それなのに子供の行動への規制が厳しい場合、子供は親を安全基地と思えない愛情不足の状態のまま育ち、やがて親への期待や関心を失って何でも自分で行うようになることがあります。
4パパやママ以外の大人に甘える
そして子供はいくつになっても甘えたいものです。訳あってパパやママに甘えられない子は、別の大人を身代わりにして甘えようとします。
甘えに応えてもらうことで許容や愛情を確認している部分もあるので、他の人に甘えることでパパやママからの愛情不足を補っているとも考えられます。
5無表情になる
子供は、笑ったり泣いたり怒ったりをパパやママと共有しようとします。テレビで面白い場面があったときにパパやママに「みてみて!」と言うのも、一緒に笑ってほしいからです。そのとき、一緒に笑ったり泣いたり怒ったりする相手がいないと、次第に表情も乏しくなってしまうでしょう。
6嘘をつく
誰かに構ってほしくて、周囲が興味を惹きそうな話をでっちあげて話してしまう子もいます。一度周囲の注目を集めると快感を覚え、嘘に嘘を重ねていく子も…。嘘に対しての感覚が麻痺して、自分自身、嘘をついているのかどうかもわからなくなってしまうこともあります。
7色のない黒い絵を描く
子供に絵を描かせてみると、そのときの精神状態が明確に現れるといいます。子供は本来ならそこにあるたくさんの色を使って人物や物、景色を描こうとするのですが、心に不安を抱えている子は他に色の選択肢があっても色を使わないことがあります。
色のあるものでも黒色で塗りつぶすようなことがあれば、愛情不足による不安やストレスを抱えている可能性があるので親は注意が必要です。
ただし永岡さくら(saku)さくさんの子育て4コマ漫画のように「子供の黒い絵=愛情不足」と安易に判断すると間違いであるケースも多いため、子供が黒い絵を描いただけで愛情不足だと決めつける必要はありません。
子どもの絵の色や描く対象物の意味はいろいろと言われていますが、描いている段階や塗り方によっても意味が異なりますので、まずは今までよりも注意深く子供の様子を観察してみましょう。
8親と離れられないのに怒りっぽい
親がいないと不安で泣きじゃくり再会すると抱き着いてくるのに、その不満を親に怒りでぶつけてくる怒りっぽい子供は、親からの愛情で満たされた状態になっていない愛情不足のことがあります。
もちろん年令にもよりますが4歳を過ぎても親から離れられない場合、親がその子の安全地帯になっておらず内在しないため、幼稚園や保育園、小学校など親から離れた場所での集団活動にも支障がでることがあります。
子供の気持ちを汲み取るのが苦手で自分の気持ちがメインなため、一方的にその時の気分で子供の行動に反応する親の場合、子供が親からの安定した愛情の不足を感じやすいです。
過度の愛情不足は子供への悪影響あり!心身共に弊害が起こる
育児放棄などの虐待や過干渉、親の依存や共依存などにより、子供が親から必要な愛情を得られず深刻な愛情不足状態となった場合、性格を形成している段階の子供の心や体に深刻な悪影響が及ぶことがあります。
必要な睡眠や栄養などが極度に不足すると成長に遅れや停滞が起こる
乳児期に充分な愛情を感じられないまま育った子供には、身体や知能、精神や性格面に何らかの悪影響が出ることがあります。
幼児期に親からの愛情が極度に感じられないと強いストレスを感じ、安心して眠ることができず睡眠中に行われる成長が不足したり、ネグレクト(育児放棄)により適切な食事などを受けられない等の場合は体と心の両面の成長に遅れや停滞が見られたりすると考えられています。
深刻な愛情不足だった子供が大人になると、自身が親になったときに「子供への接し方が分からない」など、子育てにまで影響する「世代間伝達」も指摘されています!
親や大人の前では「いい子のフリ」をするが問題を起こしやすい
親からの愛情ではなく過剰な期待を受けていると感じる子供の場合、愛情を受けたいがために親の期待に応えるべく「いい子」として振る舞おうとし、自分の気持ちを抑制し過ぎてしまうことがあります。
その結果、親の前でのみ、あるいは親だけでなく学校の先生など大人の前でのみいい子のフリをし、大人の見ていない子供だけの状況になると意地悪をしたり、盗み癖がでたりと問題を起こすことも。
また子供の起こす問題が外に向くケースだけでなく、長年の親の愛情不足により生きるエネルギーを失い、何事にもやる気が起こらなくなってしまうケースもあります。
子供の頃に愛情不足で育った人は大人になるとどんな性格になる?
子供の頃に過度なストレスや精神が不安定な状態となるほどの愛情不足で育った人は、成長して大人になってもその性格からさまざまな悪影響に苦しめられます。
情緒が不安定になりやすく、その結果人間関係にさまざまな困難を感じるだけでなく、実際に周囲とのトラブルも多くなってしまう人が少なくありません。
アダルトチルドレン|生きづらさに悩む性格
「アダルトチルドレン」は、家庭環境に問題のある中で育った幼少期の心の傷(トラウマ)を成人しても抱えている人のことをいいます。
アダルトチルドレンにも色々なタイプがありますが、周囲の期待どおりに振る舞ったり、自分自身の感情を抑えたりなど生活や人間関係の構築に何らかの支障をきたしていることが多いとされています。
愛情の求め方に偏りがあり恋愛が困難な性格
子供の頃に充分な愛情を得られていない分、大人になってから人とのコミュニケーションに苦手意識があったりや恋愛に対しても一般的な感覚とは少しずれてしまっている人も少なくありません。愛情を得られる機会があると過剰なまでに固執し、愛情を求め過ぎたり、愛情の求め方が歪んでしまったりすることもあるようです。
子供に過度の愛情不足なんて感じさせない!大人が心掛けたい3つの接し方
パパやママが子供に対して愛情を持って接しているつもりでも、その接し方によっては、受け手である子供にとって愛情不足にうけとってしまうこともあります。
では、子供に愛情不足を感じさせないためには、どのように接すれば良いのでしょうか?また、子供が愛情不足を感じるのはどのようなときなのでしょうか?
1与えたい形ではなく子供が欲する形で愛情を伝える
子供が欲する愛情とは、自分の存在を肯定してくれているということをいつも感じて安心することです。そのために、子供の気持ちに寄り添い、理解を示す接し方を心がけるべきなのです。
それを伝えるためにはコミュニケーションやスキンシップが大切ですが、具体的には次のようにすると良いでしょう。
- 大袈裟なくらい褒めてあげる(頭をよしよししてあげる)
- 抱っこや手をつなぐなどのスキンシップ
- 甘えるときはとことん甘えさせてあげる
- 子供が挑戦するときは黙って見守る(先回りして口出ししない)
2子供を信じ過干渉過保護にならない
子供のわがまますらもすべて受け入れる過保護や子供が望んでもいないことをやり過ぎてしまう過干渉。
過干渉も過保護も、一見どちらも愛情を持ったゆえの行動であるように思いますが、子供にとっては良い影響にはなりません。これこそが親が思う愛情と子供が思う愛情が食い違っている状態ともいえます。
子供が親の過保護や過干渉に慣れてしまうと、自立心が育たず、自発的な行動ではなく褒められるための「偽りの行動」ばかりするようになります。
自発的に行動して失敗したときに親の愛情を失うことを恐れているためとも言える行動で、そこには親子の信頼関係は存在せず、親は愛情の名のもとに子を支配しているだけに過ぎないのです。
3ゲームやテレビ漬けに注意!子供に愛情を伝える時間を減らさない
ゲームやテレビなどの非現実的映像に過剰に接することは、親と子供が直接顔を合わせて現実体験を共有する時間を減らしてしまいます。
そのためゲームやテレビに任せる育児では、親子でお互いの気持ちを伝えたり感じたりすることができないので、親からの愛情も子供に伝わりにくいのです。
子供への愛情不足は発達の遅れや極端な偏りによる問題の原因になる?
子供への愛情不足が原因で子供に発達への極端な遅れや偏りの問題が生じたり、極端な対人関係への不安につながったりすると言う人がいますが、普通に育てているつもりでも子供が愛情不足を感じれば問題が起こるのでしょうか?
愛情不足が原因じゃない!子供の極端な発達の遅れや偏りは生まれた時からの問題
コニュニケーションや社会性に問題が生じる極端な発達の遅れや偏りは、子供への愛情不足が原因ではなく生まれ持ったその子の特性。
他人との関わり方も独特で、目を合わせない、爪噛みや指しゃぶり、極度な不安、変わったもの収集など愛情不足を疑いたくなるしぐさや行動をすることもありますが、あくまで生まれつきであり愛情不足が原因ではありません。
話せるのに特定の場所で話せなくなる子供も愛情不足が原因とは限らない
子供に言葉を話したり理解したりする能力があるにもかかわらず、園や学校などある特定の状況や場面で話すことができなくなる場合も、ネグレクト(育児放棄)や愛情不足が原因とは限りません。
幼児期に見られやすく、ひどくなると身体を動かすことさえできない状態(緘動)になることもありますが、自分が話すところを人に見られたり聞かれたりすることに極度に反応してしまっていると考えられています。
愛情不足が原因のように思われやすいのですが、実際はもともと不安を感じやすい傾向があるなど、内向的な気質であることが原因となりやすいです。
共働きだと子供は愛情不足になる?密度の濃い触れ合いを大切にして
パパとママが共働きだと忙しくて子供に接する時間がなく、愛情不足になるのではないかと心配になってしまう親もいるでしょう。
しかし、必ずしも時間と愛情は比例するものではなく、共働きで保育園に預けることで子供が愛情不足の悪影響を受けるとはいえません。
実際、幼少期の愛情不足が原因となって起こることがある不登校は、保育園に通っていた子の方がなりにくい傾向があります。
保育園に通うことで共働き家庭では早寝早起きの習慣や規則正しい生活習慣が身につきやすく、順調に発達しやすいという側面もあります。
この規則正しい生活をさせることこそ、パパやママの頑張りであり愛情。その愛情は子供にもきちんと伝わるものなので、共働きでも過度に愛情不足を心配し過ぎず、大らかで楽しい子育てを心掛けて子供との貴重な時間を過ごしましょう。
子供への過度な心配も自信も愛情不足と同じ!ほどほどの親を目指して
子供の愛情不足サインが気になるママやパパが本来気にすべきなのは、過度な心配が及ぼす悪影響です。
完璧主義な親ほど愛情不足を気にし、周囲が「少しは子供の愛情不足サインに気づいてあげて欲しい」と思うタイプの親ほど嫌でも子供に求められるので愛情を充分与えた気になる傾向があります。
いずれの場合も子供に不安やストレスを与え、指しゃぶりなどの愛情不足サインに繋がるケースが少なくありません。親は子供の言葉にできない思いに気づくき、体だけでなく心も育てる必要があります。
心配性で過保護になりがちな親はもっと子供を信じて!
心配性な親は「子供を心配するのも口うるさくするのも愛情」と思い込み、過保護過干渉を子供に押し付けて正当化しがちですが、子供の心の成長に重要なのは親が信じることです。
子供は失敗から学ぶ経験を重ねて成長しますが、失敗するありのままの自分を受け入れて見守ってくれる親の愛情を感じるからこそ、チャレンジする勇気を持ち自信をもって自立していけます。
命にかかわるほどの失敗や後遺症が残るような過ちなら止めるのも当然ですが、信用されない寂しさから子供を愛情不足にしないように気を付けたいですね。
愛情を満たしている自信がある親は放任主義とネグレクトを再確認
また子供が甘えてくるのでスキンシップが多い、あるいはまったく甘えないため「うちの子は愛情不足じゃない」と自信を持っている親は、放任主義とネグレクトの違いについて再確認してみましょう。
子供を自分の所有物だと思い込み、「育ててあげたんだから役に立って当然」「面倒かけられたくない」と考えて過干渉になっていないか、周りの親を見て「みんな過保護でおかしい」と思っていないか、自分がこの世で一番愛情を注いでくれるはずの親にそうした態度をとられても愛情不足にならないかを考えてみてください。