療育手帳のメリットデメリットに関する記事

療育手帳の取得はメリットだけ?デメリットと相談先・保護者の体験談10

療育手帳の取得はメリットだけ?デメリットと相談先・保護者の体験談10

交付の条件や相談先、障害者控除の金額もわかりやすく解説。実際に取得した10名の保護者の体験談から、メリット・デメリットのリアルが見えてきます。

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障害者手帳の取得はメリットだけ?デメリットは?保護者の体験談

療育手帳と障害者手帳

知的障害や発達障害のあるお子さんの子育てで、「療育手帳(障害者手帳)を取得したほうがいいのか」と迷う保護者はたくさんいます。手帳には税の控除や福祉サービスといったメリットがある一方で、心理的な負担や手続きの手間といった不安の声も聞かれます。

この記事では、療育手帳の基礎知識と取得のメリット・デメリットを公的な情報にもとづいて整理したうえで、実際に取得した10名の保護者の体験談を紹介します。取得を迷っている方が、判断の材料にできる内容です。

療育手帳って何?障害者手帳との違いは?

障害者手帳と呼ばれるものには次の3種類があり、療育手帳はそのうちの一つです。

  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳

療育手帳とは

知的障害があると判定された人に交付される手帳で、都道府県知事または指定都市の市長が交付します。「愛護手帳」「愛の手帳」「みどりの手帳」など、自治体によって名称が異なることもあります。

知的障害のある本人または保護者が、児童相談所(18歳未満の場合)や知的障害者更生相談所、市区町村の障害福祉課などに申請します。日常生活能力の程度などをもとに判定が行われ、障害の程度に応じた区分(A・Bや1度〜など、自治体によって表記が異なります)をつけて交付されます。

厚生労働省の調査でも、支援を必要とする人の多くが、いずれかの障害者手帳を取得して公的な支援につながっています。

療育手帳の交付条件は自治体で異なる

療育手帳の交付条件は、地方自治体によって異なります。そのため、発達障害の診断を受けている人すべてが療育手帳を取得できるわけではありません。

交付の目安として、知的障害に該当するIQ70〜75程度という知能指数の上限を設けている自治体があります。

その一方で、知能指数がその目安を超えていても、日常生活に支障があり支援が必要と判断される場合に交付する自治体もあります。判断に迷うときは、まずお住まいの自治体の窓口に相談してみましょう。

療育手帳を取得するメリット

療育手帳で受けられる支援の内容や条件は、自治体や障害の程度によって異なります。詳しくは各自治体への確認が必要ですが、一般的には次のようなメリットがあります。

  • 所得税・住民税の障害者控除
  • 自動車税・自動車取得税などの減免
  • 医療費の助成
  • 公営住宅への優先入居
  • JR・新幹線・特急などの旅客運賃の割引
  • バス・タクシー運賃の割引
  • 航空運賃・高速道路料金の割引
  • 水道料金・NHK受信料の割引
  • 携帯電話料金の割引
  • テーマパークやレジャー施設の割引・サポート
  • おむつの支給 など

※受けられるサービスや割引の内容・条件は、自治体や障害の程度(判定区分)、事業者によって異なります。利用の前に各窓口・各事業者へご確認ください。

たとえば税の障害者控除は、療育手帳を持つお子さんを扶養している場合に受けられます。所得税では1人につき27万円(重度と判定され特別障害者に当てはまる場合は40万円、同居しているときは75万円)、住民税では26万円(特別障害者は30万円、同居特別障害者は53万円)が所得から差し引かれます(国税庁)。

「就職に不利」は本当?

軽度(C判定など)で一見わかりにくいケースでは、「療育手帳を取得すると就職に不利になるのでは」と心配する声もあります。しかし実際には、手帳がないことで職探しや職場での困りごとが増え、本人が自信をなくしてしまうことも少なくありません。

障害者雇用促進法では、一定規模以上の企業に障害者を雇用する義務(法定雇用率)が定められており、2026年7月からは民間企業の法定雇用率が2.7%に引き上げられます(厚生労働省)。療育手帳があれば、こうした障害者雇用枠での就職を選択肢にでき、職場の理解や配慮を得ながら働きやすくなるという利点があります。

療育手帳を取得する2つのデメリット

療育手帳の取得については、保護者から主に次の2つのデメリットが挙げられます。どちらも、お子さんを思うからこそ生まれる気持ちといえるでしょう。

心理的な負担を感じることがある

壁にもたれて落ち込む母親

取得をためらう大きな理由として挙げられるのが「心理的な負担」です。手帳を持つことで「障害があると認めることになる」と感じ、複雑な思いを抱く保護者は少なくありません。

ただ、お子さんにとって本当につらいのは、周囲にありのままの自分を受け入れてもらえないことです。周囲の理解や協力を得ながら、過ごしやすい環境を整えてあげることが、結果的にお子さんにも家庭にとってもプラスになっていきます。

療育手帳はいつでも返納できます。取得してみて負担のほうが大きいと感じた場合は、返納するという選択もできます。

更新手続きに手間がかかる

年に1度の更新手続きや、数年ごとの再判定(発達検査)が負担に感じるという声もあります。

お子さんの世話と仕事に追われ、十分な休息が取れないご家庭であればなおのこと、「これ以上手間を増やしたくない」と感じるのは自然なことです。

それでも、手帳によって経済的な支援や周囲のサポートが得られれば、長い目で見てお子さんだけでなく保護者自身の負担を軽くすることにもつながります。一人で判断せず、児童相談所や障害福祉課に相談してみるとよいでしょう。

取得を迷ったときの相談先と進め方

療育手帳を取得するかどうか迷ったら、まずは次のような窓口・専門機関に相談してみましょう。手続きの流れや、自分の自治体で受けられる支援の内容を具体的に教えてもらえます。

主な相談先

  • お住まいの市区町村の障害福祉課などの窓口
  • 児童相談所(18歳未満の判定を担当)
  • 発達障害者支援センター
  • 相談支援事業所や通っている療育施設

なお、障害者控除などの税の手続きは、手帳が交付される前の申請中でも、医師の診断書で対応できる場合があります。提出の時期に間に合わないときは、勤務先や市区町村の窓口、税務署に相談しておくと安心です。

療育手帳取得のメリット・デメリット体験談

子供の療育手帳を取得した保護者は、実際にどのようなメリットとデメリットを感じたのでしょう。10名のパパとママの声を紹介します。

自閉症などによる重度知的障害の場合

さんパパ
42歳

メリットがたくさん

私は知的障害のある男の子の父親です。愛の手帳を2度取得しました。通っていた施設に判定機関があったので、申請から取得までひと月かかりませんでした。うちの子供は重度知的障害なので、本人に相談することも、同意を得ることもできず、親の判断で取得しました。

療育手帳のメリットは公共機関がほとんど無料になることです。これはかなり大きなメリットだと言えます。デメリットはありません

療育手帳のメリットは大きく、デメリットはなしですので、ぜひ取得してください。

ゆうたママ
46歳

療育手帳

支援学校に通う3年生の男の子のママです。息子は発語がなく自閉症で重度知的障害です。療育園に在園の年少の秋に、息子の成長の足踏み状態が続き、他のお子さんとの明らかな違いを見て療育手帳を取得しました。

当時、自ら取得しようとするママは少なかったようです。聞き取りから取得までは1か月程。結果は予想通りの重度のA判定で現在もA判定です。年末調整で戻り、手当ても出ます。車がないためタクシー券の支給やオムツ支給などもあり、とても助かりました。公共施設ですと手帳を出せば、無料になることがほとんどです。

息子は将来、必ず施設でお世話になる身。手当が頂けることで、将来の貯蓄に回せます。そのように考えたら手帳の取得はメリットしかありません。

デメリットがあるとしたら、グレーやボーダーのお子さんの場合、親御さんの気持ちの負担なのかもしれません。やはり手帳を取得する。ということは障害児である。と否が応でも認めることになります。息子のように重度でも、複雑な気持ちになりましたので。

軽度の場合はより心情的に辛いと思います。しかし取得してしまえば、取って良かったと思う事の方が多いと思います。

ゆきえ
42歳

利用できるところは使わせてもらおうという気持ちで持っています

現在9歳の息子の母親です。息子は重度の知的障害をもっているため、現在は療育手帳(東京なので「愛の手帳」といいます)の2度です。2歳で療育に通い始め、当時発達指数が40程度と障害が明らかだったため、療育施設の勧めもあり手帳を取得しました。

本来は児童相談所で検査を受けるのですが、その療育施設に診療所が併設されていたため医師の診断書のみで申請でき、1ヶ月くらいで手元に届きました。子どもには意志の疎通ができなかったため、本人に相談はしていません。

メリットはやはり手帳を取得したことで、各種手当を受けることができたことです。特別児童扶養手当やその他区の手当などで大変助かっています。手当だけでなく税金の控除や各種割引などが受けられデメリットはないのですが、最初に取得した時はまだ2歳だったため「公的にも障害児と認められたんだ」と複雑な思いがしました。

しかしその時だけで、あとは気持ち的な面でも強くなったのか、今は堂々と利用させてもらっています。これから取得される方が迷う気持ちはわかりますが、常に手帳をぶらさげて歩くわけではないので、利用できるところは使わせてもらおうといった気持ちで手続きしたら良いと思います。

頭蓋骨縫合早期癒合症による知的障害の場合

あやぱん
40代前半

療育手帳で助かりました。

歯医者さんにいる女の子

私の子供は知的障害です。頭蓋骨縫合早期癒合症という病気で、生まれつき頭が小さく脳も成長していません。女の子なので髪がある分、頭が小さいことはわかりにくいです。

小学四年生になりさまざまな壁に当たっています。まずは目。弱視で4歳からメガネしています。昨年から歯の矯正も始まりました。歯の矯正の話を脳外科の子供の主治医に話したら、「保険適用なるので療育手帳をとった方がいい」と言われ、初めて療育手帳の存在を知りました。

すぐに先生が診断書を書いてくださり、市の手続きに行きました。だいたい1ヶ月で療育手帳は届きました。歯の矯正は普通なら保険適用外で100万円ほどかかると聞きます。うちにそんな余裕はなかったので、ほんとうに助かりました。

今は3ヶ月に1回矯正に行きますが、1,000円もかかりません。器具代が入っても月に10,000円までと上限も決まっています。メガネや発達外来、県外の脳外科に行く我が子は、病院代がかかるので有難い制度です。取得して良かったです。もし、悩んでいる方いらっしゃるなら、ぜひこの制度は子供のために利用すべきと感じます。

B判定(中程度)の知的障害の場合

わたぼうし
40代前半

支援を受けられるが、健常児との距離増

私は母親です。女児で3歳後半から取得しており現在12歳。きっかけは3歳の健診でした。言葉がでなかったのです。発達センターの専門医に判定していただき、B判定でした。予約して約4ヶ月かかっての判定でした。本人の了解は不可能でした。そこまで能力がなかったのです。

メリットは、公共機関や利用する際にサービスを受けやすくなること。周囲や身内に認知度が高まることです。

デメリットは、地域の子供達と関わりが薄くなってしまいがち。学校も支援学校か校区の学校が良いのか悩んでしまうでしょうね。

アドバイスはあくまでも「個性が強い」ととらえて、必ず才能が伸びていくこと。これを信じてください。悩んだらコーディネーターさんなど頼ってください。

ゆうママ
36歳

メリットはあるが、デメリットはないと感じる

私は5歳の男の子を持つ母親です。発達を見てもらっている医療機関で知的障害と診断され、療育手帳を取得しました。判定はB判定です。療育手帳を申請してから取得するまでは、だいたい1ヶ月くらいかかりました。

療育手帳ができたら市役所の方から通知が届き、取りに行きました。療育手帳を取得した当時、子供はまだ3歳くらいで言葉もまだほとんど出ていなかったので、子供には相談したりはしていません。

療育手帳を取得するにあたってのメリットは、いろいろな福祉サービスが受けられるところにあると思います。特にA判定だといろいろ受けられると思います。うちは今のところタクシー割引で利用しています。

デメリットは特にないと感じています。しいていうなら、2年に1回発達検査が必要なので、児童相談所に受けに行かないといけないのが少し億劫だったりします。

もし療育手帳を取得した方がいいのか悩んでいる方がいましたら、まずは子供が療育施設に通っていれば、いろいろなお母さん方から情報を得るのがいいと思います。療育手帳を取得して損はありません

ピノ
41歳

療育手帳は何かとお得です

タクシーに乗る男の子

私は4歳になる男の子の母親です。子供が自閉症なので、療育手帳を取得することにしました。療育手帳を申請したいと電話をしてから、実際に療育手帳が届くまで1ヶ月半ぐらいかかりました。判定は、B判定でした。子供はまだ小さいため、療育手帳のことはわかっていません。

療育手帳を取得して実感したメリットは、新幹線やタクシーの割引があったり、おもいやり駐車場を使わせてもらえたりするのがよいです。

デメリットは1年に1回の更新が多少面倒くさいということですが、ちょっとでもお得なので子供が障害の方は是非、一度市町村に相談してみて下さい。

のりあ
6歳

療育手帳はお守りと考える

手帳はなんというか親に踏ん切りがつく。特にあいまいなB判定くらいのお子さんだとなおさらかな。手続きは簡単で役所を通すといろいろ紹介があるので、最後に知能検査を受けてから貰えます。

うちはB判定だから、メリットはほとんど感じません。大きな施設は水族館などの公の所は半額とかで入れますけど。あと所得税の控除とかも。デメリットは無いです。あったら返上すればいい。これは持たされるのではなく自分で取るものですから。

小学校、中学校とあがっていくと障害に理解がない先生とか医者もいるので詳しくない方にも手帳があることを告げるとあーって納得されるので便利です。面倒な説明いらないので。うちの子は、見た目は普通だから特に便利かもしれませんが。

C判定(軽度)の知的障害の場合

まゆ
20代後半

デメリットなしの療育手帳!

今年5歳になる自閉症男児の母です。自閉症に加えて軽度の知的障害があり、療育手帳はC判定を受けています。幼稚園入園後だと手帳の申請が混雑するということで、入園前の比較的空いている時期に申請をしたため、発達検査から3ヶ月ほどでスムーズに手帳を取得することができました。

まだ息子は3歳だったので手帳の取得は私の独断で決めましたが、今も全く後悔はしていません。

色々な所で割引が使え金銭的にメリットが大きく、デメリットを感じたことは一度もないからです。

我が家の場合、テーマパークなどの入園割引などを利用して、お出かけする機会がぐんと増えたので、手帳を取得して本当に良かったなと思っています。悩んでいる方には、是非取得をおすすめしたいです。

その他の場合

るう
43歳

明るい未来

お金を管理する女性

私は発達障害を持つ子どもの母親です。長男は小3になりました。小さい頃から多動で長い間発達障害のグレーゾーンでしたが、まだ幼かったため本人には告知せず、療育手帳を取得しました。

医師の診断や役所の手続き等もあり、3ヶ月ほどたってから手元に届きました。美術館やサーカス等、療育手帳があるおかげで割引がきき経済的に助かるというメリットがある反面、療育手帳を持っているというだけで我が子が偏見や好奇の目で見られるのではないかという将来のリスクを考えると、何が正解なのかはわかりません

ただ療育手帳と共に我が子が元気に育ってくれる、それは我が子の明るい未来だと思っています。

加配保育士の申請にも療育手帳は役立つ

お子さんが幼稚園や保育園に入園すると、集団生活を支える加配保育士をつけてもらうことで、園生活をスムーズに送りやすくなり、子供の心を傷つけずに楽しく通園させてあげやすくなります。

最近は療育手帳がなくても、必要性が認められれば加配保育士をつけてもらえるケースが増えています。とはいえ、対応は園によってまちまちなのが実情です。

そのため療育手帳を早めに取得し、入園時の加配保育士の申請についても同時に相談しておくと、余計なストレスを減らせて心強いでしょう。

療育手帳についてよくある質問

手帳は途中で返納できますか?

はい。療育手帳はいつでも返納できます。取得してみて負担のほうが大きいと感じた場合は、自治体の窓口で返納の手続きができます。

軽度でも取得できますか?

交付の基準は自治体によって異なります。知能指数の目安(IQ70〜75程度)を設けている自治体が多い一方、目安を超えていても日常生活の支援が必要と判断されれば交付される場合もあります。詳しくはお住まいの自治体にご確認ください。

療育手帳があれば障害年金はもらえますか?

療育手帳を持っているだけで障害年金が受け取れるわけではありません。障害基礎年金などは、年金制度の基準にもとづく別の認定が必要です。将来の受給について知りたい場合は、年金事務所や自治体の窓口にご相談ください。

更新は必要ですか?

判定区分や年齢に応じて、数年ごとに再判定(更新)が必要です。更新の時期や必要な手続きは自治体によって異なるため、交付時に確認しておきましょう。

迷ったら、相談しながら子供に合った選択を

発達障害や知的障害の受け入れには時間がかかるのが自然で、手帳の取得に迷う気持ちは決しておかしなことではありません。一方で、手帳があることで受けられる経済的な支援やサービスがあるのも事実です。

大切なのは、一人で抱え込まず、児童相談所や市区町村の窓口、発達障害者支援センター、通っている療育施設などに相談しながら、お子さんとご家庭に合った選択をしていくことです。手帳は取得後に返納することもできるので、まずは情報を集めたうえで判断してみてください。

この記事を書いたライター
小森ひなた

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪

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