小学生の社会科見学に関する記事

社会科見学で学んだこと:学年別の見学先と準備のコツ

社会科見学で学んだこと:学年別の見学先と準備のコツ

工場見学が小学生に人気の理由と、東京の定番の見学先をまとめました。航空会社の機体工場など予約が必要な施設の進め方、無料か有料か、平日のみといった実務のポイントを、公表されている情報をもとに具体的に解説します。持ち物や服装の確認にも役立ちます。

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小学校の社会科見学で学んだこと:学年別の見学先と準備のコツ

小学校の社会科見学は、子どもが普段関わることの少ない大人と話し、仕事の裏側を実際に見られる貴重な機会です。同じ「社会科見学」でも、行き先は学年によって大きく変わります。3年生はお店や工場、4年生は県の暮らしや防災、5年生は大きな工場や情報を扱う現場、6年生は政治や歴史の施設へと、学ぶ内容にあわせて見学先が組まれているからです。

この記事では、先輩ママ15人が教えてくれた「わが子が社会科見学で学んだこと」の体験談を紹介します。あわせて、15人の話を学年ごとに整理し、なぜその学年でその場所に行くのか、人気の工場見学や東京の定番の見学先はどこか、そして見学を学びに変えるために家庭でできることまでまとめました。もうすぐ見学がある家庭は、準備の参考にしてくださいね。

先に結論:学びの深さは、行く前と帰ってからで決まります

15人の体験談を読み比べて、最初に押さえておきたいことが三つありました。

ひとつめは、行き先は学年で決まっていることです。3年生が最も多く7人で、いずれもお店や工場、商店街など「市の中で働く人」の現場でした。これは偶然ではなく、学年ごとの学習内容にそって見学先が選ばれているためです。

ふたつめは、同じ場所へ行っても、学びの深さには差が出ることです。事前に質問を用意した子は具体的な発見を持ち帰り、そうでない子は「お弁当がおいしかった」で終わっていました。

みっつめは、帰ってからの振り返りが記憶を定着させることです。レポートにまとめたり家族に話したりした子ほど、見学の内容を自分の言葉で説明できていました。

つまり、社会科見学は「行けば学べる」ものではなく、行く前と帰ってからの家庭の関わりで学びの質が変わります。ここから具体的に見ていきます。

学年別に見た、社会科見学で学ぶことと定番の見学先

小学校の社会科は、学年が上がるにつれて学ぶ範囲が「自分の市」から「県」「日本の国土と産業」「日本の政治と歴史」へと広がっていきます。文部科学省の小学校学習指導要領の社会科では、第3学年は市を中心とした地域社会、第4学年は県を中心とした地域社会、第5学年は我が国の国土と産業、第6学年は我が国の政治と歴史・国際理解を扱う、という内容構成が示されています。見学先も、この流れにそって組まれています。

学年主に学ぶこと見学先の例
小学3年生市の中の生産や販売の仕事、地域の安全を守る働きお店、身近な工場、商店街でのインタビュー
小学4年生県の暮らし、水やごみ、自然災害から人々を守る活動、伝統や文化発電や環境に関わる施設、伝統工芸の現場、博物館
小学5年生国土と産業、工業生産、産業と情報の関わり自動車や食品などの大きな工場、放送局や新聞の印刷現場
小学6年生政治の働き、歴史上のできごと、国際理解国会議事堂、裁判所、警察の施設、歴史に関わる施設

この表を頭に入れておくと、見学の案内が来たときに「今回はこの学年だから、市のお店の仕事を見に行くんだな」と見通しが立ちます。子どもに「何を見に行くの」と聞くだけでなく、親が学ぶねらいを先に知っておくと、帰宅後の会話がかみ合いやすくなります。

ここからは、実際に先輩ママが教えてくれた体験談を見ていきましょう。

小学生が社会科見学で学んだこと体験談

かえちゃん

31歳

パン屋さん

笑顔の親子

子どもは小学校三年生です。小学校の社会科見学では、地元でも美味しいパン屋さんへ行きました。子どもは、パンを袋に入れたり、レジの補助をしたりする作業を体験しました。子どもは、「すごく難しかったし、緊張した」「働くって大変なことなんだね」と言っていました。

私は親として日頃から、日用品や食事、お菓子などは、誰かが働いた対価によって得られていることを伝えています。パパが毎日遅くまで頑張って働いてくれているからこそ、好きなものが食べられるし、洋服も買ってもらえるんだよ、とお金と労働の結びつきについて教えています。

子ども自身、今まではあまり深く感じていなかったようですが、実際に社会科見学で経験したことにより、大変さや私の言っていたことが理解できたと言っていたので、良い経験になったと思っています。

ゆりママ

34歳

麹屋さんで味噌づくり見学

小学3年生の娘は社会科見学で、市内では有名な麹屋さんへ行き、お味噌作りの見学をしてきました。作業工程を一通り見学した後、お店に出て商品の陳列をお手伝いしたそうです。

ちょうど、国語の教科書で大豆食品についての勉強をしているところだったので、娘は興味津々で見学してきました。「味噌ができるまで2~3年もかかるんだよ!」と私に教えてくれました。作業工程の見学も楽しかったようですが、その後のお店で売る側としてのお手伝いができたのが、娘的にはかなり楽しかったようです。

このお店は、一般の方でも味噌作りの体験ができるところなので、話を聞いているうちに私も今度行って作ってみようかな、と思い始めてしまいました。国語で学んだことを実体験を通してさらに深く学べて、良い体験になったと思います。

りょうママ

30代前半

木質バイオマス発電所

小学4年生の息子が、社会科見学で市内にある木質発電所(木質バイオマス発電所)を見学に行ったことを教えてくれました。しかし、感想を尋ねても「とにかくうるさかった」と答えるのみでした。

間伐材を砕いてチップ状にして、それを燃やすエネルギーで発電しているのですが、木材を砕く機械の音が大きすぎて、係の人がスピーカーを使って大声で説明をしていても、全く耳に入ってこなかったとのことでした。

もらってきたパンフレットを見ると、資源を有効利用する現場を見学できて良い勉強になったのだろうと思っていたのですが…。一番印象に残ったことを聞いてみたら、「お弁当が美味しかった!」と。「勉強はどうしたんかい!」と思わず突っ込んでしまいました。

後日、学校でその発電所の紹介DVDを見せてくれるそうなので、そちらでしっかり勉強してほしいものです。

そうひ

30代後半

乾電池を作りました

喜んでいる男の子のイラスト

小学3年生の息子です。有名メーカーの工場へ見学に行きました。そこで、電気の仕組みを習い、乾電池の中身はどのようになっているのかなど学んだそうです。

乾電池の表面に、妖怪ウォッチのブシニャンを書いた息子はとてもうれしそうでした。電池と豆電球をセットでもらってきました。

息子自身家に帰ってきてから、何回も電池を使って豆電球を点灯させていました。「電池にはプラス極とマイナス極があるんだよ!」と、得意気に話していました。うれしそうに話す息子を見て私も嬉しくなりました。

なかなか体験しようと思わないとできない経験なので、このような機会を与えてくださった学校に感謝します。恥ずかしながら私も工場見学に行きたくなりました。

はじめまま

39歳

図書館の仕事のお手伝い

現在中学1年の息子が小学6年生の時の学校の授業で行った社会科見学先は、市内の公立図書館でした。息子の小学校の生徒たちが役割分担で担当したのは、与えられた区画の図書の整理整頓、返却されてきた本の掃除などのお手伝いをさせてもらったそうです。

息子はこの図書館での社会科見学を通して、いつも暇そうだと思っていた図書館内の仕事が、実はとても大変なものだということを知ったそうです。また、多くの人が携わって図書館が成り立っていることにも驚いたそうで、図書館を見る目が見学に行く以前と少し変わったと感想を述べていました。

小学生という早いうちから社会のシステムの一員としてお手伝いさせていただき、子どもにとって有意義な時間だったと思いますし、図書館を身近に感じるきっかけにもなったので、今後も図書館を活用してほしいと思っています。

みつばち

30歳

パン工場

小学校3年生の息子は、バスに乗ってパン工場の見学に行ってきました。その工場は、学校からほど近い場所にあり、学校の給食で出てくるパンを作っているそうです。そこでは、パンをこねたり焼いたり、袋詰めするまでを見学できたそうです。

いつも食べているパンの作り方を見ることができて、とても嬉しかったようです。あと、工場はパンを焼いたいい匂いがずっとしていたようで、「お腹が空いた」と言っていました。いつも学校で食べているパンではなく、ピーナッツクリームのパンをお土産にもらい、大切そうに食べていました。

パン工場の見学はなかなかできないと思うので、貴重な体験ができてよかったです。パンだけでなく、いろんな食べ物を大切にしてくれたらいいなと思っています。

なると

40代前半

商店街でインタビュー

インタビューをしている女の子

小学校3年生の娘がいますが、社会科見学で学校のすぐ近くの商店街にインタビューに行きました。グループに分かれて行ったのですが、娘の行った先は、お魚屋さんとお豆腐屋さんです。

お魚屋さんでは目の前で大きな魚をさばくのを見せてもらい、冷凍庫にも入らせてもらったようです。また、お豆腐屋さんでは豆腐作りの一部を見学したと言っていました。娘は豆腐を切らせてもらったのですが、絹豆腐はやわらかくて切ると崩れてしまったようです。「お豆腐屋さんは切るのが上手だったよ」と、嬉しそうに話してくれました。

インタビューでは、お魚屋さんは朝早く起きて魚を仕入れにいくこと、そしてお豆腐やさんは、冬の寒い日でも冷たい水で仕事をしていることを聞いたようです。

普段にこにこと笑顔で声をかけてくれるお店の人も、大変な仕事をしているのだねと娘と話をしましたが、良い体験をして勉強になったと思います。

サンタママ

40歳

近所の商店街(販売の工夫)

息子が小学2年生の時に、近所の商店街のお店を見学してきました。そこは昔ながらの商店街で、中には手芸用品店・眼鏡屋さん・宝石屋さんなどが入っています。

社会科見学の目的は、お店の人が商品を売るためにどのような工夫をしているかを調べることでした。クラスごとに、お店の方に質問する事項を2~3個用意して向かったそうです。

息子は質問する係にはならなかったそうですが、社会科の授業の時には何を質問したらいいかの意見を出したそうです。社会科見学当日は、お店の方がどんな質問にも答えてくれて、親切だったと言っていました。

たとえば、お店のドアを入ってすぐのところに、売り出し中の商品を集めてPOP広告を貼り出す、開店前にはお店の前をキレイに掃除してお客様に快適さを感じてもらう、などでした。

私にとっても、いつも通る商店街の方たちが売り上げアップのためにしている工夫を知ることができて、大変勉強になりました。

プーちゃん

30代後半

子育て支援センター

小学一年生の男の子です。新しくできた、地域の子育て支援センターに行きました。小さな赤ちゃんや幼稚園前の子どもが遊ぶ場所です。

子どもは支援センターに来たお母さんに、首に名札を付けてもらう作業を任されたそうです。何時から来たのか、と書いて渡します。自分よりも小さな子供たちと沢山関わることが普段ないので良い機会でした。

「小さい子は可愛いけど、面倒を見るのは大変」と言っていました。小さいうちから子育てに関する場に参加するのは良いことだと思いました。今の時代は兄弟も少なく、近所の友達も少ないですからね。

そして、支援センターの職員がどのような役割を担い、地域社会を支えているのかが分かったようで、とても良い経験になりました。間近に働く人を見て、父親の仕事も想像できたようです。

はる

30代後半

スーパーマーケット

スーパーマーケットの胡瓜を持つ女性の手

私の子供は小学3年生です。先日、近くのスーパーマーケットへ社会科見学に行きました。子供は質問して、それを紙に書くということを担当しました。スーパーマーケットではたくさんのことを学んだようです。

まず、一番売れている野菜はきゅうり、一番売れているお菓子はポテトチップスだと私にも教えてくれました。また、大雨でお店が浸水したことがあるそうで、その時にお客さんに来てもらえなかったことが今までで一番困ったことなのだと聞かせてくれました。そして、お客さんが一番多い曜日は火曜日だということも子供が教えてくれました。

このスーパーマーケットは私もよく利用しているのですが、子供が教えてくれたことは、どれも私が知らないことばかりでした。生活に身近なところで楽しく学べる機会を設けていただき、学校にもスーパーマーケットにもとても感謝しています。

何より子供が「すごく楽しかった」と言っていたのが嬉しかったです。こういう機会はどんどん増やしてほしいと思っています。

かえママ

30代後半

小石原焼に絵を描いた

四年生の息子が学校の社会科見学で、福岡県の小石原に小石原焼の絵柄を描きに行きました。お皿がどのように作られるかを見に行き、学校で書いた下絵を元に、お湯のみと小皿に絵を描いたそうです。

いつもは、クレヨンや色鉛筆、ペンなど鮮やかな色ばかりを使って絵を描きますが、「あまり色がなかったよ」と残念そうにしていました。また、描き慣れないものに絵を描くのはとても難しくて失敗したそうですが、「出来上がりがとても楽しみ」だと帰って来ました。

息子が小さな頃に、一度お皿の絵付けをしたことがありますが、その時は小さすぎて父親がほとんど描いたので、今回学校のお友達と話しながら楽しく体験できたことが想像できてとても嬉しいです。色んな体験を友達とできるので、社会科見学はすごくいい勉強になるなと思います。

Mmm

40代前半

牛乳の製造工場

子供は9歳(小学3年生)です。今年、子供は社会科見学で牛乳の製造工場に行ってきました。工場見学なので、特に何かを担当するというのはないですが、牛乳の製造レーンからパッケージングまで見られて、すごく興味深かったようです。

子供は、きちんと検査をしたり消毒したりなど、安全管理がきちんとされていること、またそれが全て機械化されているのがすごい!と驚いていました。

私は、学校の社会科見学ではこういう工場見学にどんどん行ってほしいと思います。やはり、お店で並んでいる商品がどのように作られているのか、安全な商品をつくるためにどんな工夫がされているのかということを知ることで、よりその食品への理解も深まりますし、子どもたちの学習意欲も高まるのではないでしょうか。

どらえもん

40代前半

川の博物館

レポートを書く小学生

4年生の娘が県内の「川の博物館」に行ってきました。住んでいる地域の近くを流れている川がどういう役割をしているのか、どこへ流れていっているのか、川の汚染がどのぐらい進んでいるのかなどを聞いてきたみたいです。

4年生ともなると、博物館で聞いてきたことをレポートにまとめて発表するようです。新聞のようにコマ割りをして、項目や編集も自分で考え、文章も自分でまとめていました。結構書けるものなんですね。先生のご指導のお蔭です。

それを、たまたま商工祭で発表することになり、大きな模造紙に印刷したものを、みんなの前で読んでいました。クラスで5人代表を決めるということで、立候補したようです。何でもやってみたいという気持ちがあることは嬉しいことです。

社会科見学も行ったら終わりではなくて、きちんと準備から見学、あとのまとめまでしているんだなあと感心しました。その学年に合った場所に行っているようなので、毎年楽しみです。

youm1

40代後半

ファミリーレストランと一般企業

子供が2年生のときの社会科見学の話です。ファミリーレストランと、従業員が比較的多い一般企業へ行きました。特に子供の担当の仕事はなく、企業に対する質問を考えていったのですが、手を挙げることはなかったそうです。

ファミリーレストランは時々行くところなので、親近感が増したそうです。衛生上すべてではないですが、厨房も見せていただき、おいしい料理を出す裏側はどうなっているのかを知ることができ、嬉しかったと言っていました。

一般企業の方は、かなり大きな敷地の会社で、会議室等も広々していたと驚いていました。あまり馴染みのないものを作っている会社だったので、作っているものの説明も受け、何を作っているのかよくわかったと言っていました。

実は、私も学習支援ボランティアでこの2つの場所に行きました。(自分の子供とは違うグループで)どちらも子供に親切に説明があり、質問も時間の許す限り答えてくださいました。

しかし、仕事の合間に子供の見学を受け入れる準備をするのは、大変手間のかかることだと思いました。見学を受け入れてくださってありがたいと思います。

syoko

39歳

NHKでレポーター体験

小学5年生の娘は、NHKに社会見学へ行きます。NHKのスタジオへはまだ行っていませんが、その前の準備として地域の商店街へ行き取材をしたようです。

娘はレポーターの役をもらい取材をするという仕事をしました。レポートの内容を考え、商店街の人に取材してきたようです。テレビではレポートしている人の様子しか見ることができませんが、カメラの裏で沢山の人が動いていることを見てきたようです。

今月にNHKのスタジオへ行き、カメラで撮ってもらった映像をどうやって編集されるのか見せていただくそうです。普段見ることのできない世界を見せてもらうことは良い経験になると思います。その様子は、実際にテレビで放送されるようなのでとても楽しみです。

15人の体験談を学年で見ると、3年生が最も多い理由

体験談で語られた学年を並べてみます。小学1年生が1人、2年生が2人、3年生が7人、4年生が3人、5年生が1人、6年生の頃が1人でした。3年生がほぼ半数を占めて最多です。

これは、3年生の社会科が「市の中で働く人の仕事」を扱う学年だからです。かえちゃんさんのパン屋さん、ゆりママさんの味噌づくり、みつばちさんのパン工場、なるとさんの商店街インタビュー、はるさんのスーパーマーケット、Mmmさんの牛乳工場と、身近なお店や工場が並んでいるのはそのためです。学校の近くにあって、実際に売り買いや物づくりの現場を見られる場所が選ばれています。

4年生になると、りょうママさんの発電所、かえママさんの小石原焼、どらえもんさんの川の博物館というように、市より広い「県」の暮らしや資源、伝統に関わる場所へと行き先が変わります。5年生のsyokoさんは放送局、6年生だったはじめままさんの息子さんは公立図書館と、扱うテーマが「情報」や「みんなを支える公共の仕事」に広がっていくのが分かります。

ここで役立つ見方があります。行き先を聞けば、今どの学年で何を学んでいるかが逆算できるということです。「工場に行く」なら物をつくる仕事、「商店街でインタビュー」なら売る仕事、「博物館」なら県の自然や歴史、というように、見学先はその学年の学習内容そのものです。子どもに「何を勉強しに行くの」と聞く前に、案内のプリントで行き先を見ておくと、話しかける切り口が見えてきます。

「お弁当がおいしかった」で終わらせない、行く前の準備

りょうママさんの体験談は、多くの親が身に覚えのある光景ではないでしょうか。せっかく発電所を見学したのに、一番印象に残ったのは「お弁当が美味しかった」。思わず「勉強はどうしたんかい!」と突っ込んでしまったそうです。

一方で、はるさんの息子さんは「一番売れている野菜はきゅうり」「お客さんが多いのは火曜日」など、具体的な事実をいくつも持ち帰っています。サンタママさんの息子さんのクラスは、事前に質問を2~3個用意して向かいました。youm1さんの子どもも、企業への質問を考えてから行っています。

この差が生まれる理由を考えてみると、行動に移せる答えが見えてきます。見学は、時間が限られたうえに、初めて見るものばかりで情報量が多い場です。何も準備せずに行くと、目に入るものすべてが同じ重さで流れていき、結局いちばん印象の強いお弁当だけが記憶に残ります。反対に、「これを聞いてこよう」という問いを一つでも持っていくと、その問いを軸にして見学全体が整理されます。問いは、たくさんの情報の中から必要なものを選び取る網の役割をするのです。だからこそ、行く前に家庭で問いを一緒に考えておくことが、当日の学びを大きく左右します。

準備といっても、難しいことは必要ありません。行く前の晩に、こんな会話をするだけで十分です。

「明日どこ行くんだっけ」
「スーパー」
「じゃあ、ひとつだけ質問考えていこうか。何が知りたい」
「うーん、一番売れてるものって何だろう」
「いいね。それ聞いてきて、あとで教えて」

具体的には、次のような準備ができます。

  • 行く前に、子どもと一緒に「聞いてくること」を一つか二つ決めておく
  • その場所で自分が普段どう関わっているかを話しておく(よく行くお店、家で使っているものなど)
  • 「帰ってきたら教えてね」と、話す前提を先に伝えておく
  • メモを取ってよいか分からないときは、担任からの案内を確認しておく

三つめの「帰ってきたら教えてね」は特に効きます。人に説明するつもりで見ると、見方が変わるからです。聞き役が待っていると分かっていれば、子どもは自然と「何を話そうか」と探しながら見学するようになります。

見学のあとの振り返りが、学びを定着させる

どらえもんさんの体験談は、見学が「行って終わり」ではないことをよく表しています。4年生の娘さんは、博物館で聞いたことをレポートにまとめ、コマ割りや編集まで自分で考えて発表しました。「社会科見学も行ったら終わりではなくて、きちんと準備から見学、あとのまとめまでしている」という言葉のとおりです。

学校でレポートや発表の時間が用意されている場合も多いですが、家庭での振り返りにも意味があります。文部科学省の学習指導要領の社会科では、調べたことをまとめ、考えたことを表現する力を養うことがねらいの一つに挙げられています。見て終わりではなく、言葉にして初めて学びになるという考え方です。

家庭でできる振り返りは、レポートのような大がかりなものでなくてかまいません。

  • 夕食のときに「今日いちばんびっくりしたことは何」と一つ聞く
  • 見学先でもらったパンフレットやお土産を一緒に見返す
  • 「それってどうしてだと思う」と、理由を一度だけ深掘りする
  • 兄弟がいれば、上の子が下の子に説明する場をつくる

そうひさんの息子さんは、乾電池工場から帰って何度も豆電球を点灯させ、「電池にはプラス極とマイナス極があるんだよ」と得意げに話していました。これはまさに、家で振り返ったからこそ定着した学びです。子どもが得意げに話し始めたら、結論を先回りせずに最後まで聞く。それだけで、次の見学への意欲につながります。

工場見学が小学生に人気の理由と、東京の定番の見学先

体験談でも、乾電池、パン、牛乳と工場見学が目立ちました。そうひさんやMmmさんの息子さんのように、工場見学は子どもの反応がよく、親のほうが「行きたくなった」という声も複数ありました。

工場見学が人気なのには理由があります。普段使っているものが、目の前で形になっていく過程を見られるからです。スーパーに並ぶ牛乳や、給食のパンが、どんな機械で、どんな検査を経てできあがるのか。Mmmさんの息子さんが「安全管理がきちんとされていること」に驚いたように、完成品しか見ていなかったものの裏側が見えると、身近なものへの理解が一気に深まります。

東京都内には、社会科見学の定番になっている施設が数多くあります。名前を挙げるより特徴で整理したほうが選びやすいので、学年ごとに向く方向をまとめます。

  • 3年生向け:給食のパンや飲み物など、身近な食品をつくる工場
  • 4年生向け:水道やごみ、エネルギーなど暮らしを支える仕組みを学べる科学館
  • 5年生向け:自動車や飲料などの大きな工場、新聞の印刷現場や放送局
  • 6年生向け:国会議事堂、裁判所、警察の施設など政治や社会の仕組みを見られる場所

多くの工場見学は無料で参加でき、試飲や試食、ちょっとしたお土産があるのも人気の理由です。みつばちさんの息子さんがピーナッツクリームのパンを大切そうに食べていたように、お土産は子どもにとって強い思い出になります。ただし、無料の施設ばかりではなく、有料の施設もあります。申し込みの前に確認しておくと安心です。

航空会社の機体工場など、予約が必要な見学先の進め方

人気の見学先の代表格が、大手航空会社が羽田空港の近くで行っている機体整備の見学です。ANAの機体工場見学もそのひとつで、実際に整備中の飛行機を間近に見られることから、小学生に高い人気があります。こうした施設は自由に立ち寄れるわけではなく、事前の予約と条件の確認が欠かせません。

公表されている情報によると、この機体工場見学は小学生以上が対象で、参加は無料、完全予約制です。実施は平日のみで、土日祝日や年末年始は行われていません。所要時間はおよそ90分で、展示ホールの見学と格納庫の見学で構成されています。小学生が参加する場合は、子ども19名につき大人1名の割合で成人の引率が必要とされています。服装はヒールの高い靴やサンダル、厚底の靴は避け、履き慣れた運動靴が求められています。予約の受付開始時期は施設ごとに定められているため、行きたい日が決まったら早めに公式の案内で確認しておくとよいでしょう。

こうした予約制の施設に申し込むときは、確認しておきたいことがいくつかあります。

確認すること見ておきたい理由
対象の学年と年齢小学生以上など、参加できる下限が決まっている施設がある
料金無料の施設と有料の施設がある
実施している曜日平日のみで土日祝は休みという施設が多い
引率の人数子ども何人につき大人1人、という決まりがある施設がある
服装と持ち物運動靴の指定や、筆記用具の持参を求められることがある
予約の受付時期数か月前から、あるいは先着など、施設ごとに違う

家族で行く場合と、学校の授業として行く場合とで、申し込みの窓口や料金が違うこともあります。学校の見学であれば担任からの案内にそって準備すれば十分ですが、週末に家族で行きたいときは、保護者が主体になって予約や引率の条件を確認する必要があります。人気の施設ほど予約が早く埋まりやすいので、候補が決まったら受付開始日を先に調べておくと動きやすくなります。

見学先で子どもが失礼にならないための、事前の約束

youm1さんは、学習支援ボランティアとして見学に同行した立場から、大切なことを書いています。「仕事の合間に子供の見学を受け入れる準備をするのは、大変手間のかかること」であり、「見学を受け入れてくださってありがたい」という視点です。

見学先は、普段は仕事をしている現場です。お店なら営業中、工場なら製造中、図書館なら利用者がいる時間に、手を止めて子どもたちを迎えてくれています。この前提を子どもが理解しているかどうかで、見学の質も、受け入れ先との関係も変わります。

行く前に、家庭で短く約束しておくとよいことがあります。

  • 働いている人の手を止めさせていることを忘れず、あいさつとお礼をきちんと言う
  • 勝手に触ったり走ったりせず、係の人の指示にそって動く
  • 質問はまとめてから聞き、答えてもらったら「ありがとうございます」を返す
  • 商品や機械の写真は、撮ってよいか必ず先に確認する

難しく言い聞かせる必要はありません。「お店の人はお仕事の途中で、わざわざ時間を作ってくれるんだよ」と一言伝えるだけで、子どもの受け止め方は変わります。なるとさんの娘さんが、お魚屋さんの朝の早さやお豆腐屋さんの冬の冷たさに気づけたのも、働く人への敬意をもって話を聞いたからこそです。

学年が上がると、見学先も学び方も変わっていく

低学年のうちは、プーちゃんさんの息子さんの子育て支援センターのように、身近な場所で「働く人がいる」ことを実感する見学が中心です。名札を付ける作業を任され、「小さい子は可愛いけど、面倒を見るのは大変」と気づく。この段階では、体験して感じることそのものが学びになります。

中学年になると、かえママさんの小石原焼やどらえもんさんの川の博物館のように、県の伝統や自然に目が向き、調べてまとめる作業が加わります。高学年では、syokoさんの娘さんの放送局のように、情報がどう作られ、どう届くのかという仕組みそのものを学びます。そして6年生になると、政治や歴史を扱い、国会議事堂や裁判所、警察の施設といった、社会全体を支える公の仕組みを見に行くようになります。

この流れを知っておくと、毎年の見学を点ではなく線でとらえられます。どらえもんさんが「その学年に合った場所に行っているようなので、毎年楽しみです」と書いているとおり、一つひとつの見学は、学年ごとに積み上がる学びの一段です。今年の見学が去年とどうつながっているか、来年はどんな範囲に広がりそうか。そんな視点で見送ると、子どもの成長も見えやすくなります。

よくある質問

社会科見学は何年生から始まりますか。
体験談では小学1年生からの例がありました。低学年では生活科の学習として身近な場所を訪れ、3年生から社会科の学習として本格的に始まる形が一般的です。学年が上がるほど、扱う範囲が市から県、日本全体へと広がります。

行き先は誰が決めるのですか。
学校が、その学年の学習内容にあわせて決めます。3年生ならお店や身近な工場、6年生なら政治に関わる施設というように、学ぶねらいにそって選ばれています。家庭で行き先を選ぶことは基本的にありません。

持ち物は何を用意すればよいですか。
多くの場合、学校から案内のプリントが配られます。筆記用具やメモ、水筒、動きやすい服装と靴が基本です。予約制の施設では運動靴が指定されることもあるので、案内をよく確認してください。

家族で工場見学に行くこともできますか。
無料で予約すれば家族で参加できる施設が多くあります。ただし対象の学年や年齢、引率の人数、実施曜日が決まっている場合があるので、申し込み前に条件を確認しましょう。

子どもが「お弁当しか覚えていない」ときはどうすれば。
叱る必要はありません。もらってきたパンフレットを一緒に見返したり、「一つだけ、見たものを教えて」と聞いたりすると、少しずつ思い出せます。次の見学では、行く前に聞いてくることを一つ決めておくと変わります。

見学は「行く前」と「帰ってから」で学びが決まります

社会科見学は、学年ごとの学習内容にそって行き先が決まっています。3年生は市のお店や工場、4年生は県の暮らしや伝統、5年生は工場や情報の現場、6年生は政治や歴史の施設へ。案内のプリントで行き先を見れば、今わが子が何を学んでいるかが分かります。

そして、同じ場所に行っても学びの深さは同じではありません。差を生むのは、行く前に問いを一つ持たせることと、帰ってから話を聞くことです。事前に「聞いてくること」を決めた子は具体的な発見を持ち帰り、家で振り返った子はその発見を自分の言葉で説明できるようになっていました。

工場見学や航空会社の機体工場など、家族で行ける人気の見学先もあります。多くは無料で予約制、平日のみといった条件があるので、行きたい日が決まったら早めに確認しておきましょう。見学先は仕事の手を止めて迎えてくれる場所です。あいさつとお礼を忘れずに、親子で新しい発見を持ち帰ってくださいね。