離乳食はいつまで?大人と同じ食事を始める前の心構え
赤ちゃんが成長し、食べられるものが増えてくると、離乳食をいつまで続けたらいいのか迷ってしまいますよね。特に食事は毎日のことなので、「いつまで」と決めてしまうのは難しいものです。
大人と同じ食事を始められる目安があれば…と思うママも多いのではないでしょうか?
そこで、今回は離乳食を終わらせるタイミングを決める目安のほか、離乳食完了期の食事の特徴や食べさせてはいけないもの、大人と同じ食事をする際の注意点などについてみていきましょう。
食事は赤ちゃんの成長にとってとても大切なことですので、正しい知識を持って、大人と同じ食事へ少しずつ進んでいけるといいですね。
離乳食を終わらせるタイミングとは?卒業して幼児食に移行する際のチェックポイント
何事も終わりのタイミングは難しいものです。離乳食を終わらせるタイミングは人それぞれですが、1歳くらいから徐々に大人と同じようなメニューを食べ始めて、1歳半くらいで移行していくのが一般的だと言われています。
そして、離乳食の終わりの時期である「離乳食後期」から離乳食完了期(パクパク期)を経て、大人と同じメニューに移行していくのです。
この時期に離乳食を終わらせるかどうかは、次の3つのポイントが目安となります。ただし発達には大きな個人差があるので、月齢や目安はあくまで参考にして、赤ちゃんの様子に合わせて進めましょう。
1歯や歯ぐきでしっかり噛めている
離乳食を卒業して大人と同じような食事を食べるためには、ある程度、乳歯が生えてきていることが目安になります。
一般的に1歳前後では、乳中切歯・乳側切歯と呼ばれる上下の前歯が生えてくる子が多く、その後、第一乳臼歯と呼ばれる奥歯も生えてきます。生える時期には個人差があります。
食べ物を食べる際は、生えてきた歯や歯ぐきを使って、しっかり噛めるようになっていくことが大切なので、奥歯が生えそろう前から歯ぐきで噛む習慣をつけておくようにしましょう。
2三回食を食べられている
「母乳やミルクが好き」「離乳食があまり好きではない」などの理由から、離乳食がなかなか進まない子もいますよね。
個人差もありますから焦る必要はありませんが、基本的に離乳食後期の三回食が食べられていることが、完了期から次のステップに進む一つの目安になります。
3食事から栄養がとれてきている
母乳やミルクだけに頼らず、必要な栄養を食べ物からとれるようになってきていることが大切です。
母乳やミルクは栄養だけでなく、赤ちゃんに安心感を与える役割もあることから、離乳食を完了するからといって無理にやめる必要はありません。ただ、食事から栄養がほとんどとれていない段階では、離乳食の完了はもう少し先と考えるとよいでしょう。
離乳食完了期の食事の特徴
離乳食完了期になると大人の食事に近づいてきますが、赤ちゃんの食べやすさや体のことを考えると、まだまだ手を加えてあげる必要があります。
大人と同じ食事へスムーズに移行するために、離乳食完了期の食事は大切です。そこで、離乳食完了期にはどのような食事を用意すればいいのか、その特徴をご紹介します。
ごはん
ごはんは主食となる大切な食材です。離乳食完了期には、「軟飯」とも呼ばれるやわらかめのごはんを与えましょう。上手に噛んで食べられるようになってきたら、少しずつ大人が普段食べているごはんの硬さに近づけていってもよいですよ。
一度にたくさん作って、赤ちゃんの1食の目安量とされる80~90グラムずつに小分けにして、冷凍保存しておくと便利です。軟飯の作り方は次の通りです。
軟飯の作り方
- 米1・水2の割合で鍋に入れ、30分ひたす
- 強火にかけ、煮立ったら弱火で30分ほどかける
- 火を止めて10分蒸らす
- 軽く混ぜて出来上がり
※ごはんから作る場合は、ごはん1・水5の割合で弱火に20分ほどかけ、火を止めて10分蒸らすようにします。
食材の硬さや大きさ
離乳食完了期では、ゆで卵の白身くらいの、歯ぐきでもかみ切れる硬さが目安です。
大きさは、赤ちゃんの口に無理なく入る1センチ角程度の1口大に。野菜はみじん切りや乱切りなど切り方を変えると、いろいろな食感で飽きずに食べられます。
味付け
離乳食後期までは、塩・しょうゆ・砂糖・みそなどを使った比較的シンプルな味付けですが、離乳食完了期には、少量ならマヨネーズやケチャップ、カレー粉、ごま油なども使えるようになってきます。
調味料のバリエーションが増えて味の幅が広がりますが、目安はあくまで「大人よりも薄味」で、離乳食後期までと変わりません。
離乳食完了期に食べさせないほうがいいもの
大人と同じような食事ができるようになってくると、嬉しくなって、つい何でも与えたくなってしまいます。
しかし、大人が食べている物の中には、赤ちゃんにとって窒息や消化の負担、アレルギーなどのリスクがあるものもあります。リスクを知っておいて、次のようなものはまだ控えるようにしたいですね。
お餅
毎年、お正月にお餅をのどに詰まらせる事故が起きています。赤ちゃんや小さな子どもにも、お餅はまだ食べさせないほうがよいでしょう。
事故の多くは高齢者ですが、赤ちゃんも噛む力や飲み込む力がまだ弱く、小さく切ったお餅でものどに詰まらせやすいため注意が必要です。
そば
そばは、重い症状を起こすことがあるアレルギー食材として知られています。はじめて与えるときは特に慎重にし、少量から一つずつ試しましょう。食物アレルギーは皮膚の発疹などで気づくことが多いですが、まれに、じんましん・嘔吐・せき・呼吸が苦しそうなどの強い症状(アナフィラキシー)が出ることもあります。
強い症状が見られたときはすぐに医療機関を受診し、ぐったりする・呼吸が苦しそうなど緊急性が高い場合は迷わず救急要請をしましょう。卵・乳・小麦などは成長とともに食べられるようになる子もいますが、そばやナッツなどは体質によって続くこともあるため、自己判断で進めず、心配なときはかかりつけ医に相談すると安心です。
菓子パンや調理パン
大人が食べているときに子どもが欲しがると与えたくなりますが、菓子パンや調理パンは塩分や糖分、油分が多いため、まだ控えたい食品です。
また、バターをたくさん使ったクロワッサンなども脂質が多めなので控えめに。市販の蒸しパンも糖分が高いものがあるので、手作りのほうが安心して食べさせられます。
ハムやソーセージなどの加工肉
ハムやソーセージは調理が楽で、やわらかく食べやすいので、赤ちゃんに与えたくなる気持ちも分かります。
しかし、ハムやソーセージなどの加工肉は塩分や脂質が多く、発色剤や保存料などの食品添加物が使われているものもあるので、小さな赤ちゃんにはまだ控えたい食材です。使う場合は湯通しして塩分を減らし、少量にするなどの工夫をしましょう。
寿司や刺身
赤ちゃんは消化器官がまだ未熟なので、生の魚介類は食中毒のリスクがあるため、当分の間は避けたほうがよいでしょう。
貝類はアレルギーや消化の面から、火を通したものでも当分は控えめに。また、イカやタコは硬くて赤ちゃんには食べにくいので、離乳食には不向きです。
ナッツ類
ナッツ類はアレルギーを起こすことがあるうえ、粒のままだと気管に入ってのどを詰まらせ、窒息する恐れがある食材です。
硬いものをしっかり噛めるようになるまで、粒のナッツ(節分の豆なども含む)は3歳ごろまで食べさせないようにしましょう。ママやパパが食べていると欲しがることもあるので、赤ちゃんの手の届くところに置かないようにすることも大切です。
インスタント食品
市販の離乳食やベビーフードを使っていると、通常のインスタント食品も抵抗なく与えてしまいがちです。
でも、市販の赤ちゃん向け食品は塩分や油分が控えめに作られているものが多い一方、通常のインスタント食品は塩分・油分・添加物が多いので、赤ちゃんにはおすすめできません。
大人と同じ食事をはじめる際の注意点
離乳食完了期に食べさせないほうがいいものがあるように、大人と同じ食事を始める際にも気をつけたいことがあります。
赤ちゃんの健康や安全を守りながら楽しく食事ができるように、次のようなことに気をつけましょう。
薄味を心がける
普段、大人が何気なく食べている食事は、子どもにとっては塩分が高すぎることが多いものです。濃い味付けは発達途中の子どもの体(腎臓など)に負担をかけやすいとされているので、子どもに食べさせるものは薄味が基本です。
調味料に頼りすぎず、素材そのものの味を小さいころから知っておくことも大切ですね。
大人の食事を作る過程で赤ちゃんの分を取り分けて味付けを別にするのもよいですが、パパやママの生活習慣病予防のためにも、これを機に家族そろって薄味の食事にするのもおすすめです。
家族そろって同じものを食べることで、食事の時間が楽しくなり、家族の絆も深まるでしょう。
アレルギー症状が出やすい食材は少量から
強いアレルギー症状(アナフィラキシー)を防ぐために、いきなりアレルギーを起こしやすい食品をたくさん与えないよう注意しましょう。
初めて食べさせる食材は、様子を見ながら少量ずつ、一度に一種類だけにするのが基本です。なるべく平日の午前中に与えると、症状が出ても診療時間内に病院に行きやすくなります。
次のような、食品表示法で定められている表示が義務づけられている食品と、表示がすすめられている食品を知っておくと安心です。これらは単品だけでなく加工品にも含まれることがあるので、食品表示をよく確認しましょう。
表示が義務づけられている食品(特定原材料)
症例が多い、または症状が重くなりやすいことから、容器包装された加工食品に表示が義務づけられているのは次の8品目です。
えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)
特に小麦・卵・乳・えび・かになどを含む加工品は非常に多いので、十分に気をつけましょう。
表示がすすめられている食品(特定原材料に準ずるもの)
上記の8品目のほかに、可能な範囲で表示がすすめられているのは次の20品目です。
アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン
特に果物類は子どもに食べさせる機会が多いので、初めて与えるときは気をつけてあげたいですね。
※アレルギー表示の対象品目は、症例の状況に応じて見直されることがあります。最新の対象品目は、消費者庁の「食物アレルギー表示に関する情報」で確認してください。
のどに詰まりやすい食材はできるだけ小さくする
お餅やナッツ類のほか、次のような食べ物ものどに詰まりやすいため、小さく切る、つぶすなどの工夫が必要です。
さらに、口の中にためた食べ物を一度に飲み込んで詰まらせてしまうこともあるので、口に入れた分を飲み込んだことを確認しながら食べさせると安心です。食事中は目を離さず、遊びながら・歩きながら・寝転んで食べさせないようにしましょう。
特に、次のようなものは、やわらかくてものどに詰まる恐れがあるので注意しましょう(ブドウやミニトマトは4等分にするなど、小さくしてから与えます)。
- 蒸しパンやホットケーキ
- 飴
- ゼリー類
- ブドウ
- ちくわやソーセージ
- こんにゃく
離乳食の完了に関するよくある質問
離乳食はいつまでが目安ですか?
一般的には1歳〜1歳半ごろが目安とされていますが、発達には大きな個人差があります。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」でも、月齢はあくまで目安とし、赤ちゃんの様子に合わせて進めることがすすめられています。
大人と同じ食事はいつから食べさせていいですか?
歯ぐきや歯で噛めるようになり、三回食が食べられ、食事から栄養がとれてきたら、少しずつ移行していきます。ただし味付けは薄味を基本にし、窒息やアレルギーのリスクがある食材はしばらく控えましょう。
1歳未満の赤ちゃんに気をつける食材はありますか?
1歳未満の赤ちゃんには、はちみつ(および黒糖)を与えないでください。乳児ボツリヌス症の原因になることがあります。加熱してあっても避け、1歳を過ぎてから少しずつにしましょう。
アレルギーが心配なときはどうすればいいですか?
初めての食材は少量から一つずつ、平日の午前中に試すと安心です。家族にアレルギーがある、以前に症状が出たことがあるなど心配があるときは、自己判断で食材を除去せず、かかりつけの小児科やアレルギー専門医に相談しましょう。
まとめ
離乳食を終えるタイミングに決まった正解はなく、「歯ぐきや歯で噛める」「三回食が食べられる」「食事から栄養がとれてきた」といった様子を目安に、1歳〜1歳半ごろにかけて少しずつ大人と同じ食事へ移行していきます。
完了期を過ぎても、お餅やナッツなどの窒息しやすいもの、塩分や添加物の多いもの、アレルギーの心配がある食材には引き続き注意が必要です。薄味を心がけ、初めての食材は少量ずつ試しながら、赤ちゃんのペースで安全に進めていきましょう。心配なことがあるときは、健診やかかりつけ医に相談すると安心です。



