タブレットの子供への活用術~害のないICT教育を!アプリ10選
タブレットやパソコンを子供の授業に取り入れて行うICT(Information & Communication Technology)教育は、近年世界中で行われています。
日本でも2011年度に文部科学省が取り決めた「教育の情報化ビジョン」により、小中学校におけるICT環境の整備が徐々に進んできています。そのため電子機器の悪影響を心配しながらも、世の中の傾向からタブレットで子供に勉強をさせることに興味のあるパパママは少なくないでしょう。
こちらではタブレットを使って子供が学習するメリット、おすすめの7つの活用術やアプリ、心配されるデメリット、害をなくすタブレット使用上の注意点をご紹介します。
タブレットは子供の勉強に役立つICT教材
乳幼児へのスマホ育児に関しては、日本小児科学会がポスターを貼って注意を呼び掛け、ニュースや新聞紙面では否定的な見解もあります。
そのため同じ電子機器であるタブレットを子供に使わせることに抵抗があるパパやママもいるでしょう。けれど時代はパパやママの子供の頃と様変わりしていて、教育現場では大きな変化が起こっているのです。
文部科学省は2020年までに小中学生の一人一人に一台ずつのタブレット端末等を配布することを目指して取り組んでいますし、いずれ教科書はタブレット1台にまとまると言われています。それだけでなく一部地域や学校では電子黒板を使用した授業、一人一台のPCやタブレットなどを使ったICT教育が既にスタート。
ICT教育とは
ICTの意味は「情報通信技術」。つまりICT教育とは、インターネット・タブレット・電子黒板などのデジタル技術を教育の一環として活用した教育のことです。ちなみに日本で「ICT」という言葉は「IT」と同じ意味で使われ、デジタル技術全般を指しています。
アメリカを筆頭に、近年世界の様々な国々がSTEM教育に力を注いでいます。
そのため日本政府も子供達が世界に遅れを取らないようにと、ICT教育やプログラミング教育、英語教育の充実、アクティブ・ラーニングなど、国際社会で通用する能力を身につけられる教育へと転換する準備を2020年に向けて進めているのです。
- 授業で子供に興味を持ってもらうように、ICTを活用する
- ICT教育の授業で使う教材を集め、児童の成績などを管理する
- ICT教育での先生の指導効果を高めるための研究や研修をすすめる
- ICT教育の教室環境を整える など
子供の勉強にタブレットを使うメリット
子供にタブレットを使わせることに不安を感じるパパやママは、タブレットを子供の教育に利用するメリットについて知っておくことも大切です。
デジタル機器に慣れる
大人になって初めてデジタル機器を触るよりも、子供の柔軟な時期に慣れることで、苦手意識が育つことはなく成長できます。スマホを子供に渡したことがあるパパママならば感じられたことがあるかもしれませんが、子供は説明書が無くてもすぐに慣れ使用できるようなります。原理はこれと同じなのです。
ゲーム感覚で学べる
家庭学習でタブレットを使用する場合、沢山のアプリがあります。アプリの中にはゲームのような内容のものもあり、子供は自ら進んで学びやすいのです。音声が出るもの、音認識するもの、書き取り練習ができるものと工夫され、簡単なストーリー設定もされているものもあり遊び感覚で学べます。
理解しやすい
絵、音、動画で解説されるので、視覚的効果が強く理解しやすいのもメリットの一つ。回答がすぐに出るので、間違いが直ぐにわかりますし、解説が出るなどの工夫がされているアプリもあります。そのため時間効率よく学んでいけるのです。
繰り返し学習がしやすい
紙ベースで学習する際、違うノートに問題を書き出す、コピーするなどのひと手間がありますが、タブレットの場合は間違ったところだけ、直ぐに学習をし直すこともできます。そのため反復練習が苦になりにくいのもメリットの一つ。繰り返し同じ問題を行うことで、知識が定着しやすくなります。
疑問をすぐに調べられる
漢字であれば辞書を引く、地図であれば地図帳を見て調べる。といった内容がタブレットで簡単に調べることができます。勉強していて分からない問題が出たら、「後で調べよう」と思い調べ忘れた経験をされた方は少なくないでしょう。タブレット学習ならばそんなことも無くなるのです。
タブレットで調べることは大変便利で調べ忘れが無いメリットがある一方で、記憶が定着しにくいとの声もあります!そのた、親子で会話をしっかり行いエピソード記憶として定着させてあげるようにすりなどの工夫をしましょう
教材がかさばらない
国語、数学、理科、社会たくさんのドリルを購入し学習しなくても、タブレット1つで済みます。そのため教材のスペースを取らなくて済みますし、荷物にならないため旅行などの外出のホテルなどでも学習することも可能。子供は楽しみながら学習できて大人も荷物を減らせて一石二鳥です。
子供へのタブレット活用術やおすすめアプリ
家に居ながら簡単に学習できるタブレットは、パパママが補いきれない所もフォローできる教材。
最近は小学生の通信教育もタブレットを選べるようになりましたが、既にタブレットがあるご家庭であれば、折角なら無料アプリが多数ありますので子供に必要なものを選んでダウンロードし、子供の学習にも役立つ上手な活用をしましょう。
1プログラミング教育に使う
文部科学省は2020年からの新学習指導要領導入により、小学生へのプログラミング教育を行うと発表しています。
ICT教育や科学技術の土台となるSTEM教育が小学生にも重要な現代ですが、「家でプログラミングやSTEM教育をフォローするなんてハードルが高い!」と感じるパパやママもいることでしょう。
プログラミング教室に通わせているパパママもいますが、実は家庭でもタブレットを使って無料で学ばせることができるんです。興味を持たせてから習わせることで吸収力も高まりますので、まずはこちらのおすすめアプリをダウンロードし、親子で共に学んでみるとよいでしょう。
プログラミン
文部科学省が作ったサイトです。アプリではありませんが、ネット上でプログラムの考え方を遊び感覚で学べます。自分が作った絵を動かす事ができプログラムの成果も感じられます。また、友達にメールすることはもちろん、ブログパーツに貼ったり、ツイッターにつぶやいたりと他の人に見てもらうこともできます。
2苦手な学習克服や勉強の先取りに使う
プログラミング同様に避けて通れないのが九九や英語。苦手意識は勉強嫌いの元ですので、幼いうちに学ぶことの楽しさを教えることは大切なことです。
既に苦手な教科がある場合、学校で習わっていない先取り学習をさせる場合は、タブレットを効果的に取り入れることで、子供に苦手意識を植え付けることなく楽しく学習させてあげるとよいでしょう。
算数忍者~九九の巻~
九九の暗記に苦労した大人は少なくありません。そんな苦労を感じずにゲーム感覚で覚えることができるのが良いところです。音声が出るのもメリットです。ただ、全てのコンテンツを遊ぶのには課金も必要になりますのでお子さんの反応を見ながら、課金の検討をしてください。
Duolingo英語を無料で学ぼう
読み・書き・音読が学べるアプリ。毎日少しずつ行うことができ、飽きやすい子供も継続して学習できます。選択肢問題も多いため、子供から大人まで幅広く学習に使えるのがメリットです。
3地図や辞書代わりに使う
小学校高学年になると日本地図の丸暗記が課題の一つとなります。地図ポスターや100均の日本地図パズルなどを買って子供をフォローする家庭が多いのですが、タブレットを使って遊んで覚えられれば親子共にとっても楽でお得!
気になる植物や昆虫などを図鑑でこまめに調べたり、様々なジャンルの辞書アプリをダウンロードしたりして使えば、タブレット1台で充分。高いお金を出して電子辞書を買う必要がありません。
遊んで学べる日本地図パズル
名前の通り、日本地図をパズル形式で遊ぶパズルです。タイムがでているので親子で競争するのも楽しいです。都道府県の場所と名前、位置が遊びながら学べるので、子供ももくもくと遊んでいるうちに覚えてしまいます
英語エースLite-オフライン英語辞書!!
英語の辞書がオフラインで使用できます。どこでも簡単に英単語が調べられるのは大きなメリットです。小さいうちは使用頻度が低いかもしれませんが、成長と共に使用するアプリです。
4知育に使う
勉強に直結するアプリも魅力的ですが、知育に使えるアプリをダウンロードして、遊びながら推理力や記憶力などを鍛えてみるのもよいでしょう。後々学習にも繋がる「考える力」が育ちます。
ワオッチ!ランド
対象年齢2~7歳と書いていますが、小学生でも十分楽しめる知育ゲームもあります。算数ホームランでは、簡単な計算もでき、計算スピードが上がったとのこえもあります。これで無料だなんて、大人にとっても嬉しい♪
どうぶつタワーバトル – のんびり対戦ゲーム
子供が大好きな動物をパズルに使ったアプリ。ルールはとってもシンプルで、順番に動物を積んでいくだけですので、子供でも分かりやすい!対戦タイプのパズルですので、意外と盛り上がります。
5書き取り教材として使う
タブレット学習が紙の学習に劣ってしまうと心配される点の一つが、書き取り学習ができないために覚えにくい点。
けれどアプリを選べば、タブレットで不足しがちな感じの書き取り不足もしっかりと補うことができます。
小学生手書き漢字ドリル10063
小学1年生から6年生までの漢字を学べます。読むだけではなく、指で書き取りもできるところが良いです。間違うと書き順まで教えてくれるところもありがたいです。忍者になる設定も面白く子供が継続しやすいのでおすすめです。
6発音の練習として使う
〝英語の発音だけは子供に教えられない“と思っているパパやママは少なくありません。いくら親が教えてあげたくても、留学経験や外国人との接する機会が少ないとなかなか難しいとの声も。
しかしタブレットを使えば、音声が流れるものやこちらが発音したものを採点してくれるアプリをダウンロードするだけで、発音問題の解決に繋がりやすくなります。
MagicFinger-ABC
世界観が可愛くて子供が直ぐに夢中になります。読み書き聞くを全てできるのも良いところです。A~Fまでは無料ですがその後のG以降はアプリ内課金が必要になりますので、子供の反応を見て検討するとよいでしょう。
7思考力を鍛えるのに使う
図形の空間認識や理論は、言葉では説明できない分野です。ひらめきがないと理解も難しくコツを教えてあげたくても、子供にどのように教えたらよいか悩んでしまいがちです。そんなお悩みもこんなアプリならゲーム感覚で解決できます。
Think!Think!シンクシンク
立体問題をアニメーションで解説してくれるので理解しやすいです。1日10分だから子供でも集中しやすく、問題数も多いので飽きることもありません。以前は月額1600円だったのですが、現在は完全無料なのも嬉しい所です。
タブレット使用による子供へのデメリット
タブレット使用時に考えられる子供へのデメリットには次のようなものがあります。
- 書く癖がつかない
- 集中しすぎて長い時間使ってしまう
- 目が疲れる、肩がこるなどの症状が出る
- 関係のないサイト(広告)をみてしまう
ただしこうしたデメリットは、親が子供にタブレットを使用させる際の注意点をしっかり守れば、全て改善できます。タブレットを子供に使わせる際はしっかり対策をとり、子供に安全で楽しいタブレットの時間を過ごさせてあげましょう。
タブレットを子供に使わせる際の注意点
タブレットだけでなくPC・スマホ・ゲーム機といった電子機器は、使い方を誤れば子供だけでなく大人にも害がある物。ですから電子機器を使用する際の注意点を、子供の頃からしっかりと身につけさせることが大切です。
家庭教育の一環として親も子供と一緒にルールを守り、子供だけに気をつけさせるのではなく家族全員で注意して活用しましょう。
1正しい姿勢で使わせる
子供はゲーム感覚でタブレットを使用するため、寝ころんだ姿勢などで使用しがち。それが習慣化して成長していくと、ストレートネックやVDT症候群になってしまう恐れがあります。
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ストレートネック
うつむいた姿勢を長時間とることにより、本来はカーブしているはずの首の骨が直線に近い状態になること。重い首を筋肉のみで支えることになるため、頭痛や眩暈・肩こり・腰痛などの原因になります。 -
VDT症候群
液晶の画面などを見ながら長時間作業することにより、眼が疲れる・霞み目・視力低下・腕や首・肩が重い・イライラする・抑うつ状態になるといった様々な不調がでる、別名「IT眼症」とも呼ばれる病気です。
机に座り一定の距離を保って画面を見るなど、正しい姿勢でタブレットを使うように指導しましょう。
ただし大人でもタブレットを使うと姿勢が悪くなりがちですので、子供ならなおさら。それを怒って注意するのでは親子共に負担が大きいため、姿勢が悪くなる場合は正しい姿勢を楽に作れる椅子などを活用することをおすすめします。
バランスチェア・イージー
サカモトハウス
39,690円(税込)
ノルウェーで生まれた子の椅子は、前傾姿勢だと座りにくいため自然に背筋がまっすぐになる成長期の子供におすすめの椅子です。いいものはやはり費用が高くなるのですが、30日間の全額返金保証がついていますので、万が一効果がなければ返品も可能。
ちなみに筆者の家にもありますが、本当に楽に正しい姿勢が保てるようになり、親子で愛用しています。
2使用できる時間帯と使用時間を管理
ストレートネックやVDT症候群を引き起こす原因の一つに、長時間の使用や使用する時間帯が挙げられています。
視力低下や睡眠障害など、学習の妨げになる悪影響が出ないように、寝る2~3時間前には使用をやめ、使用中はタイマーをセットするなどして、時間の管理をしっかりしましょう。
3フィルタリング等で安全な設定を行う
ゲームには子供を夢中にする魅力があります。例え学習でも子供のスイッチが入ってしまうと、親の見えないところで勝手に使ってしまうことも。その結果体調を害するだけでなく、課金ゲームトラブルなどに巻き込まれる危険性もあります。
ですから子供にタブレットを使わせる場合は、本体の設定やフィルタリングソフト、アプリなどを使って次のような設定を事前に行っておきましょう。
- 使用時間帯の設定
- 検索ジャンルやアプリを限定する
- ブルーライト軽減
- 画面ロックをかける
i-フィルター
Digital Arts
4,320円(税込)~
i-フィルターは子供や機種ごとに使用時間帯、1日の使用時間、検索項目、使用できる機能などを簡単に制限できます。なんとケーブルテレビ会社の中には、無料で使えるようにしている所もあり!
様々な種類があり、価格も1台1年版と3台3年版では異なります。ちなみに月額版もあり、一ヶ月1台360円、3台だと783円。まずは〝3日間のお試し利用“で使い勝手を確認するとよいでしょう。
4紙とタブレットの両方で学ばせる
タブレットを長時間しようすると様々な害が起こる可能性があります。そのためタブレットは復習(もしくは予習)用などとご家庭で使用方法(ルール)を決め、その他は紙媒体で学習を行いましょう。両方を上手く取り入れることで、子供も学習にメリハリがつき効率が上がりやすくなります。
5大人がいる所で使用させる
子供がまだルールを守るのが苦手な場合、不要な広告をクリックしたり、勝手にゲームのアプリなどをインストールしたりしないように、大人がいる所で使用させましょう。
不適切な広告を間違えて押したために、ネット詐欺のフィッシングに巻き込まれる大人は少なくありませんが、子供も「無料」などと書かれた広告をクリックしたことによるトラブルなどが起こっています。
今は小学校からリテラシー教育が行われていますが、ママやパパの中にはリテラシー教育を受けていない人が多いため、ネットトラブルへの警戒心が希薄な人が少なくありません。
リスクは十分な対応で事前に回避できますので、ぜひ油断せずタブレットを子供に安心して使わせられる環境を整えましょう。