絵本美術館と絵本ミュージアム:東京から関西まで原画に会えるおすすめ8と巡回展の楽しみ方
絵本美術館とは、絵本の原画を中心に、関連作品や厳選した絵本が展示されているミュージアムです。美術館の館長自身が著名な絵本作家であることもあり、創作活動の裏側や影響を受けた作品などを知ることもできますので、子どもはもちろん、大人も楽しめ、絵本好きなら一度は訪れたい場所です。
絵本美術館は、それぞれの美術館が個性豊かに美術館全体で絵本の世界観を表現しています。多くは自然に囲まれた場所にあり、行くだけでも癒されることでしょう。絵本の世界を忠実に再現し、作者の創作過程に触れられる絵本美術館は、時間に追われる私たち現代人に大切なことを思い出させてくれます。
今回はそんな魅力たっぷりの絵本美術館の中から、おすすめの美術館を8ヵ所ご紹介しながら、絵本美術館の魅力をお伝えします。あわせて、常設の美術館とは別に各地を巡回する体験型の絵本の展覧会についても取り上げます。近くに絵本美術館がないという地域にお住まいでも、時期を選べば絵本の世界に入り込める機会があります。
「絵本美術館」と「絵本ミュージアム」は何が違うのでしょうか
検索していると、絵本美術館と絵本ミュージアムという2つの言い方が出てきます。どちらも絵本を扱う施設ですが、探し方が少し変わります。
| 種類 | 特徴 | 探し方 |
|---|---|---|
| 常設の絵本美術館 | 特定の作家の原画を中心に、年間を通して開館している | 施設名で検索し、開館日と展示替えを確認する |
| 公立美術館の企画展 | 期間限定で絵本をテーマにした展覧会を開催する | お住まいの都道府県の美術館の年間予定を見る |
| 巡回型の体験展覧会 | 会場を移しながら各地で開催される。参加型の仕掛けが多い | 展覧会名で検索し、その年の会場と会期を確認する |
| 絵本専門の図書施設 | 展示より読書がメイン。無料のことも多い | 自治体の図書館サイトで確認する |
常設の絵本美術館は、自然に囲まれた場所にあることが多く、旅行と組み合わせて訪れるのに向いています。いっぽう巡回型の展覧会は都市部で開催されることが多く、日帰りで行けるのが利点です。小さなお子さんと初めてミュージアムに行くなら、触ったり寝転んだりできる仕掛けのある巡回型から始めてみるのもよいでしょう。
日本の絵本美術館・絵本ミュージアムおすすめ8
【長野(軽井沢)】軽井沢絵本の森美術館(ムーゼの森)
軽井沢にある軽井沢絵本の森美術館は、1990年に開館された絵本の専門美術館の先駆けともいえる施設です。現在は15,000㎡の森に2つの展示館・図書館・ショップの他に「ピクチャレスク・ガーデン」という原生植物を中心とした庭があり、絵本を楽しむとともに軽井沢の織り成す豊かな自然を感じることができます。
軽井沢絵本の森美術館は、企画展示を行ったり、子ども向けのワークショップを開催したりして、絵本の美術館に行くのが初めてでも楽しめる工夫がたくさん取り入れられています。
また、複雑な木組みが特徴的な第一展示館では「ピーターラビットのひみつの部屋」を常時展示しています。誰もが知っているピーターラビットにはどんな秘密が隠されているのか気になりますね!
TEL: 0267-48-3340
時間: 5~10月 9:30~17:00
3・4・11・12・1月 10:00~16:00
火曜定休(GW、7~9月は無休)、1月中旬~3月中旬、展示入替期間休館
住所: 長野県北佐久郡軽井沢町長倉182
ピーターラビットのおはなし
ビアトリクス・ポター 作・絵
いしいももこ 訳
福音館書店
本体700円+税
ピーターラビットはイタズラ好きなうさぎの男の子です。ある日ほかの姉弟たちが守っているお母さんの言いつけを破り、ピーターはマクレガーさんの畑に行ってしまいます。そしてそこで大変な目に遭うことに。
ピーターが無事に家に帰ることができるのか、ドキドキする絵本です。
【栃木(那須)】いわむらかずお絵本の丘美術館
いわむらかずおさんは、「14ひきのシリーズ」が代表作の著名な絵本作家です。
ひっこし、あさごはん、やまいも、おつきみ、もちつき…など、おばあちゃん、おじいちゃん、お父さん、お母さん、に10人きょうだいのネズミたちの森での暮らしを描いた絵本は、子どもはもちろん、大人にもファンが多い作品です。
自然の描写が非常に繊細で、時間を忘れて見入ってしまういわむらさんの絵本のように、大変自然豊かな場所にある絵本の丘美術館は、日々の喧騒を忘れてのんびりとした気持ちで過ごすことができます。車いすやベビーカーでも安心して利用することができるのも、心遣いを感じますね。
TEL: 0287-92-5514
時間: 10:00〜17:00(入館16:30)
月曜定休(祝日の場合、翌火曜休)、年末休館(元旦から開館)、臨時休館あり
住所: 栃木県那須郡那珂川町小砂3097
14ひきのひっこし
いわむらかずお
童心社
本体1,200円+税
誰もが目にしたことのある14ひきシリーズの原点となる作品です。この作品で14ひきの家の成り立ちが分かります。14ひきで協力して水道を引いたり部屋を作ったりする様子は、読者も一緒にドキドキワクワクさせてくれます。
まだ読んだことのない人はぜひ!初めに読んでもほかの作品を読んでからでも感動や発見のある一冊です。
【東京】【長野】ちひろ美術館
「子どもの幸せ」「平和」をテーマに、繊細なタッチの絵を描き、日本を代表する画家・絵本作家として活躍したいわさきちひろさん。誰でも一度はちひろさんの絵をみたことがありますよね。
ちひろさんは、出身は福井県ですが、生まれてほどなく東京に引っ越し、お子さんが誕生してからは練馬区下石神井に居を構えました。現在の東京・ちひろ美術館は、ちひろさんの没後から3年後の1977年に自宅跡地に建てられたものです。絵本美術館としては長い歴史を持っています。
1997年、東京ちひろ美術館での所蔵が手狭になったことから、長野県安曇野にも、安曇野ちひろ美術館が開館しました。ちひろさんの原画以外にも、多数の海外作家の絵の保存や公開を行っています。
安曇野の美術館に併設されているちひろ公園には、黒柳徹子さん著『窓ぎわのトットちゃん』の舞台であるトモエ学園の電車の教室を再現した「トットちゃん広場」が2016年7月にオープンしています。
TEL: 東京 03-3995-0612
安曇野 0261-62-0772
時間: 10:00~17:00(入館16:30)
休館日:東京 毎週水曜(祝休日は開館、翌平日休)、冬期休館、展示替臨時休館あり
安曇野 毎週水曜(祝休日は開館、翌平日休)、冬期休館、展示替臨時休館あり
住所: 東京都練馬区下石神井4-7-2
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
窓ぎわのトットちゃん
著:黒柳徹子 絵:いわさきちひろ
講談社
本体760円+税
舞台は第二次世界大戦少し前の日本です。主人公のトットちゃんは少し変わった女の子。トモエ学園も少し変わった学園です。トットちゃんはそこで校長先生の小林先生と出逢い、小林先生の「一人ひとりを尊重して一人ひとりと向き合う」素晴らしい教育を受けます。
本当の教育とは何か、人を尊重するとはどういうことなのかを考えさせてくれる本です。
【長野】小さな絵本美術館
少し短気だけど、豪快で気持ちの良いばばばあちゃんが活躍する「ばばばあちゃんシリーズ」。おもちつきやよもぎだんごづくりなど、おいしい食べ物がたくさん出てくるので、子どもたちに大人気です。長野にある小さな絵本美術館は、そんなばばばあちゃんの作者、さとうわきこさんが開いた絵本美術館です。
岡谷本館と八ヶ岳館に分かれており、どちらも規模は小さいですが、展示だけでなく、絵本が自由に読めるコーナーが設けられています。美術館の近くにも楽しい場所がたくさんありますので、散策もおすすめです。八ヶ岳館の近くには、八ヶ岳自然文化園があったり、ポニーやヤギ・牛などがいる八ヶ岳農業実践大学もありますので、お天気の良い日にのんびりおでかけするにはもってこいの絵本美術館です。
TEL: 岡谷本館 0266-28-9877
八ケ岳館 0266-75-3450
時間: 10:00~17:00(入館16:30)
休館日:火曜・水曜(GW、8月は無休)、臨時休館あり、八ヶ岳館は冬期休館あり
住所: 岡谷本館 岡谷市長地権現4-6-13
八ケ岳館 諏訪郡原村原山17217-3325
いそがしいよる
さとうわきこ
福音館書店
本体900円+税
元気で愉快なばばばあちゃんが活躍するシリーズの第一作です。
揺り椅子に揺られながら星空を眺めることにしたばばばあちゃんは、そのまま星空の下で眠ることを思いつきます。準備を始めたばばばあちゃんですが、あれもこれもと外に出し始め…。
ばばばあちゃんの考える準備は予想していなかったものまで登場するので、読んでいて大人も楽しめる本です。
【静岡(熱海)】戸田幸四郎 絵本美術館
赤ちゃんや幼児を連れて、家族で熱海に温泉旅行なんてご家庭もあるのでは?そんな時は、ぜひ戸田幸四郎 絵本美術館にも足を延ばしてみてください。自然に囲まれたお庭やカフェもあり、時間の流れをゆるやかに感じることでしょう。
シンプルで美しいデザインの絵本やカード、積み木などを手がけてきた戸田さんの原画には、「こどもには知識を詰め込ませるのではなく、センス(心の働き)を磨くことが大事」という想いが込められています。子どもの感受性を育み、きっと家族の素敵な思い出になるはずです。
TEL: 0557-67-1107
時間: 10:00〜16:30(入館16:00)
休館日:火曜・水曜・木曜(祝日の場合は開館)、展示入替・年末年始休館あり
住所: 静岡県熱海市上多賀1055-30自然郷
赤ちゃんにおくる絵本 1
とだこうしろう
戸田デザイン研究室
1,300円+税
シンプルな絵と言葉、そしてはっきりとした色はまさに赤ちゃんへ贈る初めての絵本にピッタリです。月齢の低い時期の赤ちゃんでも、この絵本には反応を示してくれるという声が多いので、ファーストブックとして人気があります。初めての子どもにどんな絵本を買おうか迷っている人におすすめです。
【熊本(阿蘇)】葉祥明 阿蘇高原絵本美術館
見る人に優しく暖かな印象を与えてくれる葉祥明さんの絵本。熊本県阿蘇高原にあるこの絵本美術館の周りには、そんな葉祥明さんの描くような優しい風景が広がっています。
絵本「白い犬のジェイク」の主人公ジェイクなどの原画はもちろん、詩の展示もあります。カフェも併設されていますので、葉祥明さんの暖かな絵に囲まれてのティータイムはいかがでしょうか。
TEL: 0967-67-2719
時間: 10:00~17:00(最終入館は閉館30分前)
年末年始、冬期休館あり
住所: 熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽5988-20
ぼくのべんちにしろいとり
葉祥明
至光社
1,404円(税込)
主人公は白い犬のジェイクです。ある日、ジェイクはお気に入りの公園のベンチで迷子の小鳥と出会います。おっとりやさしいジェイクと迷子の小鳥が仲間を探す旅をするお話です。
お世話好きなジェイクのその優しさは、読み手の心をほっと暖かいもので満たしてくれます。緑と白が基調となっているこの絵本は、見ているだけで癒されます。人気のジェイクシリーズの始まりの一冊です。
【長野】黒姫童話館・童話の森ギャラリー
「黒姫童話館」という名前がメルヘン心をくすぐりますね。実はここ、世界で唯一、「モモ」や「はてしない物語」の作者であるミヒャエル・エンデの常設展示がされている美術館なんです。それに関連して、喫茶室の名前はなんと「時間どろぼう」!センスがいいと思いませんか?
他にも、日本人なら誰もが一度は読んだことのある松谷みよ子さんの作品も展示されていて、規模は大きくないですが、絵本好きにとっては、なかなかの見ごたえがあります。講演会や読み聞かせなども定期的に行われているので、イベントに合わせて訪れても楽しいですね。
TEL: 026-255-2250
時間: 9:00~17:00(入館16:30)
休館日:5・6・9・10月の末日(日・祝の場合は翌休)、12月~4月上旬まで冬期休業あり
住所: 長野県上水内郡信濃町大字野尻3807−30
モモ
ミヒャエル・エンデ
大島 かおり 訳
岩波書店
本体1,700円 + 税
ある町に突然、「効率こそが一番大事だ」と言いながら無駄なことをやめさせようとする男たち(=時間どろぼう)がやって来ます。生活が効率化されればされるほど、人々は何のために生きているのかわからなくなります。そんな中、おっとりとした少女・モモが時間を取り戻すために立ちあがり、奮闘していくお話です。
時間という目に見えないものの中でどう生きることが大事なのか、一番大事なことは何なのか、読み手によってさまざまなことを考えられる本です。時間に追われる大人こそ読み返したい一冊ですね。
【長崎】祈りの丘 絵本美術館
長崎らしい洋風な建物が魅力的な祈りの丘 絵本美術館。運営するのは、絵本の出版はもちろん、絵本の定期購読「童話館ぶっくくらぶ」でも有名な童話館グループです。
1階は入場無料のミュージアムショップで、絵本や児童書が4000点、ポストカードやヨーロッパのおもちゃなども置かれていて、見ているだけで楽しめます。
2・3階には、日本や海外の絵本の原画を展示(有料)。3階には自由に読める絵本コーナーもあるので、観光や散策に疲れたら絵本を見ながらのんびり…なんて時間の使い方もできそうです。
絵本や子どもの本を扱う童話館では、新刊であることに重きを置いておらず、古くから愛されるものこそ、子どもにとってふさわしい作品が多いと考えているそうです。
TEL: 095-828-0716
時間: 10:00~17:30(入館17:00)
月曜定休(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示入替臨時休館あり
住所: 長崎県長崎市南山手町2-10
各地を巡回する体験型の「おでかけ!絵本ミュージアム」
常設の絵本美術館とは別に、会場を移しながら開催される体験型の絵本の展覧会があります。夏休みの時期に公立美術館などで開かれることが多く、原画をながめるだけでなく、絵本の場面を再現した空間に入って遊べるのが特徴です。
たとえば新潟市新津美術館では、2026年5月23日から8月30日まで「おでかけ!絵本ミュージアム」が開催されています。世代を超えて愛される7つの絵本をテーマにした空間が会場内に広がり、絵本に登場するモチーフがつくれる工作コーナー、寝転びながら鑑賞できる映像コーナー、そして約800冊の絵本が置かれた「絵本の森コーナー」が用意されています。貴重な絵本の原画も約40点展示されます。開館時間は午前10時から午後5時(券売は午後4時30分まで)、観覧料は一般1,600円、大学・高校生1,400円で、中学生以下は無料です。会期中は月曜が休館ですが、開館する月曜日も設定されています。
巡回展ならではの4つの魅力
| 魅力 | 内容 |
|---|---|
| 静かにしていなくてよい | 体験型のコーナーが中心なので、声を出しても気兼ねが少ない |
| 読書スペースが広い | 数百冊単位の絵本が置かれ、座り込んで読める |
| 手を動かせる | 工作コーナーがあり、作ったものを持ち帰れることが多い |
| 都市部で開催される | 公共交通で行きやすく、日帰りしやすい |
巡回展を見つけるコツ
この種の展覧会は、毎年同じ会場で開かれるとは限りません。その年ごとに会場と会期が決まるため、探すときは施設名ではなく展覧会名で調べるのがコツです。開催が決まると、会場となる美術館の年間スケジュールのページに掲載されます。お住まいの都道府県や近隣県の公立美術館の年間予定を、春先に一度見ておくと見逃しにくくなります。関連イベントとして、読み聞かせ会やワークショップ、小さな子ども向けのコンサートが組まれることもあり、そちらは事前申込が必要な場合があります。
エリア別に絵本のスポットを探すには
「関東で行けるところは」「関西にはないの」と探している方のために、探し方の目安を整理しました。
| エリア | 探し方の目安 |
|---|---|
| 東京・関東 | 常設の絵本美術館のほか、区立や市立の美術館の企画展をチェック。日帰りなら栃木や長野方面も選択肢に入る |
| 信州(長野) | 絵本美術館が複数集まっているエリア。避暑や旅行と組み合わせやすい |
| 東海・静岡 | 温泉地の近くにある施設と組み合わせると、家族旅行の一日に組み込みやすい |
| 関西 | 常設の絵本専門館は限られるため、府県立・市立美術館の夏の企画展や巡回展を軸に探すのが近道 |
| 北陸・甲信越 | 公立美術館で夏休みに体験型の絵本展が開かれることがある |
| 九州 | 絵本美術館のほか、都市部の美術館で子ども向けの大型企画展が開催されることがある |
常設の絵本美術館は自然豊かな土地に多く、都市部にお住まいだと少し遠く感じるかもしれません。その場合は、期間限定の展覧会に切り替えて探すと選択肢が一気に増えます。「絵本」「原画」「展」という3語で、お住まいの都道府県名と組み合わせて調べてみてください。
子どもと行くときの準備と、当日の過ごし方
絵本美術館は、大人向けの美術館より子どもに寛容な場所が多いとはいえ、初めてだと勝手が分からないものです。準備しておくと、当日ゆったり過ごせます。
| 持ち物 | あると助かる場面 |
|---|---|
| 抱っこひも | 展示室がベビーカーで入りにくいとき |
| 子どもの上着 | 屋外の庭を歩くときや、冷房の効いた展示室で |
| 飲み物 | 自然の中にある施設は周辺に店が少ないことがある |
| 着替え | 工作コーナーや屋外遊びのあとに |
| 小さめのバッグ | 大きな荷物はロッカーに預けられることが多い |
| お気に入りの1冊 | 移動中や待ち時間に |
年齢別の楽しみ方の目安
| 年齢 | 楽しめること | 大人が意識したいこと |
|---|---|---|
| 0~1歳 | 色や光、広い空間そのもの | 滞在は1時間程度を目安に、休憩場所を先に確認 |
| 2~3歳 | 知っているキャラクターを見つける | 読んだことのある絵本を事前に1冊読んでおく |
| 4~6歳 | 工作コーナー、絵本を自分で選んで読む | 「どれが好きだった」と聞く役に回る |
| 小学生 | 原画と印刷の違い、作家の仕事のしかた | 下描きや校正の展示を一緒に見る |
| 大人 | 創作の背景、絵の技法、館そのものの建築 | 子どもの様子を追いつつ、自分の1点を決めておく |
「原画を見る」がなぜ特別なのでしょうか
絵本は印刷物ですから、家で読むのと展示室で見るのとで、描かれている絵そのものは同じです。それでも原画の前に立つと、多くの人が足を止めます。理由のひとつは、絵の具の厚みや筆の跡が見えることです。印刷では平らになってしまう表面に凹凸があり、絵が「作られたもの」だと実感できます。もうひとつは、原画が印刷された絵本より大きかったり、逆にずっと小さかったりすることです。あの見慣れた場面が、実はこんなサイズの紙に描かれていたのかという驚きは、絵本を読んできた人ほど強く感じます。
子どもにとっても、この体験は特別なものになります。絵本の中の世界は、誰かが手を動かして作ったのだと分かるからです。展示室から出たあと、家で紙とクレヨンを広げ始めるお子さんは少なくありません。上手に描けるかどうかではなく、自分も作る側に回れると気づくこと。それが絵本美術館に出かけるいちばんの土産なのかもしれません。帰り道に「どの絵が好きだった」と聞いてみると、大人が思ってもみなかった1枚を挙げてくれることがあります。
開館時間や休館日は事前確認を!
自然の中にある絵本美術館は、冬季は数ヶ月にわたって閉館したり、展示物の入れ替え時には、休館や展示室への入場ができない場合があります。また、夏休みやGW時期、年末年始などは、開館時間や休館日が変更になっている場合もあります。
絵本美術館に興味を持って行ってみようと思ったら、事前にホームページなどで最新の情報を確認してから出掛けるようにしてください。常設展示以外にも企画展などの特別展やワークショップ、イベントを開催している場合も多くありますので、一緒にチェックしておくと、より絵本美術館を楽しめると思いますよ!
出発前に確認しておきたい7項目
| 確認すること | 見落としやすい点 |
|---|---|
| 開館日と開館時間 | 季節によって時間が変わる施設がある |
| 冬季休館の期間 | 数ヶ月にわたることがある |
| 展示替えの期間 | 開館していても展示室に入れないことがある |
| 入館料と対象年齢 | 中学生以下無料など、施設ごとに区分が違う |
| ベビーカーの可否 | 展示室内は抱っこに切り替える施設もある |
| 飲食できる場所 | 館内にカフェがない場合は周辺情報も調べておく |
| アクセスと駐車場 | 公共交通の本数が少ない地域は帰りの時刻を先に確認 |
絵本美術館についてよくある質問
Q1 何歳から連れて行けますか
年齢の下限はありません。0歳から入れる施設がほとんどで、体験型の展覧会には赤ちゃん向けの読書スペースが用意されていることもあります。ただし滞在時間は短めに見積もり、途中で休める場所を先に確認しておくと安心です。
Q2 子どもが騒いでしまわないか心配です
絵本美術館は子どもの来館を前提にしているところが多く、絵本を読めるコーナーや工作スペースが設けられています。原画の展示室では静かに、体験コーナーではのびのびと、というように場所ごとに切り替えると過ごしやすくなります。
Q3 写真は撮れますか
原画の展示室は撮影不可のことが多く、体験コーナーや屋外は撮影できる場合があります。撮影の可否は施設や展覧会ごとに違うので、入口の掲示を確認してください。
Q4 雨の日でも楽しめますか
屋内の展示が中心なので、雨の日のおでかけ先としても向いています。ただし庭園が見どころの施設では、屋外部分を歩けない分だけ滞在時間が短くなります。
Q5 どのくらいの時間を見ておけばよいでしょうか
常設の絵本美術館なら1時間から2時間、庭園やカフェも楽しむなら半日程度。体験型の展覧会は、読書コーナーで長居する子が多いので2時間以上を見ておくとよいでしょう。
Q6 行く前に準備しておくとよいことはありますか
展示される作家の絵本を、1冊でも家で読んでおくことです。知っている場面が展示室にあると、子どもの反応がまったく違ってきます。図書館で借りておくだけでも十分です。
おでかけ前の3ステップ
1行きたい施設の開館日と展示替え期間を公式サイトで確認する。
2近くに常設館がなければ、その年の巡回展の会場を展覧会名で探す。
3展示される作家の絵本を、出発前に1冊だけ読んでおく。






