年齢別!幼児のボール遊びに関する記事

『幼児とのボール遊びで能力アップ!年齢別の種類や親の対応』

幼児はボール遊びをすることで多様な動きを学び、健康で安全な生活を送る基礎を身につけます。ここでは幼児のボール遊びで育つ能力、年齢別のボール遊びやねらい、遊びが盛り上がる親のサポート方法、ボール遊びが嫌いな幼児の原因と対応などをお伝えします。

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幼児のボール遊びで育つのは運動神経だけじゃない!やる気もアップ

幼児にとってのボール遊びは1歳児でも手軽に行えるだけでなく、幼児期に不足しがちな運動の機会を増やしやすいおすすめの遊び。

文部科学省「幼児期運動指針ガイドブック」によると、現代の幼児がよくする遊びが「お絵描き、ブロック、造形遊び」といった体を動かさない遊び。なんと数ある遊びの中で75%もの子供達が1位に選ぶ遊びが、こうした体を動かさない遊びなのです。

ガイドブックの中では運動不足の幼児が増えていることに加え、遊びの中で幼児に身につくべき動きが身につかず、自分の体の操作が未熟な幼児が増えていることが心配されています。家庭でもボール遊びをして運動する機会を増やしましょう。

幼児のボール遊びで育つ能力は?自信・非認知能力・コニュニケーション力

「幼児にボール遊びをさせても、運動神経が少しよくなるだけ」と思っているママやパパもいるでしょう。けれど年齢ごとの狙いにマッチしたボール遊びを頻繁に行ってあげれば、体力以外に幼児の非認知能力やコミュニケーション能力を発達させるのに役立ちます

またボール遊びをすることで、幼児は体の操作が上達し、その結果安全に生活しやすくなります。さらに「できた!」と思うことで、有能感を高められるため自信もアップします。

幼児のやる気アップには運動が役立つ!

幼児期運動指針ガイドブックによると、運動習慣が全くない子より頻繁にある子の方が、やる気がある子が2割も多いです。やる気の源は幼児の「自分はできる!」という自信や感覚。自信は成功体験から生まれますが、逆に失敗体験となると無力感を抱いて運動離れにつながります。無理をさせずに年齢や能力に合うボール遊びをさせましょう。

幼児の運動環境は降園後や休日の習い事のみという家庭も近年増えていますが、幼児期の習い事は言われたことをやるだけで、興味を持った遊びを自発的にすることはできません。

そのため幼児が自分で外に出てボール遊びをしようと思っても近くにできる場所はなく、安全面からも大人の見守りが必要です。

幼児が習い事だけでは得られない興味を持った遊びを自発的にできるように、家庭でもできるだけボール遊びができる機会を作ってあげるとよいでしょう。

幼児が楽しめるボール遊びとは?年齢別のおすすめ14種類

幼児とのボール遊びは、難しいことを教えて技術力を上げようとするのではなく「できた!楽しい!」と思わせることが全年齢において大切です。

年齢よりも上の遊びで失敗体験を積み重ねるのではなく、年齢にマッチしたボール遊びで成功体験をたっぷりと積ませてあげましょう。

1歳児|よちよち歩きの幼児にも簡単にできる3種類

1歳の幼児とのボール遊びは、よちよち歩きでもできるごく簡単なものがおすすめです。大好きなパパやママがエンドレスに遊んであげれば、1歳児は大興奮。

ただし、遊びに使用するボールは幼児にとって手触りがよく、持ちやすいものを選びましょう。小さすぎるボールは誤飲に繋がりますので、絶対に使用しないでください。

  • ボール渡し
  • ボールかくし
  • ボールの追いかけっこ

ママやパパが「どうぞ」と1歳児にボールを渡し、「どうぞ」と渡してもらうことを繰り返すのが「ボール渡し」の遊び方です。

そしてボール遊びを応用したのが「ボールかくし」。「どうぞ」言いつつあえて幼児の手に渡さず、手のひらでかくしたり少しずらしたりしましょう。今までもらえたボールが目の前でなかなかもらえなくなると、幼児が食いつくように反応します。

ただし全てのボールを渡してもらえないと幼児も飽きてしまうので、ボールかくしは3回に1回ぐらいにしてあげるのがポイント。適度に欲求を満たしてあげた方が、1歳児は長く楽しく集中して遊べます。

2歳児|片手で持てる柔らかいボールを使う2種類

2歳の幼児とボール遊びをする際は、全身運動がしやすいように両手で持てるサイズのボールを選びましょう。

硬すぎるボールが体に当たると「ボールは怖い」と思ってしまうことがあるため、柔らかめのボールを用意することも忘れずに。

  • 両手で持って転がす
  • 腹ばいでコロコロ

2歳児には、両手でコロコロ転がしてパパママの所にボールを到着させる遊びや、幼児がボールを手に持って腹ばいでコロコロ転がり、一定距離まで離れたパパママにボールを渡す全身を使える遊びがおすすめです。

幼児が転がしたボールを大人がキャッチする遊びなら、思い通りの所に投げるのが難しい2歳児でも、簡単に楽しく遊ぶことができます。

3歳児|ちょっと頑張ればできるレベルを設定する2種類

3歳の幼児が喜ぶボール遊びは、簡単なルールやボールのコントロール力を必要とする遊びです。最初は家族で遊び、徐々にお友達ともボール遊びをしましょう。

  • ペットボトルボウリング
  • ボール転がしゲーム

ペットボトルボウリングのピンの作り方は、ペットボトル工作の輪投げと同じですので家庭で簡単に手作りできます。2種類の遊び方ができますので、空のボトルを集めて作ってあげましょう。

ボール転がしゲームとは、少し離した場所に縄跳びで〇を作り、これを的にしてボールを投げ入れる遊びです。

どちらの遊びも幼児が慣れたらボールを投げる距離を広げるなどして、難易度を上げながら遊びましょう。ポイントはできるかできないかぐらいの、ちょっと頑張ればできる難易度にレベル設定することです。

4歳児|ボールの基本動作にルールを加えた3種類

4歳の幼児は基本のボールを投げる、蹴るといった動作が徐々に上達してきます。ある程度できるようになってきたら、その動作を生かして簡単なルールでできる遊びを教えてあげましょう。

  • バウンドパス
  • サッカーゴールに入れる
  • 転がしドッチボール

バウンドパスとは、何回パスが続くかを数えたり、距離を広げてパスをしたりする遊びです。慣れればノーバンのパスへと発展させることもできます。

サッカーゴールに入れる遊びは、サッカーゴールにキックし、一番得点できた子が勝つ遊びです。初めはごく近い所からスタートし、普通に入るようになったら徐々に距離を広げ、最終的にはドリブルと合わせられるようにしていくと遊びの幅が広がります。

転がしドッチボールは、ドッチボールのボールを転がしたバージョンです。ただし4歳児とボール遊びをする際は、本当のドッチボールのように2チーム制にせず、円を書いて外の子供が円の中にいる相手にボールを転がしてぶつける、中あてゲームがおすすめです。

5歳児|簡単な目標設定から徐々にレベルアップする4種類

5歳児になるとボール遊びを幼稚園や保育園で、集団で行う機会が増えます。そのため小学生が行うようなルールのしっかりしたボール遊びに積極的になる幼児が多いです。

幼児にサッカーを習わせる場合は、親が知っておきたい場所や道具選びについても事前に調べて、子供が楽しめる環境を整えてあげましょう。

  • サッカー
  • ドッジボール
  • 毬つき
  • ドリブル競争

毬つきやドリブルは、最初は2回ぐらいしか連続でボールつきができない子供も多くいますが、繰り返し行うこと上達します。2回出来たら3回、5回10回と目標設定をあげ、経験を積ませましょう。

毬つきなら1曲完璧にできれば達成感が生まれますし、ドリブル競争なら「誰が長くできるかな?」と子供の競争心をあおりながら遊ぶことで盛り上がります。

幼児のボール遊びのねらい!苦手意識を持たせないために知っておこう

幼児とボール遊びをするママやパパは、一緒に遊ぶ前に年齢ごとのねらいを知っておきましょう。知らないと「うちの子はできない」と思って焦ってしまい、親子共に楽しめません。

楽しめないボール遊びはボール嫌いに繋がります。特に幼児期は苦手意識があると悔しがりかんしゃくを起こしたり、毛嫌いしたりしやすいので、ねらいを知ることで焦らず年齢に沿った遊び方をさせてください。

1歳児のねらい|ボールに興味を持って楽しむ

1歳児にボール遊びをさせるねらいは次の3つ。幼児がとにかく楽しそうに遊んでいれば成功ですので、繰り返したくさん遊んであげましょう。

  • ボールに興味を持たせる
  • ボール遊びの楽しさを感じさせる
  • 近い人とのコミュニケーションをとる

2歳児のねらい|全身を使って動く

2歳の幼児がボール遊びをする際のねらいは、全身を使って体を思いっきり使い、転がす、短い距離を投げるなどの初歩的なボールの使い方を学ぶことです。

2歳になると体を上手に使えるようになってくるので、一緒に遊ぶ親が全身運動を意識してボール遊びをしてください。そして「できた!楽しい!」と言う気持ちをたくさん体験させてあげましょう。

3歳児のねらい|ボールの使い方を学ぶ

3歳の幼児がボール遊びをするうえでのねらいは、ボールの使い方や友達と一緒に遊ぶことを学ぶこと。そして大人の手助けのもとで、簡単なルールのボール遊びができるようになることも大切です。

子供がボール遊びを通して順番を守ることの大切さ、ルールを守ることで楽しく遊べることを、少しずつ伝えていきましょう。

4歳児のねらい|コミュニケーション能力向上とルールの理解

4歳の幼児は友達ともボール遊びができるようになり、簡単なルールなら理解して、大人の最小限の手助けで遊べるようになります。

また、ボール遊びの最中のコミュニケーションも活発になってくる時期ですので子供はボール遊びの最中も「やったー。」「当たってない」「ぼくがやりたい」など声掛けを活発にするようになりコミュニケーションがより取れるようになります。

5歳児のねらい|運動能力だけでなく社会性も向上させる

5~6歳の入学前の幼児は、遊びを発展させてより楽しむために自分達でルールを作ろうとしたり、相手の考えを批判したり、それによって起こった喧嘩を自分達で解決しようとしたりします。

運動や遊びを通した人との関わり合いの中で、幼児は自分とは違う相手の考えを理解したり、相手を許したりして社会性を築いているのです。

ボール遊びによってより滑らかな運動能力を身に着けると共に、こうした社会性の成長を促す経験が、5歳児とのボール遊びの大きなねらいであることを知っておきましょう。

幼児のボール遊びが盛り上がる方法!年齢別の親のサポート

幼児期のボール遊びには大人のサポートが必要です。年齢別の適切なサポートを参考にして遊んであげましょう。

1歳児とのボール遊びはたくさん話しかけて!

1歳児とボール遊びをすると「キャッキャッツ」と声をあげて楽しそうに遊んでくれますが、自我の芽生え始める時期ですので、お友達の持っているボールを欲しがったり、もっと遊んで欲しがったりと、次第に遊びながら指さしや簡単な単語を使って気持ちを伝えるようになります。

1歳の幼児には親のサポートが必要。1対1の関わりを大切にして子供の要望を聞きながら、時間と気持ちに余裕を持って遊びましょう。

また「すごーい」「ワー」「楽しいね」など、たくさん話しかけながら遊ぶことで、幼児はより満たされた気持ちになり、語彙力もアップしやすくなります。

2歳児とのボール遊びは褒めて認めてさり気なく手助け!

2歳の幼児とボール遊びをすると、「見て!できた!」とママやパパにアピールするようになります。その様な時は、子供の「できた」をしっかり認め褒めてあげましょう。

もし上手くできなくても、2歳児を見守ることが大切。自分のやりたい動きや要望、願望が強くなる時期なので、急にかんしゃくを起こすこともありますので、さり気なくヒントを出して手助けしてあげ、できることは「やったー!できたね」などと大いに認めてあげましょう。

2歳の幼児はボール遊び中にお友達ともめることもありますので、その際は大人が「ボールが使いたいのね。皆で代わりばんこしようね。」などと仲裁に入ることが必要です。

幼児のボール遊びのスペースを十分確保し、遊びやすいようにボールの素材にも注意しましょう。1歳児でも軽くて転がしやすいボールを選んであげて下さい。もちろん1歳児とのボール遊び中は、目を離さないで下さい。

3歳児のボール遊びは一緒に楽しんで!

幼児ができたことに対しては、基本的に褒め一緒に楽しみましょう。3歳児になると「つまらない。もうやりたくない。」と言う子供もいますので、ボール遊びの楽しさを伝えてまた遊ぶように促します。

ただし無理強いは禁物。子供がボールの扱いを上手にできないことで自信を無くすことに繋がりますので、気を付けましょう。

また3歳児になり体の使い方が上達してきても腕力はまだ弱いため、ボールを投げる際に片手か両手かによってボールの大きさを変えてあげます。

片手の場合は小さめのボール。もしくはビーチボールのようにつかみやすいもの。両手の場合はビニール製の両手で持てるサイズがおすすめです。

4歳児とのボール遊びは具体的に褒めて!

4歳児とのボール遊びは幼児の気持ちがのるように「もう少しでできそう」「この前遊んだ時より上手にバウンドしている」など、具体的に褒めるサポートを心掛けましょう。

また、4歳児になったら顔に当てないなどのルールを徹底させましょう。万が一友達とのトラブルになった際は、今までのように仲裁に入るのではなく、まずは子供同士で話し合いをして解決できるように見守ることが大切です。

できたと喜びの感情が生まれる反面、ボールの扱いを苦手だと感じるマイナス感情に繋がりやすくなる年齢でもあります。

5歳児とのボール遊びは時間と環境をできるだけ作り見守って!

5~6歳の幼児がボール遊びを繰り返し経験すると、運動機能が高まり自主性や自立性の向上にも繋がります。思う存分ボールで遊べるように、できるだけ時間を作って環境を整えてあげましょう。

またサッカーを習う幼児が増える年齢ですが、子供の運動神経を良くするためには様々な種類のボールや用具に親しむ体験をすることも大切です

家庭ではいつもと違ったボール遊びや、用具を使って体を動かせる遊びも経験させてあげるとよいでしょう。

お友達とのボール遊びの場合は、トラブルになったら子供同士で話し合えるように見守り、「◯◯してみるのはどう?」と状況に応じて解決策のアイディアを示してあげましょう。

親子でボール遊びをする場合は、上から目線で命令するばかりではなく、例えば今日はどんなボール遊びをするか、どんなルールにするかなど、できるだけ話し合いをすることが大切です。

色々なことができるようになる5歳児ですが、勝ち負けのつくボール遊びではルールを巡ってトラブルになったり、勝てないと感じるとボール遊びをしなくなったりする子供もいますので、まだまだ親の見守りやサポートが必要です。

ただし、手出し口出しをし過ぎるのは禁物。5歳児の遊びは自分で考えることが重要なポイントですので、親はサポート役であることを忘れず、頭ごなしにならないようにしましょう。

ボール遊びが嫌いな幼児への対応!嫌がる原因を探ることからスタート

幼児がボール遊びを嫌いになる原因は、性格や住んでいる環境によって異なってきます。まずは幼児の考え方を知り、少しでもボール遊びは楽しいと感じられる環境づくりを心がけましょう。

幼児がボール遊びを嫌う主な原因

  1. 室内あそびが好き
  2. 小人数で遊びたい
  3. 近場にボール遊びができる広い公園がない
  4. ボールに触れる機会が少ない
  5. ボールの使い方が分からない
  6. ボールにぶつかって痛かった
  7. ボールが怖い
  8. 周りが期待しすぎて子供が嫌になってしまう

これらは大きく3つに分類できます。1と2は性格的要因、3と4は環境的要因。5~8は心理的要因ですので、まずは子供がなぜボール遊びを嫌いなのか原因を探り、それをもとに克服しやすい対応を心掛けます。

性格的要因の克服には室内でできるペットボトルボウリングがおすすめ

幼児のボール遊び嫌いが性格的要因の場合、室内でできるペットボトルボウリングや家族などと少人数でできるボール遊びから提案してみましょう。

幼児のボールへの苦手意識をなくすためには、1学年下の幼児向けのボール遊びからスタートするとよいでしょう。安心感から苦手意識が薄れやすいです。

環境的要因の克服は広い公園に連れ出して一緒にボール遊び

幼児のボール遊び嫌いが環境的要因の場合は、お休みにいつも行けないような広い公園にボールを持って出かけてみるのも、ボール嫌いの克服の第一歩です。

いつもできないからこそボール遊びは特別で楽しい!と感じさせてあげることで、近場の公園や室内でのボール遊びに興味を示しやすくなります。

心理的要因の克服にはハードルを下げて声掛けする

幼児のボール遊び嫌いが性格的要因ではなく体験による心理的要因の場合は、とにかくハードルを低く設定して声掛けをしましょう。

例えば、キャッチボールでボールを上手く投げられなくても「上手に飛ぶね」と褒めたり、キャッチし損ねても「もう少しで取れたね、惜しい」とポジティブな声掛けをしたりして、幼児のモチベーションがアップするように話しながらボール遊びをします。

ボールに恐怖心がある幼児には、当たっても痛くない柔らかいボールを使い、入園前の幼児であれば体をボールでタッチし合ったり、入園後であればボールを早くとった方が勝ちという競争をしたりして、柔らかいボールで徐々にボールへの恐怖心を薄れさせてあげましょう。

ボール遊びが嫌いな幼児には、本人の意思を尊重し、無理強いしないことが克服への重要なポイントです!

幼児が能力的にボール遊びを苦手だと感じている場合は、空間認知能力を鍛えられるカップボールがおすすめ。

チラシ遊びのカップボールであれば作り方も簡単ですし、ボールの硬さを調節できますので当たってもいたくなさそうで幼児も安心して遊べます。

この記事を書いたライター

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪