離乳食の大根はいつから?根は初期から、葉は中期からがおすすめ
大根の根の部分は、生後5~6ヶ月の離乳食初期から使える食材です。一方で、葉の部分はアクが強く、食物繊維も多いため、離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)から使用するのがおすすめです。
また、切り干し大根は栄養価が非常に豊富ですが、そのままでは硬すぎるため、離乳食では後期(生後9~11ヶ月頃)になってから、水で戻して柔らかく煮込み、細かく刻んで与えましょう。
大根の根の部分は、皮のまわりに多くのビタミンCが含まれていますが、繊維が多くて赤ちゃんが嫌がることもあります。赤ちゃんの様子を見ながら、皮を厚めにむくなどの工夫をしてください。
生の大根おろしはいつから食べられる?辛味成分を理解して完了期以降に
大根の辛味の元は、アリルイソチオシアネートという成分です。この辛味成分は揮発性(熱を加えると飛ぶ性質)があるため、生の大根おろしは辛味や風味が強く、離乳食を食べ始めたばかりの赤ちゃんには刺激が強すぎます。
そのため、離乳食初期~後期では、大根おろしは必ず加熱してから与えましょう。加熱すると辛味が抜け、大根本来の甘味が増すため、赤ちゃんも食べやすくなります。
ただし、加熱不足だと辛味が残ってしまうため、必ず味見をしてから与えるようにしてください。生の大根おろしは、満1歳の誕生日を迎えて完了期に入ってから、甘みの強い部位を選んで少量ずつ味見させてあげましょう。
離乳食向きの新鮮な大根の選び方|旬は甘みが強くおすすめ
離乳食向きの新鮮な大根は、筋がなく、甘みも強いため赤ちゃんが美味しく食べられます。大根は時期によって味が異なり、秋~冬にかけて旬を迎え、甘味が強くなります。春~夏の大根は辛味が強くなる傾向がありますので、離乳食には甘みの強い秋冬大根が特におすすめです。
大根は根よりも葉に多くの栄養が含まれ、葉つきの方が鮮度が長持ちするため、できるだけ葉が切り落とされていないものを選びましょう。大根の根の部分はみずみずしくどっしりしたもの、葉の部分は緑色が濃くシャキッとしたものが新鮮です。
新鮮な大根選びのポイント
- 葉の根元の芽が大きく成長していないもの
- 重量感がある固いもの
- 白い部分が真っすぐに伸びているもの
- 白い部分の表面が滑らかで凸凹していないもの
- カット大根は切り口がみずみずしく、ス(穴)が立っていないもの
離乳食の大根の保存方法|葉を切り落として乾燥を防ぎ立てた状態に
離乳食用の大根の保存方法には、生のまま冷蔵保存する方法と、調理後に冷凍保存する方法の2種類があります。ここでは購入直後の生のままの保存方法を確認しておきましょう。
購入した直後の大根は、鮮度を保つためにすぐに葉の部分を切り落としてください。葉をつけたままにしておくと、葉が根の水分を吸い上げてしまい、大根がしなびてしまいます。
葉を切り落とした大根は、乾燥を防ぐために新聞紙やキッチンペーパーで包んでください。そして、大根の生育状態に近い立てた状態で保存すると、鮮度が長持ちします。
夏場は冷蔵庫の野菜室での保存となります。そのままだと立てて保存できないため、半分にカットしてラップで包んでから、半分に切った牛乳パックやペットボトルに差して、立てた状態で野菜室にて保存しましょう。
離乳食の大根の冷凍方法|時期に合わせた形状でストックを
離乳食の大根は、調理後に保存容器や保存袋に入れても、調理前にすりおろしたり茹でたりしても、どちらでも冷凍保存が可能です。
多めに作って残った大根の離乳食は、1回分ずつを密閉容器や製氷皿に入れて冷凍し、食前にレンジ解凍すると時短になり便利です。
大根の根の上の方の甘い部分は、すりおろして加熱後、冷凍保存袋に入れ平らにして冷凍庫に入れておくと、離乳食の裏ごし・ペーストとして使いやすいです。
大根の白い部分や葉は、離乳食の時期に合わせたみじん切りや角切りにしてから柔らかく茹でて、冷凍保存袋に入れて冷凍保存しておきましょう。離乳食に緑色が足りない時のチョイ足しなどに使えます。
離乳食で大根を使う時に向いている部位は?甘味・食感で使い分け
大根は、部位によって食感や味が異なります。離乳食には、辛みが少なく筋が少ない部分を選ぶことが重要です。調理方法や食べ方によって部位を使い分けると、赤ちゃんもより美味しく大根料理を食べてくれます。
大根の葉に近い上部(緑の部分)|甘みが強いので離乳食初期・生食向き
大根の葉に近い緑色の部分は、一番甘みが強く、辛味が少ないため、離乳食の開始時期である初期のペーストや、完了期の生食に向いています。繊維も比較的少ないため、柔らかく調理しやすい部位です。
筋っぽさが気になるという赤ちゃんもいるかと思います。その際は、次に紹介する真ん中部分を食べさせてあげると良いでしょう。
大根の真ん中部分|一番みずみずしく柔らかくて離乳食中期・後期向き
大根は真ん中の部位が一番みずみずしく柔らかいです。真ん中は筋が最も少ない部位でもあり、煮物などに使用すると柔らかくて美味しい大根の離乳食を赤ちゃんにも味わってもらうことができます。
離乳食中期・後期で、大根を豆腐やバナナくらいの硬さに柔らかく煮込みたい時に適しています。
大根の先端部分|辛みも強く筋も多いので大人向き
大根の先端の細い部分は、辛味成分であるアリルイソチオシアネートが多く、筋も多いため、離乳食には不向きです。この部位は、辛味を活かした大人向けの大根おろしや薬味に向いています。
赤ちゃんは辛味が苦手なため、もし赤ちゃんが大人用の大根おろしを欲しがっても与えず、完了期に入っても甘みの強い上部の部位を使用した大根おろしを与えるようにしましょう。
離乳食初期(生後5~6ヶ月)の大根レシピ&調理のポイント
初期に大根を与える際は、皮を厚めにむいて筋っぽさを無くし、真ん中より上部の甘い部分を使用します。柔らかく加熱してからなめらかなペースト状(ポタージュ状)にすりつぶしましょう。
すりおろした大根を加熱してお粥に混ぜたり、野菜スープやだし汁で伸ばしたりして食べさせてもよいでしょう。
大根おろし入りお粥のレシピ(初期)
材料:大根おろし小さじ1(加熱後)、10倍粥、だし汁 少々
- 大根は皮を厚めにむき、上部の甘い部分をおろし金ですりおろします。
- 大根おろしを耐熱容器に入れ、柔らかく透明になるまでレンジでしっかりと加熱します。
- 鍋で加熱したお粥やだし汁と混ぜて、赤ちゃんが飲み込みやすいなめらかなペースト状にします。
大根と豆腐のすり流しのレシピ(初期)
材料:大根 小さじ1(加熱後)、豆腐 小さじ1、だし汁 少々
- 大根は皮をむき茹でて、なめらかなペースト状にすりつぶします(冷凍ストックでもOKです)。
- 豆腐は、さっと熱湯で茹でて消毒し、水切りしてすりつぶします(電子レンジで加熱してもOKです)。
- 1・2をあわせて、だし汁で伸ばし、ポタージュくらいの硬さに調整します。
※豆腐は、口当たりのよい絹ごし豆腐がおすすめです。
すりおろし大根とかぼちゃのペーストのレシピ(初期)
材料:大根10g(加熱後)、かぼちゃ10g、粉ミルク少量
- 大根は皮をむいてからおろし金ですりおろし、柔らかくなるまで加熱します。
- かぼちゃはレンジで加熱して潰し、お湯で溶いた粉ミルクを少量加えてペースト状にします。
- 1、2をよく混ぜ合わせます。
離乳食中期(生後7~8ヶ月)の大根レシピ&調理のポイント
一日2回食がスタートする中期になると、大根を豆腐のかたさ(舌で潰せる硬さ)までしっかりと茹でて、2~3mmの細かいみじん切りにするだけで食べることができます。
葉の部分は、柔らかく茹でてすりつぶしたり、フードプロセッサーで細かいみじん切りにしたりして使用しましょう。
離乳食中期になると鶏ささみが食べられるようになり、柔らかい大根と合わせてあげることでメニューの幅が広がります。
大根の鶏ミンチ肉あんかけのレシピ(中期)
材料:大根20g、鶏ミンチ10g、だし汁少々、片栗粉適量
- 大根は皮をむき茹でて、2~3mmのみじん切りにします。
- 鶏ミンチを熱湯で茹でて油抜きし、ザルにあげます。
- だし汁に1・2を加えてしばらく加熱し、水溶き片栗粉でとろみをつけます。
※鶏ミンチは、ササミか胸肉を使用し、自宅でミンチにする方が余分な脂肪分を抑えられます。
大根と白菜のみぞれ煮のレシピ(中期)
材料:大根10g、白菜10g、鶏ササミ肉10g、だし汁大さじ2
- 大根は皮をむき、おろし金ですりおろし、軽く水切りしてから加熱します。
- 白菜は葉先の柔らかい部分を使い、細かくみじん切りにします。
- 鶏ササミ肉はレンジで軽く加熱し、粗熱が取れたら小さくほぐします。
- 耐熱容器にだし汁と1~3を入れて混ぜ合わせ、白菜が柔らかくなるまで加熱します。
離乳食後期(生後9~11ヶ月)の大根レシピ&調理のポイント
離乳食後期になり1日3回食になったら、大根は皮をむき5~8mm程度の角切りや薄いいちょう切りにし、バナナの固さ(歯茎で潰せる硬さ)を目安に茹でて使いましょう。
葉の部分は柔らかく茹でて5~8mmのみじん切りにして使います。また、手づかみ食べの練習には、すりおろした大根を混ぜて作る大根餅がおすすめです。
野菜たっぷり大根餅のレシピ(後期)
材料(2食分):大根30g、人参10g、キャベツ10g、玉ねぎ10g、いんげん10g、ツナ20g、片栗粉小さじ2
- 大根は皮をむき、おろし金ですりおろし、軽く水気を切ってから加熱します。
- 人参とキャベツ、玉ねぎ、いんげんは5~8mmの細切りやみじん切りにし、レンジで加熱して柔らかくします。
- ツナは熱湯を回しかけてザルに揚げ、小さくほぐします。
- ボウルに片栗粉と1~3を入れ、よく混ぜ合わせます。
- サラダ油を少量引いたフライパンに4の生地を落とし、小判型に整えて両面焼いたら完成です。手づかみ食べにも最適です。
野菜たっぷり鶏鍋のレシピ(後期)
材料:具:大根・人参・ニラ・白菜・しいたけ・鶏モモ肉・絹ごし豆腐、だし汁 適量
- 具は5~8mm程度の大きさに切ります(鶏モモ肉は余分な脂肪分を除いてください)。
- 鍋に、だし汁を沸騰させ、1の具を加えてバナナくらいの硬さになるまで柔らかく煮ます。
- 大人用に味付けする前に、赤ちゃんの分だけ取り分けます。
離乳食完了期(生後1歳~1歳半)の大根レシピ&調理のポイント
完了期になり上手にカミカミするようになったら、新鮮な大根の上部(甘い部分)を使って、生の野菜スティックに挑戦してもよいでしょう。
この時期は、ディップソースを添えてあげると、子供が自分でソースをつけながら喜んで食べてくれます。例えば、豆腐やヨーグルトを使ったソースがおすすめです。
大根葉とハムのスパゲッティのレシピ(完了期)
材料:大根葉、ハム1枚、スパゲッティ30g、野菜スープ
- 大根葉は、茹でて細かく切ります。
- ハムは、茹でて塩分を落とし、1cmほどの大きさに切ります。
- スパゲッティを規定時間茹で、2~3cmほどの長さに切ります。
- 1~3をフライパンに入れて、野菜スープを加えて味をなじませます。
※ハムは、できるだけ添加物の少ないものを選びましょう。
ピーラー大根入りの肉団子スープのレシピ(完了期)
材料:大根15g、にんじん15g、ほうれん草5g、エノキ5g、豚ひき肉15g、豆腐5g、玉ねぎ10g、そうめん70g、だし汁40ml
- そうめんは5cmほどに折って柔らかく茹で、水洗いして器に盛ります。
- 大根と人参は皮をむいてから、ピーラーで薄いリボン状にします。
- ほうれん草とエノキは柔らかい先端を使い、食べやすい大きさに切ります。
- 豚肉と潰した豆腐、みじん切りにした玉ねぎをよく混ぜ合わせ、丸めて肉団子を作ります。
- 鍋にだし汁を入れて2、3を入れて弱火にかけ、野菜がしんなりしたら4を入れて火を通します。
- 野菜と肉団子を1の上に盛り、スープをかけたら完成です。
離乳食の大根を赤ちゃんが食べない!先輩ママのアドバイスと克服術
1年を通して手に入りやすく、価格も安定している大根は、離乳食に積極的に活用したい野菜ですが、辛味や独特の食感から赤ちゃんによっては食べてくれないこともあります。
先輩ママ達はどのようにして赤ちゃんの大根嫌いを克服させたのか、体験談を離乳食の段階別に見ていきましょう。
離乳食初期の大根おろしは加熱後も必ず味見を
初期の大根の離乳食はペースト状ですが、レンジ加熱の場合、加熱不足だと辛味が残ってしまうため要注意です!大根の辛味成分は加熱すると飛びますが、しっかりと加熱が完了しているか、必ず調理後に味見をして確認してください。
しばらく大根をお休みし、次回の大根の離乳食では鍋でしっかりと加熱してトロトロになってからお粥などに混ぜて食べさせるのも一つの方法です。
A辛かった!?加熱不足に注意
お粥が大好きな息子が、大根おろし粥の日だけ、一口食べてあとは口を開けてくれませんでした。おかしいと思って、少し味見をしてみると、大根おろしが少し辛かったようです。味見をせずに与えてしまい反省しました。それ以降は、必ず味見をしてから与えるようにしました。
離乳食中期は大根のポタージュスープで洋風味を試して
離乳食中期になると食感が変わり、好き嫌いが出やすくなります。みじん切りのため大根の中心部まで味が染みていない、同じ味ばかりで飽きた、硬い、大きいなどが主な理由です。
離乳食中期になって急に大根を食べなくなった場合は、大根そのものの風味をあまり感じなくなる洋風のポタージュ、あるいは納豆や他の食材と混ぜる風味の工夫を与えてみましょう。
A昆布だしに飽きた?洋風にアレンジ
大根と言えば和食というイメージがあったので、離乳食でも昆布だしで煮た大根を娘に食べさせていましたが、あまり美味しそうにしていませんでした。たまたま見た育児雑誌に「大根のポタージュ」のレシピが載っていたので試してみたら、これが大人でも美味しく食べられました。もちろん、娘も美味しそうに食べてくれました。たまには味や形を変えてみる必要がありますね。
離乳食後期は手づかみ食べできる大根餅がおすすめ
離乳食後期になると食事より遊びへの興味が強くなるため、好奇心を満たす手づかみレシピの方が良く食べてくれます。
離乳食後期に大根を食べない子には、赤ちゃんに好評の大根餅を試してみましょう。手づかみできて口当たりも優しいので喜んで食べてくれます。
A手づかみ大好きで克服
自分の手で食べることに興味を持ち始めた10ヵ月の息子。そこで毎食1つは手づかみできるメニューを出そうと考え、ネットで調べて作ってみたのが、「大根餅」です。いままで、大根はあまり食べてくれなかったのですが、大根餅には息子がハマってくれました。冷凍ストックできるので、重宝しています。
離乳食完了期は硬さや口当たりを調整
離乳食完了期に大根を食べない子は、硬さが気になるのかもしれません。完了期なのでアゴを鍛えるために硬めに調理するママもいますが、嫌いな食材の場合は口当たりを良くすると食べてくれやすくなります。
いつもいちょう切りや角切りの大根で離乳食を作っている場合は、ピーラーやスライサーで薄くスライスしてから、汁物や煮物に入れてみましょう。
大根の口当たりがツルツルトロトロの麺のように変わるため、大根嫌いの子でも喜んで離乳食を食べてくれます。
Aピーラーでトロトロに◎
我が家の長女は大根おろしが食べられるのに、いちょう切りにしたお味噌汁の大根は嫌がっていました。そこでピーラーを使って大根を剥いてお味噌汁に入れたら、美味しそうに食べてくれました。
ピーラーで剥いた薄い大根は、煮込むことによりトロトロになり食べやすいようです。それ以降、お鍋に入れる時も大根と人参はピーラーで剥いて入れています。加熱時間も短くてすむのでおすすめです。