離乳食はとうもろこしで鉄分補給!健康効果と段階別レシピ
夏の定番野菜といえばとうもろこしですよね!お祭りの出店などで売られている焼きとうもろこしを見ると、ついつい買ってしまいたくなるもの。そんなとうもろこしには、夏の暑い毎日に赤ちゃんの健康をサポートする嬉しい効果がたくさん詰まっています。
こちらでは赤ちゃんに嬉しい健康効果、アレルギー、離乳食用の下ごしらえ、選び方、離乳食レシピなどをご紹介します!
とうもろこしに含まれる赤ちゃんに嬉しい4つの栄養素
とうもろこしは主に4つの種類がありますが、日本で食べられているとうもろこしのほとんどはスイートコーン。甘くておいしいです。
ちなみに、とろみ付けやお菓子に使われるコーンスターチは、デントコーンが原料。デントコーンは次世代エネルギーとして注目されている、バイオエタノールの原料でもあるんです。
乾燥して粉にしたものを使用すればより多くのビタミン類やミネラルが摂取できますので、離乳食ではコーンミール、コーンフラワーなども上手に活用しましょう。
1鉄分
とうもろこしは穀物の中でも多くの鉄分を含む食材。鉄は血液中で酸素を運ぶ役割を担うヘモグロビンとなりますが、離乳食期の赤ちゃんはママのお腹の中で蓄えてきた鉄分が底をつき、体も急速に大きくなるため不足しやすいです。
鉄分が不足した赤ちゃんは全身に充分な酸素が行き渡らず、顔色が青白くなったり元気がなくなったりするので、離乳食ではまめに鉄分を補うことが大切です。
とうもろこし100g中の鉄分含有量
- ゆでとうもろこし(スイートコーン)0.8mg
- ホール缶0.4mg
- クリーム缶0.4mg
- 冷凍コーン0.6mg
- コーンスターチ0.3mg
- コーンミール1.5mg
- コーンフラワー0.6mg
離乳食期にはとうもろこしを炒ってお茶にしたとうもろこし茶もおすすめ。ノンカフェインで赤ちゃんでも安心して飲めます。
2糖質やビタミンB1
とうもろこしは米や小麦と並ぶ三大穀物の1つ。タンパク質や脂質、糖質を多く含んでいて、乾燥させたコーンフレーク、タコス、トルティーヤ、パンなどは主食として世界中で食べられています。
離乳食で食べたトウモロコシの糖質は、体内で分解されて糖になり、糖はビタミンB1によってエネルギーへと変わります。
とうもろこしの粒の真ん中にある胚芽には、ビタミンB1をはじめとするたっぷりのビタミンB類が含まれているので、とうもろこしを食べれば糖質とビタミンB1を効率的に摂取できます。
3ビタミンB2
ビタミンB2には、脂質の代謝を促進する働きがあります。他にも皮膚や髪、爪の再生にもかかわっていて、有害な過酸化脂質を分解する作用があります。
4食物繊維
とうもろこしに豊富に含まれる食物繊維は、水に溶けない不溶性の食物繊維です。不溶性食物繊維は体内の有害物質を吸着させ、体の外に排出させる働きがあります。
腸内環境を健全に整える働きもあるので、赤ちゃんには嬉しい栄養素。
トウモロコシの粒の皮の部分に最も多くの食物繊維が含まれていますが、離乳食ではお腹の負担になるためしばらくは取り除いて下さい。
5ミネラル
夏は水分補給として赤ちゃんに麦茶や白湯などを飲ませるママが多のですが、汗や尿と一緒に塩分などのミネラルも排出されます。
とうもろこしは鉄分だけでなく、カリウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富なので、特に夏場はとうもろこしを離乳食に使ってミネラル補給をしましょう。
離乳食にとうもろこしはいつから?初期からだけど調理にはひと手間必要
とうもろこしは是非とも離乳食に取り入れたい食材ですが、「皮もあるし、いつから食べられるの?」と初めての子育てで食べさせ方が分からないママは多いです。
離乳食の段階によってとうもろこしの食べ方が違うので、確認してから調理しましょう。
離乳食初期~|ペーストを裏ごしした皮なしからスタート
裏ごしをして皮を取り除いたものであれば、初期である5か月から赤ちゃんに与えることができますよ。ただし、与え始めはアレルギーに要注意。イネ科の食物、例えば米や小麦アレルギーがある赤ちゃんは、とうもろこしアレルギーを発症しやすいです。
とうもろこしはポップコーンや冷凍のとうもろこしをはじめ、コーンスターチやコーンスナックなど、多くの食品に材料として使用されています。ベビーフードのとろみ付けにもよく使用されていますので、アレルギーが心配な場合は、原材料表示を確認するようにしましょうね。
離乳食後期の10ヶ月頃~|刻んだ皮アリをスタート
後期の生後10ヶ月頃になると、とうもろこしを皮ごと刻んだものでも食べられるようになります。それでもまだ皮は消化できませんが、食物繊維として便にそのまま混ざって出てきます。心配するママも多いのですが、食物繊維としてしっかり働いてから出てきていますので大丈夫ですよ。
むしろ便通が悪い赤ちゃんには積極的に食べさせたいところ。うまく噛めない赤ちゃんのためにも、皮の部分が呑み込みやすいように細かく刻んで調理してあげると、赤ちゃんも食べやすくなりますよ。
満1歳を過ぎてから|そのままあげられる
1歳を過ぎると、とうもろこしの粒をそのまま食べられる赤ちゃんが増えてきます。また、上下の前歯がしっかり生えてさえいれば、芯からとうもろこしの粒をそぎ落とさなくても、芯についたまま丸かじりできる子も…。
でも、まだ油断は禁物!良く噛み砕かずに飲み込む赤ちゃんもいます。しっかりと噛んで飲み込めるようになるまでは、細かく切ったり、粗くみじん切りにしたりしましょうね。
離乳食の生とうもろこしの下ごしらえ方法
「生のとうもろこしをゆでるのはちょっと面倒…」「暑くて台所に立つのが辛い…」というママに、レンジでチン!するだけの簡単下ごしらえの方法をご紹介します♪
電子レンジで作る!離乳食のとうもろこしの茹で方
離乳食のとうもろこしは鍋でゆでるより電子レンジ加熱の方が早く食べられるので、普段の調理でもおススメです。
茹でるよりレンジ調理の方がとうもろこしの栄養も損なわれず、100g中の鉄分含有量は0.9mgと高くなります。
- とうもろこしの外皮をむいてひげも取り水に通す
- ラップに包み、500~600wで5分加熱
- 加熱終了後、粗熱が取れるまで常温でそのままにしておく
- 粗熱が取れたら、とうもろこしの粒を包丁で芯からそぎ落とす
- フードプロセッサーで細かく撹拌する
- 初期の場合、ザルでこして皮を取り除く
※加熱時間は目安ですので、ご家庭のレンジに合せて調節してください
ポイントは、粗熱が取れるまでラップに包んでおくこと。加熱後すぐにラップを外してしまうと、とうもろこしがシワシワになり、見た目が悪くなってしまう上に、うまみも水蒸気とともに逃げてしまいます。
離乳食には冷凍コーン?缶詰?2つの使い勝手
とうもろこしは夏が旬の食材ですが、今は夏以外でも冷凍コーンや缶詰のコーンを使って手軽に調理できますよね。冷凍コーンや缶詰コーンは保存性が高いのでストック食材にするととっても便利!ただし、離乳食という点から考えると、それぞれの特徴を知ったうえでママの使い勝手のいい方を選ぶことが大切です。
ちなみに栄養価が高いのは、とうもろこしを電子レンジで調理したもの。塩茹でしたり味付けしたりしていないので赤ちゃんのとり過ぎに注意すべきナトリウムも入っていませんし、栄養価も高いです。
1冷凍コーン
冷凍コーンは、短時間で加熱したものを急速凍結してあります。しっかりと加熱したものではありませんので、離乳食に限らず、加熱して使いましょう。自然解凍後にそのままペーストにして、加熱せず冷製スープなどにするなどの使い方はNGですよ。
また、コーンには「カーネルコーン」と「ホールコーン」の2種類がありますが、ホールコーンはカーネルコーンの約3倍の鉄分を含んでいますので、購入する時は袋の表記を確認して選ぶとよいでしょう。
2缶詰コーン
缶詰コーンは、冷凍コーンと比べると味がついていて栄養価が低いです。缶詰コーンはナトリウムが多いため、離乳食でホール缶を使う時はしっかり水洗いをしてから調理するように注意しましょうね。
また、コーンをペースト状にしたクリーム缶もナトリウムが高く、缶詰は同量の食パンに含まれる1/2の塩分に相当するナトリウムが含まれています。そのため、消化力の弱い離乳食初期の使用は控えましょう。
離乳食に便利!ベビーフードやパウダー
いくら電子レンジで簡単に加熱調理できるからといっても、離乳食期の裏ごしは面倒なママも多いはず。そこで、ベビーフードやパウダーを使って簡単に離乳食を作れる商品をご紹介します♪
ベビーフードのとうもろこし
離乳食の初期でペーストを使う場合、市販のクリーム缶には100g中260mgものナトリウムが含まれていますが、今回ご紹介するベビーフードでは1瓶70gでも29mgとナトリウムの量が少ないんです。自家製のペーストを作るのが難しい場合は、こちらも便利ですよ♪
北海道産コーン(うらごし)
キユーピー
甘みの強い北海道産とうもろこしを使って作ったベビーフードです。お出かけや忙しい時の離乳食としてそのまま与えてもいいのですが、ストックして離乳食作りに活用すると、味のバリエーションが増えて赤ちゃんが喜ぶ離乳食が手軽に作れますよ。
パウダーのとうもろこし
あまり馴染みがないママもいるかと思いますが、使っているママ達には大好評の話題の野菜パウダーをご紹介します!野菜パウダーは野菜そのものをパウダー状にしてあるので、生の野菜とほとんど変わらない栄養を、簡単に取り入れることができます。
また、裏ごしなどの手間をかけることなく調理できるため、忙しいママの離乳食作りにピッタリ!いろいろな料理に使えるので、料理の幅を広げることもできますよ♪
とうもろこしフレーク
野菜フレークの大望
北海道の空港などでも売られている人気商品。朝採りの北海道産とうもろこしを100%使用して加工してあり、生のとうもろこしでは半日で損なわれてしまう鉄分や食物繊維、ビタミン類がそのまま残っています。無添加無着色の商品で、水を加えるだけで簡単に裏ごししたようななめらかペーストに早変わり!離乳食作りに幅広く活用できますよ。
離乳食初期のとうもろこしレシピ&ポイント
10倍粥や、ほうれん草などの野菜に慣れてきたらとうもろこしを与えてみましょう。とうもろこしは離乳食の初期から使うことができる食材ですが、この時期は粒の周りにある薄皮を取り除いて裏ごししたペースト状のものを与えましょうね。
こちらでは、とうもろこしペーストを使ったコーンスープをご紹介します。そのまま与えても美味しいですが、コーンスターチを入れてとろみをつけたり、離乳食用のホワイトソースを混ぜたりしてもOK!赤ちゃんがパクパク食べてくれますよ♪
コーンスープのレシピ
材料:裏ごし済みとうもろこし、コーンスターチ適量、水適量
- 水溶きコーンスターチを作っておく
- 鍋で裏ごし済みとうもろこしと水を温める
- 水溶きコーンスターチを入れてひと煮立ちさせる
※小さめのミルクパンがない場合は、少量で作りにくいため大人用と一緒に作るのがおすすめ!大人用は生クリームや塩、コンソメなどで味を調えましょう
離乳食中期のとうもろこしレシピ&ポイント
離乳食の中期になるとレシピがマンネリ化しがちになりますが、冷凍保存しておいたものを使ったり、ベビーフードなどを上手に使ったりしてレシピのバリエーションを増やしていくと赤ちゃんも飽きないですよ。
こちらではパン粥のとうもろこしレシピをご紹介しますが、パン粥に使うお野菜は、色々と変えてみるとよいでしょう。ただし、この時期の赤ちゃんは上手に噛み砕くことができないので、細かく切って柔らかくしたものを入れるようにすると、赤ちゃんも食べやすいですよ。
とうもろこしパン粥のレシピ
材料:とうもろこしペースト大さじ2、にんじん5g、ピーマン5g、食パン(耳なし)1/4枚、調乳済み粉ミルク100cc
- にんじんとピーマンをみじん切りにして、ラップに包み電子レンジ500wで2分加熱
- 食パンを2cm角に切る
- 鍋に1と2、とうもろこしのペーストと調乳済みのミルクをいれてひと煮立ちする
離乳食後期のとうもろこしレシピ&ポイント
食べ物の味を覚えてきて好き嫌いやムラ食いが出てくる離乳食後期は、「せっかく作ったのに食べてくれない!」と悩むママも多いかと思いますが、そんな時期なんだと割り切って気楽に構えることも大切です。
こちらではブロッコリーととうもろこしを使ったスープをご紹介します。同じ食材でも切り方や固さを工夫すると、赤ちゃんが様々な食感を感じながら、食べやすくなりますので試してみましょうね。
とうもろこし&ブロッコリーのスープのレシピ
材料:とうもろこし大さじ3、ブロッコリー1房、牛乳または調乳済み粉ミルク大さじ2
- とうもろこしはみじん切りにする
- ブロッコリーはラップに包み電子レンジ500wで1分加熱
- 2を茎の部分は1cm角に、花の部分はみじん切りにする
- 鍋に1と3、牛乳を入れてひと煮立ちさせる
離乳食完了期のとうもろこしレシピ&ポイント
完了期は大人の食事を食べる練習期でもありますが、味付けもやわらかさも大人の食事と全く一緒ではないので油断は禁物です。また、赤ちゃんは1回の食事量が多くないので、1日3回の食事に加え、2回のおやつ(捕食)を必要とします。この時、お菓子などよりも、蒸したお芋や、おにぎりなどおなかにたまるようなおやつにしましょう。
こちらでは、完了期の離乳食レシピにピッタリなとうもろこしを使ったお焼きをご紹介します。歯がしっかり生えている赤ちゃんには、とうもろこしを刻まずにそのまま入れてもいいですね。たくさん作ってラップに包み、冷凍保存してストックしておくと、好きな時に解凍して食べられるのでとっても便利です。
とうもろこしおやきのレシピ
材料:とうもろこし大さじ1、にんじん5g、玉ネギ5g、ピーマン5g、ツナ大さじ1、小麦粉大さじ1、水と油適量
- とうもろこしを粗みじん切りにする
- にんじん、玉ネギ、ピーマンをみじん切りにする
- ボウルに1、2とツナと小麦粉を入れ、まとまるくらいに水分を加えてタネを作る
- 熱したフライパンに薄く油をひき、スプーンでタネをまとめて両面を焼き色がつくまで焼く