赤ちゃんの寝言泣きを夜泣きと間違えてない?誤った対処が睡眠リズムを崩す!?
赤ちゃんのお世話の中でもママの悩みで大きな割合を占めているのが赤ちゃんの夜泣きですが、もしかするとその赤ちゃんの夜泣きは「寝言泣き」かもしれません。
寝言泣きを夜泣きと思い込んで誤った対処をしてしまうと、赤ちゃんの睡眠リズムを壊してしまいかねません。
寝言泣きで苦労するママのお世話をグッと楽にするためもに、赤ちゃんの寝言泣きの原因や見分け方、対処法を知っておきましょう。
寝言泣きってなに?夜泣きとの違いはしばらくすると自然に寝付く点
赤ちゃんの寝言泣きとは、そのものズバリ赤ちゃんの寝言のことを言います。生まれたばかりの新生児や赤ちゃんは短いサイクルで睡眠と起床を繰り返し、大人が浅い眠りのレム睡眠の時に脳を活発に動かして夢を見るように夢を見て寝言を言うのです。
寝言泣きも夜泣きも同じ「泣く」行動ですが、赤ちゃんの夜泣きは「○○をしてもらいたい」というアピールが原因のため希望が叶うまで治まらないのに対し、寝言泣きはただ寝ぼけているだけなので、しばらくすると自然に寝付いてくれるという違いがあります。
レム睡眠とノンレム睡眠の違いは?脳が活動しているか休止しているか
レム睡眠は眠りが浅く、身体は休止していても脳が活発に活動をしている状態で、トイレに起きてしまったり物音により目が覚めやすかったりします。
一方、ノンレム睡眠は眠りが深く、身体を支えている筋肉は動いている状態ですが、脳も身体も休止しています。
赤ちゃんの寝言泣きの原因は?睡眠中の夢に関係がある
大人の寝言がそうであるように、赤ちゃんの寝言泣きのキッカケも、睡眠中に夢を見ていることにあります。
レム睡眠の間は、脳の記憶を司る大脳皮質や辺縁系は起きている時とほとんど同じ状態で動いていて、過去の記憶を再生しながらストーリーを組み立てていくのですが、同時に視覚野や運動中枢も活動をしているため、ストーリーにあわせて眼球や四肢が反応して動きます。
この時、脳の言語中枢が活動していると夢のストーリーに合わせて言葉を発し、寝言となって現れるというわけなのです。
しかし、夢を見ている時には必ず体を動かしたり寝言を言ったりするのかというとそうではなく、寝言などの反射が出やすいのは、ストレスがたまっていて興奮しやすい内容の夢に限られるそうです。
これは大人も赤ちゃんも同じですので、赤ちゃんは怖い目にあった時や、ママやパパにひどく叱られたことなどの日々の経験を辿って夢を見て、反射的に寝言泣きをしてしまうのです。
寝言泣きは起こしてはいけないって本当?起こさないのがベスト
結論から先に言うと赤ちゃんが寝言泣きをしている時は、むやみに声をかけたり起こしたりするのはオススメできません。
赤ちゃんが徐々にハッキリとした言葉をしゃべるようになると、「ママ」とか「やめて」などの具体的な寝言が出るようになり、ついつい言葉を返してしまいますが、この時、赤ちゃんの脳は起きている状態ですから、話しかけられたことをキッカケに眠りから覚めてしまいます。
「寝る子は育つ」といわれるように、赤ちゃんは成長のために質の良い睡眠がたくさん必要です。
赤ちゃんの脳や体をしっかり休ませてあげられるよう、寝言泣きをしている間の赤ちゃんはそっとしておいてあげましょう。
赤ちゃんの寝言泣きの特徴は?夜泣きと見分ける3つのポイント
夜中、ママやパパを悩ませるのが赤ちゃんの悲しげな泣き声。つい、泣いている赤ちゃんを何とかしてあげたいという思いに駆られてしまいますが、赤ちゃんの行動をしっかり観察して寝言泣きなのか夜泣きなのかをしっかり見極めることが大切です。
1寝言泣きは放っておけば自然に寝付きます
寝言泣きも夜泣きも泣き声であることは変わりありませんが、一番大きな違いは泣く理由です。
夜泣きは「お腹が空いた」「おむつを替えて」などの不満を訴えるために泣いているのに対し、寝言泣きは寝ぼけているだけなので、泣いていることに意味はありません。
夜泣きの場合、赤ちゃんは不満が解決して満足するまで泣き止みませんが、寝言泣きの場合はしばらく放っておけば、自然と再び眠ってくれます。
赤ちゃんが夜中に突然泣き出した場合には3~5分程静かに見守って、寝言泣きであるのかそうでないのかをしっかり見極めてくださいね。
2寝言泣きには一定のリズムがあります
私たちの睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠を一定のリズムで繰り返しています。
そのリズムは大人だと約90分毎なのですが、赤ちゃんの場合はちょっと短くて40~60分間隔です。そのため、赤ちゃんが寝言泣きをする場合、約1時間おきに繰り返し泣き声を上げる傾向にあります。
赤ちゃんが深夜に泣き始めたら、むやみに手を出すのではなくて様子を見守りましょう。
手足をバタバタさせて激しく動くこともありますが、数分放っておくことで徐々に泣き声が弱まり、また眠ることを繰り返すのであれば、寝言泣きである可能性が高いといえますね。
3稀に寝言泣きで笑うこともあります
大人の寝言にバリエーションがあるように、赤ちゃんの寝言泣きにも、泣き声だけでなく様々なバリエーションがあります。
時にはニッコリと微笑みながら「キャッキャ」と天使のような笑い声をあげることもありますが、放っておいてすぐ寝付くのであれば、これも寝言泣
夜泣きの場合は何らかの不満をぶつける手段ですから、不快であることを表現する泣き声しかバリエーションはありません。
寝言泣きでは「キャーッ」と突然叫び声をあげることもありますが、これは何か怖いことを夢で思い出しているだけなので、心配しすぎて起こさないようにしてくださいね。
赤ちゃんが寝言泣きをしたときにおすすめの対処法6つ
夜泣きであれば、赤ちゃんが満足するようにお世話をする必要がありますが、寝言泣きの場合は赤ちゃんの睡眠のリズムを壊さないことが大切です。
泣き声を上げた赤ちゃんが、また気持ちよく眠りを迎えられるように、ママが上手に誘導してあげましょう。
1最良の対処法は「何もしない」
夜中に赤ちゃんが寝言泣きで泣き出した時の一番良い対処法は、放っておくことです。
寝言泣きの場合、赤ちゃんは何かに不満があるわけではなく、反射的に声を上げただけですので、無理に起こしたり話しかけたりしなければ、そのままリズムに従って眠りに戻っていきます。
また、放っておくことで赤ちゃん自身が自分で睡眠のリズムを体得し、ママの手を借りずに一人でもグッスリ眠るようになってくれます。
日本のママは赤ちゃん第一に生活をするため、夜中に泣き出した赤ちゃんを放っておくのを可哀想だと思い込んでしまいがちですが、手を出すことだけが親の愛情の示し方ではありません。
十分な睡眠をとらないと成長に支障が出るため、赤ちゃんの夜中の寝言泣きは静かに見守ってあげましょう。
A何もしないのが正解です
1歳の娘の夜泣きがひどくて、いつも夜中に眠い目をこすりつつ重くなった体を頑張って抱っこして寝かしつけていたのですが、ママ友に「寝言泣きじゃないの?」と指摘され、赤ちゃんが夜中に泣いても何もしない方が良いと教えてもらいました。半信半疑で試したのですが、これが大正解!
最初のうちは泣き声に我慢できなくてオロオロとしてしまいましたが、3日もすると娘がちょっと泣いてもすぐに布団に潜り込んで自分から眠るようになってくれて、夜中の奉仕から解放されました。
2背中をトントンしてあげましょう
寝返りができる赤ちゃんの場合、寝言泣きが激しくて、だんだんと眠りから覚めて動き出してしまうこともあります。そんな時には、赤ちゃんの背中をそっとトントンとたたいてあげると寝付きやすくなります。
柔らかい手で送り込むトントンというリズムは、赤ちゃんが安心するママの鼓動に似ているため、ママのお腹にいた時の安心感を思い出すのだそうです。
寝言泣きの場合には泣き止ませようとあやすと赤ちゃんの目が覚めて、ひどいグズリを招くことがあります。一旦目が覚めるとようやく寝入ったから下ろそうと思っても、背中スイッチがONになってしまうことも。ママが一緒に寄り添って体温を分けてあげながら、優しく眠りに誘導してあげてくださいね。
3バスタオルや毛布で包んであげましょう
1歳未満の赤ちゃんの背骨は、ママのお腹にいた時の姿勢に近いC型にカーブを描いていて、寝る時も背骨が軽くカーブするように包み込んであげると寝付きやすくなります。
赤ちゃんが寝言泣きで目を覚ましそうになったら、優しくバスタオルや毛布で包んで、眠りやすい姿勢をキープしてあげましょう。
寝入りばなの赤ちゃんはとても敏感ですから、乱暴な動作はおすすめできません。温度の変化や布団の柔らかさが違うだけでも起きてしまうことがあるので、できるだけ環境が変わったことに気付かせないように、そっと優しく対応してみてくださいね。
4手をキュッと握ってあげましょう
赤ちゃんはママの体温が大好きで、眠るときに柔らかいものを触って安心したい傾向があります。
赤ちゃんが寝言泣きで泣いてしまったら、無理にあやすのではなくキュッと手を握って安心させてあげましょう。しばらくは泣き声をあげていても、ママの手にすり寄って再び眠りに向かってくれますよ。
赤ちゃんによってはママのホッペや耳たぶなどのお気に入りのパーツがある子もいますから、赤ちゃんの手をそういった部分に触らせてあげるのもいいですね。
手を握るのは親子の最高のスキンシップなので、ぜひ寝言泣き対策に取り入れてみてくださいね。
Aスキンシップは素晴らしい!
寝言泣きや夜泣きで苦労しているというわけではないのですが、先日5歳の息子と2歳になる娘と一緒に寝ている時に、娘が「キャッキャッ」と可愛い笑い声をたてながら、息子のお腹に乗っかっていました。
「ああ、寝ぼけてるなあ」と思ってそのまま見ていたのですが、重みで起きてしまった息子が寝ぼけながらも娘の手を握りこんで、二人で手を握りながら再び眠りについてくれました。手を握るのは大人でも気持ちがいいですよね。それ以来、私も寝かしつけの時には子供の手を握ることにしています。
こんなかわいい姿を見ることができるのも、育児の醍醐味だと子供達に感謝しています。
5歌を歌ってあげましょう
ママのお腹の中で育った赤ちゃんは、しっかりとママの声や音の振動を覚えていて、ママの声を聴くと安心して落ち着いてくれます。
赤ちゃんが寝言泣きをしてうつらうつらとしてしまったとき、ママが歌を歌ってあげると眠ってくれる子も多いようです。
寝かしつけに歌う曲は、マーミ―の体験談でも静かな子守唄や優しい歌を選ぶママが多いです。
「夜寝るときにはこの歌を歌う」と決めて、寝入りばなに同じ子守唄を聞かせる習慣を作っておくと、寝言泣きや夜泣きなどで不意に起きてしまった時に条件反射でよく眠ってくれるそうですよ。
Aお歌は逆に悪化させる時も…
うちの子は夜泣きも寝言泣きもそんなにひどくはないのですが、ある日明らかに寝ぼけて泣き出してしまったので、その時お気に入りだったアンパンマンの歌を歌ってみました。
そうしたら、バッチリ目が覚めてしまって、何度も歌をねだられて疲れ果ててしまいました。
ちょうど2歳半くらいだったと思うのですが、アンパンマンが大好きで、歯磨きのカウントにもアンパンマン、トイレットトレーニングの合図もアンパンマンの歌を歌っていたのですが、あんまり好きな歌は喜びが強くて逆に目がさえてしまうようです。
寝かしつけに歌うなら、オーソドックスな子守唄が良いみたいですね。
6どうしても泣き止まない場合は?
どんな方法を試しても、寝言泣きがどうしても治まらないこともあります。3~5分放っておいても再び眠りに入っていかない場合には、赤ちゃんは泣きすぎて完全に目が覚めてしまい、本格的な夜泣きをしている可能性が高いでしょう。
こんな時に無理に寝かしつけても、興奮状態の赤ちゃんは寝付いてくれませんから、赤ちゃんの気分転換を図りましょう。抱っこであやしてあげたり、絵本に誘ってみたり、気分を変えてお茶やジュースを少しだけ飲ませるのもよいですね。
照明を暗くして落ち着いた環境を作ってあげてから、自然な眠りに再度誘ってあげましょう。
A寝付かない時はとことん付き合います!
寝言泣きの場合は放っておくように言われて、私もむやみに手を出さないようにしていたのですが、すぐに眠ってくれる時とどうしても眠ってくれない時があります。
布団に顔をこすりつけながら泣いているうちはいいのですが、布団から起き上がって、おすわりになって泣いている状態になってしまえばもうダメなので、そんな時は思い切って赤ちゃんを抱っこして、とことん付き合ってあげることにしています。
眠くて機嫌が悪くて「イヤッ」「メメッ」と手を払われてしまうこともあるのですが、こういった言葉が出てくるのも自我が育っている証拠ですよね。
なにか嫌なことを夢に見たんだろうなあと「嫌だったね」「そうだね」と話しかけながら、子供の気持ちを考えてサポートしていています。
寝言泣きをスルーする余裕はある?ママは先に手を出さずに見守って
子供の顔や性格が一人ひとり違うように、赤ちゃんの睡眠にはそれぞれのリズムや癖があります。
ママや周りの大人が良かれと思って手を出しすぎてしまって、赤ちゃん本来の睡眠リズムを壊してしまうことのないよう、赤ちゃんの様子を見極めて、気持ちに余裕を持って赤ちゃんの寝言泣きを見守ってあげることが大切です。
泣いている赤ちゃんを放っておくのは心が咎めるかもしれませんが、赤ちゃんのすること全てに先手を打って手を出してしまうことがよいことばかりとは限りません。
赤ちゃんが様々な経験を通して、自分の睡眠リズムを体得しようとする成長を家族でサポートしていけるといいですね。