出産後にやることとは?産前に知っておくと役立つ23のリスト
出産後は、慣れない育児をしながらやらなくてはいけないことが山積み。想像以上に大変な生活が待っています。そこで出産後の負担を少しでも軽減できるように、出産前からやることを知り準備や心構えを行っておくと、後の生活がずいぶん楽になります。
そこで今回は出産直後から2~3ヶ月の間にやることを、「手続き」「ママや赤ちゃんに関すること」などのカテゴリ別にまとめてリストアップしてみました。忘れてはいけない大事なこともあるので、事前に知ることでスケジュールを組んだり、出産後の生活をイメージしたりするのに役立てましょう。
出産後にやること~手続き編
出産後は赤ちゃんが生まれて家族が増えるということで、さまざまな手続きが必要となってきます。まずはそれぞれの手続きの期限、書類の提出先、手続きに必要なもの等を確認していきましょう。出産後は赤ちゃんがいるので身軽に外に出られません。必要な手続きを知っておいて、できるだけ準備しておくことが大切です。
1出生届
出生届は赤ちゃんを戸籍に登録するための大切な手続きです。生後14日以内に住民票のある地域か、本籍地の役場、ママの里帰り先の役場に提出します(注1)。提出者は原則としてパパかママなので、どちらが届け出るか相談しておきましょう。手続きには病院で記入してもらう出産証明書や印鑑、母子手帳が必要です。
2児童手当金
中学校終了前の子供の養育にかかるお金を支給してもらえる制度です。赤ちゃんが生まれてから15日以内に手続きを行いましょう。手続きが遅れてしまうとその月の児童手当が支給されないこともあります(注2)。
申請先は住民票のある役場で、届出人の印鑑、健康保険証、所得証明書、振込先の口座番号が分かるものを用意します。
3健康保険の申請
赤ちゃんの1ヶ月健診までに健康保険に加入しておきましょう。申請はパパが会社勤めの場合は会社に、パパが自営業で国民健康保険の場合は住民票のある自治体で行います。ママも会社勤めの場合は、赤ちゃんがどちらの扶養に入るか事前に話し合っておきましょう。手続きには印鑑、出生届のコピー、母子手帳、健康保険証が必要です。
4乳幼児医療費助成
赤ちゃんの医療費を国や自治体が助成してくれる制度があるので、そのための手続きも必要です。申請先は住民票のある役場で、印鑑や赤ちゃんの保険証、母子手帳が必要です。その他必要な物や、所得制限、助成してもらえる年齢などが自治体によって違うので、事前に確認しておくといいでしょう。
5育児休業給付金
ママが産後休暇明けから子供が1歳になる前日までの間に育児休業を取得している場合、健康保険から休んでいた期間の給料のおよそ40~50%を支給してもらえます(注3)。育児休業を取得する1ヶ月前までにママが勤務先の窓口で申請します。申請には印鑑、振込先の口座番号が分かるもの、出生を証明できるのもなどが必要です。
6出産手当金
出産手当金の支給も仕事をしているママだけが該当します。ママが加入している健康保険から産前産後合わせて14週間の、産休中の給料の3分の2を支給してもらえます。産後休業が明ける8週以降に勤務先の窓口でママ自身が申請を行い、その際には印鑑、健康保険証、振込先の口座番号が分かるもの、出生を証明する書類などが必要になります。
7出産育児一時金
出産には多額の費用がかかりますが、加入している健康保険から出産費用の一部が支給される出産育児一時金という制度があり、平成29年時点での支給額は42万円です(注4)。パパやママが会社勤めの場合は勤務先の窓口に、国民健康保険に加入している場合は、住民票のある役場に申請します。期限は出産翌日から2年間と余裕がありますが、忘れないためにも早めに申請しましょう。
出産後にやること~ママ編
出産後は赤ちゃんのことに気を取られて、ママは自分のことを後回しにしてしまいがちです。後回しにしているうちに「つい忘れていた」なんてことにならないように、ママ自身が出産後にやることを知っておきましょう。
1ゆっくりと体を休める
産後まもないママは体を休めて回復に努めることが一番の仕事です。退院して赤ちゃんとの生活がスタートすると、休みたい時に休めない、24時間年中無休営業の日々が待っています。ママの代わりは誰もいないのですだから、休める時にゆっくりと休んで体力温存し、産後の体調不良に備えましょう。
2おむつ替えや授乳などのお世話
出産後はママやパパがおむつ替えや授乳などを行い、困っても相談相手がいないことが多いです。日々成長する新生児は病院にいた時と様子が変わっていきますので、ママは疑問や不安を感じながら子育てを行うことが多いです。そのため退院してから一人で悩まずにすむように、入院中には看護師さんや助産師さんに積極的に確認したり、相談したりしておくことが大切です。
妊娠中のママはおむつ替えや授乳のイメージをしたり、実際に試してみたりして、赤ちゃんのお世話に関して分かりにくいことや不安なことをピックアップし、入院中の看護師さんに確認しておきましょう。
3お見舞いに来てくれた人への対応
入院中のママは診察や赤ちゃんのお世話の指導などで忙しいため、お見舞いに来てくれた人に対応するのは意外と大変なもの。ですから面会時間や診察などの予定があらかじめ分かっている場合には、早めに知らせましょう。
特に、「遠方からお見舞いに来てくれた人が赤ちゃんに会えない」という事態になって慌てることのないように、事前に配慮することが大切です。
4骨盤ケア
お産の時に大きく開いた骨盤は、産後3~4ヶ月かけてゆっくりと元の正常な状態に戻っていきます。しかしお産によって左右のバランスが崩れていたり、悪い姿勢が癖になっていたりすると、骨盤が歪んだままになりさまざまな体調不良を引き起こします。ですから出産前から骨盤ベルトやガードルなどの骨盤ケアの準備をしておきましょう。
5床上げ
古くから、出産してから21日目あたりを目安に床上げをし、徐々に家事を再開するのがよいと言われてきました。出産直後に産婦が無理をすることで、産後の肥立ちが悪くなるためです。床上げを目安にして徐々に家事などの量を増やしていけるように、パパや両親などに協力を頼んでおきましょう。
出産後にやること~赤ちゃん編
赤ちゃんがいる生活がなかなかイメージできないママも多いでしょう。そこで赤ちゃんのことに関して、出産後にやることには次のようなことがあるので、どのようなものか知ってあらかじめイメージトレーニングしたり、スケジュールを立てたりするのに役立てましょう。
1頻回授乳
生後間もない赤ちゃんには、頻繁に母乳を与える頻回授乳が必要です。人によっては30分~1時間おきに1日10~20回くらい授乳するようになります。頻回授乳は夜まとまって寝るようになる生後3ヶ月くらいまで続くため、ママは次第に疲れが溜まってしまいますので、ある程度赤ちゃんとの生活をイメージして覚悟しておきましょう。
2沐浴
退院した当日から日課となるのが沐浴です。赤ちゃんを清潔に保つためだけでなく、親子のスキンシップにも沐浴は大切です。入院中に沐浴指導を受けていても、実際一人でするのは大変。慣れないうちはパパと協力し合うとスムーズに進むので、パパの仕事のスケジュールと調整して赤ちゃんのお風呂の時間を確保しておくとよいでしょう。
3外気浴
生後3週間くらいから、外の空気に慣れるための練習として外気浴を始めます。最初は室内で窓を開けて外の空気に触れさせることから始め、抱っこしてベランダに出たり家の周りを少し歩いたりと、徐々にステップアップしていきます。外の空気に触れることはママにとっても良い気分転換になるでしょう。
4新生児2週間健診や1ヶ月児健診
新生児2週間健診は出産した産院や総合病院の産科が行うもので、全ての産院で行われるものではないため産後のママ全員が案内を受けるわけではありません。赤ちゃんの健診を行うことのみが目的ではなく、退院して子育てを実際にはじめたママの悩みや不安を解消するために行うのが主な目的です。
ただし他の病院で生まれた赤ちゃんとママを受け入れてくれる産院もありますので、受けたい場合はあらかじ調べておくとよいでしょう。
また1ヶ月児健診は任意健診のため基本的には有料ですが、自治体によっては無料となる地域もあります。赤ちゃんが順調に育っているかどうか、先天性の病気の可能性はないかなどをチェックしてもらえる大切な健診であると共に、赤ちゃんとの生活を始めて気づいた心配事を専門家に相談できる大切な機会でもあります。
最も早い無料で受けられる公的健診は3~4ヶ月健診ですので、退院してからは少し期間が空いてしまいます。特に初産の場合、1ヶ月児健診を受けた小児科がかかりつけ医になることが多いので、出産前によい小児科を調べておき、1ヶ月健診を受けさせるとよいでしょう。
5予防接種
赤ちゃんは生後2ヶ月からいろいろな予防接種を受けられるようになります。ところがいざ予防接種を受けさせようと調べてみると、その膨大な量にびっくりするママも多いです。生後2ヶ月からB型肝炎、ヒブ、肺炎球菌、ロタウイルス、3ヶ月にはさらに四種混合を受けるので、あらかじめスケジュールを立てておきましょう。
出産後にやること~イベント編
赤ちゃんが生まれてからはイベントも盛りだくさん。産後はママの体調が元に戻るまでに時間がかかるため、準備に追われてしまうととても大変です。どんなイベントをいつするのか知っておくことで、出産前からパパや親族とスケジュールを立て、お祝い着など必要な物の準備や食事会の予約などは事前にしておきましょう。
1お七夜・命名式
お七夜とは、生まれた日を1日目として数え、誕生7日目を祝う昔ながらの行事です。そのお七夜の際に赤ちゃんの名前を披露する命名式を行うことが一般的。
しかし出産後7日目といえば、退院したばかりでバタバタしている状態。ですから出産前から命名書の準備などを行っておくと、スムーズにお七夜を祝えます。
2お宮参り
お宮参りも赤ちゃんの誕生を祝う行事の一つです。男の子は31日目、女の子は32日目に、家族で神社を訪れて行います。最近では日にちに関係なく、赤ちゃんとママの体調や天候の良い時に行うことが多くなっています。
どこの神社に行くか、初穂料の相場、のし袋の書き方、赤ちゃんの祝い着、お宮参り後の親族との食事会のことなど、出産前に調べておきましょう。
3初節句
女の子は3月3日上巳(じょうし)の節句、男の子は5月5日端午(たんご)の節句があって、赤ちゃんが初めて迎える節句の日に、健康と厄除け祈願をします。女の子には雛人形、男の子には五月人形や鯉のぼりを準備するのですが、地域によって「男の子の節句はパパ方の祖父母が準備する」など習わしもあるので、出産後まもなく初節句がある場合は、事前に話し合っておきましょう。
4お食い初め
お食い初めとは、赤ちゃんが一生食べ物に困らないようにと願う儀式のことで、生後100日目か120日目あたりに、家族や親戚の都合のいい日に行うのが一般的です。お食い初めの献立や食器、儀式で使う歯固め石など準備する物がたくさんあるので、手配先を前もって考えておくと慌てません。
出産後にやること~その他
出産という一大イベントは、家族などの身内だけではなく職場や友人など周囲の人も関わってくるので、次のように出産後にやることがあります。その後の人間関係を良好に保つためにも慌てずマナーを守って行えるように、出産前から心構えをしておきましょう。
1出産の報告
赤ちゃんが生まれたら家族や友人、職場へ、出産の報告をします。ただし出産報告によってお祝いを催促しているように受け取られたり、不妊で悩んでいる人を傷つけたりすることもあるので、報告する相手には気遣いが必要と言えるでしょう。あまり親しくない人には年賀状のついでに出産報告を済ませるという手もあります。
2内祝いの準備
出産祝いのお返しに内祝いの準備もしなければなりません。内祝いは出産後1ヶ月頃に、出産祝いをいただいた人に贈るのがマナーです。1ヶ月健診、お宮参りなど忙しい時期ですが、赤ちゃんの誕生を祝ってくれた人への感謝の気持ちが伝わるように、インターネットなどで事前に贈る物をリストアップしておくとよいでしょう。
参考文献