タンデム授乳って何?双子や年子の育児を時短できる授乳のやり方
「タンデム授乳」という言葉を聞いたことはありますか?「タンデム授乳」とは、双子や年子のママがよく行っている授乳スタイルです。メリットも多いため、双子や年子の育児に不安を抱えているママは、知っておくと何かとお得ですよ。
ただし、正しいやり方やママ自身の体のケアを知らないと、負担が大きくなってしまう一面も…。そこで今回は、タンデム授乳の具体的なやり方、清潔に保つコツ、メリットとデメリット、妊娠中の授乳の注意点、初乳の扱い、上の子と断乳、先輩ママの体験談まで徹底的にご紹介します!
タンデム授乳って何?
タンデム授乳とは、基本的には上の子と下の子(または双子)の二人で、同時にママのおっぱいを分け合って授乳するスタイルのことです。また、同じ時期に上の子と下の子を順番に(時間差で)授乳させることや、妊娠中に上の子へ授乳を続けることをタンデム授乳と呼ぶこともあります。今まさに赤ちゃんに授乳中のママが聞くと、「一人に授乳するだけでも大変なのに、二人って可能なの!?」と驚いてしまいますよね。
最近では、WHO(世界保健機関)が2歳以上までの授乳継続を推奨していることもあり、子どものペースに合わせてゆっくり卒乳するママが増え、生まれたての乳児と上の子のタンデム授乳をする家庭が増えていると言われています。
ママのおっぱいを欲しがって泣きじゃくる上の子と、生まれたばかりの下の子を同時に対応するには「一緒に飲ませた方が断然ラク!」と考えるママもいますし、「重たいけれど上の子が自然卒乳できるまで頑張りたい」というママもいて、それぞれが納得いく授乳の形を模索しているのですね。
タンデム授乳のやり方(ポジション)
タンデム授乳は具体的にどうやって行えばいいのでしょうか?こちらでは、完全に二人同時に授乳するやり方と、時間差で順々に一人ずつ授乳するやり方の2種類をご紹介します。
二人同時に授乳する場合のやり方
これは、双子ちゃんの場合と、年子の場合で若干異なります。また、子どもの成長に応じて、おすわり出来る赤ちゃんとできない赤ちゃんでもポジションは変わりますね。タンデム授乳には「絶対にこうしなければいけない」という決まりがあるわけではありませんので、ママ自身が楽な姿勢で、安定して行える方法を探してみるのが一番です。
【双子の場合におすすめの2つの方法】
- 2つの座布団やローテーブルに、赤ちゃんの頭を向かい合わせにして寝かせ、ママが覆いかぶさるようにして吸わせる
- U字型の授乳クッションを腰に巻き、赤ちゃんの足がママの背中側に向くよう両脇に抱える「フットボール抱き」にして授乳する
【下の子と上の子(年子)で同時に吸う場合】
- 授乳クッションに赤ちゃん(下の子)を寝かせて吸わせ、上の子にはママの横や反対側に座ってもらい、横から吸ってもらう
【下の子もお座りできるようになったら】
- 二人を縦抱きにして、それぞれママの膝の上に乗せて向かい合うように飲ませる
「二人の子どもを同時に抱えることで、幸せも2倍感じられる」というママもいますよ。ただ、二人同時の抱っこは重量があるため腕や肩に大きな負担がかかりやすく、母乳が一気に吸われるため「ス~ッと気が遠くなる(貧血のような)感じがして…」というママもいます。体力に自信がない時は無理に同時進行せず、時間差で授乳する方に切り替えましょう。
二人時間差で授乳する場合のやり方
時間差でタンデム授乳する場合は、できるだけ先に下の子を授乳してから、上の子を授乳するという順番にしましょう。まだ離乳食を食べていない下の子にとって、母乳は唯一の栄養源です。下の子の成長に必要な量をしっかり与えられるように、まずは下の子を優先した方が安心なのです。
とはいえ、上の子のほうが自己主張も力も強いですから、「僕が先~!」と駄々をこねることもあるでしょう。下の子を力で押しのけようとするなんてことも…。そんな時は決して怒らずに、「赤ちゃんはまだおっぱいしかご飯が食べられないから、先に飲ませてあげようね。〇〇ちゃんは次だよ」と上の子に優しく説明してあげてくださいね。それでもどうしても上の子が我慢できずに泣き叫ぶなら、最初の一口だけ少し先に飲ませて、気持ちを落ち着かせてあげるなどの柔軟な対応も必要です。
タンデム授乳によって母乳の量が不足することを心配するママもいますが、母乳は吸われれば吸われるほどドンドン作られ分泌量が増える仕組みになっているため、量が足りなくなる心配はあまりしなくても大丈夫ですよ。
タンデム授乳のメリット&デメリット
タンデム授乳には、きょうだい育児の面やおっぱいの出方などの面で色々なメリット・デメリットがあります。今二人目の妊娠中のママや、上の子におっぱいをせがまれて悩んでいるママなど、きょうだいの授乳に興味がある方はぜひ参考にしてくださいね。
メリット
タンデム授乳の一番のメリットは、上の子との触れ合い(スキンシップ)を大切に維持できる点です。生まれたばかりの赤ちゃんへの授乳やおむつ替えは頻繁なので、上の子からしたら「ママはいつも下の子ばかり抱っこしている」と感じてしまいやすいのです。特にママと直接触れ合える授乳は、子どもにとって安心できる特別な時間。上の子がすでに卒乳しかけている場合でも、下の子が大好きなママのおっぱいを独占しているのを見て「ママをとられた」と感じて赤ちゃん返りすることがあるため、上の子への心のケアが必要になります。
タンデム授乳をすれば、「あなたも赤ちゃんと同じように大切だよ」というママの愛情をダイレクトに伝えやすくなります。上の子の嫉妬心も徐々におさまっていき、下の子に対する態度も優しく軟化していくことが多いですよ。きょうだい間で仲が良くなれば、ママの精神的にもだいぶ楽になりますね。
タンデム授乳はメリットが多い!
- 上の子の吸う力が強いため、母乳が滞らず胸がスッキリしやすい
- 上の子との触れ合い・安心感を維持できる
- 上の子の赤ちゃん返りが軽くなり、下の子に優しくなりやすい
- 頻繁に吸われるため、母乳の分泌量が自然とアップする
- 母乳が出過ぎて胸が張ってしまうママは、上の子に飲んでもらうと楽になる
- 同時に飲ませることで、トータルの授乳時間が短縮できる
デメリット
反対にタンデム授乳の一番のデメリットは、ママの体内の水分や栄養が一度に大量に消費されてしまうことです。二人の子どもを支えるため、姿勢に気をつけていないと腕や肩・腰への身体的ダメージも大きくなります。とくにお産直後は体力が落ちていますので、母体の回復が最優先です。タンデム授乳をするなら、意識的に水分や食事の量を増やして栄養をしっかりとり、家事は適当に手を抜いて、授乳以外の負担を最小限に減らしましょう。
また、ママの中には、上の子に授乳することが知らず知らずのうちに精神的なストレスになる人もいます。「生まれたばかりの赤ちゃんを優先して育てたい」という母親の本能が影響して、上の子に授乳することに対して本能的な不快感(嫌悪感)を抱いてしまうママも少なくないのです。これはホルモンの影響による自然な感情なので、決して自分を責めないでください。
タンデム授乳のデメリットに注意!
- ママの水分や栄養が不足しがちで、疲労が溜まりやすい
- 子どもを支える負担が大きく、肩こりや腕の痛みが出やすい
- 下の子の成長に必要な母乳が、上の子に多くとられてしまう懸念がある
- 上の子に吸われることが、ママの強いイライラやストレスになる場合がある
妊娠中の授乳(タンデム授乳)について
下の子を妊娠中に、上の子へ授乳を継続することをタンデム授乳と言う場合もあります。「上の子の心の安定のためにどうにか授乳を継続したい」と思うかもしれませんが、妊娠中の授乳は、お腹の張り(子宮の収縮)を引き起こす可能性があるため、必ずかかりつけの産婦人科医に相談して判断を仰いでください。また、妊娠によるホルモン変化の影響で、自然と母乳の味が変わったり出なくなったりして、上の子が自らおっぱいを離れていくケースもあります。
タンデム授乳と「初乳」の扱い
出産直後にタンデム授乳を始める際、ママが一番気になるのが産後数日だけ出る栄養満点の「初乳」の扱いではないでしょうか?「貴重な初乳を上の子が全部飲んでしまって、下の子に行き渡らないのでは?」と心配になりますよね。
これに関しては、退院後に先に下の子へしっかり授乳をしてあげる順番を守れば、初乳が下の子に行き渡らないということはないと考えられています。産後数日間ママは入院しているため、そもそも上の子にそんなに頻繁に授乳してあげることはできませんよね。下の子優先のルールを作っておけば安心です。
授乳時の衛生管理について
タンデム授乳の場合、上の子と下の子が同じおっぱいを共有することになるため、衛生面が気になるママも多いでしょう。外遊びや保育園に行っている上の子の口が触れた後、そのまま小さな赤ちゃんに含ませるのに抵抗がある場合は、授乳の前後におっぱい周りを清潔に保つ工夫を取り入れましょう。
手軽にできるおすすめの方法が、精製水を使用した「ぬれコットン(清浄綿)」を利用して、授乳の合間におっぱいをサッとふき取る方法です。市販でも1回分ごとに個包装されているものが売っています。まだ小さい赤ちゃんの口に入るものなので、アルコールなどは含まれていない水だけの滅菌済みコットンが無難です。おっぱいを手軽に清潔に保つことができ、ママ自身の安心感にも繋がるのでおすすめですよ。
赤ちゃんのための水だけコットン
和光堂
赤ちゃんに安心して使える滅菌済みのぬれコットンです。精製水をさらにろ過したクリーンな水と、天然のコットンを使用しています。薬剤(アルコールや香料)は不使用ですので、授乳前後のお手入れや、赤ちゃんのお顔・お口まわり拭き、外出時の手拭きなどにもサッと使えます。個包装なので衛生的で、持ち運びにも便利ですよ。
タンデム授乳の注意点
タンデム授乳で注意したいのが、上の子と下の子とでは吸う力も飲むペースも全く違うということです。上の子が力強くグビグビ吸うと、その刺激で母乳の通り道が開き、下の子が吸っているほうのおっぱいからも勢いよく母乳が噴き出すことがあります。そのため、まだ飲むペースが掴めない下の子が、母乳の勢いにむせ返ってしまうことがあります。
また、左右のおっぱいを「右は上の子、左は下の子」と固定してしまうと、吸う力の違いから母乳の作られる量に左右差が出てしまい、胸が不自然に張って痛みを伴うことがありますので、毎回左右を交互に吸わせるように注意しましょう。
タンデム授乳をする際の注意点
- 上の子は吸う力が強いため、吸わせる胸(左右)を偏らせない
- 順番にするなら、栄養を必要としている下の子を先に吸わせる
- ママは水分と栄養を十分にとり、睡眠を優先して体力をつけておく
- 上の子に吸われることが精神的な苦痛・ストレスになるようなら、決して無理にはしない
- 衛生面が気になる場合は、授乳の合間に清浄綿でおっぱいをふきとる
タンデム授乳と上の子の断乳(卒乳)
タンデム授乳をすることで、ママの体力が限界を迎えたり、精神的なストレスになる場合があることをお伝えしました。もしママが辛いと感じるなら絶対に無理して続けず、上の子の断乳(卒乳)を検討されることを強くおすすめします。断乳の数日間は泣かれて苦労しますが、一時で終わります。その一時を乗り切ったほうが、この先長い間、辛さを我慢しながらタンデム授乳を続けるよりずっと親子の笑顔が増えるはずです。
上の子にとっては、「下の子はおっぱいを飲んでるのになんで自分はダメなの?」と不満に感じるかもしれませんが、そんなときは、おっぱいに代わる「上の子だけの特別扱い」の時間をたっぷりと作ってあげましょう。たとえば、ある程度言葉がわかるようになった上の子と、じっくり膝の上で絵本を読む時間をつくってあげるのも良いでしょう。休日に下の子をパパにまかせて、上の子とママの二人だけで公園やカフェに遊びに行ってもいいですね。
上の子が自分自身で、「僕はもうお兄ちゃんだからおっぱいは卒業!」「ママと内緒のお出かけができてうれしい!」と思ってくれると、自然とおっぱいを求めなくなります。上の子が色々なことをできるようになったことを常々ほめてあげ、授乳に代わるスキンシップと声かけで心を満たしてあげることが大切ですね。
タンデム授乳はイライラする?気持ち悪いって本当?体験談
タンデム授乳を実際におこなったママは、上の子の授乳が嫌になってイライラしたり、体力的に負担で苦労したりしたのでしょうか?また、どのようなメリットやデメリットを感じたのでしょうか?先輩ママのリアルな体験談をご紹介しますので、ぜひこれからの育児の参考にして下さいね。
双子の場合ですが
イライラしたことはありませんでした。気を付けることといえば、まだ体がしっかりしていない月齢では、無理にタンデムしないようにすること。新生児期なんてまず不可能でした。ある程度育って自分から食いついてくれるようになるとやりやすいです。また我が家の双子は吸う力に差があり、母乳の出方も左右で違ったので、授乳し始めて5分くらいで左右交代させていました。そして次の授乳時には吸わせ始めを左右逆にするようにしていました。
タンデム授乳で最も大きなメリットは時間の節約です。単純に計算すると時間が半分で済みますからね。それに二人しておっぱいに食いついているのを見ていると微笑ましくてたまりませんでした。上目づかいでこちらを見ながら一生懸命飲んでいる姿が面白おかしくて写真も撮ってあります。誰にも見せませんけれど、いい記念になっています。
双子の授乳
我が家は双子をタンデム授乳していました。双子はとにかく睡眠を制さないとお母さんは体力がもたないし、肝心の母乳も出ません!!ので、母乳育児をしたい人はタンデム授乳が必須だと思った方がいいです。私は同時に吸われるのを最初はすごく違和感があり、嫌な感じがしました。何というか、動物のようで。。でも、同時に吸わせることで母乳量がとても増えたのにはびっくりでした。
そしてタンデム授乳をするということは、同じ時間におっぱいを飲むことになり、寝る時間と起きる時間がほぼ一緒になるということなんです。つまり赤ちゃんの寝る時間起きる時間を同時にすることができ、お母さんも休める時間が増えるということになります。最初に言った睡眠を制するということになり、お母さんの気持ちにも余裕ができ、子育てを楽しめるのではないかなと思います。現在我が家の双子は1歳になり卒乳させましたが、タンデム授乳していた頃がとてもなつかしく感じます。今ではとても良い思い出です。
ちょっとつらいけど微笑ましい
上の子が4歳になる前日まで、寝かしつけの時に3分だけ授乳していましたが、第二子を授かり、下の子のために無理矢理断乳させるのはイヤで、その前になんとか卒乳に持って行きました。卒乳から約半年後に第二子が生まれ、赤ちゃんを授乳しているのを見て、遠慮がちに上の子も飲みたがるようになりました。でも、本人も恥ずかしいようで、お風呂の時やわたしが着替えている時にだけ言ってくるので、「ちょっとだけ飲んでいいよ」と許すことにしています。
上の子が吸い付いていると下の子も来るので、そういう時のみタンデム授乳になります。胸元に頭がふたつ並んで至福の表情なのを見ると、本能的な幸せはこみ上げますが、上の子は吸う力が強く、歯も当たるので痛くなってしまうので、ほんの数分でやめてもらっています。気持ち悪さよりも物理的な痛みの問題がタンデムには大きいです。虫歯対策の洗浄綿はしていません。タンデム授乳で赤ちゃん返りしている上の子の気持ちが安定することが一番大きなメリットです。
二人同時におっぱいをあげるのは理想だけれど・・。
二人目が産まれてからしばらくは、上の子供もおっぱいを飲みたがりタンデム授乳をしていました。上の子におっぱいをあげるのは嫌ではなく、むしろあげたい気持ちはあったのですが、下の子の分まで欲しがったり、下の子を無理やりおっぱいから引き離そうとしたりするので、そのことで毎回イライラして「早く終わらせたい・・」という気持ちでした。
一人目の時は授乳時間はママと赤ちゃんの特別なスキンシップの時間、という感じで私自身も楽しめていたのですが、二人同時にとなると落ち着いてあげられる余裕もなくなりしんどかったです。最終的には「上の子のためにもこのままタンデムを続けるのは良くない」と判断し、ほぼ無理やり断乳しました(上の子のみ)。タンデム授乳のメリットははやり上の子にも寂しい思いをさせずに、おっぱいをあげられることだと思います。頭では分かっているのですが、私の場合はなかなか難しかったです。
母乳がかなり出ていたので好都合だった
年子で子供を生んだため、タンデム授乳をしました。上の子が気持ち悪いとは思いませんでしたが、やはり生まれはだかりの下の子の方が可愛く思えました。上の子が甘えてくると、つい素っ気なくしてしまい、心の中では「ごめんね」と謝りたい気持ちでした。私の場合、母乳の出が良すぎて、残った分は搾らないとカチカチになる程だったので、タンデム授乳は良い方法でした。
下の子の方が飲む量が少ない分、調節するために交互に左右の母乳を飲ませました。上の子の虫歯対策は特にしませんでしたが、母乳以外の飲み物は積極的に麦茶を与えていました。麦茶が口の中に残った母乳のカスを流してくれると聞いたからです。そのお陰か、一度も虫歯にはなりませんでした。タンデム授乳は、私のように母乳が出過ぎて困っているお母さんにはもってこいの方法だと思います。



