離乳食で秋の味覚「梨」を楽しもう!いつからOK?調理法とレシピを解説
夏の終わりから秋にかけて旬を迎える梨は、離乳食にもおすすめの果物です。甘みが強くみずみずしい梨は、赤ちゃんにも食べやすい食材として人気があります。
この記事では、離乳食で梨をいつから与えられるのか、加熱は必要なのかといった基本情報から、月齢別の調理方法、注意点、そして初期・中期・後期・完了期の梨レシピまで詳しくご紹介します。日本の秋の味覚である梨を、安全に離乳食に取り入れるための参考にしてくださいね。
離乳食に梨はいつからOK?初期(生後5~6ヶ月頃)から加熱して与えましょう
梨は、離乳食を開始する初期(生後5~6ヶ月頃)から与えることができる果物です。ただし、初めて与える場合は、必ず加熱調理をしてからにしましょう。梨はシャキシャキとした食感がありますが、加熱することで組織がやわらかくなり、赤ちゃんが飲み込みやすくなります。
離乳食初期は、まず加熱して裏ごしした梨の果汁を、スプーン1さじから与えてみてください。米がゆや他の初期に食べられる野菜に慣れてきた頃を目安にするとよいでしょう。梨はアレルギーの特定原材料等28品目には含まれていませんが、果物でアレルギー症状が稀に出ることがありますので、初めての食材と同様に少量から試して、赤ちゃんの様子をよく観察することが大切です。
離乳食の進み具合に合わせて、中期、後期と徐々に形状を変えていきますが、奥歯が生えそろう前の赤ちゃんには、誤嚥や喉詰まりのリスクを考慮し、加熱して柔らかくした梨を与えることが推奨されています。生の梨は、噛み砕く力が十分に育ってから、赤ちゃんの様子を見ながら取り入れるようにしましょう。
離乳食で梨を与える際の注意点:食べ過ぎとアレルギー
離乳食で梨を与える際には、いくつかの注意点があります。
食べ過ぎによるお腹のゆるみに注意しましょう
梨には「ソルビトール」という糖アルコールが含まれています。ソルビトールは甘味料としても使われますが、一度に大量に摂取すると、体質によってはお腹がゆるくなる原因となることがあります。これは、消化・吸収されにくい性質によるものです。
赤ちゃんに梨を食べさせる際は、適量を守ることが非常に大切です。離乳食完了期のお子さんでも、一度に1/8個程度を目安に、便の様子を見ながら量を調節してあげてください。甘くておいしいため、つい多く食べさせてしまいがちですが、食べ過ぎには注意しましょう。
アレルギーは少ないものの、初めては加熱し少量から
前述の通り、梨は比較的アレルギーのリスクが低い果物とされています。しかし、果物アレルギーを持つお子さんもいますので、初めて与える際は必ず加熱したものを1さじからスタートし、食後の赤ちゃんの肌や体調に変化がないかを確認してください。加熱によってアレルゲンが低減するとも言われています。万が一、体調に異変が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
食べ過ぎには要注意でした
私は子供の頃から梨が大好きで、食べ過ぎるとお腹がゆるくなることがありました。息子が生まれて離乳食で梨を食べさせると、息子もとても喜んでくれました。旬の時期しか食べられないので、離乳食で出す頻度が増えましたが、しばらくすると息子もお腹がゆるくなるように…。
小児科の先生に相談したところ、「もしかして食べさせ過ぎていませんか?梨は食べ過ぎるとお腹がゆるくなることがありますよ」とアドバイスをいただき、ハッとしました。
息子は好き嫌いが多かったため、「小さい時は好きなものを食べさせたい」と思い、二人で梨をたくさん食べていたようです。それ以来、量を加減したら親子でお腹がゆるくなることがなくなり、美味しく楽しめるようになりました。
離乳食用の梨は冷凍できる?加熱ピューレにして保存がおすすめ
梨は水分が多く、そのまま冷凍すると解凍後に食感が損なわれやすいため、一般的に冷凍保存には不向きとされています。しかし、離乳食として使用するピューレ状やすりおろしにしたものは、工夫次第で冷凍保存が可能です。
梨を皮と芯を取り除いてからすりおろし、少量の水と一緒に加熱してピューレ状にします。変色防止のために少量のレモン汁(なくても可)を加えても良いでしょう。粗熱を取ってから製氷皿などで小分けにして冷凍し、凍ったら冷凍用保存袋に移して保存します。この方法で約2週間を目安に保存できます。
旬の時期に安く手に入った梨を多めに調理し、冷凍ストックとして保存しておくと、使いたいときにすぐに使えて便利です。使用する際は、必ず電子レンジや小鍋で再加熱してから与えてくださいね。
離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)の梨おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食初期は、加熱し、なめらかにすりつぶす調理法が基本です。最初は裏ごしした加熱梨果汁から始め、慣れてきたらすりおろした果肉を裏ごしし、ポタージュのようななめらかなペースト状にして与えましょう。甘みが増すよう、必ず加熱してください。
離乳食初期におすすめしたいのが、「梨ととろとろ野菜の煮」。梨の自然な甘みが、他の食材と合わせやすくなります。まずは、梨単体の味に慣れさせてから、おかゆや野菜と混ぜてみましょう。
梨ととろとろ野菜の煮のレシピ
材料:梨、大根(または人参などの初期に食べられる葉野菜以外の野菜)
- 梨の皮をむいて芯を取り、適当な大きさに切ってすりおろし、小鍋に入れる。
- 大根(または人参)の皮をむいて適当な大きさに切り、柔らかく茹でるか蒸してから、すりおろす。
- 1と2を小鍋に入れ、少量の水を加えて弱火でしばらく煮て、なめらかなペースト状になるまで裏ごしする。(大根はなくても可)
離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)の梨おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食中期になると、食材を舌でつぶせる程度の粗めのすりおろしや、1~2mm角のごく小さなみじん切りが目安となります。食感を出すために、梨は引き続き加熱調理をして柔らかくしてから与えましょう。急に粒の大きさを切り替えるのではなく、赤ちゃんの咀嚼の様子を見ながら、徐々に移行してください。
中期になると食べられる食材が増えてきます。パン粥に梨を加えて、ほんのり甘い「梨入りパン粥」を作ってみてはいかがでしょうか。牛乳は生後8ヶ月以降に少量から試すのが一般的なので、生後7ヶ月頃は豆乳(無調整)や育児用ミルクを代用すると安心です。
梨入りパン粥のレシピ
材料:梨、食パン(耳なし)、牛乳(または豆乳、育児用ミルク)
- 梨の皮をむいて芯を取り、1~2mm程度の細かなみじん切りにし、少量の水と一緒に電子レンジで加熱して柔らかくする。(粗めのすりおろしでもOK)
- 食パンの耳を切り落とし、細かくちぎる。
- 小鍋に牛乳(または豆乳、ミルク)と1の梨、食パンを加えて火にかけ、弱火で煮ながらとろみをつける。
離乳食後期(生後9~11ヶ月頃)の梨おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食後期には、歯ぐきでつぶせる程度の3~5mm角や薄切りの梨が目安です。この時期になると、生の梨も薄く切って与えることができるようになりますが、シャキシャキとした食感はまだ噛み切りにくい場合があるため、赤ちゃんの様子をよく観察しながら進めてください。心配な場合は、引き続き加熱して柔らかくすると安心です。
また、後期は手づかみ食べの練習を積極的に取り入れたい時期です。喉に詰まらせないように大きさに注意し、スティック状に切ってあげると、手づかみ食べの練習になります。こちらでは、梨と人参のスティックのレシピをご紹介します。
梨と人参のスティックのレシピ
材料: 梨、人参
- 人参の皮をむき、細めのスティック状に切り、柔らかくなるまで茹でるか蒸す。
- 梨の皮をむいて芯を取り、人参と同じくらいの細いスティック状に切る。(生のままでも良いが、不安な場合はさっと加熱する)
- 梨と人参をお皿に並べる。
離乳食完了期(生後12~18ヶ月頃)の梨おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食完了期は、奥歯が生え始め、かみつぶす力が発達してきます。梨は5~7mm程度の薄切りや1cm角程度の大きさが目安です。この頃になると、多くの赤ちゃんが生の梨をシャリシャリと上手に噛んで食べられるようになります。
ただし、大人が目を離した隙に食べ過ぎてしまわないよう、必ず与える量を守ってください。また、丸呑みしないよう、そばで見守ることも重要です。
今回は、梨ときゅうりのヨーグルトサラダをご紹介します。ヨーグルトの酸味と梨の甘み、きゅうりの食感が楽しい一品です。口の中がさっぱりとするので、食後のデザートにもぴったりです。
梨ときゅうりのヨーグルトサラダのレシピ
材料: 梨、きゅうり、ヨーグルト(プレーンタイプ)
- 梨の皮をむいて芯を取り、1~2cm角に切る。
- きゅうりを1~2cm角に切る。
- ボウルにヨーグルトと梨・きゅうりを加えてやさしくあえる。