離乳食のおにぎりの作り方は赤ちゃんならではの安全性に配慮して!
離乳食が中期から後期へ進むと、手づかみできるおにぎりデビューを考えるママが増え始めます。
おにぎりは昔から日本人にとって馴染みがある食べ物。体を作る上でとても大切なエネルギー源となりますが、その反面、安全性への配慮を怠ることで危険性もあり、実際にトラブルも起こっています。
そこでこちらでは、離乳食におにぎりはいつから与えられるか、体調不良や誤飲などのトラブルを防ぐ作り方や与え方、離乳食におにぎりを取り入れる栄養面のメリット、から完了期までのおにぎりの進め方、与えるときの工夫などについてご紹介していきます。
離乳食におにぎりはいつから?後期になり軟飯に進んでから
離乳食後期に入り、赤ちゃんに食へ興味が見られ、軟飯を食べられるようになったら、おにぎりデビューを考えてみましょう。
7分粥は水分が多すぎるため、おにぎりの形になりません。後期の後半ごろから軟飯に進む赤ちゃんが多いのですが、離乳食の進み具合には個人差がありますので、あくまでも赤ちゃんのペースに合わせるのが基本です。無理なく進めましょう。
おにぎりに海苔はいつから?味付けなしなら離乳食後期からOK!
おにぎりと言えばやっぱり海苔。青のり、刻みのり、板海苔、味つけ海苔、海苔の佃煮など様々な製品がありますが、添加されていない青のりや刻みのり、焼き海苔であれば、離乳食後期から与えられます。
ただし、離乳食で板海苔をそのまま与えるのは危険です。
また味付け海苔には砂糖や醤油などいろいろな調味料が添加され、味付けも濃いため離乳食向きではありません。
離乳食のおにぎりの安全な作り方!トラブルを防ぐ5つのポイント
離乳食のおにぎりで乳幼児に起こりやすいトラブルは、誤飲、窒息、食中毒の3つです。トラブルを防ぐには、おにぎりの作り方や与え方に配慮が必要。次の3つのポイントに注意して、安心安全な離乳食を食べさせてあげましょう。
1海苔は小さく刻んで使う
赤ちゃんが安心して食べられるように、離乳食のおにぎりに板海苔を使う場合は必ず刻んでから使用しましょう。
また、おにぎり同様に人気がある幼児用のり巻きも、のどに詰まる恐れがあります。与える場合は細めに巻き、咀嚼力(そしゃくりょく)に合わせた長さに切って与えましょう。
2歳になるまで板海苔は切って与えて!
離乳食を食べる赤ちゃんや幼児は、海苔を噛み砕くために必要な咀嚼力(そしゃくりょく)が未熟。そのままの形状の板海苔を与えると、喉に張り付いたり、塊のまま飲み込んだりして息ができなくなる危険性があります。
平成28年3月、政府の子ども・子育て会議にて保育園などの施設に向けて「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」が公表されました。
ガイドラインでは、0・1歳児にはおにぎりの焼きのりを避け、代わりにきざみ海苔を使用すると記されています。心に留めておきましょう。
2海苔がご飯に馴染んでから与える
おにぎりの海苔で話題となるパリパリ派としっとり派。どちらも美味しいのですが、赤ちゃんにはしっとりするまで待ってから与えることが大切!おにぎりに海苔をつけたら、海苔がご飯と馴染むまでしばらく置いてから赤ちゃんに食べさせましょう。
パリパリのままだと食べたときに赤ちゃんの喉に張り付きやすくなるため、呼吸ができなくなる危険性が高まります。
3ラップを使って握る
おにぎりを作ってすぐ食べる分には、綺麗に洗った手で握っても問題はありません。けれどお出かけ用など作ってから時間を置いて食べるおにぎりは別。ラップを使って握ることで、作る人の手についている黄色ブドウ球菌の増殖を抑えることが大切です。
普段は悪さをすることのない菌ですが、食品などに付着して時間が経つと増殖すると同時に毒素が発生してしまいます。これがお腹を壊す原因となるのです。
4ご飯が冷めてから海苔をつける
お出かけ用などすぐに食べない離乳食のおにぎり作りは、ご飯が冷めたのを確認してから海苔をつけるようにするのがポイント。熱いうちに海苔を巻くと、蒸れて水分が多くなるため傷みにくくなります。
5ラップを外して持たせる
おにぎりをラップで包んで持たせれば赤ちゃんの手が汚れずに済みますが、事故を防ぐためにはラップを外してからおにぎりを与えましょう。
また、ラップを大人がめくりながら食べさせる場合は、乳幼児から目を離さないようにしましょう。
ラップに包まれた離乳食のおにぎりを乳幼児の前に出たり、ラップ付きで持たせたりすると、ラップを誤飲して呼吸ができなくなる危険性があります。消費者庁もラップによる3歳未満の窒息事故に注意を呼び掛けています。
離乳食のおにぎりは海苔や具をプラスして栄養バランスをよくしよう!
おにぎりは粉もので出来たパンや麺などと比べて粒状なので、消化・吸収がゆっくりと行われる腹持ちが良い優秀なエネルギー源。
作ってから数時間経ったおにぎりは、お米の中のレジスタントスターチという食物繊維と同じような働きがある酵素が増えますので、さらに腹持ちが良くなります。
おにぎりは様々な具と相性が良く栄養バランスを取りやすいので、好き嫌いのある乳幼児のママにとっては頼りになるお助けメニュー。海苔をつけることで風味もでて、赤ちゃんも一気に食欲が湧いてパクパク食べてくれます。
しかも海苔には、離乳食で不足することが心配されるビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、一緒に摂ることで食事の栄養バランスがグッと良くなります。
離乳食後期の手につかない軟飯おにぎりレシピ
後期で食べる軟飯は水分が多く、丸めようとしても手にベタベタとくっついてとても握りにくい!
そこで軟飯でもグッズなしで手軽に作れて赤ちゃんも食べやすい、ラップを使って作るおにぎりレシピと、ベタつきをなくしたおやき風おにぎりレシピの2つをご紹介します。
ラップで簡単!コロコロおにぎりのレシピ
材料:軟飯、きな粉、青のり
- ラップを15センチほど出し、巻き寿司を作る要領で、軟飯を細長く乗せる
- ラップでクルッと巻き、端をクルクルねじる
- さらに一口大ずつクルクルねじってラップを外す
- きな粉、青のりをまぶす
※青のり・きな粉の他にも、お好みで手作りふりかけ等をまぶせば、べたつきが抑えられて栄養価もアップ!栄養士おすすめの一品です
軟飯おやき風!鮭と人参のおにぎりレシピ
材料:軟飯、サケ切り身、にんじん少々
- サケはグリルかフライパンで焼き、身をほぐす
- 人参をすり下ろし、水を少々加えて軽くレンジで加熱する
- 軟飯に鮭と人参を混ぜ、おやきのようにフライパンに広げて側面を焼く
- 手でつまめる大きさに包丁でカットする
※人参を焼くことで甘みがでるため、人参嫌いの赤ちゃんにも食べやすい一品!ごまアレルギーのない子には、少量のごま油で焼けば風味も栄養もアップしてさらに美味しくなります
離乳食完了期の手につかない軟飯おにぎり
歯もどんどん生えそろってくる完了期。食べられる食材や外出の機会もますます増えてきますので、お弁当にできるおにぎりレシピを色々と知っておくととっても便利!
こちらではそんな完了期におすすめの、軟飯のベタベタを軽減したサンドイッチ風おにぎりレシピと、お出かけにぴったりな焼き飯おにぎりレシピをご紹介します。
握らない!海苔サンドおにぎりのレシピ
材料:ご飯、焼き海苔
- 4つ切りほどの大きさの焼きのりの上に、1.5cmほどの厚みで軟飯をのせる
- もう一枚焼きのりをかぶせて、キッチンバサミで食べやすい大きさに切る
焼き飯おにぎりのレシピ
材料:ご飯、無塩ベーコン、ピーマン、卵、しょうゆ、無塩バター
- フライパンに無塩バターを入れ、みじん切りにしたベーコン、ピーマンを炒める
- フライパンの空いたところに溶き卵を入れ、その上にご飯を入れて炒める
- しょうゆをほんの少し鍋肌に垂らし、炒めたら完成
- 冷めてからラップで包んで形をつくる