離乳食のいわしは下処理が面倒だけど覚えてしまえば便利な食材
昔から「安くて体にいい」と言われている鰯(いわし)。生臭さや小骨など下処理が面倒そうで離乳食では敬遠するママも少なくありません。
けれど節分には鬼を追い払うと言われるため、子供が生まれてからつみれ汁を食べるようになった家庭も多いです。離乳食作りを通して下処理や小骨処理などを覚えておくと、子育て中にとても役立ちます。
そこで今回は、離乳食でいわしをいつから食べられるのか、小骨取りなど下処理の方法、後期と完了期のおすすめレシピを紹介していきますので、この機会にぜひいわし料理にトライしてみましょう。
赤ちゃんはいつから鰯を食べられる?離乳食後期からOK
初期から食べられるシラスはイワシなどの稚魚ですが、離乳食で赤ちゃんにイワシを食べさせることが出来るのは、離乳食後期の生後9~11ヶ月以降。赤身の魚を食べさせてからになります。
魚は「白身魚(タイやヒラメなど)→赤身魚(マグロやカツオなど)→青皮魚(イワシやサンマなど)」の順番に進めていくと厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイド(注1)でも紹介されていて、離乳食では一般的に後期や完了期にいわしを食べさせ始めるママが多いです。
離乳食の進み具合は個人差が大きいので、お子さんの離乳食の進み具合がゆっくりで離乳食後期にまだ赤身魚を開始していない子もいるでしょうが、慌てずに赤身魚から進めて一通り食べてからイワシなどの青皮魚を出してみましょう。焦らずに赤ちゃんのペースに合わせることが大切です。
イワシに含まれる赤ちゃんに嬉しい3つの栄養素
いわしなどの青皮魚は鮮度への配慮が必要ですが、大人にも人気の栄養がタップリ入った魅力的な魚。特にいわしは価格もお手頃ですので、赤ちゃんに嬉しい栄養をたっぷり摂らせてあげることができます。
1カルシウム|離乳食では不足への配慮が特に必要
いわしにはカルシウムが豊富に含まれています。また、カルシウムの吸収を高めるビタミンDの含有量も多いため、赤ちゃんの体にカルシウムを効率的に吸収させることができます。
小骨を上手に処理して、赤ちゃんの体や骨・歯の急速な発達をサポートしてあげましょう。
2DHA・EPA|体にいい脂質
いわしの栄養といえばDHAやEPA。DHAやEPAは体にいい脂質としてよく知られていますが、いわしには豊富に含まれています。
DHAは粉ミルクにも含まれている栄養素なので、毎日いろいろなことを吸収して学んでいる赤ちゃん期だけでなく、その後の成長にも役立ちますので継続していわしを食べさせてあげましょう。
3鉄分|離乳食後期以降は不足するので特に注意
いわしには鉄分などミネラルが豊富に含まれています。稚魚であるシラスも離乳食では大活躍の魚ですが、食品成分データベース(注3、4)のデータを見比べると、いわしにはシラスのおよそ5倍の鉄分が含まれています。
離乳食期は母乳や粉ミルクからの鉄分供給が不足していく時期でもありますので、離乳食で鉄分を豊富に含む食材を意識して摂っていきたいところ。いわしを上手に取り入れて体にいい離乳食を作ってあげましょう。
離乳食のいわしの下処理の方法
いわしは小さく身も柔らかいので、慣れれば簡単にさばくことができる魚。包丁を入れる前のいわしは新鮮で割安であることが多いので、離乳食作りでさばき方を覚えてしまうと後々お得です。魚をさばくのは嫌!というママも、さばいた状態で販売されているいわしや、無料でさばいてくれる鮮魚コーナーのサービスを利用するとよいでしょう。
1. 薄い塩水を入れたボウルにいわしをつけ、頭の方に親指を動かしながらいわしのウロコを取る
2. 内臓や骨を残して頭の付け根にぐるりと一周包丁を入れたら、頭をそっと引っ張って骨と内臓を一緒に抜き取る
3. 水を入れたボウルで血を洗い落とす
4. いわしの水分をキッチンペーパーで拭き取る
5. いわしの腹の端を腹ビレの辺りまで切り落としたら残りの内臓を包丁でかき出し、軽くすすいで水気を拭き取る
6. いわしの中骨のあたりに両手の親指差し込み、左右にスライドさせながらイワシを開いていく
7. 中骨を頭の方から尾の方にむかってゆっくりと手ではがす
8. 中骨と尾ビレを切り落とす
9. 両サイドの腹骨を切り落とし、ひっくり返して背びれの付け根を引っ張って取る
離乳食のいわしの小骨処理の方法
いわしは丁寧に三枚下ろしにしても、小骨を全部取り除くことはできませんのでそのまま離乳食に使うことはできません。小骨まで丁寧に取ってあげましょう。ただし圧力鍋やフードプロセッサーを使えば、簡単お手軽に小骨処理が行えます。
魚用の骨抜きで小骨を取り除く
三枚に卸したイワシの小骨は、魚用の骨抜きを使って1本ずつ丁寧に抜き取ります。目で見るだけでは見落としてしまいますので、指で触って確かめるとよいでしょう。
いわしの小骨は頭から尾の方法に斜めに刺さっているため、頭の方向に斜めに引くように抜いていくと小骨を折らずに抜くことができます。
圧力鍋で加熱してからフレーク状にする
調理するいわしの量が多い時は、圧力なべで加熱して骨まで柔らかくしてから、フードプロセッサーでフレーク状にすると簡単でお手軽です。フレーク状にしたイワシの身は、ハンバーグ・つみれ団子・そぼろなど、色々な離乳食に活用することができます。
離乳食後期のいわしのおすすめレシピ&調理のポイント
後期になり頑張ってイワシの離乳食を作っても、モサモサして食べてくれない赤ちゃんもいます。そんな時は片栗粉を混ぜ込んで調理すると、舌触りがグンとよくなるため食べてくれることが多いです。
また離乳食後期の手づかみ食べレシピに悩んだら、おやきやいも餅を作りましょう。いわし以外の様々な食材とも相性がよく、舌触りがよくなるため赤ちゃんも食べやすいのです。
ちょうど節分の時期なら、いわしに片栗粉を混ぜて茹でると舌触りよく赤ちゃんにも食べやすくなるのでつみれ汁もおすすめです。
いわしのいも餅のレシピ
材料:いわし40g、じゃがいも中1個(約100g)、片栗粉大さじ1、水大さじ1~2
※作りやすい3食分の材料です
- 下処理や小骨処理をしたイワシをすり潰す
- ジャガイモを茹でて潰してマッシュにする
- 2に片栗粉と水を加えて硬さを調節する
- 3に1のいわしを混ぜ、小判状に丸める
- フライパンで両面をこんがり焼く
いわしのつみれ汁のレシピ
材料:いわし50g、片栗粉小さじ1、人参20g、大根20g、だし汁50cc
※作りやすい3食分の材料です
- 下処理や小骨処理をしたいわしをフレーク状にする
- ボウルに1と片栗粉を入れて混ぜ、小さなお団子を作る(10個程度)
- 沸騰したお湯の中に2を入れ、浮いて来たらザルにとる
- 人参と大根は食べやすい大きさに切り、柔らかく茹でる
- お鍋にだし汁を入れて火にかけ、3と4を加えて味をなじませる
離乳食完了期のいわしのおすすめレシピ&調理のポイント
離乳食完了期に入るとある程度の大きさのものを上手に食べることができるようになるので、献立の幅も広がってきます。節分の時だけでなく、日頃から和食・洋食を問わず色々なイワシ料理を作ってみましょう。
いわしはトマトとの相性も抜群!舌触りを良くしても食べてくれない場合は、トマト煮にすることで臭みを感じにくくなるため美味しく食べやすくなります。
いわしのトマト煮のレシピ
材料:いわし15g、トマト10g、ブロッコリー(実の部分)10g、野菜スープ50cc
- 下処理や小骨処理をしたイワシを食べやすい大きさに切る
- 湯剥きして皮と種を取り除いたトマトを小さく刻む
- 子房に分けたブロッコリーの身の部分を柔らかく茹でる
- 鍋に野菜スープと1~3を加えて火にかけ、軽く煮込んで味をなじませる
いわしハンバーグのレシピ
材料:いわし20g、玉ネギ10g、食パン5g、片栗粉少々
- 下処理や小骨処理をしたいわしをフレーク状にする
- 玉ねぎをみじん切りして、耐熱容器に入れ電子レンジで30秒ほど加熱する
- 1、2と残りの材料を全てボウルに入れ、よく混ぜて小判状に丸める(2~3個)
- フライパンで両面をこんがり焼く
いわしの混ぜご飯のレシピ
材料:いわし20g、人参10g、しめじ10g、ご飯 80g、青のり
- いわしを下処理して小骨を取り、細かく刻む
- 人参の皮を剥き、茹でて細かく切る
- しめじは食べやすい大きさに切り、下茹でする
- 温かいご飯に1~3を混ぜ、風味付けに青のりをまぶす
参考文献