離乳食の水菜は冬が旬の数少ない緑黄色野菜!最近の品種は食べやすい
冬が旬の緑黄色野菜は夏に比べて少ないため、離乳食作りで「同じ野菜ばかりだけど大丈夫?」「栄養に偏りはないかなぁ?」と、ビタミンやミネラル不足が心配になるママも…。そんなママにおすすめしたいのが京野菜としても知られる水菜。昔は、ピリッとした辛みがありましたが、最近の水菜は辛みが少なく赤ちゃんでも食べやすくなっていますよ。
今回は、離乳食におすすめの水菜に含まれる栄養、開始時期、冷凍保存の方法、離乳食初期・中期・後期・完了期おすすめレシピや調理のポイントを紹介。冬場の便利な緑黄色野菜ですので、赤ちゃんの離乳食や家族の栄養補給に活用しましょう。
水菜に含まれる赤ちゃんに嬉しい4つの栄養素
水菜は緑黄色野菜に代表されるホウレン草や小松菜と比べると色が薄いので、「あまり栄養がないのかなぁ」と思っているママも多いのでしょうが、実は、赤ちゃんの成長に必要な栄養素がたっぷりと含まれているんですよ♪優れた健康効果を知って、美味しく元気になる離乳食を作ってあげましょう。
1鉄分
離乳食を開始するころから増え始める鉄欠乏性貧血。ママは赤ちゃんの月齢が上がるに従い「そろそろ鉄分を意識して離乳食を作らなくちゃ!」と思いますよね。そこで、おすすめされる機会が多いレバーを思いつくママが多いのですが、レバーに偏った鉄分摂取は、過剰摂取による健康被害の元となります。ですから、鉄分は野菜からも摂ることが大切。
水菜はホウレン草の2倍以上の鉄分が!
茹でた水菜10gには0.2mgの鉄分が含まれています!鉄分が豊富と言われるホウレン草でも、茹でる100g中に鉄分0.09mg。つまり、ほうれん草の2倍以上の鉄分が水菜には含まれているのです。使わないと勿体ない!
ところが、「冬場の緑黄色野菜といえばホウレン草や小松菜…あとなんだっけ?」というママが意外に多いので、「水菜ですよ~。すっごくお薦めですよ~。鍋から取り分けできますよ~。」と声を大にしておすすめしたいのです。
また、血液を作るのに必要な葉酸も10g中に9μgと豊富。6ヶ月以上の赤ちゃんは一日に60マイクログラム、1~2歳の幼児は90マイクログラムの葉酸を必要としますので、乳幼児期の葉酸源としておすすめされる納豆が苦手な赤ちゃんには特に、水菜で葉酸を補ってあげましょう。
2β-カロテン
β-カロテンには粘膜を正常に保つ働きがあるため、秋冬に増える乾燥肌を防いでくれます。カサカサ肌のため痒がって寝ぐずりする赤ちゃんには特に、離乳食でしっかりと摂らせてあげたい栄養素ですね。
また、潤いを保つことで皮膚や粘膜のバリア機能がアップするため、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐことができ、風邪を予防することもできますよ。
茹でた水菜10gには170μgものβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは熱に強い栄養素ですので、離乳食では比較的とりやすいのですが、お粥やパンなどの炭水化物や肉魚に偏ると、なかなか充分にとれません。β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれる栄養素ですので、乾燥や風邪が気になる秋冬は特に、旬の水菜を使ってしっかりと摂らせてあげたいですね。
3カルシウム
カルシウムにはご存知の通り、歯や骨を丈夫にする働きや、気持ちを落ち着かせる働きがありますよね。他にも、筋肉の働きをよくする働きや将来の骨粗しょう症を予防する働きなどがありますが、茹でた水菜10g中には20mgものカルシウムが含まれているんですよ。
乳幼児が一日に必要なカルシウムの量
- 赤ちゃん …250mg
- 1~2歳の男の子 …450mg
- 1~2歳の女の子 …400mg
この数値は、厚生労働相「日本人の食事摂取基準」により推奨されているものです。離乳食に水菜を摂り入れることで、効果的にカルシウムを摂取することができますよ。
実は、「カルシウム=牛乳」と思っているママは非常に多く、離乳食で牛乳が使えるようになったり、そのまま飲めるようになったりすると「うちの子は牛乳が好きだから、カルシウムはバッチリ」と思うママが多いのですが…。
牛乳を飲み過ぎることで「牛乳貧血」になる子供が、3歳未満に多く見られます。
牛乳は適量であればカルシウム補給に大変便利なのですが、過剰摂取は禁物!野菜や魚にもカルシウムは含まれていますので、バランスの良い離乳食作りに水菜を活用し、赤ちゃんの歯や骨を丈夫にしてあげましょうね。
4食物繊維
水菜は、食物繊維を豊富に含む野菜の一つです。食物繊維は整腸剤代わりとして便秘を改善する役割を果たしてくれますよ。母乳から離乳食に移行している時期の赤ちゃんは、便秘になりがち。水菜を食べさせて便秘を改善してあげましょう。
ただし、水菜に多く含まれる不溶性食物繊維は、水に溶けずに便の量を増やし、腸を刺激して蠕動運動を活発にするものです。そのため、水分不足だと便が硬くなって詰まることもありますので、水分を一緒にとらせるように心掛けましょうね。
離乳食で水菜はいつから?初期からOK
水菜は初期から与えられる野菜の中でも比較的安心して食べさせられる緑黄色野菜です。
ただしもし食べさせた後に異変があったら、自己判断で除去したりせず、医師に相談しましょう。
水菜の茎はいつから食べられる?離乳食後期からOK
離乳食初期と中期の赤ちゃんは消化能力が弱いので、食物繊維の多い水菜の茎は硬く、ゴックンもモグモグもちょっと難しいですね。この時期は、葉の部分をすり潰したり細かく刻んだりして、食べさせましょう。
離乳食の後期以降になると、水菜の茎もOK。初めのうちは茎の部分を細かく刻んで食べさせてみて、赤ちゃんがきちんとすり潰して食べているかをチェックしておくようにしましょうね。また、茹で加減にも気をつけて、初めは大人用のシャキシャキ感が残っている感じではなく、柔らかく茹でた物にすると食べやすいですよ。
生の水菜の生はいつからOK?離乳食期は加熱して
シャキシャキとした食感の生の水菜は、辛くて乳幼児には食べにくいです。1歳未満の赤ちゃんに生の食材は基本的にNGですが、水菜は1歳を過ぎた離乳食期の幼児にも不向き。
生の水菜は辛みだけでなく噛みにくさを好まない子が多いです。離乳食期は加熱してから使用するようにしましょう。生で食べさせるのは、キュウリやレタスなど他の生野菜を食べるのに慣れてからがおすすめです。
離乳食の水菜の冷凍方法|柔らかく茹で小分けにして保存袋などで冷凍庫へ
冷蔵庫で保存しても、すぐにクタッとしたり葉先が黒ずんできたりする水菜。できれば、長期保存したいですよね。ですから、水菜を買って来たら離乳食用の分を冷凍してしまいましょう!
お店ではできるだけ葉がシャキッとした新鮮な水菜を選び、買って来た当日中に柔らかく茹で、月齢にあった大きさに切ったりすり潰したりし、小分けにして冷凍します。解凍は電子レンジでチンでも、汁物にそのまま入れて調理してもOK。
当日や翌日使う分と離乳食用の分を取りわけたら、残った分は大人の加熱用として冷凍保存するとよいでしょう。キレイに洗って水気を切ったら使いやすい大きさにカットして、1回分ずつラップで包むか、あるいはそのまま冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
ただし、そのまま入れる場合はきっちり詰めると塊になって使いにくいので、隙間が空くようにいれて平らにして凍らせましょうね。
離乳食初期の水菜おすすめレシピ&調理のポイント
水菜の葉は柔らかいので、離乳食初期の赤ちゃんにも食べやすいです。短い茹で時間で柔らかくなるので、忙しい子育て中のママも助かりますね。水菜を初めて食べさせる時は、すり潰してお粥に混ぜると、食感や香りがまろやかになるため食べやすいですよ。
こちらでは水菜入りお粥のレシピをご紹介します。赤ちゃんが水菜に慣れてきたら、ブレンダーですり潰した水菜を野菜スープでのばして水菜スープや水菜ペーストにしてみるとよいでしょう。「お粥やペーストばかりでつまらない」と思うママは、かぼちゃスープやお粥に水菜ペーストと竹串を使ってお絵描きしてあげると、離乳食が華やかになりますよ。
水菜入りお粥のレシピ
材料: 水菜(葉の部分)、10倍粥
- 水菜の葉の部分を柔らかく茹でてすり潰す
- 10倍粥に水菜を加える
離乳食中期の水菜おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食中期になると、みじん切りにした水菜も食べることができるようになります。赤ちゃんがみじん切りにした水菜を食べにくそうにしている場合は、とろみをつけてあげたり、だし汁を多めにしてだし汁ごと食べられるようにしたりすると食べやすくなりますよ。
こちらでは、彩りのよい水菜と豆腐のだし煮のレシピをご紹介します。
水菜と豆腐のだし煮のレシピ
材料: 水菜(葉の部分)、絹ごし豆腐、人参、だし汁
- 水菜の葉の部分を柔らかく茹でて、みじん切りにする
- 豆腐は、食べやすい大きさに切る
- 人参は、皮をむいてみじん切りにして柔らかく茹でる
- お鍋にだし汁を入れて火にかけ、1,2,3を加えて味をなじませる
離乳食後期の水菜おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食後期になると3回食に進みますが、毎日3食お粥だと赤ちゃんも飽きてしまいますので、麺類やパンなども混ぜて離乳食のレパートリーを増やしていきたいですね。水菜はうどん、そうめん、スパゲッティなど色々な麺類にトッピングしても美味しく食べることができる野菜ですので、冷凍を上手に使ってパパっと手軽で栄養価の高い麺メニューを作ってあげましょう。
こちらでは、水菜としいたけのにゅう麺のレシピをご紹介します。そうめんは虫に食べられやすいので、保管には気をつけて、夏に余らせたものは早めに食べてしまいましょうね。
水菜としいたけのにゅう麺のレシピ
材料: 水菜、生しいたけ、素麺、だし汁
- 水菜は、食べやすい長さに切り、柔らかく茹でる
- 生しいたけは石づきを切り落とし、食べやすい大きさに切る
- 素麺を約2cmの長さに切ってから長めに(3分ほど)茹でて、水にさらして塩分を取り除いてから水切りする
- お鍋にだし汁を入れて火にかけ、1,2,3を入れてしばらく煮る
離乳食完了期の水菜おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食完了期になると、大人の料理を取り分けして離乳食に活用できることも多くなりますね。冬場は大人用の鍋料理から取り分けて、幼児に優しく栄養たっぷりの離乳食を作ってあげましょう。
こちらでは、お鍋デーの離乳食におススメしたい、水菜と豚肉の水炊きのレシピをご紹介します。
豚肉の赤身も鉄分が豊富ですが、冷凍したまま調理したり加熱時間が長いと固くなりやすいため、「うちの子豚肉嫌いみたい…」と思ったら、片栗粉をつけて下茹でしてから調理したり、調理時間を短くしたりすると食べやすくなりますよ。
水菜と豚肉の水炊きのレシピ
材料: 水菜、豚薄切り肉、豆腐、白菜、人参、昆布だし
- 水菜などの野菜を食べやすい大きさに切る
- 豚肉は脂の部分を切り落とし、食べやすい大きさに切る
- お鍋に昆布だしを入れて火にかけ、1と2の食材を加える(野菜は固いものから 順番に入れていく)