離乳食に白菜はいつから？初期の与え方と時期別おすすめレシピ
白菜は、アクが少なく葉の部分が柔らかいため、離乳食初期（生後5～6ヶ月頃）から使えるおすすめの葉野菜です。初めて与える際は、加熱してとろとろのペースト状にし、少量から試してください。
特に、白菜の葉先（緑や黄色の部分）は繊維が少なくて柔らかいので、離乳食初期に適しています。一方、白い芯の部分は繊維が多く、手で潰しても糸のように残ってしまうため、赤ちゃんにとってのみ込みにくい場合があります。
離乳食で白菜の芯はいつから？葉先から始めて中期〜後期で試してみましょう
白菜の白い芯の部分は、葉先に比べて繊維が多く、離乳食初期には不向きな場合があります。最初は繊維の少ない葉先の柔らかい部分（緑色や黄色の部分）を使用し、芯の部分は赤ちゃんがみじん切りを食べられるようになる離乳食中期（生後7～8ヶ月頃）以降に少量ずつ試すのがおすすめです。
ただし、芯の部分もしっかりと加熱し、ブレンダーや裏ごし器でなめらかなペーストにすれば、初期から与えることも可能です。調理の手間や赤ちゃんの食べ具合に合わせて、芯を使う時期を調整してください。
離乳食に使う新鮮な白菜の選び方｜鮮度を保つ保存方法のポイント
離乳食に使う白菜は、新鮮で衛生的なものを選びましょう。新鮮な白菜を選ぶには、白い芯の部分や葉の色、重さなどをチェックしてください。
白菜は丸ごと買うと比較的長持ちしますが、スーパーでは1/2や1/4にカットされた状態が多く販売されています。カット白菜は切り口が空気に触れるため、丸ごとの白菜よりも鮮度が落ちやすいので、できるだけ早く使いきるようにしましょう。
新鮮で美味しい白菜選びのポイント
- 葉の白い部分に黒い斑点（※）などがない
- 葉の部分が黄色などに変色していない
- 葉がきれいな緑色をしている
- 手に取った時にずっしりと重みがある
- 葉がしっかりと巻かれている
- 葉の先端を押すと弾力がある
- 切り口が盛り上がっていない（カット白菜の場合）
- カット白菜は芯の高さが1/3以下のものを選ぶ
※黒い斑点は「ゴマ症」と呼ばれる生理現象で、食べても問題ありませんが、鮮度が落ちている可能性もありますので、気になる場合は避けてください。
離乳食の白菜がより長持ちする保存方法｜カットと丸ごとで使い分けましょう
新鮮な白菜を離乳食に使うために、正しい方法で保存し、できるだけ長く新鮮な状態をキープしましょう。
カットした白菜の保存方法｜冷蔵・冷凍保存が便利です
カットした白菜は冷蔵庫の野菜室で保存します。カット白菜は時間が経つと中心部分が成長して膨らみ、外側の葉の鮮度が落ちてしまうため、購入したらできるだけ早く以下の方法で保存の準備をしてください。
すぐに使いきれない場合は、調理後にペーストやみじん切りにして冷凍保存するのが最もおすすめです。冷凍すると繊維が壊れやすくなり、葉物の繊維が苦手な赤ちゃんでも食べやすくなります。
カット白菜の冷蔵保存方法（早めに使い切る場合）
- 購入したら、すぐ芯にⅤ字に包丁を入れて切り落とすか、切り込みを入れます。
- 切り口は濡らしたキッチンペーパーで覆います。
- ラップで全体をしっかりと包みます。
- 冷蔵庫の野菜室に立てて収納します。
丸ごとの白菜の保存方法｜冬場は常温保存も可能です
丸ごとの白菜は、冷暗所（ベランダの日陰や玄関など）で常温保存が可能です。冬場であれば、外側から使っていくことで2～3週間ほど日持ちします。
包丁で切ると鮮度が落ちてしまうため、使う分だけ外側の葉から剥がして使い、小さくなったら冷蔵庫の野菜室で保存するようにしてください。
丸ごと白菜の保存方法
- 新聞紙で全体を包みます。
- 風通しの良い、涼しいベランダの日陰や玄関などに立てて置きます。
- 外側から順に使っていき、小さくなったら冷蔵庫で保存します。
離乳食の白菜を冷凍保存する方法｜調理後も生でもOK
離乳食のストックとして白菜を冷凍保存する場合、加熱調理後でも生でもどちらでも可能です。調理済みの離乳食を冷凍しておくと、食べさせる時に電子レンジで温めるだけなので、手間を省くことができます。
調理後の白菜の冷凍方法｜時期に合わせた形状で保存します
初期の白菜ペーストや白菜スープは、1回分ずつ製氷皿に入れて冷凍し、凍ったら冷凍保存袋にうつします。中期以降は粗めのすり潰しやみじん切りにするので、1回分の量を冷凍保存容器に入れたり、ラップに包んで冷凍保存袋に入れたりして冷凍しましょう。
凍らせた白菜の離乳食を与える際は、耐熱容器に移し、電子レンジで中心までしっかりと加熱解凍してください。
離乳食用の生の白菜の冷凍方法｜葉と芯は分けて保存しましょう
購入後すぐに調理しない場合は、生のまま冷凍するのが手軽です。調理のしやすさを考えて、白菜の芯と葉先は切り分けて冷凍するのがおすすめです。
冷凍した生の白菜は、そのまま調理に使い、加熱解凍します。冷凍することで細胞が壊れているため、スープや煮込みに入れると生の状態よりも早く柔らかく、トロトロになります。
生の白菜の冷凍保存方法
- 水洗いします。
- キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ります。
- 白い芯と葉先を切り離し、それぞれざく切りにします。
- 冷凍保存袋に芯と葉先を分けて入れ、平らにして冷凍庫へ入れます。
離乳食の白菜の調理方法｜下茹でとレンジ調理のコツ
白菜は、調理時に水溶性のビタミンCが溶け出しやすい性質があります。特に離乳食用の少量の白菜は、電子レンジで調理すると加熱時間を短く抑えられ、栄養素の損失を抑えることにつながります。
離乳食用の白菜の電子レンジでの下茹で方法
- 洗った白菜の葉先を、使用する時期に合わせて適当な大きさにカットします。
- 耐熱容器に白菜と少量の水を入れ、ラップをかけて約1分加熱します。
※機種やワット数、白菜の量により加熱時間は調節してください。目安として、指で潰せるくらい柔らかくなればOKです。
下茹でをした際の茹で汁には、白菜のうま味や栄養素が溶け出しています。茹で汁は捨てずに野菜スープ（ベジブロス）として活用し、お粥や他の離乳食を伸ばしたり、風味付けに使ったりするのがおすすめです。水を加えるよりも栄養価がアップします。
【時期別】離乳食の白菜の形状と調理のコツ
離乳食は、時期によって白菜の与える量、形状（大きさ）、硬さが異なります。赤ちゃんの成長に合わせて適切に調整しましょう。
離乳食初期（生後5～6ヶ月頃）の白菜｜なめらかなペースト状で
離乳食初期は、白菜の筋を取り除いた葉先の部分だけを使用します。加熱して柔らかくした葉の部分を、すり潰してなめらかなペースト状にして与えましょう。初めて与える際は、小さじ1から試してください。食べられる食材が増えたら、他の野菜や、初期から使える豆腐などと混ぜるのもおすすめです。
白菜ペーストをそのまま食べない場合は、お粥に混ぜる、ミルクで煮る、サツマイモやかぼちゃなど甘味のある食材と和えるなどの工夫をすると食べやすくなります。
白菜とさつまいものスープのレシピ（初期）
材料：白菜の葉先10g、さつまいも10g、玉ねぎ5g、ミルク20g、だし用白菜の芯1かけ（取り除く）
- さつまいもは皮をむいてから1cm大のサイコロ状に切り、10分以上水にさらします。
- 白菜は黄色くてやわらかい葉先の部分を使い、細かくみじん切りにします。
- 玉ねぎは皮をむき、細かくみじん切りにします。
- 鍋にミルクを入れ、1～3とダシをとるために白菜の芯1かけを入れて加熱します。
- さつまいもが崩れるぐらいまで煮込み、粗熱を冷ましてから芯を除いてミキサーにかけるか、裏ごししてなめらかなペースト状にします。
- 器に盛って、好みで中央に白菜の青い部分で作ったペーストを乗せます。
白菜とサツマイモのペーストのレシピ（初期）
材料(4回分)：白菜（葉先）40g、サツマイモ40g、白菜の煮汁またはお湯
- 白菜の葉の部分を柔らかく茹でてなめらかにすり潰します。
- サツマイモの皮を剥き、柔らかく茹でてなめらかにすり潰します。
- 1と2を混ぜ合わせ、白菜の煮汁またはお湯で伸ばしてなめらかにします。
離乳食中期（生後7～8ヶ月頃）の白菜｜2〜3mmのみじん切りに
離乳食中期になったら、食べ具合を見て白菜を2〜3mmくらいのみじん切りにし、舌で潰せる硬さにしっかりと加熱して与えましょう。硬さだけでなく、繊維感にも注意し、十分に柔らかく調理してください。
赤ちゃんが白菜をカミカミせずすぐに丸飲みする場合は、加熱時間を調節して今より少し硬めに仕上げ、噛む練習を促すようにします。中期になると鶏ささみなどのタンパク質も食べられるようになりますが、白菜などの柔らかい野菜と一緒に調理することで、飲み込みやすくなります。
そうめんの白菜あんのレシピ（中期）
材料：そうめん10g、白菜10g、白身魚10g、だし汁40ml、片栗粉少量
- そうめんはやわらかく茹で、水で洗ってから1cm程度の長さに切ります。
- 白菜は柔らかい葉先を選んで使い、2〜3mmのみじん切りにします。
- 白身魚は熱湯を回しかけて火を通し、小さくほぐします。
- 鍋にだし汁と2、3を入れて火にかけます。
- 白菜が柔らかくなったら1を入れて軽く煮込み、水溶き片栗粉でとろみをつけます。
白菜と豆腐のだし煮のレシピ（中期）
材料：白菜20g、絹ごし豆腐30g、昆布だし
- 白菜の葉の部分を2〜3mmのみじん切りにして柔らかくゆでます。
- 豆腐を5〜8mm程度の食べやすい大きさに切ります。
- お鍋に昆布だしを入れて火にかけ、豆腐と白菜を加えて味をなじませます。
※仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけてもOKです。
離乳食後期（生後9〜11ヶ月頃）の白菜｜5〜8mmのみじん切りに
離乳食後期は、白菜を5mm〜8mmくらいの粗めのみじん切りにし、歯茎で潰せる硬さに加熱して与えましょう。この時期になると、白菜の芯も柔らかく煮込めば使用できます。大人の鍋などからの取り分けも可能になりますが、必ず赤ちゃん用に細かくカットし、味付け前のものを使用してください。
手づかみ食べが始まる時期なので、手でつかみにくい白菜はハンバーグなどのつなぎに使うと、フワフワした食感になりおすすめです。
白菜ハンバーグのレシピ（後期）
材料(4回分)：白菜（葉先・芯）60g、鶏むねミンチ60g、片栗粉小さじ2
- 茹でた白菜を5mmのみじん切りにします。
- 1と他の材料をよく混ぜて、粘りを出します。
- 食べやすい大きさに丸めて、薄く油を引いたフライパンで両面をこんがり焼きます。
白菜と麩のみぞれ煮のレシピ（後期）
材料：大根20g、白菜（葉先）10g、焼き麩3個、だし汁40g
- 大根は皮をむき、すりおろします（みぞれ用）。
- 白菜は先端の柔らかい部分を使い、5mm大のサイコロ状に切ります。
- 大きいサイズの焼き麩は4分割に、小さいものも半分に割っておきます。
- 鍋にだし汁と2を入れて、加熱します。
- 白菜が柔らかくなったら1、3を入れ、ひと煮立ちさせます。
白菜と大根のお粥のレシピ（後期）
材料：軟飯30g、白菜10g、大根10g、だし汁20g
- 軟飯は包丁で粗くきざみます。
- 白菜は葉先の柔らかい部分を使い、5mmのみじん切りにします。
- 大根はすりおろします。
- 鍋にだし汁と2を入れて加熱します。
- 白菜が透き通ったら1と3を入れて、さらに加熱します。
- 弱火でかき回しながら、歯茎で潰せる硬さのトロトロになるまで煮込みます。
離乳食完了期（生後12〜18ヶ月頃）の白菜｜1cmの大きさに
離乳食完了期は、白菜を5mm〜1cmくらいの大きさにカットし、歯ぐきで噛みつぶせる硬さに加熱して調理してください。柔らかすぎたり硬すぎたりすると、赤ちゃんが丸呑みしたり、食べ物への好き嫌いにつながったりする可能性があります。
完了期でも白菜は苦味があるため生食には向きません。また、漬物は塩分が濃いため、離乳食には避けてください。大人の料理から取り分ける際も、味付けの濃さや硬さに注意しましょう。
白菜入りクリームシチューのレシピ（完了期）
材料：白菜15g、人参15g、ジャガイモ15g、鶏モモ肉15g、野菜スープ適量、牛乳大さじ2、水溶き片栗粉少量
- 白菜を食べやすい5mm〜1cm程度の大きさに切ります。
- 人参とジャガイモは皮を剥き、食べやすい1cm角程度の大きさに切ります。
- 鶏モモ肉は皮を取り除いて、食べやすい1cm角程度の大きさに切ります。
- 鍋に野菜スープと水を入れ、1～3を加えて具材が柔らかく（噛みつぶせる硬さ）なるまで煮込みます。
- 牛乳と水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。
白菜ロールのトマト煮のレシピ（完了期）
材料：鶏挽き肉15g、豆腐15g、玉ねぎ10g、エリンギ少量、白菜葉先2枚、トマト小1/2、だし汁20ml
- 玉ねぎは皮をむいてからすりおろします。
- エリンギは柔らかい先端部分を少量使い、みじん切りにします。
- トマトは湯むきをしてから種を取り、1cm大のサイコロ状に切ります。
- 白菜は葉先の柔らかい部分を細長く切り取って使い、電子レンジで加熱してしんなりさせます。
- ボウルに鶏ひき肉と豆腐、1、2を入れ、粘るまでよく混ぜ、団子状に形を整えます。
- 5のタネを4の白菜で巻き、巻き終わりを下にして鍋に入れます。
- 鍋にだし汁と3を入れ、弱火で煮込みます。
白菜とほうれん草のだし煮のレシピ（完了期）
材料：白菜20g、ほうれん草10g、だし汁40g、かつお節少々、しょう油1～2滴
- 白菜は穂先の柔らかい部分を使い、1cm程度の大きさに切ります。
- ほうれん草も1cm程度の大きさに切ります。
- 鍋にだし汁と1、2を入れ、加熱します。
- 白菜が柔らかくなったらザルにあげて取り出し、軽く水を切ってから熱いうちにしょうゆを回しかけます。
- 食べる直前にかつお節を指で磨り潰すようにしてふりかけてよくあえます。
子育て4コマ漫画：離乳食で使う白菜はゆで汁も捨てないで！
離乳食に使う白菜やキャベツなどの野菜のゆで汁には、野菜の旨味や栄養素が溶け出しているため、できるだけ捨てずに活用しましょう。
葉野菜や人参などの初期から使える野菜の茹で汁は、「ベジブロス（野菜だし）」として製氷皿で冷凍しておくと、魚や肉の離乳食をより美味しくする風味付けとなります。
野菜の自然な甘味で離乳食が食べやすくなり、水分を加えるよりも栄養価がアップするため、ぜひ試してみてください。
離乳食の白菜を赤ちゃんが食べない時は？だしや合わせる食材を工夫して
白菜だけで食べさせてしまうと、赤ちゃんによっては青臭さや淡白な味が気になって食べにくいと感じることもあります。赤ちゃんに美味しく食べてもらうためには、離乳食に使うだしを工夫してみるのがひとつの手です。
白菜に含まれる主要なうま味成分はグルタミン酸です。昆布だしもグルタミン酸が主成分ですので、合わせてもうま味の相乗効果はあまり期待できません。
そこで、白菜とは異なるうま味成分を持つカツオだし（イノシン酸）や干しシイタケだし（グアニル酸）などと合わせると、うま味の相乗効果で風味が引き立ち、食べやすくなります。
また、肉や魚などの動物性タンパク質からもだしが出るため、白菜の離乳食にこれらの食材を加えることも、風味を豊かにする工夫としておすすめです。