乳幼児医療費助成は子育てママの強い味方!知っておくべき制度と手続き方法
乳幼児医療費助成とは、乳幼児が医療機関で診察や治療を受けた時に自治体がその費用を負担してくれる制度で、この制度を利用することで、赤ちゃんの医療費をカバーしてもらえるのです。
赤ちゃんが生まれると心配事がふえますが、その中でも赤ちゃんの病気は気になりますよね。特に、病院に行くほどではないのか行くべきなのかどうか迷った場合は、医療費のことを考えて受診をためらったしまうこともあるのではないでしょうか。そんな時におすすめなのが「乳幼児医療費助成」という制度なのです。
事前にきちんと手続きをしておけば、赤ちゃんが病気になっても経済的な負担が軽減されるので、安心して病院で治療を受けさせることができますね。
「乳幼児」という名前がついていますが、乳幼児医療費助成の対象は乳幼児だけにとどまりません。その範囲はとても広く、そして、子育てママの強い味方になる制度なので、赤ちゃんがいつ病気になっても対応できるように準備をしておきたいもの。乳幼児医療費助成とはどのような制度なのか、ここでは詳細について詳しくご紹介します。
乳幼児医療費助成制度とは
赤ちゃんの時は抵抗力が弱く、1歳~2歳になって保育園に行くようになると感染症、小学校ではケガなど、子供は何かと病院に行く機会は多いもの。いろいろとお金がかかる時期に医療費を助成してもらえると、経済的には大助かりですよね。ここからは、子育てママが知っておきたい乳幼児医療費助成の制度の概要についてみていきましょう。
乳幼児医療費助成ってどんな制度?
乳幼児医療費助成とは、乳幼児が病気やけがなどで医療機関を受診した際、診察や治療にかかった費用を自治体が助成してくれる制度です。助成の内容については各自治体によって異なりますが、大まかに地方自治体による全額負担と一部負担の2種類に分かれます。
通常、健康保険を利用した場合、義務教育未就学児は2割負担、小学校1年生以上は3割負担となっていますが、この制度を利用すると、全額負担の地域の場合は保険の負担分が助成の対象となります。
乳幼児医療費助成はどうすれば利用できるの?
乳幼児医療費助成制度を利用するためには、まずは現在、お住まいの地方自治体に申請を行う必要があります。申請により発行された乳幼児医療費受給者証があれば、乳幼児医療費助成が受けられるようになるのです。受給者証が即日発効される地方自治体もありますが、後日郵送で送られてくる場合があるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
乳幼児医療費助成を受けるための3つの条件
乳幼児医療費助成は、乳幼児なら誰でも受けることができるという訳ではありません。制度を利用するためには、次の2つの条件があります。
1.健康保険に加入している
たとえ産まれたばかりの新生児であっても、乳幼児医療費助成を受けるためには、パパやママが加入している健康保険に加入する必要があります。健康保険には、会社員や公務員が加入している健康保険(健保)と、自営業やアルバイト、無職の方が加入する国民健康保険(国保)の2種類があります。
赤ちゃんが産まれたら、まずは出生届の提出や住民登録と一緒に健康保険の加入の手続きをして、忘れずに乳幼児医療費助成制度の手続きを行うことが大切です。
2.自治体が定める年齢を満たしている
乳幼児とは一般的に、乳児が生後0日から満1歳未満、幼児が満1歳から小学入学前と定義されています。しかし、乳幼児医療費助成制度は、乳幼児全般が対象になるのではなく、対象となる年齢は地方自治体によって決められているのです。また、年齢によってカバーされる医療費の範囲も異なるため、制度を利用する前にきちんと確認しておくとよいでしょう。
また、次のような条件の赤ちゃんは、助成の対象外になりますのでご注意ください。
- 健保や国保などの健康保険に加入していない
- 生活保護を受けている
- 乳児院などの施設に入所している
3.所得制限未満である
自治体によっては乳幼児医療費助成に所得制限を設けているところもあります。限度額を超えている場合は対象となりませんので、お住まいの市町村のHPにて確認しましょう。また、所得制限ある市町村にお住いの場合は所得課税証明書の金額を確認しましょう。
乳幼児医療費助成が受けられる範囲
乳幼児医療費助成を受けた場合、具体的に自治体はどのような医療費を負担してくれるのでしょう。ここでは、助成の対象となる医療費とならない医療の、2つのパターンについてご紹介します。
助成の対象となる医療費
助成対象の医療費は自治体によって異なりますが、主に次のような保険診療の自己負担分が助成されます。
- 初診料
- 診察料
- 検査費用
- 薬代 など
他の自治体で受けた治療もカバーされる
里帰り出産や出産後にパパやママの実家に帰省した際に病気になった場合、他県の病院を受診するがありかもしれませんよね。そんな時、乳幼児医療費受給者証を持っていなかったら、乳幼児医療費助成は受けられないの?と思われるかもしれませんがご安心ください。
医療機関や薬局の領収書などの証明書があれば、後日、自治体で払い戻しの手続きをすることができるのです。とはいえ、外出する際は何が起こるか分からないので、乳幼児医療費受給者証は常に持ち歩いた方が良いといえます。
ここで紹介したケースとは逆に、次のような場合は乳幼児医療費助成が受けられないことから、その他の助成を受けるなどの対応を検討しましょう。
助成の対象にならない医療費
乳幼児医療費助成制度は、適用範囲が定められています。入院することも多い乳幼児ですが、その間にかかった費用の一部が対象外になるなど、全てのケースで適用されるわけではないことを理解しておきましょう。
1保険適用外の医療費
次のような保険適用外の医療費は助成の対象になりません。
- 薬の容器代
- 紙オムツ代
- 文書料
- 健康診断の費用
- 入院時の差額ベッド代 など
2医療費が高額だった
例えば、生まれてすぐにNICU(新生児集中治療室)に入った場合や、事故や病気のため長期間の入院を余儀なくされた場合、高額な医療費がかかることがあります。このような高額な医療費負担を軽減するために、医療費が一定の金額を超えると公的医療保険制度の一つである「高額療養費制度」が適応されることから、この場合は乳幼児医療費助成の対象にはなりません。
3ほかの助成制度と重複する場合
地方自治体には、「ひとり親家庭医療助成制度」「重度障害者医療費助成制度」「心身障害者医療費助成制度」など、さまざまな助成制度があります。基本的に医療費の助成制度は重複して利用できないことから、これらの助成制度を活用する場合は、乳幼児医療費助成を利用することができません。
乳幼児医療費助成の申請方法
乳幼児医療費助成を申請するためには、助成のための申請書を最寄りの地方自治体に提出する必要があります。申請書は自治体の担当窓口でもらえるほか、各自治体のホームページからダウンロードが可能です。
また、申請を行う際は申請書のほかに、主に次のものを持参する必要があります。
申請の際に必要なもの
- 母子健康手帳
- 保護者と子供の健康保険証
- 印鑑(シャチハタ以外)
- 保護者の預金通帳
- マイナンバーカードかマイナンバー通知カード
- 保護者の所得が分かる書類(源泉徴収書や確定申告書のコピー等)
住所や健康保険が変わった場合は手続きが必要です
転出をした場合、以前住んでいた地域の乳幼児医療費助成制度は受けられなくなるため、引っ越し先の地域での手続きが必要になります。また、引っ越す前には、その自治体から交付してもらった古い受給資格証を忘れずに返却しておきましょう。
また、転職などで健康保険が変わった場合も同様に、古い受給者証を返却して、新たに手続きを行う必要があります。
乳幼児医療費助成の申請期限
乳幼児医療費助成は、一般的に1ヶ月健診までに申請するよいとされています。ただし、自治体によっては1ヶ月健診の無料券を発行している地域や、1ヶ月健診では医療費助成が受けられない地域があるため、事前確認しておく必要があります。とはいえ、1ヶ月健診では健康保険証が必要となることから、保険証が手元に届いたらできるだけ早めに申請を行っておくとよいでしょう。
出産後は何かとバタバタしているもの。そのため、出産前に出生手続きに必要な書類を取り寄せて、必要な部分を記入しておくなどして、出産後すぐに書類を提出できるように準備しておくことをおすすめします。