チャイルドマインダーとは?に関する記事

『チャイルドマインダーとは?資格取得の方法とその後の仕事』

保育や子供の教育に関われる民間資格として注目を集めるチャイルドマインダー。子育て経験を活かせることもあり、ママの再就職のための資格としても関心が高まっています。資格取得の方法や費用、実際の働き方や給料を解説します。

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チャイルドマインダーとは?資格取得の方法や実際の求人、働き方は?

チャイルドマインダーという資格をご存知でしょうか。保育や子供の教育に関わる仕事がしたいと考える人たちの間で広まりつつあるチャイルドマインダーは、2008年TBSの「ひみつのアラシちゃん」で、嵐の5人がこの資格に挑戦し、見事取得したことでも話題となりました。

チャイルドマインダーの仕事とは、どのような内容なのでしょうか?働き方や資格取得の難易度、保育士やベビーシッターとの違いなど、詳しく解説していきます。

チャイルドマインダーとは

チャイルドマインダーとは、少人数で家庭的な保育を行う保育の専門家です
保育の対象とするのは0歳〜12歳の子供たちで、チャイルドマインダーが保育できるのは、有資格者1人につき0歳は2人、1歳は3人、2~4歳は4人まで、さらに1つの施設では、子供の数は5人以内と限定されています。

日本でのチャイルドマインダー資格は民間資格ですが、もともとはイギリス発祥の資格で、イギリスでは国家資格として認定されています。イギリスの保育は、少人数の家庭的保育がメインであり、チャイルドマインダーは、家庭的な保育の専門家として、重要な地位を築いてきました。

チャイルドマインダーとしての働き方には、自分の自宅で預かり保育をする、派遣された家庭で訪問保育をする、保育施設や企業の託児室で保育を行うなどの働き方があります。

チャイルドマインダーになるには、資格が必要!

チャイルドマインダーになるには、民間資格の「チャイルドマインダー認定資格」が必要です。日本では、次の3つの団体がチャイルドマインダー資格の発行元として知名度があります。

  • NCMA,Japan
  • チャイルドマインダージャパン
  • ヒューマンアカデミー

資格取得は通学か通信教育の2択

資格取得のためには、チャイルマインダー資格を発行している団体の養成講座を受講する必要があります。養成講座の受講は、スクールへの通学通信教育かの2択です。

通学タイプでは、だいたい60時間前後の授業を受けることになります。週に1回の通学を続けていく講座もあれば、短期集中で受講する講座もあります。

一方、通信タイプの場合、受講期間は約3〜6ヶ月。通学タイプに比べて自分のペースでの学習が可能ですが、勉強のペースややり方に関してはほぼ独学と変わりませんから、自分を律して勉強のペースを確立しなくてはいけません。

通信・通学ともに、養成講座修了後、検定試験を受けて合格を目指します。講座を受講せずに、完全独学での受験はできませんので、注意してください。

チャイルドマインダー資格の合格率

チャイルドマインダーは民間資格のため、資格を発行する団体が複数あり、試験内容や難易度にも差があります。おおむね合格率は70~90%といわれており、受験資格に学歴は関係ありません。

講座での勉強内容

子供の発達や心理、食事や健康などの理論から、遊び方やしつけ、怪我や病気の対応などの実践に至るまで、子供に関する様々なことを学びます。

また、保育に関わるものが身につけておくべき保護者対応やビジネスマナーを取得できるのもチャイルドマインダー資格の特徴です。

費用は13万~20万

各団体の講座によって開きはありますが、おおむね受講料は、13万〜20万円くらいが相場です。

通学タイプは通信タイプに比べて、約2〜10万円高額に設定されています。通信タイプの方が安価には済みますが、通学タイプの学びには、より実感を伴えるという利点があります。また、疑問点をすぐに解決できるのも良いところです。

講座を選ぶ際には、費用面だけで考えずに「自分に合った学び方なのか」「サポート体制は充実しているのか」と言った側面をきちんと精査してみることが大切です。

チャイルドマインダーの働き方モデル


チャイルドマインダーの資格を活かせる働き方は、一通りではありません。従来のシッターのような働き方だけでなく、独立して保育施設を経営したり、他の資格や特技と組み合わせる方法もあります。

独立開業

チャイルドマインダー資格取得後、託児施設を開設したり、シッター派遣を行ったりと、保育事業を独立開業することが可能です。

例え自宅で保育室を開業する場合でも、設備投資や利用者の確保など、課題は多く、実現には多くの困難が伴いますが、大きなやりがいを感じられる働き方であるのは確かでしょう。

子供の命と安全を預かる意識を忘れずに、事業を進められる力が必要となります。

保育園・託児所、訪問保育などの保育サービス事業で働く

実際の保育の現場で働く方法は、資格を活かすのには最適です。共働き家庭は年々増加し、保育の需要はどんどん高まっています。子供を預かるのは認可保育園だけではなく、事業所内の託児所や時間預かりの託児所、さらには訪問保育など、様々な形態が存在しています。

チャイルドマインダーの資格を持っていれば、それらの保育職への門戸は広がるはずです。

幼児教室や子供向けスポーツクラブのインストラクター

最近では、チャイルドマインダーの資格を他の仕事に活かす人も出てきました。
例えば、幼児教室の講師は、特別な国家資格や民間資格がなくてもできますが、子供に関する資格を持っていた方が保護者の信頼を得やすくなります。また、子供についてもう一度丁寧に学ぶことで、仕事への好影響も期待できます。

その他、最近ではキッズヨガやリトミックなど、子供専門の習い事も誕生していますし、水泳などもベビースイミングといった分野が確立されつつあります。

趣味や特技を生かして、子供向けの習い事教室を開きたいという方にとっても、チャイルドマインダー資格は、トライしやすい資格と言えるでしょう。

チャイルドマインダー向けの求人はある?

チャイルドマインダーの資格を取得しても、実際の求人は豊富なのでしょうか?

保育士などに+αとして取得した場合

もともと保育士や幼稚園教諭などの国家資格を所持していて、専門性を高めるためにチャイルドマインダーの資格を取得した場合、チャイルドマインダー募集の求人だけでなく、保育士や幼稚園教諭が必須条件の求人にも応募することができます。

公立・私立の保育園や幼稚園はもちろん、民間の託児所、訪問保育を行うベビーシッター、自治体に認定されれば保育ママとしての活動も可能です。

保育士資格がありながら、自ら学びを深めたことがアピールポイントにもなりますので、他人との差別化も図れるでしょう。

チャイルドマインダーの資格のみの場合

残念ながら、チャイルドマインダーの資格があれば、絶対に就職できるというようなことはありえず、チャイルドマインダーが絶対有利というような仕事も滅多にありません。同求人に、保育士とチャイルドマインダーが応募した場合、保育士の方が国家資格として信頼性が高く、採用されやすいのも現実なのです。

ただ、チャイルドマインダー資格を無認可保育園、学童保育所、企業やショッピングセンター内の託児所、ベビーシッターなど子供と関わる求人へのアピールポイントにすることは可能です。

また、多くのチャイルドマインダー資格保持者は、養成講座を受講していますから、やる気をアピールし、仕事の紹介をお願いするという方法もあります。

チャイルドマインダーの収入&給料は?

チャイルドマインダー収入は、自分で開業するか、企業等が運営する保育施設等に雇われて働くかで大きく異なります。

独立開業した場合の収入

保育施設を開業する、または訪問保育専門のフリーランスとして働くなどの方法がありますが、その場合、保育料は自分の好きに設定できます。地域差もありますが、1時間1000円~2000円程度の保育料が相場といえるでしょう。訪問保育の場合は、別途交通費を実費で利用料としても問題ありません。

例えば、子供1人を1時間1500円の保育料で預かり、1日8時間で12,000円、25日預かれば、月収30万円です。しかし、ここから光熱費や備品などの経費が掛かります。また、開業には初期費用が掛かりますし、利用してくれる人が少ないと、月の利用時間が10時間程度で、月収15,000円といったことも考えられます。

早朝や夜間の保育に対応する、英語教育やピアノなどの習い事も兼ねられるように付加価値をつけるなど、利用してもらうための経営努力が必要です。

企業に就職した場合の給料

厚生労働省の資料によると、保育所で働く保育士の給料の平均は約22万円です(注1)。私立、公立園で違いがあり、勤続年数が上がっても、賃金が上がらないことなども問題視されています。

一概にはいえませんが、チャイルドマインダーとして託児所などの認可外保育所などに保育補助員として就職した場合、保育士より高い給料を得るのは難しいのが現状です。また、シッター派遣会社に登録した場合、利用者の保育料が仮に2000円だとしても、全額が自分の給料となる訳ではなく、時給1000円以下となるケースもあります。

ただし、こうした就職、派遣登録での働き方は、初期費用がほとんどかかりません。良い就職先を見つけたり、シッターとしての固定客がつかめれば、パートとして月数万円を稼ぐハードルはぐっと下がるはずです。

チャイルドマインダーと保育士の違い

子供に関する職業として、日本で最も知名度があるのが保育士です。チャイルドマインダーと保育士の違いを説明します。

チャイルドマインダーは民間資格、保育士は国家資格

チャイルドマインダーと保育士の最大の違いは、国家資格か、民間資格かという点です。

保育士は国家資格ですから、厚生労働省の管轄する保育園を始め、乳児院やその他子供に関する施設で働く資格があります。もちろん、公的な施設だけでなく、民間の企業や施設でも資格は活きてくるでしょう。

一方で、チャイルドマインダーは民間資格です。もしも保育士と同じような働き方がしたいならば、民間の託児所など、いわゆる国の認可外施設で働くことになります。

チャイルドマインダーと保育士の資格取得の難易度の差

保育士の資格を得るには、大学や短期大学などの養成学校を修了するか、民間のスクールや通信講座での独学などを経て保育士試験を受験する2つの方法があります。社会人になってから保育士を目指すとなると、保育士試験を受験する方が多数派でしょう。

保育士試験は、筆記試験は全9科目、実技試験2科目で、合格率は平成27年度22,8パーセント、ここ数年では10パーセント台の年もあります(注2)。ただし、合格科目に関しては、3年間有効なので、2~3年かけての取得も可能です。

チャイルドマインダー試験の合格率が70~90%で、通学タイプでも60時間程度の授業時間なのに対し、保育士は短大の養成学校でも最低2年は勉強の必要があります。独学で保育士を目指した場合は、1年以下の勉強時間で1発合格という人もいますが、何年も受からない人もいます。

どちらにせよ、チャイルドマインダーと保育士では、資格取得の難しさには、大きな開きがあるのは間違いありません。

保育士は集団保育も可能

チャイルドマインダーが家庭的な少人数保育を行うことを目的とし、1人が1施設で保育できる人数を5人以下と限定しているのに対し、保育士は集団保育も可能です。保育士1人付き0歳は3人、1~2歳は6人、3歳なら20人、4歳以上は30人と定められています。

もちろん、保育士が少人数の保育をしても問題ありません。保育士の中には、チャイルドマインダーのように家庭的な少人数保育に関心を抱き、チャイルドマインダー資格を修得し、仕事の幅を広げようという人もいます。

乳児・幼児の保育に関する資格という意味では、保育士の方が専門性や仕事を選べる範囲は広いでしょう。

チャイルドマインダーと保育ママの違い

保育ママとチャイルドマインダーの違いとして、1番大きな点は、保育ママは自治体認定の保育者であるという点です。正式には、家庭福祉員と呼び、預かりの対象となるのは3歳未満の子供に限ります。

また、チャイルドマインダーとは違い、保育ママは原則的に自分の自宅での預かりであり、訪問保育は行いません。

かつては、保育ママになるためには、保育士や幼稚園教諭、看護師などの有資格者であることが必要条件でしたが、現在は育児経験者が研修を積めば許可されるケースも増えています。

チャイルドマインダーとベビーシッターの違い

ベビーシッターは訪問保育が中心です。対して、チャイルドマインダーは、自宅での保育、訪問保育、企業などの託児室など、働き方が多様というメリットがあります。

資格面でいうと、ベビーシッターは無資格でも仕事をすることが可能です。ただし、個人で活動するベビーシッターでも、都道府県知事への届け出は必須となっています。

ベビーシッター派遣会社の多くは、保育士などの国家資格か、公共社団法人保育サービス協会の認定ベビーシッター資格の保持を採用の条件に挙げています。

取得後の働き方で資格を選ぶ

少人数の家庭保育として、共通点も多いベビーシッターですが、ベビーシッターとして仕事をする場合は、訪問保育が中心となること、就職する会社によって拘束時間や給料体系も違うことを抑えておきましょう。

働き方として、訪問保育がしたい、ベビーシッター派遣会社に務めたいと既に決まっているなら、認定ベビーシッターの資格を取得するのが1番の近道です。

一方で、特技を生かした幼児教室などの開講を考えているなら、子供への教育的な関わりについても多く勉強するチャイルドマインダーがおすすめです。

チャイルドマインダーのメリット

チャイルドマインダーは、少しずつ知名度や需要が増してきているものの、まだまだ保育士などの国家資格に比べ、求人は少なく、仕事に直接活かすのは難しい面もあります。しかし、チャイルドマインダーだからこそのメリットもあるので、ご紹介します。

少人数ゆえにきめ細かい保育、教育を行いやすい

チャイルドマインダーがお世話をするのは、少人数の子供たち。少人数保育だと、家庭に近い雰囲気で関わりを持つことができますし、各家庭の育児方針や教育方針に沿って、安全できめ細かい保育を提供できます。

集団保育を経験した保育士の中には、こうした少人数保育を理想とし、チャイルドマインダーとしての活躍を望む人もいます。

多様な働き方が可能

保育士資格は様々な場面で活躍させられますが、訪問保育を基本とするベビーシッター、自宅での3歳児未満の預かりが原則な保育ママは、どうしても働き方に制限ができてしまいがちです。

一方で、チャイルドマインダーは、民間資格にも関わらず、保育施設で働く、訪問保育をする、独立開業する、幼児教室を開講するなど、子供に関わる働き方が多様にあります。

また、パートなどの働き方で融通を利かせやすいのも一つのメリット。ママの再チャレンジで、家庭との両立に不安を抱える人にとっては柔軟性が何よりありがたいですよね。

資格取得が比較的簡単

チャイルドマインダーは、「保育の世界に挑戦してみたい」「ママの経験を活かして子供に関わる仕事をしてみたい」という希望を持つ方々の第一歩として、トライしやすい資格です。通信講座でも勉強が可能なので、スクーリングが難しい子育て中の主婦の方でも、独学での取得は十分可能です。

資格を取得に向かって勉強する時間はとても充実して感じられますし、合格すれば大きな自信になります。子育て中のママなら、例えすぐに仕事に直結しなくても、チャイルドマインダー資格を目指して勉強した経験は、今後の育児にも絶対に役立つはずです!

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

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