離乳食のしらすはいつからOK?初期後半から与えられる人気の魚
離乳食のたんぱく質の中でも「しらす」は安価で調理も簡単なので、離乳食作りに不慣れなママからベテランママまで人気の魚。
身の色が白く柔らかくて離乳食として食べやすい白身魚として初期後半から使われていますが、魚の種類は青皮魚のイワシ。2cm未満のまだ体が白い時期のイワシの稚魚です。
魚の種類により食べ始める時期が異なり、離乳食期では「白身魚→赤身魚→青魚」の順に与えるでイワシは後期からになりますが、しらすは離乳食初期後半から与えられます。ただし離乳食期はそのまま食べさせられませんので下ごしらえを行ってください。
今回はしらすに含まれる赤ちゃんに嬉しい栄養、しらすに紛れ込んでい離乳食後期のしらすおすすめレシピ&調理のポイントるえびかにへの注意、下ごしらえの塩抜きの方法、しらす干しや小女子との違い、冷凍保存の方法、初期・中期・後期・完了期の離乳食おすすめレシピを紹介します。
子育て4コマ漫画:魚料理が苦手な方も!離乳食にしらすはいかが?
離乳食にしらすは超おすすめの魚。もちろんしらす以外の魚にも慣らす必要はありますが、近年調理が簡単で食べ応えがある肉ばかりの家庭が増えているので、肉以上に調理が簡単な魚なので離乳食に積極的に利用しましょう。
しらすに含まれる赤ちゃんに嬉しい3つの栄養素
離乳食で愛用されるしらすには、赤ちゃんに積極的にとらせてあげたい栄養素がたっぷりと含まれています。
1カルシウムやマグネシウム|歯や骨となる赤ちゃんに欠かせない栄養素
しらすには牛乳の約2倍、しらす干しには5倍のカルシウムが含まれています。カルシウムは歯や骨を形成するため離乳食期の赤ちゃんにとって不可欠な栄養素のひとつ。
しらすには歯や骨を作るのに必須のマグネシウムも豊富に含まれています。マグネシウムには気持ちを落ち着かせる抗ストレス作用もあり、十分な量を摂取し続ける必要があります。
カルシウムとマグネシウムやリンとバランスよく摂取することが大切な栄養素ですが、しらすにはマグネシウムも豊富に含まれているため赤ちゃんに適した食材。
ただししらすばかり大量に食べさせるのはよくありません。しらすにはリンも多く含まれていますが、リンが多過ぎるとカルシウムの吸収の妨げになります。
しらすには生シラス100gで340㎎、半生シラス100gで860㎎ものリンが含まれていますが、生後6~11ヶ月の一日の摂取量は260㎎、1~2歳の幼児で500㎎。リンは肉や魚、卵や大豆製品に多いため、離乳食は野菜や糖質と共にバランスよく食べさせましょう。
2DHA(ドコサヘキサエン酸)|フォローアップミルクにも含まれる栄養素
しらすは青皮魚であるイワシの稚魚なので、DHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいます。DHAは脳まで届く栄養素で、脳神経細胞を活性化させる働きがあります。
しらすを大豆製品の納豆や卵と一緒に食べる人も多いのですが、大豆製品や卵には脳細胞を構成するレシチンが豊富に含まれています。
離乳食はしらすだけに偏らず、納豆などの大豆製品や卵も一緒に食べさせてあげましょう。
3ビタミンD|10gで一日に必要な量のほとんどがとれる
ビタミンDは食べ物と体内合成の2つの方法でとる栄養素です。体内での合成には日光に当たることが必要ですが、最近は日焼け止めなどによる過剰な紫外線除去などによる乳幼児のビタミンD不足が増えています。
ビタミンDは骨の成長に欠かせない栄養素なので、海外でも日照時間の少ない地域では紫外線を浴びられる装置を利用し、ビタミンDを体内合成する家庭があり
離乳食初期~後期には一日に5㎍、完了期には2㎍のビタミンDをとる必要がありますが、微乾燥のしらす干し10gには4.6㎍ものビタミンDが含まれているため、赤ちゃんにはありがたい食材です。(注1、注2)
ただし生しらすに含まれるビタミンDの量は10gで0.7㎍しか含まれていないため、ビタミンDの面では釜揚げよりしらす干しの方がおすすめです。(注3)
しらすにえびかにが入っていても与えられる?離乳食後期までは取り除く
離乳食ではえび、かに、たこ、貝類は後期からですが、しらすの中にはえび、かに、たこ、タツノオトシゴなどの稚魚が紛れ込んでいることがあります。
離乳食初期と中期はしらすを調理する前に目視で確認し、もし発見したら手で取り除くようにしましょう。心配な場合は食後の様子を見守り、異変があればすぐ医療機関を受診してください。
2019年3月に改定された厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(改定版)」では、離乳食開始の遅れや除去には、アレルギーを防ぐ成果のエビデンスがないとし、気にせず開始して異常がでたら医師の指導の元で進めていくように指導しています。
離乳食に使う釜揚げしらすの下ごしらえ|塩抜きは熱湯を使って行う
離乳食期は特に味付けや素材に含まれる塩分の摂りすぎへの注意が必要なので、下ごしらえとして熱湯で塩抜きをしてから離乳食調理に使ってください。
しらすの塩抜きの方法
- 耐熱性の器に釜揚げしらすを入れる
- 上から熱湯をかけて数分置いておく
- ザルに上げて湯切りする
少量の釜揚げしらすの場合は、茶こしに入れて上から熱湯をかけるだけでも塩が抜けますが、つけおきしたり茹でたりした方が塩分をしっかり抜けるのでおすすめです。
離乳食にはなぜ釜揚げ?しらす干しやちりめんとの違いは硬さや塩分
スーパーには「釜揚げしらす」「しらす干し」「ちりめん」といった名前が付いた「しらす」が売られています。
どれも同じイワシの稚魚ですが水分量が違い、少ないものほど硬く塩分濃度が濃いため、離乳食には調理の手間がそれほどかからず食べやすい釜揚げしらすがおすすめです。
- 釜揚げしらす(水分75%以上)
- しらす干し(水分65~72%)
- ちりめんじゃこ(水分50%以下)
水揚げした直後にふっくら茹でたシラス
茹でた後に軽く乾燥させたシラス
しらす干しをさらに乾燥させたもの
離乳食にしらす干しやちりめんじゃこを使う場合は、熱湯で煮てしっかりと塩抜きをし、食べやすい柔らかさに戻してから使いましょう。
しらすと小女子の違いは魚の種類!イカナゴの稚魚です
したすとよく似た魚に小女子(こうなご)があります。しらすはイワシの稚魚ですが、小女子は青皮魚のイカナゴの稚魚。ただし小女子もしらすと同様に初期の後半から食べられます。
スーパーに出回る小女子は、干してあるためしらす干しやちりめんと同様に硬いです。離乳食では鍋で柔らかくなるまで茹で戻し、塩分も抜いてから調理しましょう。
離乳食のしらすを冷凍保存する2つの方法
しらすも冷凍保存できる食材なので、離乳食に使う食材の冷凍保存テクニックをマスターしておくと、毎日の離乳食作りがとっても楽になります。
しらすを冷凍保存する場合は鮮度を保つために買って来たらすぐに冷蔵庫で冷やし、その日のうちに調理して冷凍保存してください。一度解凍したしらすの離乳食を再冷凍するのはやめましょう。
しらすの冷凍保存その1|塩抜き後に冷凍する方法
解凍後のしらすを普通に離乳食に使いたい場合の冷凍保存方法です。冷凍保存用の密閉袋に入れ、平らにしてから菜箸などで切り目を入れて冷凍してもOKです。
- しらすを塩抜きする
- ペーパータオルで水分を拭き取る
- 月齢に合わせた大きさに潰したり刻んだりする
- 製氷皿などに小分けにして冷凍する
しらすの冷凍保存その2|塩抜き後に粉末にして冷凍する方法
離乳食用のしらすを粉末にしてお粥と混ぜるふりかけにしたり、ハンバーグなどに入れて栄養価をアップするのに便利な冷凍方法です。
粉末にして冷凍すると固まらないので、使いたい量だけスプーンなどですくって使用でき、離乳食のだし代わりとしても利用できます。
- しらすを塩抜きする
- フライパンで空炒りして水分を飛ばす
- 粉末状にすり潰す(フードプロセッサーを使用してもOK)
- 瓶などの密閉容器に入れて冷凍する
離乳食初期のしらすおすすめレシピ&調理のポイント
しらすは離乳食初期から食べられる数少ないタンパク質のひとつです。豆腐の次にしらすを試すママが多いです。
離乳食初期では、他の食材と同じようにしらすをすり潰して与えましょう。しらすはそれだけで与えるよりもお粥や野菜に混ぜたりすることで食べやすくなります。
しらすと人参のトロトロ煮のレシピ
材料:しらす、熱湯、人参、和風だし
- しらすを熱湯で塩抜きする
- しらすをすり潰す
- 皮をむいた人参をレンジ加熱して柔らかくする
- 3の人参をブレンダーなどで離乳食の進み具合に合わせたペースト状にすり潰す
- 鍋に和風だしを入れて火にかけ、しらすと4の人参を加えしばらく煮る
離乳食中期のしらすおすすめレシピ&調理のポイント
離乳食中期になると1日2回食に進み、食材もみじん切りにしたものを食べられますが、赤ちゃんがまだ上手にモグモグできない場合は、引き続きしらすをすり潰して様子を見ましょう。
しらすも基本はみじん切りで与えられますが、固いちりめんを使用する場合は長めに茹でて柔らかくしたり、すり潰したりして与えてあげましょう。
豆腐のしらすとブロッコリーあんかけのレシピ
材料:しらす、熱湯、豆腐、ブロッコリー、和風だし、水溶き片栗粉
- しらすを熱湯で塩抜きする
- 1のしらすをみじん切りにする
- ブロッコリーを離乳食中期に食べやすい柔らかかさに茹で、房の部分をみじん切りにする
- 豆腐を食べやすい大きさに切り、茹でる
- 鍋に和風だしを入れて火にかけ、しらすとブロッコリーを加える
- 暫く煮てから水溶き片栗粉でとろみをつける
- 豆腐を器に盛り、6を上からかける
しらすとキャベツのお粥のレシピ
材料:しらす10g、キャベツ5g、7倍粥50g
- 下ごしらえしたしらすをすり潰す
- キャベツの葉の柔らかい部分を茹でて2~4mmのみじん切りにし、7倍粥に混ぜる
- 中央に1をのせ、混ぜながら食べさせる
しらすと豆腐のミルク煮のレシピ
材料:しらす5g、絹ごし豆腐20g、調乳した粉ミルク小さじ1杯
- 下ごしらえしたしらすをすり潰す
- 豆腐を粗く崩し、粉ミルクを加えて電子レンジで30秒加熱し、熱いうちに荒くすり潰す
- 1と2を混ぜる
しらすのミネストローネのレシピ
材料:しらす5g、トマト15g、ピーマン5g、玉ねぎ5g、ダシ40㏄、片栗粉少量
- 下ごしらえしたしらすを包丁で粗くきざむ
- トマトの皮を湯剥きしてすり潰す
- 玉ねぎとピーマンを2~4mmのみじん切りにする
- 鍋にダシと1~3を入れて弱火にかけ、野菜が柔らかくなるまで煮る
- 煮汁が減ってきたら水溶き片栗粉と回しかけてとろみをつける
離乳食後期のしらすおすすめレシピ&調理のポイント
離乳食後期になると、しらすをそのまま与えても歯や歯茎でかみ砕いて上手に食べることができる子が増えてきます。
ただし、個人差がありますので赤ちゃんの様子を見ながら、食べるのが難しいようなら粗く刻んで食べさせてあげましょう。
離乳食後期になると手づかみ食べをし始める赤ちゃんもいます。手つかみ食べは、一人で食べる練習だけでなく手先の器用さを鍛えたり、食の自立に繋がったりしますので、時間の許す限り好きに食べさせてあげましょう。手づかみ食べの練習には、おやき、パンメニュー、麺類などがおすすめです。
しらすうどんのレシピ
材料:しらす、熱湯、茹でうどん、小松菜、和風だし
- 熱湯でしらすを塩抜きした後、適当な大きさに刻む
- うどんを離乳食用に塩抜きして下ごしらえし、食べやすい大きさに刻む
- 小松菜を柔らかく茹でて適当な大きさに刻む
- 鍋に和風だしを入れて火にかけ、しらす・うどん・小松菜を入れてうどんが柔らかくなるまで煮込む
しらすと野菜のオムレツのレシピ
材料:しらす5g、人参5g、ホウレン草5g、卵1/3個、牛乳少々
- 下ごしらえしたしらすを包丁で粗くきざむ
- 人参とほうれん草をみじん切りにする
- 2を耐熱容器に少量の水と一緒に入れ、電子レンジで1~2分程度加熱して柔らかくする
- 卵を割りほぐして牛乳を混ぜ、1、3を加えてよく混ぜ合わせる
- フライパンで4を折りたたむように焼いて卵の中心まで火を通すが、心配な場合はさらに電子レンジで10秒加熱する
- 5を食べやすく切り分ける
離乳食完了期のしらすおすすめレシピ&調理のポイント
離乳食完了期には、しらすをそのままの大きさで食べさせられるようになります。
完了期に入るとお粥を卒業し柔飯に進む赤ちゃんが増えますが、しらすを粉末状にした「しらすふりかけ」を軟飯にかけたり混ぜたりする「しらすおにぎり」はおやつにもおすすめです。
しらす入りひじきの煮物のレシピ
材料:しらす、熱湯、乾燥ひじき、人参、和風だし
- 乾燥ひじきを下ごしらえして離乳食で食べられる状態にもどす
- 熱湯でしらすを塩抜きする
- 人参を食べやすい長さの細切りにする
- 鍋に和風だしを入れて火にかけ、ひじきと人参を入れてしばらく煮る
- 最後にしらすを加えなじませる
しらす入りミニおにぎりのレシピ
材料:しらす15g、軟飯80g、焼き海苔少量
- 海苔を2cm角に切る
- 軟飯に下ごしらえ済みのしらすを混ぜて1口大に丸め、海苔を巻くようにつける
しらす入りかぼちゃサンドのレシピ
材料:かぼちゃ40g、しらす15g、牛乳小さじ1、サンドイッチ用の食パン1枚
- 下ごしらえしたしらすを包丁で粗くきざむ
- 皮をむいたかぼちゃをラップで包み、電子レンジで加熱して柔らかくする
- 熱いうちに2をつぶし、1と牛乳と混ぜる
- 食パンに3を塗り、サンドしたら切り分ける
参考文献